やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
翌日から、戸部、大和、大岡の3人の様子を見ることに。戸部は置いといて、大和と大岡の様子を見ないと、心で呟く八幡であった。
小町、綾香よりも早く起き、学校へ出かける準備をする。なぜそんなことをするのかは、野球部である大岡とラグビー部の大和の様子を見るためでもある。
野球部もラグビー部も朝練をしている。放課後は主にサッカー部が練習にするので、早めに練習をやっておきたいからだ。
だがすぐに肝心なことに気がつく。
中間テストだ。中間試験で部活動は全て休みに入っている。つまりどこの部活動も放課後の練習ももちろん朝練などやるわけがない。
やる気が半分失いかけた八幡だが、教室で調べるしかないと思ったのだった。
昼休み、いつもの場所には行かず、大人しく弁当を食べていると結衣が話しかけてくる。
「とりあえず、あたしが色々聞いてみる。…だ、だから、ヒッキーは全然無理とかしなくていいから。むしろなんもしなくていいから」
「……そりゃあ、その方がいいが……かと言ってお前に全部出来るのか?」
「や、やれるよ!ゆきのんのお願いだもの。やらなきゃ」
「…雪ノ下にお願いされたーか…」
結衣のやる気はみなぎっているようだが、このやる気は逆に空回りしそうなやる気だと八幡はため息を吐きながら結衣に言う。
「やる気は認めるけど、具体的に何をするつもりだ?」
「んー女子から聞いてみる。クラスの人間関係とかなら女子の方が詳しいし。それに、共通の嫌なヤツの話とかすると、結構盛り上がって色々と話してくれるし」
「相変わらず、ガールズトークが怖いな……」
そんな会話は、綾音達で経験済みである。その内容がえげつない事もわかっているのだ。
「そんな黒い話じゃないってば!その愚痴、というか情報交換…?」
「ものは言い様だからな…ガールズトークがえげつない事は知ってるから」
八幡がそう言うと、結衣が鋭い視線で見てくる。
「……あの時の海浜の3人や八重樫さんね」
「…雫は覚えていて、海浜の3人って…名前ぐらい覚えてやれっての。それとも覚えてないのか?」
「……山岸緑子、高梨七海、折本かおり…」
結衣はいやいやながらも彼女達の名前を挙げた。
「覚えてるじゃないか」
「彼女達の事は、今はどうでもいいから!とにかく、ヒッキーは何もしなくていいから」
そう言うと結衣は、葉山グループ内の女子グループである三浦グループに行ってしまう。
「お待たせ!」
「あ、ユイー。おっそいから!」
三浦をはじめとするグループの女子達は、気だるそうに返す。
「てかさー、とべっちとか大岡君とか大和君とか最近微妙だよねー。なんかこうアレな感じ?って言うか…」
八幡は、結衣の直球の言葉に操作していたスマホを落としそうになった。
「え…ユイってそういうこと言う子だっけ?」
そう言って一歩引いたのは、海老名であった。そして三浦がきらっと目を輝かせて、ここぞとばかりに攻勢に出る。
「あんさー、ユイ。そういうのってあんまりよくなくない?トモダチのことそう言うのやっぱまずいでしょー」
「ち、ちがっ、ちがくてっ!その、気になる、というか」
「なに、あいつらの誰か好きなん?」
「全っ然違う!気になる人はいるけど……それはアレな人だし……はっ!」
しまった!という表情の結衣とそれを三浦がニヤリと笑うのが同時であった。
「え、ユイ……誰か好きな人できたん?言ってみ?ほれほれ。協力するから!」
「だ、だから!そうじゃなくてっ!気になるのはあの3人の関係性?っていうの?なんか最近妙だなーって思うの!」
「んだ、それか。つまんね!」
あからさまに興味を失う三浦。スマホをチャカチャカと操作を始める。だが、違う女子が食い付いてきた。それはメガネ女子の海老名である。
「わかる。ユイも気になっていたんだ……。実はあたしも……」
「そうそう!なんだかギクシャクしてるってさ!」
「わたし、思うんだけど」
海老名は深刻そうな表情でため息を1つつく。
「わたし的に絶対とべっち受けだと思うの。で大和君の強き攻め。大岡君は誘い受けね。あの三角関係絶対何かあるよ!」
「あ、わかるわか………うぇ?」
「でもね、でもね、絶対3人とも隼人君狙いなんだよ!くぅ~友達のためにみんな一歩引いている感じ。キマしたわぁ~」
海老名はずっとBLの話をして、テンションが上がりっぱなしになっていて、鼻血まで出している。結衣は、海老名の勢いに押されて困っていると三浦が
「はぁ~出たよ、海老名の病気。おめ、黙ってれば可愛いんだからちゃんと凝態しろ鼻血拭けし」
そんな状態を見ていた八幡は、自分の机に視線落として、ため息を吐いた。結衣は、そんな彼を見てごめんと謝った。
全然何も得るものはなかった。海老名のBL好きな情熱がすごいとわかっただけ。
休み時間は、予鈴、本鈴を含めて3分もない。八幡は、戸部、大和、大岡に視線を移す。
3人は、葉山を含めて窓際に陣を取っている。葉山が窓際に寄りかかり、それを囲むようにして戸部、大和、大岡がいる。ここからわかることは、葉山がリーダーであり、キングということだ。そしてその3人にも役割があるようだ。
「で、さ。うちのコーチがラグビー部の方にノックを打ち始めて!やばかったわ!。硬球なのによ」
「……あれはうちの顧問もキレてた」
「マッジウケんだけど、っつーか、ラグ部とかまだいいわ。俺らサッカー部やべーから。いぃーややばいでしょ、外野フライ飛んでくるとかヤバいでしょ!そういや…陽介が外野フライ取ったわ!けどサッカーボールを蹴り損ねたあれ、ある意味激アツだったわ」
大岡が話を振り、大和がそれを受ける。そして、戸部が盛り上げる。よくできた演劇のようだ。
人生は舞台
シェイクスピアの言葉である。
まさしく人は与えられた役をこなしているようだ。
そしてこの舞台の監督と観客は葉山隼人だ。葉山は時には笑い時には話題を提供し、時に一緒になってはしゃぐ。
八幡はずっと葉山と3人を観察してとある事に気がついた。
1人が今、見えないように舌打ちをする。
また1人は、隣のやつが会話を始めると急に黙り込む。
またある1人は、つまらなさそうにスマホをいじる。あまりこの話題に割り込んでこない。
八幡はこれ以上の収穫も無さそうだなと思っているとき、葉山が席を立って
「悪いちょっとごめん」
葉山はそのまま八幡の方へやってくる。
「どうした、葉山?」
「いや、なんかわかったのかなって思ってさ」
「まだ大した情報は無い」
そう言って八幡は、葉山の抜けたグループを見てみると、意外な光景が広がっていた。3人ともスマホをいじってていた。そして時々葉山の方を見ている。八幡は、頭の中に閃きが輝く。
「どうかしたか?」
「謎はすでに解けたぜ」
八幡はそう言って、葉山にニヤリとスマイルを見せるのだった。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは