やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

90 / 107
香織編10話です。


21ー10話ー夏休みの思い出。

そして翌日。

 

翌日も由比ガ浜海岸は、多くの人がやって来ていてごった煮状態である。もちろん海の家も大繁盛であり、八幡達もてんてこ舞いの忙しさである。

 

八幡は、雪奈と厨房に入り料理を作っている。本来なら八幡は、ウエイターをやるはずだったが、料理担当の人が、夏風邪をひいてしまい急遽料理ができる八幡が抜擢されたのである。

 

「八幡、イカスミパスタ、3つ!」

 

「雪奈さん、焼きそば2つ!」

 

「イカスミパスタ3つ!分かった」

 

「焼きそば、2つわかりました」

 

海の家を訪れる人達が多いため、料理をこなすのも大変である。だが、忙しくてもこれが青春の1ページとして、自分達の心に刻まれるんだなと思いながら八幡は料理を作っていた。

 

 

そして、その日の昼休みに山本先輩、八幡、陽介の3人が同じ休憩時間になり、海の家の外で焼きそばを食べていると、水着を着た女性が行き交う。もちろん家族連れや男性ばっかのグループ、学生グループなんかも行き交っている。そんな焼きそばを食べている最中に山本先輩が

 

「八幡、陽介、今の女、見たか?」

 

「女?どの女の子ですか?」

 

「あそこの女の子だよ」

 

山本先輩が指差した先の女の子達、2人連れである。その2人の女子は、両方ともビキニであり、片方がビキニの面積が小さく見える。八幡と陽介は、その2人組の女子を見る。

 

「……スゲーな、なあ、陽介…」

 

「まあ、そうだよな…。大学生くらいか…」

 

お互いに女子高生とは違うお色気がある雰囲気だと思いながら八幡は、香織のビキニ姿、陽介は、美紗希のビキニ姿を想像しながらニヤニヤしていた。それを見た山本先輩は

 

「なに、ニヤニヤしてるんだ、お前達は…そんなにさっきの女子大生が良かったのか?」

 

「ち、違いますよ…」

 

「そうですよ」

 

「何が違うんだよ?……さては自分達の彼女のビキニ姿でも想像でもしたのか?」

 

八幡と陽介は、山本先輩に図星をつかれ、苦笑いをするしかなかった。彼はそんな2人を見て、悔しいため息をはいたのだった。

 

 

そして、午後からの仕事もそつなくこなしていく八幡達。迷惑な連中やお客は来なくて良かったと胸を撫で下ろす事に海の家スタッフはそう思ったのであった。

 

もちろん八幡が迷惑な連中を追い出したことなんて、陽介と山本先輩以外は知るよしもないのだが。

 

こうして八幡の海の家のバイトライフは終わりを迎えたのだった。

 

 

千葉に帰った後は、彼女である香織にどこに行っていたのか問われたが、新聞配達の先輩の紹介で神奈川の由比ガ浜の海の家でバイトをしていた事を説明する。香織自身も海の家に行きたかったようだが、八幡はあんなところに香織を連れていく気持ちにはなれない。

 

前も言ったように可愛い羊を狼の縄張りに放り込むようなものである。

 

 

八幡は、香織のために海の家のバイトまでやったのだ。だから8月の終わりにデートをすることを伝え、それを香織も承諾するのだった。デート先は、海の家のオーナーにもらった2枚のチケット。

 

群馬県内【千葉県の保養施設・千葉村】

 

 

中学の時行った自然教室。千葉県にあるわけではなく、群馬県にある千葉村。八幡にとっては、千葉村は思い入れがある場所である。それは、綾音と共に見上げた星空が綺麗だったことや綾音を含めてみんなでこなした最後のイベントでもあった。

 

「まさか…海の家のオーナーから、千葉村のチケットを貰うとは…」

 

運命のいたずらなのかわからないが、その千葉村に香織と行くことになったのだから。海の家にバイトに行けたこと、そこで陽介と再会し他の人達と出会えたことに八幡は感謝しかない。

 

 

まだ暑い夜の中、八幡は窓を開けて外を見る。暑い外ではあるが時折冷たい風も吹いて、彼の髪の毛を揺らす。

 

「…千葉村…あの時は雅史達サッカー部の中学生大会の激励のつもりで、俺が持ち掛けたんだよな。もちろん綾音を元気つけるのもあったが」

 

八幡は、雅史達のためにFUNKY MONKEY BABYSの【あとひとつ】を熱唱した場所でもある。3年生だから思い入れの強い場所であり、綾音と出掛けた最期の場所でもあるからだ。

 

「雅史達サッカー部の激励を綾音もやりたいって譲らなかったからな……」

 

彼女は、来年はもういないとわかっていたのだろう。だから最期の思い出として、辛いのも我慢して参加したのだろう。なにより大切な八幡や親友達と一緒の時間を少しでも長く居たかったから。八幡の眼に熱いものが込み上げてきた。

 

「……俺…千葉村で泣いてしまうかもな…」

 

八幡は気合いを入れるために、自分の顔を叩く。涙の意味を叩いて出たことに意味合いを変えるためだ。思い出で泣いてしまえば、綾音とのことを未だに引きずっていることになり、香織に失礼になってしまう。彼女は綾音のことを思い出して泣いてしまったとしても怒らない。だがそれは八幡自身が嫌なのだ。

 

「泣くな、男、比企谷八幡!今の…これからの人生を楽しむ…綾音の分まで幸せになると決めただろう!」

 

八幡はそう言って自分自身にカツを入れて奮い起たせることにしたのだった。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。