やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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雫編64話です。


72ー64話ー千葉村へ出発。

夏休みは、人それぞれ過ごし方は違う。それは八幡もそうである。

 

八幡は、朝早くは新聞を配達。午前中は学校の課題と家の手伝い。午後から陽介達や雅史達と遊ぶ。それを繰り返して暮らしてきた。もちろん雫とのデートも入っているし、雫のバスケ部の試合も応援しに行った。

 

親友の1人の陽介からは、彼女が出来たと報告が入る。八幡は、陽介が彼女が出来た事を祝福した。

 

 

そしていつものように新聞配達を終えて、ほっと一息ついているとスマホが鳴る。

 

「メールか?誰からだ?また山本先輩あたりか?」

 

山本先輩とは新聞配達先の先輩であり、国立大学生である。

 

そう思ってスマホのメール着信を見る。

 

差出人:平塚静

 

題名【平塚静です。メールを確認されたし。連絡を下さい】

 

本文【比企谷君、夏休み中の奉仕部の活動について至急連絡を取りたいです。折返し連絡を下さい。もしかしてまだ寝てますか?(笑)先程から何度かメールや電話をしています。本当は見てるんじゃないんですか?ねえ、みてるんでしょ?でんわ、出ろ!】

 

八幡は平塚先生のメールを全部見て、血の気が引くような感じになる。別れたストーカー女みたいな文章であるため、リビングのカーテンを開けて外を見る。

 

「いるわけないか、マジでいたらホラーにしかならないな」

 

八幡は洗面所に行き冷たい水で顔を洗う。暑さでやられそうになった己自身にカツを入れるためだ。

 

洗い終えた八幡に、小町と綾香がやって来て

 

「お兄ちゃん、小町と綾香とで出かけるよ」

 

「でかける?そう…はぁ?俺と?2人だけじゃないのか?」

 

「違うよ、私と小町と八幡お兄ちゃんの3人ででかけるの」

 

綾香は八幡の腕に自身の腕を絡めてきた。八幡は慌てて 

 

「こ、こら、綾香、腕を絡ますな」

 

「なら、小町も逆の腕に!」

 

小町も八幡の逆の腕に絡める。

 

「こら、こらっ、2人とも絡めるのはヤメて。というか出かける準備をしないとな」

 

八幡は、平塚先生のメールの事が頭に浮かんだが、後で連絡をすれば良いかと考えていたのだが、小町と綾香がすでに平塚先生の策で動いているとは、八幡は気づきもしなかった。

 

出かける準備を済ませて八幡とすでに準備を終えていた小町と綾香。荷物を持ち家を出ると、暑い日差しが3人を襲う。

 

 

「あ、暑いな~」

 

「暑いね〜でも夏だから仕方がないよねー」

 

「そだね〜」

 

八幡はそんな2人の言動を見て、何か違和感があるのだが、2人と出かけるなんて久しぶりたからと気にはしていないが、何か引っかかることがある。だがそれはすぐにわかることになる。千葉駅ではなく、バスロータリーまで2人に連れてこられる。目にした光景には、謎のワンボックスカーが2台止められている。運転席のドアの前には、黒い影が2つ。1人は、そのめりはりの効いたボディラインから女性。もう1人は男性である。女性の方は、たくしあげられ裾を結んだ黒いTシャツにデニムのホットパンツ、足元は登山靴みたいなスニーカー。長い黒髪はポニーテールに纏められ、カーキ色のキャップを被っている。目元のサングラスのせいで表情は分からない。

 

男の方はラフな格好にハーフバンツに茶髪のチャラチャラしていてサングラスをかけている。そして2人は八幡の方を見て話しかける。1人は問い正すため、もう1人は逃げろ的な表情をして小声で言っている。

 

「さて、電話に出なかった理由を聞こうか?比企谷八幡?」

 

「逃げろ、八幡」

 

「山本は黙ってろ。私は比企谷八幡に聞いている」

 

「で、電話に出なかったことは、謝ります。電話が鳴っている時は、課題を済ませて、家のことをやってましたので着信履歴に気が付きませんでした」

 

「お兄ちゃん、学校の課題を終わらせたら、家のことをやるんです」

 

