やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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12ー1話ー事故。

そうして、楽しかった中学最後の春休みも終わり、高校の入学式を迎えることになる。

 

彼女である香織、彼女の親友である雫、八幡の女友達であるかおり。そんな3人と総武高校に入学することに。

 

八幡は、自室で総武高校の制服に着替えて綾音の写真を見ていた。香織と付き合う前までは、綾音の写真を懐に入れていたが、彼女の手前入れているわけにはいかないから、写真立てに入れている。その写真立ての前には、綾音の遺骨が置かれている。

 

「…綾音、これから俺達は高校生だぜ」

 

綾音が生きていたら、彼女と共に海浜総合高校に入学していた。そんな未来は無くなったが、新しい彼女である香織と共に総武高校へ行けるのだから、別のワクワク感がある。

 

「綾音、香織や雫やかおりと総武高校に行くんだ。天国から俺達を見守ってくれよな」

 

そんなことを言っていると、八幡の部屋の扉がノックされる。

 

「八幡君、おはよう。もう起きてるよね?」

 

「起きてるわ!って香織かよ…。というかもう来たのか?」

 

「うん、そうだよ」

 

そう言いながら八幡の部屋の扉を開けてから中へ入ってくる。

 

「八幡君、おはよう。今日は入学式日和だよね」

 

「まあな。入学式にはちょうどいい天気だな」

 

「ねえ、八幡君、私の総武高校の制服姿はどうかな?」

 

八幡は、香織からそう聞かれ彼女の制服姿をマジマジと見る。

 

「総武高校の制服姿、似合ってるな」

 

「エヘヘ、ありがとう」

 

香織は、綾音の写真を見ながら

 

「綾音ちゃん、私は綾音ちゃん分まで高校生活を満喫するつもり。本当は、綾音ちゃんがいるポジションに私がいる」

 

「香織…」

 

「私の心の中、八幡君の心の中には綾音ちゃんがちゃんと生きてるから。そうでしょ?八幡君?」

 

「そうだな」

 

しばらくそんな話をして、総武高校への入学式に向かうため八幡の部屋から玄関へ向かう。すると小町が玄関の方へやって来て

 

「お兄ちゃん、香織お姉ちゃん、高校入学おめでとう!」

 

「ありがとう、小町ちゃん」

 

「ありがとな、小町」

 

「お兄ちゃんが本当に元気になってくれて良かったよ。香織お姉ちゃん、ありがとう」

 

「私は背中をちょっと押しただけだよ。後は八幡君自身で元気になったんだよ」

 

「香織…」

 

「2人共、見つめ合うのは構わないけど、入学式に遅刻するわよ?」

 

八幡の母親にそう言われて八幡と香織は現実に戻り、2人は行って来ますと言って比企谷家を出た。

 

 

八幡と香織と総武高校へ向かう途中にある公園で、雫とかおりが八幡達を待っていた。

 

「八幡、香織、おはよう」

 

「八幡に香織もおはようさん。朝から熱いね~」

 

「2人共、おはよう」

 

「雫ちゃん、かおりちゃん、おはよう」

 

「八幡、どう?総武の制服似合ってる?」

 

かおりは、モデルやグラビアのようにくるりとして見せた。

 

「うん、まあ似合ってる」

 

「まあ、似合ってるってどういう意味なわけ?」

 

「そのままの意味だよ」

 

八幡はそう言って先に歩き出す。その後を香織、雫、かおりと歩いていく。桜の花びらがパラパラと風で舞っていて、4人を祝福しているようにも見える。

 

 

 

 

しばらく歩いていると、犬を散歩させていた女の子から犬のリードが離れていた。どうやら首輪の金具が壊れているようだ。だがその女の子は、そのことに気が付いていないようだ。

 

 

そして運悪く向こうからリムジンが走って来る。香織が声をあげて

 

「あのままじゃわんちゃんがひかれてしまう」

 

「ちっ、このままではまずい!あの犬はリムジンにひかれる!ならば!」

 

「八幡君!」

 

「八幡、貴方、まさか!」

 

「八幡!」

 

彼女達の制止を振り切り、八幡は車道に飛び出し、犬の方へ走る。何も考えずに己の身体が勝手に動いたいた。

 

そして八幡とリムジンがぶつかる。彼はぶつかった勢いで吹き飛ばされる。だが犬にダメージがないようにと抱きしめていた。

 

「八幡君!八幡君!大丈夫なの!!お願い、返事をして!八幡君!」

 

「香織、落ち着いて!香織、落ち着いてね!」

 

「2人共、落ち着いて!そうだ、救車を呼ばないと!」

 

八幡の意識が朦朧としてるなか、そばでは、香織と雫とかおりは、スマホで救急車を呼ぶとこであった。

 

その後、リムジンから運転手が降りてきて、色々と引き継いでくれた。香織は、八幡の母親に連絡し事故現場に来てもらった。もちろん警察がやって来て、事情聴取などをされたのだった。

 

八幡の母親から心配そうに

 

「香織ちゃん、雫ちゃん、かおりちゃんは大丈夫だった、怪我はしてない?」

 

「私は大丈夫です。わんちゃんを庇った八幡君があんなことになってしまって」

 

「おば様、八幡君は、首輪の金具が取れた犬が車道に飛び出してしまい、運悪くそこにあのリムジンが走ってきて…それで八幡君が、犬を守るために…」

 

「そうだったの、え?首輪の金具、わんちゃん……?わんちゃんなんていないよ?」

 

「え…?首輪の金具が外れた首輪のワンちゃんがさっきまでそこにいたはずですけど……」

 

香織達が見た先には、首輪が壊れたわんちゃんなどいなかった。彼女達は辺りをキョロキョロとしていた。だが犬はいなかった。飼い主と思われる女の子もいなかった。

 

「そのわんちゃん、飼い主さんが連れ帰ったのかな?」

 

「だとしたら許せない。お礼や謝罪も無いなんて……」

 

「そうだよ、八幡が身体を呈して守ってあげたのに、お礼も謝罪もないなんて」

 

「香織ちゃん、雫ちゃん、かおりちゃん、貴女達は、入学式に行きなさい。八幡の事は、母親である私に任せて」

 

「おば様…」

 

「おば様」

 

「おばさん」

 

「香織ちゃん、雫ちゃん、かおりちゃん、ちゃんと後で連絡を入れるわ。貴女達の晴れ舞台を台無ししてはダメよ」

 

「わかりました。私達は行きますね」

 

「おばさま、八幡の事、よろしくお願いします」

 

「おばさん、八幡のことよろしくお願いします」

 

「ええ、任せて」

 

八幡の母親と香織と雫とかおりはそう約束してから、総武高校へ歩いて向かうことになった。

 

ただ足取りはとても重くて辛いものであった。

 

香織達は、八幡と共に入学式も楽しみたかったのだから。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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