やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク   作:龍造寺

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香織編11話です。


22ー11話ー千葉村の思い出。

8月も終わりを迎える前の29日、八幡は香織と2人で群馬県の千葉村を訪れていた。もちろん由比ガ浜の海の家のオーナーから貰ったチケットで来ている。

 

夏休み終盤だけあって千葉村を訪れている人は多い。その中でも家族連れが割合は多いみたいだが。

 

そんな中、八幡と香織は、千葉村の中の河原がある場所まで来ていた。

 

「ふぅ〜、この辺りは流石に人は少ないな」

 

「そうだね。やっぱり夏休みが終わる前に最後の思い出作りとかに来てるのかな」

 

「別に休み自体が最後ってわけでもないだろ」

 

 

「私達高校1年の夏休みは今しか無いんだよ。みんなだって、今しかないこの時を楽しんでいるんだよ」

 

「そ、そうかもな」

 

高校1年の夏は、高校1年生のときしか無い。来年や去年でもない。人生に一度しかない高校1年生の夏休み。その時をどんな風に過ごすのかは、それぞれの自由あり、誰かから制限されるものではないのだから。

 

八幡と香織は、河原の小川の部分に足をつけてみた。

 

「つ、冷たい!!」

 

「確かに冷たいな。これから秋になっていくんだろな」

 

今ではそんな感じはしなくなってきたが、昔は盆を過ぎれば、暑さも和らいでくるし、水も冷たさを感じていた。残暑見舞いのハガキを出したりもしていたが。

 

「夏休みが終われば、体育祭、文化祭があるよね。私は楽しみだな〜」

 

「そうだな」

 

総武高校は、体育祭が終わってから文化祭がある。文化祭は、数年前の文化祭がかなり評判が良かったため、それから文化祭は特に生徒会が力を入れるようになったようだ。もちろんそれをやったのは、陽乃であるが。

 

「去年の私達の文化祭は、八幡君があんなに盛り上げて、かなり興奮したんだから」

 

「去年の文化祭か…あれは綾音のためにって必死に…がむしゃらにやっただけだ。みんなが協力してくれたから大成功したんだ。みんなの協力がなくては、ああなっていないさ。それに文化祭実行委員長の枠は超えていたと今更ながら思う」

 

文化祭実行委員長として、学校側との交渉や地域の商店街との協力を1つ1つ頭を下げて協力を取り付けた。すべては綾音のためと思ってやり遂げたのだ。

 

「あの文化祭は、私は忘れられないものになったよ」

 

「そうか…」

 

「ああいう文化祭を総武でもやってみたいと思わない?」

 

「は、総武でって…」

 

香織はニコニコしながら八幡を見つめている。

 

「いや、もう文化祭実行委員長とかやりたくない…疲れるし、時間に束縛されるからな」

 

「そ、そうだよね」

 

「文化祭は、香織と見て回りたいかなって思ってるんだか」

 

八幡は、赤くなりながらも香織を見据えて言った。

 

「八幡君…うん、そうだよね。文化祭デートってやつだよね?」

 

「そうだな。世間的にはそう言うだろうな」

 

そう言う話をしたあと、八幡と香織は、河原の流れる水の音やセミが鳴いているのをしばらく聴いていたのだった。

 

 

河原から移動した2人は、キャンプファイヤーをやった場所までやってきた。去年ここで、雅史達サッカー部の激励会を綾音を含めたみんなでやったのだ。

 

「去年来たばかりなのに、随分と時間が経った感じがする」

 

「そうだね。去年は色んなことがあったから。楽しいことも悲しいことも」

 

「そうだな、楽しいことも悲しいことも、辛いことも…全部…経験した」

 

キャンプファイヤーを準備をしている人々を見ていると、去年は自分達が準備をしているのを思い出す八幡と香織。

 

八幡は、綾音の世話をしながらキャンプファイヤーを準備を手伝っていた。香織は雫達と料理等の手伝っていたのだ。

 

「懐かしむような時間は過ぎてないけどな」

 

「そだね、去年は綾音ちゃんといるのをただ見ていただけだったけど、今年…私が八幡君の隣にいる」

 

香織は八幡の左腕をギュッと握る。八幡もそっと抱きしめる。

 

「香織、どこにも行かないでくれ」

 

「八幡君、私は、どこにも行かないよ。ずっと隣にいるから」

 

そしてどこからか音楽が聴こえてくる。FUNKY MONKEY BABYSの【あとひとつ】の歌である。

 

去年、この場所で雅史達サッカー部を激励のつもりで歌ったのだ。その効果があったからは分からないが、雅史達は中学サッカーの頂点に立ったのだ。

 

それだけではない、綾音が文化祭で八幡に告白する前に歌ったものであり、彼の中では記憶に刻まれているものである。

 

八幡の目から熱いものが流れる。泣くつもりは無かったが、自然と涙が流れてくるのだ。

 

「泣くつもりは無かったのに、なんで涙が流れるんだ…」

 

「八幡君!泣きたい時は泣いても良いんだよ。私がちゃんと受け止めるから!」

 

「すまねぇ、香織…」

 

八幡は、香織の胸でひとしく泣いた。もう香織が今の彼女であるため、綾音の事で泣くまいとしているのだが、気持ちでは分かっている。たが心がそれについてこない。

 

「…焦らずに、ゆっくりと歩んで行こう。泣きたい時は、泣いても良いんだよ」

 

「香織、ありがとう」

 

こんな感じで、八幡と香織は千葉村でのデートを楽しんだ。八幡はいつまでもめそめそしないと心に決めるのだった。

 

そうして、夏休みの最後で良い思い出を作った八幡と香織であった。

 




お久しぶりです。

雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。

  • 1ー雪柳綾香
  • 2ー吹寄制理
  • 3ー一色いろは
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