やはり俺の恋のリベンジは間違ってはいない。リメイク 作:龍造寺
購買部を目指す八幡。外からはサッカー部、野球部、ラグビー部の掛け声が聞こえてくる中を八幡は歩いている。
「まあ、この時期は新入部員が入ってくる時期だから精は出るだろうな」
そんなことを口に出しながら歩いて購買部のある食堂へ入る。するとそこには陽介と金髪美女こと上条美沙希がじゃれ合っていた。
「よう陽介、上条。そっか、遠距離恋愛は去年までだったか」
「は、八幡、お前まだ残っていたのか?」
「お前こそ、サッカー部だろ?上条といちゃついてていいのか?」
「別にいちゃついてないしよ、全員分の飲み物を持っていくだけだ」
お茶、ミネラルウォーター、普通のジュース等の入ったクーラーボックスを運んでいこうとしている。それを彼女である上条美沙希が手伝おうとしているようだ。
陽介の名誉のために言おう。
別にいちゃついていたわけではない。
あくまでもクーラーボックスを運ぶためにそう見えただけだ。
「比企谷君は購買部に何かようなのぉ?」
「あ、そうだった、マッカンを買うんだった」
八幡は自販機から、香織、雪乃、自分自身のマッカンを3つとジュースの缶(メロン)を1本を購入して制服のポケットに入れる。それを見た美沙希が
「4本も買って、比企谷君は何か部活をしてるのぉ?」
「まあな。文化系の部活をだな」
陽介がちょっとびっくりして、八幡に言ってくる。
「八幡、お前部活に入ったのかよ!?せっかくサッカー部に誘おうと思ってたのに!」
「悪いな、陽介。俺はサッカー部には入らないよ」
「何でだよぉ!一緒にサッカーをしようって誓っただろ!」
陽介は八幡に抱き着いてウルウルして見つめてくる。
「陽介、近いって!!つーか抱きつくな」
八幡は、陽介を引き離して淡々と事実を話し出す。
「うーん、陽介、実際に俺が入っても足手まといにしかならないって。俺は中学生レベルで止まってるんだぞ?そんなやつが高校生のサッカーをやれるわけがない」
「確かにそうかもしれない。でもお前ならやれると思うんだよ」
「陽介、お前は俺を過大評価しすぎるんだよ。それに今は奉仕部に入っている。もうサッカー部に入ることはない」
八幡は陽介にそう言って突き放そうとする。彼も段々と八幡の気持ちを汲み取り
「すまん、八幡。こういうのは無理強いはダメだよな」
「陽介の熱い気持ちはわかった。まあ顔見せくらいなら行ってもいいか」
「ほ、ホントに!マジか、サンキューな、八幡」
「比企谷君、ありがとうねぇ。陽介の頼みをきいてくれてぇ」
「親友が頭を下げてる以上、無碍には出来ないだろ」
サッカー部に入部するのではない。サッカー部に顔を見せるだけ。それだけでも陽介は有り難かったのだ。総武高校のサッカー部は、葉山隼人というエースFWが中心としたチームである。今年は神奈川の強豪校から攻撃型MF花村陽介が、後輩には総武中の中学のMVP候補だったGKの巽完二が入部したのだ。葉山自身も国立をマジで狙いに言ってると言われている。
総武高校サッカー部の前に立ち塞がるのは、海浜総合高校サッカー部であり、千葉県で指折りの強豪校である。八幡の親友や仲間達が海浜総合高校のサッカー部に入部すると1年でありながらレギュラーに。彼らによってあれよと千葉県の大会で優勝していく。
「今年は隼人がよ、国立を目指すっさ。無茶と思うかもしれないが、気持ちは本物だった。だから俺も目指すことにしたのさ」
「国立か…俺も一度は目指した目標だな…そう言えば、上条さんはサッカー部のマネージャーなのか?」
「そうですよぉ、後輩のいろはちゃんとマネージャーをやってますよぉ」
「なるほどね」
「…お前は彼女をマネージャーにしたくないって言ってたけど、俺はみさきちと共に頑張っていくつもりだ」
そう言って陽介と美沙希は、サッカーグラウンドの方へ歩き出していく。今の八幡は、少なくとも彼女を同じ部活に入れたくないという気持ちは既に無い。それどころか、奉仕部に彼女も在籍しているのだから。だから今の気持ちを陽介に叫ぶ。
「陽介、上条さん!今の俺はそう思わない!2人で…みんなで国立へ!打倒海浜!」
陽介と美沙希は突然の事でびっくりしたが、八幡の気持ちを汲み取り、2人は右手に拳を作り空へ振り上げた。これが八幡達のサッカー部の習わしであった。
そして八幡は、陽介達とは反対方向の特別棟、奉仕部のある教室へ向かう。
奉仕部の扉を開けると、雪乃が
「遅かったわね、比企谷君何かあったのかしら?」
雪乃はそう言って、八幡からマッカンを受け取って、ストローを刺すと飲み始める。心配そうにしている香織もいるので、八幡は正直に話し出す。
「サッカー部の陽介と陽介の彼女の上条さんと話してた」
残った飲み物、マッカン2本、ジュースが誰のものなのか、結衣は気づいて
「はい」
結衣はそう言ってポシェットみたいな小銭入れから100円玉を取り出す。
「別に入らない。俺の奢りだ」
八幡は、結衣の100円玉を受け取らず、ジュースの入った箱を両手に乗せる。
「あ、ありがとう」
結衣は小さな声でお礼を言って、嬉しそうにジュースを両手で持ってはにかんでいた。香織は何やら鋭い視線を向けてきている。
八幡は本題に入るために雪乃に話しかける。
「ところで、雪ノ下、話は終わったのか?」
「ええ、話は終わったわ。ありがとう」
「それは良かったな。で、何をするんだ?」
「家庭科室へ行くわ」
「八幡君、そう家庭科室に行かないとダメなの」
「家庭科室?料理か何かするのか?」
「うん…」
結衣は小さく頷く。八幡は午前中に家庭科室で調理をやったのだ。ボッチではなくちゃんと男子グループに。1年の時の他のクラスのバスケ仲間。仲間と言っても体育の授業であるが、その彼らとすんなりとグループを組めた。
ただ本日は家庭科室の確率が高いのか。
本人はわからないまま、雪乃や香織のあとを追って家庭科室へ向かうのだった。
雫編も留美の話で終わりです。次の選択肢から次に見たいヒロインか選んでください。
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1ー雪柳綾香
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2ー吹寄制理
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3ー一色いろは