やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編40話です。


48ー40話ー久方ぶりの奉仕部。

ーーー職員室→特別棟・奉仕部の教室

 

八幡が職員室から出てすぐに、スマホの着信が鳴る。知らない番号だったが、彼はすぐに通話ボタンを押す。

 

「もしもし、どちら様?」

 

「ヒッキー?一体どこにいるわけ?」

 

「どこって、奉仕部へ向かっている。というか由比ヶ浜、なんでお前が俺の番号を知っている?」

 

「電話番号、ゆきのんから聞いたし!」

 

葉山、三浦とのテニス勝負の時、雪乃から電話があった。その時、彼女は平塚先生から聞いたと言っていた。その彼女から由比ヶ浜が番号を聞いてもおかしくはないだろう。

 

「で、なんか用なのか?」

 

「ヒッキー、近頃部活に来ないし…何かあったのかなって」

 

「別に何もないが?」

 

八幡は歩きスマホをしながら喋っている。特別棟に入るとガラリと人がいなくなる。

 

「もう特別棟に入ったからもう切るぞ」

 

「うん、わかった」

 

八幡はスマホの通話を切る。そして歩くスピードをあげて、奉仕部の教室に向かう。

 

 

奉仕部の部室の扉を開けると、いつものように雪乃と結衣がそこにいた。

 

雪乃はいつものように本を読んでいて、結衣はスマホをいじっていた。

 

「よぉ~、久しぶりだな」

 

「比企谷君、こんにちは」

 

「ヒッキー、久しぶり…」

 

「貴方、もう来ないと思ったわ」

 

雪乃は、再び毒のある言い方をしてきた。相変わらずの雪乃ぶりで、ある意味安心した八幡であった。

 

彼はいつもの自分の椅子に座る。本を鞄から取り出して読み始める。しばらく本を読んでいると、スマホにメールが送られてくる。

 

どうやらスパムメールのようだった。八幡はすぐにスパムメールを消して、顔を上げると、結衣がスマホ片手に曖昧な笑みを浮かべて、うっすらと誰にも聞こえないような、けれども深い深いため息をついていた。息を吐く音は聞こえないが、胸が大きく上下したので、その深さに気づいてしまう。

 

「由比ヶ浜、どうかしたのか?」

 

「あ、うん……なんでもない、んだけど。ちょっと変なメールが来たから、うわって思っただけ」

 

「比企谷君、裁判沙汰になりたくなかったから今後そういう卑猥なメールを送るのはやめなさい」

 

内容がセクハラ前提で、しかも犯人にされる八幡。彼に送られて来たのも、セクハラまがいのスパムメールだったからだ。だからと言って犯人にされる覚えはないのだから。

 

「なんで、そんなことをしないといけないんだ?意味がわからない」

 

八幡がそう言うと、雪乃は勝ち誇った顔で肩にかかった髪をさらっと掻き上げた。

 

「犯人はみんなそう言うわね。【証拠はどこにあるんだ】【大した推理だ、君は小説家にでもなった方がいいんじゃないか】【殺人鬼と同じ部屋になんていられるか】」

 

「おい…最後のは被害者の台詞だろ?」

 

雪乃は自分で墓穴をほった。だがそれを認めようとせず、八幡に惚けた態度を取る。それどころか本をパラパラとめくっている。どうやら推理小説を読んでいたようだ。

 

「ヒッキーは違うと思うよ。あんな綺麗な彼女がいるわけだし」

 

結衣が突然そんなことを言った。すると雪乃が本をめくっていたのを止める。

 

「確かに八重樫雫さんだったかしら」

 

「んーなんちゅうかさ、内容がうちのクラスのことなんだよね。だからヒッキーは無関係って言うか…」

 

「無関係って俺はお前と同じクラスなんですが」

 

「なるほど、では比企谷君は犯人じゃないわね」

 

「それは何か…俺がクラスでぼっちだからか?」

 

「まあ…それは言えてるかしらね」

 

同じクラスの戸塚とは話す間柄だか、親友と呼べるものではない。連絡先を知っている材木座、陽介は他クラスだから関係ないし、綾香や完二は1年生だから問題外。

 

八幡がそんなことを考えていると、結衣が

 

「……まぁ、こういうの時々あるしさ。あんまり気にしないようにする」

 

そう言ってスマホを制服のポケットに入れた。その様はまるで自分の心に蓋をするかのようなものであった。八幡は何だか重々しくもあった。

 

彼に届いたのは、あくまでも宣伝用スパムメールであったが、結衣のはクラスのことのようだ。

 

クラスからのメールが来ない八幡にとっては、結衣にきたメールがどんなものか知ることは出来ない。それを彼女から聞き出すことは、安易ではないだろう。

 

楽しいもの、嬉しいものであるならば、人は他人に教えたがるが、逆に不愉快な事が書かれていれば、他人に言いたくはないだろう。結衣はあれ以降、スマホを手に取ることはなかった。

 

「……暇」

 

暇つぶしのアイテムであるスマホが封じられてたことにより、結衣はだらーっとだらしくなく椅子の背もたれに寄りかかる。そうしていると、胸が強調されていて、男子達は目のやり場に困るだろう。だが八幡は別に平常心は失われない。

 

緑子や綾香など巨乳の女の子をずっと見ていたし、彼女の雫の胸を見てるからその当たりは慣れているのだ。その点雪乃は、病気で痩せこけてしまった綾音よりもないので、目のやり場に困ることはない。

 

彼女は、本を閉じながら結衣を諭すように言う。

 

「することがないのなら勉強でもしたら?中間試験まであまり時間がないことだし」

 

八幡は、雪乃がそう言ったことで、もうすぐ中間試験があることを思い出した。だが慌てる必要は無いのだ。彼はちゃんと授業で大事な場所なんかは、頭に覚えているのだから。それは雪乃も同じようなものなんだろうと、彼は思った。なんせ1位を争うライバルだから。

 

「比企谷君、今度こそ…貴方を引きずり下ろすわ」

 

「ぬかせ!俺はお前に負けるつもりはない。今回も1位を取らせてもらう!」

 

八幡と雪乃の台詞に結衣は、アハハと苦笑いをしている。どうやら彼女も試験の事を忘れていた表情をしているのだ。そして

 

「勉強とか、意味なくない?社会に出たらつかわないし…」

 

【「は……?」】

 

結衣の言葉に八幡と雪乃は、互いにそんな声をあげてしまったのだった。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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