やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
香織編プロローグです。
プロローグー香織の告白。
ーー総武中・八幡達のクラス
八幡は、自分のクラスにやって来て自分の席に座る。隣の席は、亡き綾音の席である。その机には花が置かれている。
クラスの雰囲気は、やはりバレンタインデー一色である。
男子は、女子達の告白にドキドキとして待ち女子達は、誰に渡し告白するのかの話題で持ち切りである。だが今の八幡にはどうでもいい話である。そっぽを向いて曇り空の空を眺めていた。明日2月15日は、綾音が亡くなって49日に当たる。明日は、綾音の遺骨をお寺のお墓に納骨する日だ。八幡ももちろん呼ばれている。綾音の両親からは、受験で忙しいだろうからと言われていたが、八幡は綾音の遺骨を納骨をするのを自分自身でやりたかったのだ。これが綾音の夫として最後の努めだと、そう決意していたのだ。
そんな中八幡に話しかける人物がいた。
「八幡君、何してるの?」
「うん?香織か…ただ空を眺めてるだけだよ」
「空を眺めて……八幡君は…綾音ちゃんを…」
「……まあ……な」
「…八幡君、無理はしてない?」
「別に無理はしてない」
香織自身は、話を続けたいが会話が繋がらない。八幡がその気がないのが問題だが。それでも話を続けようと香織は頑張る。
「八幡君、今日って何の日かわかるかな?」
「香織……今日ってバレンタインデーだろ…バカにしてんのか?」
「バカにしてないよ、私は八幡君にチョコを渡すから」
「へ…チョコを俺に?」
「そう!私が作った手作りチョコだよ!」
香織はそう言うと、自分の鞄から綺麗な包みに入れられた手作りチョコを八幡に渡す。
「……あ、ありがとう」
「うん、ちゃんと愛情も入ってるから」
「お、おう…」
香織は頬を赤く染めながら渡された八幡。総武中男子達が皆が羨む香織からもらったわけだから。普通なら敵対され嫉妬されまくるのがオチだが、そんなことはない。むしろ八幡を応援する人間が多いのだ。それは女子達も同じである。
そのあと八幡は、特定の女子達から手作りチョコを渡されることに。綾音という正妻がいなくなったことで、争奪戦が密かに始まったようなものである。
そんな女子達なら逃げるために、寒空の屋上へ出る。
屋上へ出てみると、冷たい風が肌を刺すような感じで吹いている。
「顔が火照っているから、この冷たさも気持ちいいな…」
冷たい風が吹いていて、雪がポツポツと降り始めた。
「雪が降り続いて積もれば、最高のバレンタインデーだろうな…」
屋上から海側を見ながらそう言って、購買部の自動販売機から買った暖かいお茶を飲む。
「それにしても…今年の2月は寒いな。去年の2月はわりと暖かったよな…」
去年の2月は、暖冬傾向で冬もわりと暖かい日々が続いたが、今年はシベリア、北極方面から寒くて冷たい空気を含む寒気が日本列島を包み込む感じの日々が続いて寒くて雪も降る日が多い。
「1人、寂しくなった俺を笑いたいのか…北風は…」
北風をため息をはきながら、再びお茶を飲む。
「ぬるくなってるな。寒いからすぐに冷えるかな…」
残ったお茶を一気に飲み干す。綾音が生きていた頃は、MAXコーヒーをよく飲んでいた。甘い甘い飲み物で、よく綾音と2人で飲んでいた飲み物であった。
だが綾音が亡くなってから、MAXコーヒーを飲もうとしたら、吐いてしまったのだ。あれだけMAXコーヒーを飲んでいたのに身体がMAXコーヒーを拒否してしまったのだ。
「MAXコーヒー、いつかは飲めるようになるのかね…」
八幡はそう言うと、北風を受けながら再び海側を眺めていた。
午後の授業ももうテスト、高校受験のためにみんなが勉強をしている。もちろん八幡も高校受験の勉強をしている。
