やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編33話です。


41ー33話ーテニス勝負。八幡・雫対葉山・三浦。②

ーーーテニスコートにて。

 

「0ー15」

 

戸塚の声がテニスコートに響く。葉山・三浦ペアに先取点が入る。八幡はわざとボールに触れなかった。目配りを事前に雫と交わして、わざと触れなかった。

 

葉山・三浦コールが鳴り響く。

 

「HA・YA・TO・トゥー HA・YA・TO・トゥー YU・MI・KO・トゥー YU・MI・KO・トゥー~~~」

 

ウェーブ合戦と比企谷コールが鳴り響く中、八幡、雫ペアと葉山、三浦のラリーが激しく続く。

 

八幡と雫は、葉山と三浦の動きやクセ等を見るために、わざと向こうが有利にさせているのだ。葉山と三浦はそんなことに気がつくはずもなく、自分達が有利だと勘違いしていく。

 

八幡は雫を見る。別状彼女のスタミナ切れを気にする必要もなくピンピンとしている。当たり前だろう、剣道やバスケで鍛えたスタミナである。サッカー部を辞めてから時間が経っている八幡よりもスタミナはあるのは当たり前である。

 

そんな八幡の視線を感じたのか雫は話しかける。

 

「八幡、何かしら?」

 

「まだまだ大丈夫そうだなってな」

 

「私なら心配しないで。バスケ部で鍛えてるから。それより八幡の方こそ大丈夫なの?」

 

「ふっ、大丈夫だ」

 

と八幡は答えたが、ここ最近身体を鍛えてなかったから、体力が落ちてることには違いない。持久戦に持ち込まれたら、自分達が負けると考えていた。そんな時放送室から、BGMが高々と鳴り始めた。葉山と三浦もいきなりBGMが鳴り始めたからびっくりしている。葉山コールのギャラリーも驚いている。

 

しかし比企谷コールを繰り返していた者達は、歌い出す。もちろん、綾香とその親友達も歌い出す。

 

「これって…綾音や八幡達が良く歌っているアレ!」

 

「………あじな事を…ふっ、この歌を聞いたからには、負けられないな」

 

八幡は一瞬眼を瞑り、そして眼を開く。そこには、いつものやる気無しの眼ではなく、炎が宿った眼になっている。そして八幡は、ラケットを2人に向ける。

 

「葉山、三浦、すぐに終わらせてやる」

 

「な、何なの!フン、アンタらが負けてるのがわからないわけ?」

 

「負けは貴女達よ!」

 

「ふざけるなし!」

 

「優美子、待て!」

 

葉山の制止を無視して、三浦はジャンピングサーブを打つ。ボールは八幡の方へ飛んでくる。だが簡単に打ち返す。打ち返されたボールは、葉山の場所へ飛んでいく。

 

葉山は返すのがやっとで雫に簡単に決められる。

 

「15ー15」

 

八幡と雫は、ハイタッチをかわす。葉山は、あれが比企谷八幡という人物だと言うことをヒシヒシと感じていた。隣で、息を切らしながらイライラしている三浦。

 

それに比べて、八幡と雫は、息を切らしていない。それどころか連携力は益々上がっている。八幡の指し手の能力が雫の能力を引き上げている。

 

葉山コールを上げていた連中の中にも、何か思い出したように

 

「あれってもしかして、総武中の指し手の八幡…じゃないのか?」

 

「なんだ?指し手の八幡って?」

 

「知らないのか?総武中…海浜総合高校では、比企谷八幡の熱狂的なファンが存在すると聞いたことがある」

 

「熱狂的なファン?あの陰キャみたいなヤツが?それって葉山じゃないのか?」

 

「違う…あの眼で思い出した。あの眼は対戦相手を震え上がらせるって…対戦したヤツが言っていた」

 

ギャラリーが段々と騒がしくなる。葉山コールのウェーブが小さくなり、比企谷コールが勢いを増してきた。

 

「…何で、あーしらが陰キャのヒキタニに押されなきゃならないわけ!」

 

「やはり…比企谷は違うな…。流石、あの海浜の女子テニス部のエースを育てただけはある…いや彼女達だけじゃないか、目の前の八重樫さんだって」

 

「海浜のエース?誰だし?」

 

「優美子も中学時代に対戦してるはずだよ。名前は高梨七海さん」

 

「え?えっ!?隼人、それってなんか関係があるわけ?」

 

「彼女を指南したのが比企谷と言われているんだ。つまり俺が言いたいのはわかるよね?」

 

「まさか、あのヒキタニが?」

 

すぐに八幡達からサーブがくる。だが葉山と三浦には反応ができなかった。早くてテニスボールが見えなかった。

 

「30ー15」

 

八幡・雫ペアにまた点数が入る。流れも完全に彼らに渡してしまった葉山達。

 

「40ー15」

 

次のサーブでもあっさりと決められてしまう。八幡・雫ペアはすでにマッチポイントで次決めれば勝利である。

 

「八幡、サーブを打ってもいい?」

 

「うん?別に構わないが?」

 

「ありがとう、八幡」

 

雫がニヤリと口元が緩んだ。八幡は何をするんだと思ったが、彼女のサーブは、三浦に向かって飛んでいく。だがただ三浦に向かって行くわけではない。ボールはワンバンドとして、あらぬ方向へ跳ねた。それはフェンスの方へ。

 

三浦はフェンス側へボールを見ながら走る。本人は気づいていない。このままではぶつかる。

 

「優美子、下がれ!」

 

葉山がラケットを捨てて、走り出す。

 

一瞬2人が見えなくなる。そして再び2人の姿を見た時には、フェンスに背中をぶつけて、三浦を庇うかのように抱き抱えていた。彼女は赤い顔をしながら控えめに彼の胸元をちんまりと握っている。

 

瞬間、葉山ギャラリーから大歓声と割れんばかりの拍手が送られる。葉山ギャラリー全員総立ちのスタンディングオベーション。

 

葉山は腕の中で縮こまる三浦をよしよししと撫でた。三浦の顔がいっそう赤く染まる。

 

試合は八幡・雫ペアが勝利した。だが葉山・三浦ペアに完全におかぶを奪われた感じになっている。もちろん比企谷コールはあるものの、テニスコートのフェンスのところでイチャイチャされているからだ。

 

こうして、テニスの勝負は終わりを迎えたのだった。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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