やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編62話です。


70ー62話ー悪党達の落日。

 

決意の日から3日たったある日、八幡はとある喫茶店にいた。喫茶店といってもいつものメンバーで来る喫茶店ではない。

 

色んな輩かやって来る喫茶店、いわば情報収集の場にもなっている。そんなところに八幡は来ていて、マッ缶を飲んでいる。そんな彼の後ろの席に黒服のスーツを着こなした男性が座る。店員がすぐにやって来て注文を取る。注文の品はブラックコーヒーである。

 

すぐにブラックコーヒーは、スーツを着こなした男性に届けられ、彼が一口飲むと背後の八幡に話しかける。ただし八幡の方を見るのではなく、正面を見ながらで。

 

「お久しぶりですね、総武のウルフさん」

 

「こちらこそ、関の龍さん」

 

関の龍、関東の闇の世界で知らない人がいないくらいの情報屋。もちろん表の情報屋でもあるが。

 

関の龍とは、完二の問題の時に知り合った。

 

「総武のウルフ、貴方から呼び出しとは珍しいですね、何かあったのですか?」

 

八幡は関の龍にこれまで総武、海浜で起こった事件のことを説明した。そして彼は

 

「海浜の件では、当事者は逮捕されましたが、確かに裏では本当の黒幕がいるんじゃないかと言われてますね」

 

「黒幕!?学生が起した盗撮事件だけではないと…」

 

「ええ、彼ら学生達はただの駒、睨まれた時点でトカゲの尻尾切りと同じですね」

 

「トカゲの尻尾切り…」

 

八幡は奥歯を噛みしめる。悪党がよく分が悪い時に一番下っ端を切り捨てて助かるやり方。下っ端を切り捨てて、上の連中がのうのうとしている。そんなやり方が八幡は嫌いである。

 

「トカゲの尻尾切り、総武のウルフ、貴方は一番嫌いなやり方でしたね」

 

「俺は誰かの為なら、自分が犠牲になっても構わないって思っている」

 

「貴方の信念は変わりませんか。その信念が誰かを傷つけてしまうかもしれませんよ?」

 

八幡はふと雫の顔が浮かんだ。かつて綾音を喪い、絶望を淵から引き上げてくれた雫。そんな彼女に何かの不幸が訪れ始めているのは、バスケット部のユニフォームが盗まれたことで明白である。

 

「だからこそ…あいつに…雫に降りかかってきた火の粉を払ってやらないと。それが彼氏の役目でもあるからな」

 

「ふっ、なるほど。貴方の覚悟はわかりました。私が知り得る情報を教えてさしあげしょう」

 

 

八幡は関の龍から裏情報を教えてもらうことに。それは総武高校だけではなく、海浜総合高校、他の高校まで巻き込むような事件に発展していく。

 

 

 

八幡と関の龍が会って話してから1週間が経った時、総武高校で問題が起こる。

 

 

とある総武高校の男子生徒が、一般の住宅に侵入し下着を盗んでいるところを見つけられ、警察に現行犯逮捕されたのだ。その逮捕された男子生徒は、

 

【自分は命じられてやっただけ!】

 

〇〇に言われて、下着ドロをやっただけ。やらなければ、もっと痛い目に合されると、自身はイジメられているということも告白。

 

 

その証言を受けた県教育委員会は、総武高校に対してイジメ等を調査する第三者機関による調査委員会を設置することを通告。

 

何故こんなに話が早いのかは、八幡が人脈を使って総武高校を調査するようにさせたのだ。黒田綸子のイジメ調査からどんどんと悪党が上がってきたので、大人達の力を使うというか協力してもらったのだ。

 

もちろん生徒会長であるめぐりにも相談。総武高校が批判の的になるいう意味で頭を下げた。めぐりも生徒会長として、気付けなかったことを悔やんでいた。

 

そんなめぐりを八幡は励まし、彼女も生徒会長として責務を果たすと行動を起こす。そんな彼女を影から支える八幡であった。

 

 