そんな中、八幡のスマホにメールが送られてきた。スマホを取り出して
「(なんだ、誰だよ、今、メールを送ってきたヤツは…)」
送信者は、香織である。そしてその内容はこうである。
【八幡君、放課後時間あるかな?大切な話があるので、屋上に来てください】
八幡は、香織が何故呼び出したかがわかってしまう。それは告白であると。
本当ならチョコを渡すときに告白もあるのだが、彼女は何故か教室で渡してきたのだ。ただ彼女も教室で告白するような度胸まではないだろう。八幡は頭をふりながら
「(今は勉強勉強だ!)」
そう心で言って勉強に集中することしたのだった。
そして放課後、別のクラスの女子達や後輩の女子達が、雅史や光輝にチョコを渡すために集まっている。
八幡はそれを尻目に見ながら教室から出ようとしたとき、かおり(折本)が話しかけてきた。
「八幡、もう帰るの?」
「折本、ああ帰るが?」
「ほらっ、義理チョコだよ~」
八幡は、折本から義理チョコを受け取る。
「あ、ありがとな、折本」
「お返しは3倍返しってことで~」
折本はそう言うと自分の席の方へ歩いて行った。
「何が3倍だよ~だ……」
そう言うと八幡は、教室の外へ出る。出てから教室の中を見ながら
「雅史達に声をかけたかったが、女子に囲まれてるし、やめて置いた方がいいな」
彼は香織の呼び出しに答えるために屋上へ向かう。
屋上にやって来ると、雪が昼間よりも舞っている。気温も昼間より下がっている。そんな中に香織は八幡が来るのを待っていた。
「八幡君、来てくれたのね」
「ああ、呼び出されたわけだしな。って寒くなかったか?」
「寒かった……」
八幡は、雪の舞う雪空を見上げながら香織に言う。
「雪が顔に降ってきて冷たいな」
「そうだね。まさかバレンタインデーに雪が降ってくれるなんて思わなかったけど」
「そうだな」
生きる意味を中々見いだせない八幡は、なんのために生きているのかも分からなくなってきている。だが今は、香織の笑顔を見ていると、段々と気持ちが和らいでいく感じになるのを感じるようになった。
「……このまま生きていても俺は、良いんだよな?」
そんな事を言った八幡に対して、香織は真剣な眼差しで
「八幡君!当たり前だよ!」
「香織…」
香織は、コツコツと歩いてきて、八幡を抱き締める。
「八幡君!私がちゃんと守ってあげるから。だから…私の前なら弱音もはいてもいいんだよ」
「香織……ありがとう」
しばらく香織に抱き締められたままでいたが、さすがにだと思い八幡は、香織から離れた。彼女はちょっと不満げな表情を浮かべている。そんな彼女を見て、八幡は意を決める。
「……俺さ…香織に言わないといけないことがあるんだが……」
「言わないといけないこと?」
「ああ!」
香織は、八幡が何を言おうとしてることがわかった。だからこそ彼女は八幡に対し
「待って八幡君!その先は私に言わせて!お願い!」
「……香織、わ、わかったよ」
香織は深呼吸を一度やり、それから八幡の目を見据えながら喋り出す。
「私は、比企谷八幡君が好きです。私はずっと好きでした。私と付き合って下さい!」
「……香織、ありがとな。こんな俺を好きになってくれて。こんな俺を励ましてくれて。……まだ綾音の事を吹っ切れていない。それでも良いのなら…」
「うん、良いの。これからもっともっと私を好きになってくれればいいの」
「香織…ありがとう。俺もお前が好きだよ」
八幡と香織は互いに抱きしめたのだった。
こうして八幡は、香織という彼女と共に歩んでいくことになった。
昼投稿です。
雫の次に得票が多かった香織。香織も書きたくなったので書いてみました。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは