やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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プロローグです。


プロローグーバレンタインデーでの告白。

雅史達クラスメイト達に背中を押された八幡は、泣きながら去っていった雫を追って靴箱にやって来たが、どうやら彼女の靴は無かった。

 

「雫のヤツ…学校の外に出たのか?」

 

八幡は、学校の外の方を見ながらそう言った。彼は口を真一文字に閉めると、学校の外へ出るべく靴に履き替えてから学校から出る。

 

まだ通勤している社会人がいる中を探し回る八幡。それでもめげずに探し回す。

 

「闇雲に探しても見つかりそうにないよな……」

 

八幡は、雫が行きそうな場所を考える。考えるが中々答えが出てこない。

 

「くそっ、雫が行きそうな場所がわからない…」

 

雫は、よく香織と一緒にいる。彼女に聞く事も出来るが、今さら聞くことなど出来ない。そんな時、頭の中に綾音のある言葉が甦る。

 

【雫は、可愛いのが好きなんだよね】

 

「雫が可愛いのが好きなのか?アイツって女子の間でもカッコいいとか言われてるのにか?」

 

【八幡、周りからそう言われたてるけど、本当は可愛いのが好きだし、守られたいって思ってる女の子なのよ】

 

「そうなのか」

 

【そういうものだよ。だから見た目で判断してはダメだからね】

 

 

八幡は、はっと考え直す。そして1つの答えを導き出す。そしてその場所へと走り出す。

 

 

 

その頃雫は、街の商店街の中のゲームセンターのクレーンゲームの前にいた。

 

「私って何やってるんだろ。八幡君の心には綾音しかいないのに…。それはわかってるのに…」

 

今の八幡に告白をしても断れるのが目に見えている。クレーンゲームの前で下を向く雫。

 

「学校を抜け出してしまった…。ハァ~これからどうするのよ……」

 

「だったら、一緒にサボってみるか?」

 

「えっ!?」

 

「やっと追い付けた…やっと捕まえたぞ、雫!」

 

「八幡君!どうして…ここに?」

 

「……はぁ、はぁ…雫の行きそうな場所はここだと思ったんだ」

 

八幡は、息を切らしながらこのゲームセンターまで走って来たのだ。

 

「雫、さっきはゴメンな。あんなことを言って…」

 

「ううん、私こそ…。それよりサボろうって?」

 

「言葉のとおりさ。これから遊ぶってことだよ」

 

八幡は、このゲームセンターまで来るまでに、とある人物に出会った。それは、同じクラスメイトの材木座である。彼は、総武高校の推薦入試を受けにいく途中だったようだ。

 

 

 

 

【八幡、もう一度、自分の心がどうしたいのか、考えるといい。我は八幡がどんな答えを出してもそれを尊重する。だから頑張れ、八幡!自分自身の気持ちに素直になれ】

 

 

 

「俺の気持ち…」

 

 

 

八幡は、そっと考えた。綾音を喪ってどん底に落ちそうになった時、誰かにいてほしい時、雫は八幡の側に居続けていた。彼女は彼の哀しみを受け止めようとしていたのだ。そんなことがあり、八幡の心に変化が出始め戸惑いが出始めていた。

 

八幡は、雫に好意を持ち始めていた。だが本人は気付いていない。いや気付いていないフリをしていたのだ。

 

もしそれに気づいたら綾音に対して裏切りになるのではないか。

 

綾音の事を忘れてしまうのではないか。

 

そんな気持ちがぐちゃぐちゃと心を蝕んでいた。そして今日の学校の屋上で雫に言われた言葉。

 

【生気を失った屍みたいになっている】と。

 

八幡もその事は自覚していた。鏡を見れば、物凄い表情をしていた自分自身がいた。

 

綾音がまだ生きていた頃には、彼女に相応しい男になろうと、努力をしていた。その時と比べれば、かけ離れた自分自身だった。

 

八幡は、立ち止まってそっと考えた。今の自分の気持ちを。そして深呼吸をして、やっと気がついた。雫が好きになり始める自分自身がいることに。

 