それからまた2週間が経ち、第三者機関による調査委員会から中間報告が入る。

 

調査報告によると

 

総武高校内で複数のイジメが確認され、その中の女子生徒に対して悪質、かつ非人道的な行為を確認したとし

 

 

柳グループの生徒達

 

柳真子、町田靖子、高井留奈、山本リリィの計4人を重要参考人として調査を行い、本人達は被害者の黒田綸子をイジメていない悪ふざけの延長戦という主張を繰り返す。

 

学校側は、重要参考人柳達に無期限停学を言い渡し、問題解決まで停学を解かないと通告。

 

それと平行に黒田綸子に対して強制性交の疑いのある田中豪一、山本久政を任意で警察で取り調べも行われている。この2人は元々葉山グループにいたが、葉山との疎遠により離れた。

 

警察の取り調べにより、物的証拠を示され田中豪一、山本久政の両名は罪状を認めた。

 

2人は被害者に対して強制性交の罪で、逮捕される。

 

もちろん未成年なので実名報道は無かった。

 

 

この事件の発覚の発端になった下着ドロの犯人が言った供述も、柳達が被疑者をイジメており、下着を窃盗しろということ毎回言っていたという第3者の複数の証言があり、動画もあり。

 

物的証拠、証言、第3者に自分達の犯行を自供等を集められた。

 

柳達を追い詰めるモノは揃った。

 

裁判所から柳達に対しての逮捕状が出ており、自宅で停学処分をもらい謹慎していた4人は、それぞれの自宅にて通常逮捕された。

 

もちろん彼女達の実名報道は無かった。しかし、総武高校周辺や自宅周辺等では、実名報道されなくともバレてしまうのが実情だろう。

 

柳達を逮捕するにあたって、妹の杏子、平塚先生の甥の春雪が動き、影で八幡の戦友でもある、山中鹿之介、竹中半兵衛が見守っていた。

 

実際に2人を襲撃しようとした連中もいたが、山中、竹中の両名に撃退され、八幡に警察に突き出されていた。

 

 

田中豪一、山本久政が罪状を軽くするために供述したのかは分からないが、別の犯罪を供述。

 

それは、以前から問題になっていた盗撮事件のこと。その盗撮を行っているのが、沢田達不良グループであり、校舎裏を根城としていることを暴露。

 

不良グループのメンバーはリーダーの沢田、松野、山形、森屋と南部の5人と新しくグループに入ってた森崎の6人。

 

彼らは、総武高校の女子生徒達を盗撮しそれを売買していると供述。

 

警察はすぐに調査委員会に報告を入れ、調査委員会から学校に報告。

 

学校側はすぐに沢田達6人を無期限停学処分に。学校も緊急による休校を決め、マスコミや保護者会対応に追われる。

 

不良グループ沢田達6人を任意同行。6人中4人は任意同行に従ったが、2人は任意同行を拒否。山形と森崎の2人。

 

拒否した2人は、証拠を破棄しようとしていたところを身柄を拘束。2人とも逮捕。

 

2人が逮捕されたことに残りの4人の証拠も集まり、彼らを逮捕。

 

盗撮事件は、生徒会も調査していた事を第三者機関の調査委員会にも報告していた。

 

 

 

こうして総武高校の事件は、海浜総合高校や他校にも被害が及び夏前のインパクトある事件としては最大級であることには違いなかった。海浜総合高校の窃盗事件は、春先に起きていた事件の残党の人間がやっていたことだが、総武高校の沢田達に唆されてやったことを供述した。

 

総武高校は、校長、教頭、生活指導部の責任者は、辞職という形で事態を収めようと必死となる。しかし世間はそれだけでは許せないという雰囲気が出ていて、しばらくはピリピリとしていた。

 

すぐに総武高校に新校長や新教頭、新しく赴任された生活指導部の責任者を含めた総武高校の新体制は、生徒第一を考え、スクールカウンセラーを常駐させることを決め、学校再開の方針を打ち立てた。第三者機関の調査委員会の調査報告書など上がり、県教育委員会や第三者機関の調査委員会が学校再開の許可をだすまで少し時間がかかった。

