やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編36話です。


44ー36話ー平塚春雪。

ーーー屋上

 

男は、女性教師に押さえられる。自殺しようとしている生徒がいるのだから止めるのが当たり前だ。

 

「こんなところで死んだら、一生負け犬なままだぞ!悔しくないのか、諦めるのか?」

 

「もう疲れたよ……生きるのにも何か…どうでも良くなったし…」

 

「馬鹿を言うな春雪!お前が死んだら姉さんや義兄さんが悲しむぞ!」

 

「静さん、母さんや父さんは…僕なんか大事じゃないよ。優秀な姉さんや妹にしか目はないよ」

 

男の名前は、平塚春雪、高校2年生。総武高校では、陰キャラ側の人間である。容姿はオタクっぽい雰囲気である。オタクっぽい雰囲気ではあるが、過去に3回彼女がいたのだから驚きである。それは中学時代はテニス部に所属していて、好成績を残しているのもあるだろうし、勉学もトップクラスなのだから。だが長続きはしなかった。サッカー部のイケメンことに取られたからだ。

 

弱小だったサッカー部の活躍もあり、総武東中ではサッカー部が人気が上昇していた。その中で別のイケメンである葉山が活躍していたこともあり、葉山人気が上がっていったのだ。

 

総武東中では、サッカー部よりもテニス部が強かったはずだが、あまり見向きもされなくなった。

 

そして4番目の彼女は、高校で初めて出来た彼女だったが、結局は同じような理由で別れることに。春雪の中の何かが切れたのだ。そして音と共に崩れ去っていく。春雪は、高校に入ってイジメられている。それでも彼女のいる手前言わなかった。言って彼女に心配なんかさせたくなかったからだ。

 

間接的にまた葉山のようなイケメンに彼女を取られた形になってしまった。

 

だから葉山憎しの憎悪がわき出てきている。しかし一方で諦めた感じもあり、生きる気力も失い自殺も選択肢に入れていた。

 

「スポーツも勉学もいくら頑張っても、父さんや母さんの目には止まらない。学校でも家庭でも居場所の無い僕は…必要の無い人間なんだ。だから…死なせてくれ、静叔母さん…」

 

春雪の叔母である平塚先生は、思い切り彼のほっぺたを叩いて、そして抱き締めた。

 

「この世に死んでいい人間はいない。無駄な命なんか無いんだ。お前が死んで悲しまない人間がいないだと?姉の雪子はどうだ?一番お前を可愛がっていたあいつを悲しませるつもりか!」

 

「…あ…っ…うっ…」

 

春雪は、姉雪子の事を思いだし、涙を流した。彼女は、家族の中でも春雪を可愛がって世話していた。中学時代、彼女にフラレた時も慰めていていたのだ。

 

春雪も雪子が悲しむ姿は見たくないのだ。彼女にはずっと笑っていてもらいたいからだ。

 

「僕は…何て事を…うっ…!」

 

「春雪、我慢する必要は無いぞ。私のここで泣いて良いからな」

 

春雪は平塚先生の胸で大泣きした。今までは泣いてたまるかという気持ちが強かった。だが今日、彼女にフラレたことで、我慢する理由が失った。だから一時は死を選ぼうとした。だが姉雪子の顔が浮かび死ぬ事が怖くなった。しばらく泣いて落ち着きを取り戻した春雪は平塚先生に謝る。

 

「静さん、ごめんなさい」

 

「わかればいい。だがお前の障害となるものを除去しなくてはな。あいつらに頼むことにするか。それと姉貴達に関しては、雪子に言ってもらうとして…」

 

「あ、あいつら?雪子姉さんに言ってもらう?」

 

「な~に、お前のためになるところにだ」

 

春雪はそして平塚先生によってとある教室へ連れていかれる。

 

そこは何と奉仕部であった。平塚先生は、ノックをせずに教室の内部に入る。

 

「平塚先生、入る時には、ノックをしてくださいと何度言えばわかりますか?」

 

「悪い、悪い。緊急の依頼が入ってな。それでついついな」

 

八幡と結衣は、自分達の事をしながら平塚先生の話を聞いている。

 

「入って来なさい、春雪」

 

「はい、静さん」

 

廊下にいた春雪が奉仕部へ入って来た。八幡と結衣もこちらを向く。

 

「雪ノ下、比企谷、由比ヶ浜、揃っているようだな」

 

「平塚先生、彼は依頼者なのですか?」

 

「ああ、私からの依頼だ。彼の名前は平塚春雪、私の甥でもある」

 

「平塚先生、それでその甥の依頼とは何ですか?」

 

「比企谷、先生は嬉しいぞ、やる気をだしてくれることをな」

 

「やるかどうか、まだ判断をしてませんが?」

 

「まあ、そう謙遜しなくてもいい。それでお前達に依頼したいのは、甥の春雪の自立と自信を取り戻してほしいのだ」

 

「自立と自信を回復させる事ですか」

 

雪乃は、春雪を見る。だが彼に睨まれる。

 

「平塚先生、彼は何故睨んでいるんですか?」

 

「アハハ、これには、色々わけがあってな…」

 

平塚先生は、事の経緯を話す。それも春雪が許した範囲で。

 

「なるほど、先程…フラレたから自殺しようとしたと…」

 

「自殺するって、フラレただけで?」

 

「由比ヶ浜、お前な…男にも色々いるんだよ。すぐに乗りかえるヤツもいれば、引きずるタイプも。それに付き合ってたんだろ、それで振り方も…その女…最悪だな」

 

「とにかく、春雪の事は任せたぞ!」

 

そう言って平塚先生は奉仕部の教室から去っていく。

 

「雪ノ下、どうするんだ、この依頼?」

 

「平塚先生から直に頼まれた依頼。やらないわけには、いかないでしょう」

 

「ゆきのん、具体的にどうすれば良いのかな?」

 

雪乃と結衣は、八幡を見ている。つまり助け船を出せみたいな感じである。八幡は、ため息を吐いてから春雪に話しかける。

 

「俺は、2ーF組の比企谷八幡だ。なんだ、よろしくな」

 

「僕は先程叔母から紹介があった、平塚春雪、クラスは、2ーB組…」

 

「私は、雪ノ下雪乃…2ーJ組」

 

「あたしはヒッキーと同じクラスで由比ヶ浜結衣って言います」

 

自己紹介を終えた後、春雪は雪乃や結衣と話していたようだが、言葉に鋭さが混じっているのだ。彼の中に信用しないというのが感じ取れる八幡であった。

 

 

 

奉仕部の活動が終わり、春雪は1人で帰っていく。雪乃と結衣は先に出て、八幡は戸締まりをしてから出る。

 

「……あの平塚の目…あれは…女子を信用していない目…。雪ノ下や由比ヶ浜を見る目と俺を見る目が違う…。さて…どうしたものか…」

 

八幡は、誰もいない黄昏に染まる特別棟の廊下で真剣に考えていた。

 

考えながら歩いていると、めぐりと偶然出会った。

 

「あら?八幡君どうしたの、そんなに真剣な顔で?」

 

「あ、めぐり先輩…今帰りですか?」

 

「うん、生徒会のお仕事をさっき終えて帰るとこだよ」

 

「そうだったんですね」

 

「八幡君、また1人で抱え込んで無いよね?」

 

「……めぐり先輩…にはわかってしまうかな…。今、ある男子生徒の依頼で悩んでいます」

 

「依頼…それって、奉仕部のお仕事なの?」

 

「まあ、そうですね…。平塚先生からの直の依頼だから、やらないわけにはいかないんですよ」

 

「平塚先生から…」

 

八幡とめぐりは、一緒に帰りながら今回の件を話す。

 

「その平塚君の自立と自信を取り戻すのが依頼なの?」

 

「ええ、4回フラレたってのは、どうもあの葉山が関連してるみたいですし」

 

「葉山君が?」

 

「直接じゃないですよ、間接的ですが…。彼女がまあ葉山に夢中になってふったんでしょうが」

 

八幡は、過去に告白してきた女子達の事が頭に浮かんだ。形はどうであれ、ふったのには違いないのだから。

 

「う~ん、そればかりはどうしようもないわね」

 

「これは…ですね。本題はイジメの方ですね」

 

「イジメ!?」

 

めぐりの表情が曇り始めた。当たり前だろう。めぐりは生徒会長であり、そういう問題は早急に対処しなければならない案件である。なのに生徒会にそんな案件は上がって来ていない。八幡に聞くまでわからなかった。人一倍頑張っているめぐりであっても全てをカバーはできない。だから八幡は

 

「めぐり先輩、1人で抱え込まないで下さい。少しは俺を頼って下さい。先輩には恩がありますから」

 

「八幡君……そうね…雫さんに睨まれない程度でね」

 

「…それは…まあ…」

 

めぐりは、あのテニス勝負事件を言ってるのだと八幡はすぐにわかった。

 

「まあ、あのテニス勝負には色々とありまして」

 

「知っているわよ」

 

「そうですか」

 

めぐりの上目遣いに、八幡はドキッとしてまうが、

 

「ふふっ、イジメの件は生徒会と教職員で何とかやってみせるから」

 

「めぐり先輩、無茶だけはダメですよ。奉仕部としても助力します」

 

「ありがとう、八幡君」

 

八幡とめぐりは、これからの事を話ながら帰っていく。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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