平塚先生は、黙り込んだままだ。そして

 

「比企谷八幡、お前は、真面目か!少しはフザけたことも言ったらどうだ?」

 

「フザけたことって、普通こういう場合ふざけます?」

 

「まあ、いい。お前が安全だったわけだからそれで良しとするか」

 

「平塚先生…。というか山本先輩もなにやってるんですか?なんで平塚先生と?あと就活活動はやらなくて良いんですか?」

 

山本は八幡の問にヤレヤレと思いながら説明をする。

 

「就活は夏休み後半からでも始めるさ。まあアテもあるし。なんで平塚先生と一緒にいるのかってだな」

 

「山本は私の教え子だ。こいつも総武高校出身だ」

 

「どうりで、山本先輩は総武高校のことに詳しかったわけですね」

 

「まあな」

 

「ところで山本先輩は、由比ガ浜海岸に今年も?」

 

山本先輩はキョトンした表情で八幡に答える。去年は山本先輩は、神奈川の由比ガ浜海岸で海の家のバイトをしていたのだ。それを八幡にも話していたので、今年も行くと彼には思われていた。

 

「神奈川にはいかねーよ。千葉に行くんだよ」

 

「そうですか、俺も妹達と千葉に行くんですが」

 

「比企谷、君の妹や雪柳も含めて奉仕部の合宿に行くに決まっているだろう」

 

「合宿…奉仕部の合宿って事ですか!?」

 

八幡が驚いていると、聞き覚えのある声に話しかけられる。

 

「比企谷君、やっと来たわね」

 

「ヒッキー、遅いし」

 

雪乃と結衣である。2人ともパンパンに膨れたコンビニ袋を手にしている。それにしても結衣は、ピンク色のサンバイザーに裾が短いTシャツにホットパンツ姿だ。それに比べて雪乃は立ち襟のシャツにジーンズ姿である。

 

「このメンツ、マジで奉仕部の合宿って感じたな」

 

「そうだね〜」

 

「比企谷君、平塚先生が貴方にかなり電話してたみたいだけど?」

 

「課題や家のことをやってて気づかなかったんだ。一息ついたときに平塚先生のメールに気がついたな」

 

「ヒッキーって、家の手伝いとかやってんの!?」

 

「ああ、やってるが。家の手伝いが何か変か?」

 

「別に悪い事ではないわよね」

 

「へぇ~ヒッキーが…あのヒッキーが…!!」

 

「何だよ、あのヒッキーって…俺は昔から家のことは手伝ってんだよ」

 

八幡達がそんな会話をしていると、再び聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「八幡、やっと来たか」

 

「ちぃーす、八幡先輩、先輩方」

 

「みんなさん、こんにちは」

 

それは陽介、完二と知らない女がそこにいたのだ。八幡は知らない女をすぐにあることで思い出す。

 

陽介のメールで送られてきた写真の画像の彼女と同じ顔であるためだ。

 

名前は上条美紗希というのも八幡は思い出した。

 

 

彼らの格好もラフな格好である。特に美沙希の格好が一番目立つ。小町、綾香、結衣も裾の短いTシャツにホットパンツのスタイルだが、彼女はそれの上手をいっている。小町達は、Tシャツの上着だが、美沙希はアメリカの国旗の水着みたいなものであり、ホットパンツも小町達よりも際どさもある。

 

「陽介に完二にえーと上条さんもいたのか?サッカー部はどうしたんだ?」

 

「比企谷君、陽介の彼女の上条美紗希です。よろしくお願いしますね」

 

「こちらこそな、上条さん。そんな陽介だけど、大切にしてやってな」

 

「はい。えーとさっきの話に戻しますと、サッカー部は、今日から3日間お休みなのですよ」

 

「今日から3日間は休日か。まあ俺達だけじゃなく、隼人と戸部もいるぜ」

 

「まあ、オレらちょっと煮詰まってたんスよね、顧問からそれで3日間休日を与えられたんスよ」

 

「煮詰まったか、練習試合に2連敗したって聞いたが、そこまで深刻だったとはな」

 

夏休みに入ってすぐに練習試合をサッカー部はやったのだ。だが結果は、【0ー4】と【1ー5】というスコアに。攻撃陣も守備陣にも不甲斐なさを残す結果に。

 

葉山の今年こそは国立、打倒海浜という気持ちが、かえって自分達を追い込んでるように顧問には見えたのだ。しかしそれだけではない、総武事件の影響もあるだろうと考えた監督は、3日間の休日を与えたのだ。自分達を見つめ直すために。そんなときに奉仕部の合宿の話を聞いて平塚先生に協力を仰いで実現したというわけになる。

 

「やあ〜比企谷君、色々とお疲れ様」

 

「ヒキタニ君、ちわっす」

 

「葉山、お疲れ。戸部、ヒキタニじゃなくて、ヒキガヤな」

 

葉山と戸部と話していたら、三浦と海老名が荷物を持ってやって来る。

 

「戸部っち受け、ヒキタニ君攻めも中々…グヒィヒヒ…」

 

「姫菜、よだれと鼻血!両方出すナシ」

 

海老名は、八幡と戸部を題材にして、頭の中でBLを創作している。八幡達は苦笑いをしながら会話をしていると

 

「ごめんみんな、平塚先生、遅れてすいません。水泳部の話し合いが長引いてしまって」

 

「僕も寝坊してしまい遅れました」

 

それは、八幡達のクラスの学級委員長の吹寄制理と戸塚である。彼女の格好もどちらかというと、結衣と同じような格好である。戸塚の格好は、男女通用するような格好である。

 

「やっはろー、セイリン、さいちゃん」

 

「おはよう、結衣、それに三浦さんに葉山君達に比企谷君達、雪ノ下さん、綾香に小町ちゃん」

 

「みんな、おはよう」

 

「吹寄と戸塚が来たことだし、そろそろ出発するか」

 

「平塚先生、そうすっね。人数分けはどうします?」

 

平塚先生、山本先輩は、運転手であるため、当然一緒にはならない。つまり八幡、陽介、完二、美紗希、葉山、戸部、戸塚、雪乃、結衣、吹寄、三浦、海老名、小町、綾香の14人でどっちに乗るか決めなくてはならないのだ。つまり2台、7人ずつに分けなくてはならない。どうやって決めるのかは、コイントスで決めたのだった。

 

平塚が運転する方ー【八幡・完二・葉山・吹寄・結衣・海老名・美沙希】

 

山本先輩が運転する方ー【陽介・戸部・戸塚・雪乃・三浦・小町・綾香】

 

というふうに決まったが、駄々をこねる輩が数名出たが、平塚先生の中二発言に駄々をこねていた数名も大人しくなってしまった。

 

こうしてそれぞれにワンボックスに乗り込む八幡達は、シートベルトを締め、全員が締めるのを確認すると、平塚先生と山本先輩は、千葉駅から出発する。

 

 

 

平塚先生が運転するワンボックス内では、葉山と完二が喋っていて、吹寄と結衣が喋っている。海老名は何かを想像をしていて、美沙希はスマホをいじっていた。

 

助手席に座る八幡は、平塚先生に行き先を聞く。

 

「あの、平塚先生、行き先は一体どこでしょうか?」

 

「比企谷、君はどこだと思う?」

 

「…そんなのわかりませんよ」

 

八幡は景色や道路標識を見ながら色々な思考を張り巡らせる。

 

「ま、まさか、千葉村!?」

 

「正解だ、比企谷。我々は千葉村で合宿を行う。覚悟してかかることだ」

 

まさか合宿であの想い出がある千葉村を目指すとは思えなかった。元々は小町と綾香の3人で出かけるとばかり思っていたのだから、千葉村をまさか訪れるとは八幡は夢にも思っていなかった。

 

あの想い出とは、雅史達サッカー部を激励で来たこと。中学の最後の戦いの決勝戦前に訪れた場所。ここで雅史達サッカー部を激励していたのだが、後々綾音を励ますつもりが逆に励まされたのだ。

 

そんな想い出がつまった場所に再び訪れるのだ。

 

奉仕部+αの合宿ということで、再び千葉村を訪れることに。つくづく千葉村に縁があるなと思った八幡であった。

 

千葉村に行く事がわかった時、完二が

 

「千葉村ぁ、八幡先輩が2年前に自分達サッカー部を激励した場所じゃないですか!」

 

「完二、そうだな。サッカー部を激励した場所でもあり、アイツを元気に励ますために…やったつもりが、逆に励まされたって感じだったか…」

 

すると結衣が陽介や完二の顔を覗き込むように話しかける。

 

「花村っちや完ちゃん、何の話をしてるの?」

 

「由比ヶ浜…別に世間話をだな」

 

「由比ヶ浜先輩、男同士の話っスから」

 

その話を聞いた海老名が奇声を上げる。

 

「その手もあったか!花村君、巽君、責め受け…いやいやいや逆もありよ!」

 

「姫菜、急に奇声を上げるなし。花村と巽がどうかしたの」

 

「あ、新しい新作が頭の中に!」

 

陽介達や海老名達がそんなことを喋っている側で八幡は雫とのやり取りを思い出していた。雫の実家の道場の外で。

 

【また、無茶したんじゃないでしょうね?】

 

「無茶はしてない。しそうになったけど、❝とある人達❞にと止められた」

 

【❝とある人達❞って誰なの?】

 

雫は真剣な表情で八幡を見ている。彼は苦笑いしながら交わす。

 

総武天誅組という暴走族の総長である山中鹿之介。〇〇◯竹中組の若頭の竹中半兵衛の事が頭に浮かんだが、あの2人は総武の狼として、動いているときの戦友であり、おいそれと名を出すわけにもいかない人物である。

 

「だ、誰でもいいだろ…」

 

【まさか?女ではないでしょうね?】

 

雫はその辺りにあった竹刀を八幡の喉先に向けてそう言った。

 

「し、雫さん!女じゃないから!というか俺にそんな器用なこと…できないから…」

 

八幡は下を向き黙り込んだ。雫も知っている。八幡が浮気ができるような男であることは百も承知。浮気が出来るような男なら綾音の事も忘れ、女遊びをやっているだろう。

 

でも今目の前にいる男は、病気の綾音を見捨てず、自分の夢であった雅史達とのサッカーでの全国制覇を彼らに託し彼女の為に尽くした。それは彼女が生命尽きるその時まで一緒にいた。

 

綾音のためにって結婚式(模擬)も上げたのだ。彼女の死後、八幡から生気が失われていくのを雫は感じていた。彼女も綾音がいたから自身の恋は諦めていた。彼も綾音としか付き合わないと誰からの告白を拒否。

 

でも色々あって、中3のバレンタインデーの日に八幡と雫は付き合い出した。

 

それからの八幡は、生気を取り戻し元気になっていった。雫は笑いながら八幡に

 

【ふふっ、八幡がそんなことできないことは、彼女である私が一番知ってるから】

 

「雫…」

 

そんな事を思い出していたら、平塚先生が八幡に

 

「どうした、比企谷?急に黙り込んで?」

 

「いや、景色に夢中になってたもんで…」

 

「景色にか…まあいい。それより甥の春雪が近頃明るくなってな」

 

「明るくですか…」

 

「春雪が言っていた…比企谷、君のおかげで過去から立ち直る事が出来そうってな。やはり奉仕部に頼んで正解だった」

 

八幡は笑いがら、春雪の事はほとんど何もしていないと思いながらも愛想笑いを浮かべてた。

 

「春雪のこと叔母の私からも礼を言わせてもらう。ありがとう、比企谷」

 

「ほとんど、俺は何もしてないんですけどね」

 

八幡は杏子から言われた事を思い出した。もちろん春雪のことだ。

 

【彼は面と向かってありがとうが言うのが恥ずかしい】

 

と彼女が春雪の代弁をしてくれたのだ。心の中で彼は

 

【別にそれでいい。馴れ馴れしくするだけが感謝の気持ちじゃないんだからな】

 

「もうすぐインターから高速に入る。比企谷も眠っていても良いぞ。着いたら起こしてやる」

 

「ありがとうございます。お言葉に甘えて少し眠らせてもらいます」

 

八幡は目をつぶる。ちょっと張り切りすぎたからなと思う夏休みの疲労を少しでも回復しようと眠ったのだった。

 

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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