やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
平塚先生が去ったあと、八幡、香織、雪乃の3人になってしまった。
時間も結構過ぎており、西陽も段々と影の部分に入ってしまってきている。
八幡は改めて自分達がいる空き教室を見渡す。机は乱雑に組まれているし、床は汚れている。黒板も落書きのあとが残っており、かなり掃除がされていないことがわかる。
「雪ノ下、いつからここで奉仕部としてやり始めた?」
「いつからだと言えば、去年の夏休み前かしら。突然平塚先生から、奉仕部をやってみないかと言われた時に、この教室に連れて来られたのが最初かしら」
「去年の夏か…」
去年の夏、八幡や香織は、夏休みの事が楽しみで頭がいっぱいだった時に、雪乃は人助けならぬ奉仕部を設立していたことになる。
「だから、雪乃ちゃんは、放課後はいつも用事があるって言ってたのね」
「香織さん、私こそごめんなさい。いつも誘ってくれてたのにことわってばかりいて」
「私は気にしてないよ。これからは、奉仕部として一緒に頑張っていくんだからそれでいいと思うの」
「香織さん、ありがとう」
香織と雪乃が話しているのは、別に八幡は乱雑に組まれている机を何個か下に降ろして、自分達の座る机を設置する。
「八幡君、何してるの?」
「何って、俺達が座る机と椅子を用意してるんだよ」
「そうね比企谷君、文化系部活としてちゃんとしていこうってことね」
「そうだな、今のままだと何の部活だかわからないし、相談者も来づらい可能性も高い。なら最初は綺麗にすることから始めようと思う」
雪乃は、八幡が言ったことに頷き、香織も賛同した。
「今日はもう遅いから、明日以降に掃除とかするか」
「そうだね」
「そうね、明日平塚先生に言って掃除道具とか借りてきましょう」
「雪ノ下、そうしてもらうと助かる」
こうして八幡と香織、雪乃の3人の奉仕部はスタートするのであった。
翌日から奉仕部として活動を始めるため、部室となる空き教室を綺麗にすることから始まる。八幡達は掃除をしやすくするためにジャージに着替えた。
「掃除道具一切を平塚先生から借りてきたわ」
雪乃の言う通りに掃除道具一切が置かれている。
「掃除を始める前に、窓を開ける」
八幡は乱雑に置かれた机を必要最低限だけを取り出し、残りの机は隣の空き教室へ片付ける。このことも平塚先生には許可を貰っており、八幡のやる気を見込んで喜んで許可を出した。
「まずは相談者を座らせる机とイスを綺麗にしないとな」
消毒液を使い机の表面、イスの座席の部分をちゃんと綺麗にしていく。
香織は、窓を綺麗に拭いている。雪乃は床を掃き雑巾で床を拭いていく。
掃除をやり始めて、終わるまで約2時間は掛かっていた。すでに夕陽が別校舎が盾となり、こちらの特別棟の校舎には夕陽が当たらなくなり段々と冷えてくる。
「ふぅ〜夕方はまだまだ冷えるな」
八幡は窓を閉めながらそんなことを言う。
「それじゃあ、あったかマッカンを飲む?」
「購買部に行けばあるだろうが、雪ノ下もそれで良いか?」
「私は構わないわ。そ、そのあなた達が言うマッカンってのを飲もうかしら」
「そうか?なら飲んでみたらいい」
「それじゃあ、部室を締めてからいきましょう」
八幡達は、奉仕部の部室を片付けて戸締まりをしてから購買部を目指す。
夕方でもあるから部活をしている生徒以外はもう家へ帰宅している。それでも購買部は部活動の生徒達のために開いているのだ。
八幡達は、マッカンを売っている自販機に行きお金を入れて購入する。もちろん3人共同じである。
「マッカン、思ってたのより甘くて美味しいわね」
「肉体労働や頭を使ったときに飲むと身体に染みるんだよ」
「そうだよね、マッカンは八幡君にとっては甘くも苦味もあるんだよ」
「雪柳綾音さんのことよね」
「そうだな、甘みも苦味も両方味わった…恋もマッカンも…」
八幡は、マッカンの味を噛み締めながら思い出話を語った。甘みも苦味も両方を。
「…綾音を喪い絶望の淵にいた俺に光を照らしてくれたのが、香織なんだ」
彼がそう言い終えたとき、いつの間にか女子バスケ部と水泳部の女子達が話を聞いていた。つまり女子バスケ部の雫や女子バスケ部に入部した綾音の妹の綾香、水泳部の吹寄もいるわけだが。
「っていつの間に増えてんだ!?」
「八幡君が真剣に話しめた時からだよ」