 

それでも夏前には学校再開という流れという風になった。

 

全て解決したとは言えないが、八幡達や関の龍のおかげで解決していったことには間違いはない。

 

だがそれを誰かが知る由もないが、黒田杏子と平塚春雪は、総武の狼が八幡だということを知ってしまった。

 

知ってしまったからと言って何かをすることはない。直接会ったわけじゃない、間接的に関わっただけだ。

 

ただ彼に感謝をするだけであった。

 

 

 

世間ではこのことばかりで、総武周辺は目立つようになるが、人の噂も75日。世間が夏休み前に入ると次の話題に変わり、総武の事件も忘れ去られていくのであった。

 

 

学校が再開されとある日の放課後、八幡は屋上にいた。

 

夕方になったとはいえ夏前なので暑い。そんな中八幡はとある人物を待っていた。その人物は屋上の扉を開けてやって来た。

 

「待たせたかな、比企谷君?」

 

「いや、俺もいま来たところだから、黒田さん」

 

八幡が呼び出したのは、黒田杏子。彼は彼女に用があるから呼び出したのだ。

 

「それで、私に用というのは?」

 

「いつか落とした君の生徒手帳…いや黒田綸子さんの生徒手帳かな」

 

八幡は自分のポケットから【黒田綸子】の生徒手帳を取り出して、黒田杏子に見せた。彼女も驚きながら八幡に聞く。

 

「あの時、比企谷君とぶつかった時に落としたってことかしら…」

 

「そうだな…あの時に君は生徒手帳を落とした」

 

すぐに拾った生徒手帳は、黒田杏子に返すつもりで、教室に向かったことを説明。しかしある生徒から本人以外に預けないほうが良いと言われたこと、それから中々本人に会えないことで今の今まで返せなかった事を話した。

 

「ふふっ、なるほど…雫の言ってたとおりか」

 

「雫…?雫ってあの雫だよな?」

 

「雫はあの子しかいないでしょ?貴方の彼女の!」

 

「…黒田さんは、雫と知り合いだったんだな」

 

八幡は苦笑いしながら黒田杏子と話す。雫と杏子は、1年生の時は、同じクラスだったが2年になりクラスは別々に。それとは別に八重樫剣術道場で、一緒に鍛錬してきた中でもあるため仲は良い。

 

「昔から剣術道場は一緒だったけど、学校が一緒になったのは高校からだったな」

 

「なるほど…」

 

「とにかく、綸子の事でお世話になったわね」

 

「俺は別に何もしてないさ。お礼なら平塚にいいな」

 

「平塚君には何度もお礼を言ったわ」

 

春雪も八幡にも感謝してるが、面と向かって何かを言うのは恥ずかしいとも思っているようだ。

 

そして綸子の方は、やっと目が覚めて何とか会話ができるようになり、警察関係者や県教育委員会関係者が、彼女と話し合い柳達の犯罪などを話してくれた。もちろん彼女らから受けた被害なども。

 

 

綸子は事件解決後は、療養を兼ねて両親共に九州の方へ転校する事が決まっており、杏子も九州へ行くのかと思われていたが彼女は千葉に残り海浜総合高校に通い続けるようだ。

 

杏子自身は今の生活を変えるつもりはない。それに綸子の分も頑張ろうとしているのだ。

 

 

「まあ、私は、海浜総合に戻るけど、これからよろしくね、比企谷君」

 

「ああ、よろしくな」

 

 

総武高校を揺るがした一連の事件は不良グループが逮捕され校長達は辞職を余儀なくされ、世間的にバッシングを受けたが、これにて終わりを迎えた。

 

 

前にも言ったが、人の噂も七十五日という言葉があるように世間は新しい話題へと流れていく。

 

 

総武高校が夏休みを迎える頃には世間的に総武高校の話題も誰もしなくなっていた。

 

 

そんな中から話は再開される。

 

もちろんあの夏休みのイベントである。

 

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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