「材木座、試験日なのにありがとな」

 

【ハチエモン、我はお主の友だ。立ち止まった友の背中を押すのも友の役目だ。さあ、行ってこい、我が友、八幡!】

 

ここに来るまでの話を雫に話した。

 

「材木座君がそんなことを」

 

「ああ、あいつは、雅史や光輝達以外で最高の友だな」

 

「八幡君の親友って材木座君も含めて色んな人がいるよね」

 

「そうだな」

 

雅史や光輝達のようなイケメンから材木座のようなオタク系の人間達もいる。周りから見れば、奇妙な感じはするかもしれない。だがそれが八幡のなせる能力なのかもしれない。

 

「で、さっきも言ってたけど、何して遊ぶの?」

 

「そうだな、真面目な雫に遊びを教えてやるよ」

 

「ま、真面目って…私は別にそんなんじゃ…」

 

「ほらっ、まずはクレーンゲームで欲しいものを取ってやる」

 

 

そんな感じで八幡と雫はゲームセンターを皮切りにバレンタインデーの日を楽しむことになった。

 

 

 

 

気がつくとすでに夕方になり、昼過ぎまで、小雪だったのが、本降りになろうかとしている。八幡と雫はそれだけ真剣に遊んでいたことになるが。

 

「もう、夕方だな」

 

「そうね、学校をサボって遊ぶのも悪くはないわね」

 

「まあな」

 

雪が降り始めた道路を傘をさしながら歩いている2人。もちろん傘はコンビニで購入したビニール傘。

 

「あ、私達、学校に鞄を置きっぱなしだよね!?」

 

雫は、学校に自分達の鞄等を置きっぱなしだということを思い出す。

 

「安心しろ、荷物は雅史達や香織達が自宅に届けてくれるそうだ」

 

八幡は、雅史から届いたメールを雫にも見せる。

 

【八幡、雫とのデートは楽しんだか?学校に帰って来なかったのは、上手くいったということで良いんだな?あ、そうそう荷物は、俺や香織達が責任持って自宅に届けたから安心してくれ】

 

「な、上手くいったかはわからないが…」

 

「ふふっ、雅史君らしいわね」

 

「ああ、アイツは俺の最高の親友だ。小さい頃から色々あったからな」

 

「幼稚園の頃からだったかしら?」

 

「ああ、俺と綾音の2人の中にアイツがやって来たのが最初だな」

 

「そうなんだね」

 

その後は、八幡も雫も無言のまま黙々と歩いている。そんな中雫が

 

「ねぇ、八幡君、私達って周りからどんな風に見えてるかな?」

 

「どんな風にって……。おそらく恋人同士に見えるかもな。相合い傘で歩いているわけだし…」

 

「そ、そうだよね……」

 

そう話しながら歩いていると小学生の頃に遊んでいた公園が見えてきた。この先の三差路で、八幡と雫は分かれなければならない。それは帰る自宅の方向が違うからだ。

 

「ねぇ、八幡君、ちょっと公園に入らない?」

 

「公園に?別に構わないが……」

 

八幡と雫は、雪降る公園の中に入る。

 

雫は真剣な眼差しで八幡を見ている。彼も雫が何を言おうとしているかをわかってしまう。

 

「八幡君、私の話を聞いてくれるかな?」

 

「ああ」

 

「ひ、比企谷八幡君、私は貴方が好きです」

 

雫に真剣な眼差しで告白され八幡の心に衝撃を与えた。

 

「綾音の事を忘れられないこともそれでも前に進もうとする貴方自身の心を…私は。返事は今すぐじゃなくても…いいから」

 

「雫、俺も好きになってると思う。自分自身でも驚いているんだ。雫に言われたことが、俺を前に進ませてくれたきっかけにもなった。まだ綾音の事を完全に吹っ切れたわけじゃない…。それでも良いなら…」

 

「うん、ありがとう、八幡君…」

 

こうして、八幡と雫は付き合うことになったのだ。




次回、プロローグ編ラストです。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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