顔を真っ赤にしている香織からのツッコミで、全てを悟る八幡。自分が惚気話をしていたのかを。彼自身も身体中が沸騰していく感覚に襲われた。女子達は、香織を羨ましがっている。
八幡は女子バスケ部、水泳部女子の中で評判が上がっていく。
そんな中綾香が八幡のところにやってきて
「八幡お兄ちゃん、私、お姉ちゃんの好きだったバスケを続ける。それがお姉ちゃんに対しての手向けだと思うから」
「そうかもな、天国の向こうで頑張れ綾香って言ってるかもな」
「うん…」
八幡は思う。綾音、綾香はお前の好きだったバスケを受け継ぐと。だから綾香を応援してやってくれ、と。だから綾香をこれからも応援することは変わりはない。そんな綾香の頭を撫でた。彼女は八幡に頭を撫でられるのは好きなのだ。
香織には、ジト目で見られてしまうが、八幡は香織以外を好きになることはもうない。香織を幸せにすることを考えているのだから。
そして奉仕部を設立させてから1週間が経ち部室も部室らしくなった。雪乃がお花を持ってきて花瓶に飾り、香織がお菓子やティーセットカップを持ってきた。八幡は、同じ文化系部活のパソコン部からパソコンを一台借りてきた。それだけではなく、平塚先生に奉仕部のポスター設置の許可を取った。ポスターは、同じく文化系の美術部に協力してもらい作ってもらった。
パソコン部にも美術部部員の中にも八幡を慕う人間達もいる。だからすんなりと協力してくれたのだ。美術部が作ってくれたポスターは、目立つとこに張った。
一応、生徒会長のめぐりには、奉仕部のことを伝えたのだ。生徒会でも目安箱を設置しているので、互いに協力して行きましょう的な感じで。
そして放課後、奉仕部の活動時間になる。八幡、香織、雪乃の3人は奉仕部の教室にいる。
「さてと、今日も奉仕部を活動していきましょうか」
雪乃の掛け声で八幡と香織は、静かに頷く。
するとドアがノックされ、相談者の声が聞こえる。雪乃が代表して答える。
「はい、開いてますよ」
「し、失礼します」
相談者は、何やら緊張していて落ち着きがない。その相談者は、肩までのピンク髪に緩くウェーブを当てて、歩く度にそれが揺れる。八幡はその相談者を見てすぐに誰だか分かった。同じクラスの由比ヶ浜結衣だと言う事を。結衣も八幡と目が合い声を上げる。
「な、なんでヒッキーがここにいるの?」
「は?ここにいるも何も俺は奉仕部部員何だが」
「八幡君、知り合いなの?」
香織が横からツンツンして聞いてきた。
「こいつは、由比ヶ浜結衣、クラスメイトだな」
「同じクラスの由比ヶ浜さんね」
香織が普通にそう言ったように思えたのだが、何やら目は普通ではないようだ。彼女は、結衣の仕草や視線を感じ取り、危険と判断したのだ。
「どした、香織?」
「え?…八幡君なんでもないよ」
八幡と香織の言動を見て、今度は結衣の方が香織に
「貴女、ヒッキーに馴れ馴れしくない?」
「馴れ馴れしい?八幡君と私は恋人同士だから別に普通じゃないかな」
「こ、恋人同士!?ちょっとふざけてるのかな?」
「ふざけてないかな、由比ヶ浜さん、八幡君に変な誘惑しないでくれないかな」
香織と結衣の一触即発な状況に八幡は
「香織、安心しろ。俺は由比ヶ浜みたいなビッチはタイプじゃない」
「び、ビッチ!?」
結衣はビッチと言われ、顔を赤く染め上げる。そんな話をしていたので、雪乃が中に入る。
「由比ヶ浜さん、貴女はそんなことを言いに来たのではないのでしょ?それに比企谷君と香織さんは、恋人同士なのだから、❝童貞、処女❞ではないのでしょ」
雪乃は雪乃でとんでもないことを口に出した。八幡と香織も真っ赤になってしまう。
妙な空気になったってしまったが、仕切り直して八幡が結衣に
「由比ヶ浜、お前の依頼…相談事はなんだ?」
「あのね…えーと…」
結衣が八幡に話しづらいみたいな雰囲気を出したため、八幡は席を立ち
「俺がいたら話しづらいことか、香織、雪ノ下、任せたぞ」
「八幡君はどこに?」
「飲み物でも買いに行くわ、香織はマッカンで良いか?」
「うん」
「雪ノ下は?」
「マッカンで構わないわ」
「由比ヶ浜、お前は?」
「あたし?」
結衣は、まさか自分も飲み物を聞かれるとは思ってなかったのだろう。だから今の反応をしたのだろう。
「お前だけ除け者にはできねえだろう。で何がいい?」
「苺ジュースで」
「わかった、じゃ行ってくるわ」
そう言って八幡は奉仕部の部室を出て購買部の自販機を目指した。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは