五等分の花嫁と野球の天才   作:ホークス馬鹿

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11話です。


11話

??「そ、そうだ。こうしてる場合じゃない。」

 

そう言った髭の人は、一花の手を取って

 

??「行こう、一花ちゃん。」

 

とどこかに行こうとした。

 

純「おい待てって!」

 

??「止めないでくれ。人違いをしてしまったのは、本当にすまなかったね。でも一花ちゃんは、これから大事なオーディションがあるんだ。」

 

純「マジかよ・・・。一花、花火良いのかよ?」

 

すると

 

一花「皆によろしくね。」

 

と一花は笑顔で言った。

 

??「一花ちゃん、急ごう。会場は近い、車でなら間に合う。」

 

純「おい一花!」

 

それを見た三玖は

 

三玖「ジュン・・・一花をお願い。」

 

そう純に言った。

 

純「三玖・・・けど、その足でお前を一人にするわけには・・・」

 

三玖「私はもう大丈夫だから。」

 

純(流石にどうしたら・・・)

 

その時

 

??「どうやら、お困りのようですね・・・」

 

??「ですね・・・」

 

??「協力してやるよ・・・」

 

純「お前ら・・・」

 

ある者達が協力してくれて、純はすぐに一花の元へ駆けたのだった。

 

 

 

 

 

純「一花!」

 

一花「!・・・ジュン君。」

 

純「髭のおっさんは?」

 

一花「車取りに行ってるとこ。」

 

純「本当に戻るつもりはねーんだな?」

 

一花「ジュン君、もう一度聞くね。何でそんなにお節介焼いてくれるの?」

 

純「パートナーでもあり、ダチでもあるからな。」

 

一花「それだけ?」

 

純「ああ。」

 

すると、一花は手に持ってるiPadを弄って純に見せた。そこには

 

純「これは・・・台本・・・?」

 

台本らしき内容がびっしり書かれていた。

 

一花「半年前、社長にスカウトされて、それからちょくちょく名前のない役をやらせて貰ってた。結構大きな映画の代役オーディションがあるって教えて貰ったのが、ついさっき。」

 

一花「いよいよ、本格的にデビューかもってとこ。」

 

純「それがお前のやりてー事か?」

 

一花「そう!折角だから、練習相手になってよ。相手役がジュン君ね。」

 

純「・・・しょーがねーな。」

 

一花「やったー!」

 

純「・・・いくぞ。」

 

すると

 

一花「うん、お願い。」

 

どこか雰囲気が変わった。

 

純「『卒業おめでとう。』」

 

一花「『先生、今までありがとう。』」

 

一花「『あの教室で先生に出会って、初めて私は・・・』」

 

一花「『先生、あなたが先生で良かった。あなたの生徒で良かった。』」

 

純「・・・。」

 

一花「あれ?次ジュン君の台詞だよ。もしかして、私の演技力にジーンときちゃった?」

 

純「さっきのお前の台詞、いつか風に言えたら良いな。」

 

一花「ああ、そっちね。けど、ジュン君流石の演技力だね。全然棒読みでもないし、ちゃんと気持ちがこもってる台詞だったよ。もしかしたら、俳優になったら大成功するんじゃない?イケメンだし。」

 

純「俺の演技力なんか、大したもんじゃねーよ。」

 

一花「もう・・・本当に思ってるのに・・・」

 

一花「あ、社長の車だ。じゃあね。」

 

一花「とりあえず役、勝ち取ってくるよ。」

 

そう言って社長の車に乗ろうとしたとき

 

純「おい。」

 

純に呼び止められ

 

パンッ

 

一花「!?」

 

頬を触られ

 

一花「ほえ?」

 

頬をつままれてしまい

 

純「お前その作り笑いをやめろ。」

 

そう純に言われてしまった。

 

一花「ははは・・・え・・・?」

 

純「路地裏にいたときも、そのまま行こうとしたときも・・・作り笑いを浮かべて本心を隠す。マジむかつくんだよ。」

 

純「お前をダチであり、パートナーでもあるって言ったよな。」

 

純「俺は親父を亡くしてから、母さんと二人っきりで暮らしていて、母さんは家のためにほぼ毎日休まずに働いている。」

 

純「その母さんを楽させるために、高校野球で目立つような活躍をして、プロの世界に行き、活躍して稼いで、母さんを楽させてーと思ってる。」

 

一花「・・・っ。」

 

純「だが、お前らに関わったからには、そっちも出来る限りサポートする。風は勿論、お前らもだ。」

 

純「せめて高校野球で活躍する分、お前らのサポートをする。それが、ダチとしての義理だ!」

 

一花「・・・。」

 

純「お前はどうなんだ?余裕あるフリして、何であの時震えてたんだよ?」

 

一花「この仕事を始めて、やっと長女として胸を張れるようになれると思ったの。」

 

一花「一人前になるまで、あの子達には言わないって決めてたから。急にオーディションの話が来た事言えなくて、花火の約束あるのに最後まで言えずに黙って来ちゃった。」

 

一花「これでオーディション落ちたら・・・皆に合わす顔がないよ。」

 

そう言い、一花は花火に目を向けた。

 

一花「もう花火大会終わっちゃうね。それにしても、君が私の細かな違いに気が付くなんて思わなかったよ。お姉さんびっくりだ。」

 

純「大した事じゃねーよ。ただ、あいつらと違う笑顔だなと思っただけだよ。」

 

一花「・・・っ。」

 

一花「まいったな・・・ジュン君一人騙せないなんて、自信なくなってきたよ。」

 

純「んな事ねーよ。それに、これがお前の目指してる道なんだろ?」

 

一花「う、うん・・・」

 

純「だったら、それを貫け。」

 

一花「・・・うん。」

 

その時

 

プップッ

 

織田社長「一花ちゃん何やってんの、早く乗って!」

 

織田社長が、車のクラクションを鳴らして言った。

 

一花「は、はーい。」

 

純「それと、あいつらに謝るときは、俺も付き合ってやる。ダチでもあり、パートナーだからな。」

 

そして、一花はそのまま車に乗って会場へ向かった。

それを見た純は、スマホを取り出して

 

純「もしもし、風。四葉に変わってくれないか。」

 

とある事を伝えた。

そして、一花は無事にオーディションを終えたのだった。

 

一花「あ、ジュン君。」

 

純「よお。無事終わったのか?」

 

一花「うん。おかげさまでね。」

 

純「そっか・・・。」

 

織田社長「最高の演技だった。私は問題なく受かったと見ているね。」

 

織田社長「それとあなた・・・どこかで見た事あると思ったら、全国トップクラスの名門旭高校野球部のエースで、今年の夏の甲子園準優勝投手の安達純君ね。」

 

織田社長「一花ちゃんのあんな最高の演技をひきだしたのは恐らく君だ。」

 

織田社長「私も、個人的に君に興味が湧いてきたよ。もし俳優に興味があるなら、私の元に来なさい。チュ♡」

 

しかし

 

織田社長「あれ?一花ちゃん?」

 

既に二人はいなかった。

 

一花「ジュン君、何処に向かってるの?」

 

純「近くの公園。あいつらが待ってる。」

 

一花「皆怒ってるよね。花火大会見られなかった事。」

 

純「ま、そうだな。・・・だが、諦めるにはまだ早いんじゃねーか?」

 

そう言って公園に着くと

 

四葉「あ、一花に安達さん。お帰りなさーい!」

 

風太郎「やっと来たか・・・」

 

純「打ち上げ花火と比べると、随分と見劣りがするがな。」

 

皆が、四葉がらいはに買って貰った花火セットで花火をしていた。

 

四葉「安達さん準備万端です!我慢出来ずにおっ始めちゃいました!」

 

純「別に構わねーよ。それより助かった。風も。」

 

四葉「ししし。」

 

風太郎「気にするな。」

 

五月「一花も、花火しましょうよ。三玖、そこにある花火持って来て下さい。」

 

三玖「うん・・・。」

 

二乃「皆集まったし、本格的に始めよっか。」

 

その時

 

一花「皆!」

 

一花「ごめん。私の勝手でこんな事になっちゃって・・・本当にごめんね。」

 

と一花が頭を下げて謝罪した。

 

五月「そんなに謝らなくても。」

 

純「確かにコイツのせいでこうなったが、許してやってくれないか?」

 

二乃「全くよ。何で連絡くれなかったのよ。今回の原因の一端はアンタにあるわ。後、目的地を伝え忘れた私も悪い。安達君に大きな迷惑を掛けたしね。」

 

五月「私は、自分の方向音痴に嫌気が差しました。」

 

三玖「私も、今回は失敗ばかり。ジュンに助けられっぱなしだった。」

 

四葉「よく分かりませんが、私も悪かったという事で!」

 

風太郎「俺も、純に迷惑を掛けたな。スマン。」

 

一花「皆・・・」

 

純「お前ら・・・」

 

そして

 

二乃「はい。アンタの分。それと、これは安達君の分とお菓子ね。」

 

と二乃は一花に花火を、純には花火の他に祭りで買ったお菓子をあげた。

 

純「良いのか?」

 

二乃「うん、頑張ったからね。本当にありがとう。」

 

二乃は、優しい笑顔で純に言った。

 

五月「お母さんがよく言ってましたね。誰かの失敗は、五人で乗り越える事。誰かの幸せは、五人で分かち合う事。」

 

四葉「喜びも・・・」

 

三玖「悲しみも・・・」

 

二乃「怒りも・・・」

 

一花「慈しみも・・・」

 

五月「私達、全員で五等分ですから。」

 

そう言って、五人で線香花火を上げた。

 

純「ふぅ・・・一件落着だな。」

 

そう言って、純は風太郎の横に座った。

 

風太郎「ああ。そうだな。」

 

純「どうすんだ、帰るか?」

 

風太郎「そうしようかな・・・らいはも寝てるし・・・」

 

すると

 

四葉「行くよー!」

 

その横で、小さい打ち上げ花火が上がった。

 

風太郎「しょぼい花火・・・」

 

純「でも、今のあいつらにとってはあれでも十分なんだろう。」

 

風太郎「・・・もう少しだけ見ておくか。」

 

純「・・・そうか。」

 

純(上手く言えねーけど、コイツ・・・変わったな・・・)

 

そう言いながら、純と風太郎は五人を眺めていた。

 

二乃「残り五本・・・」

 

五月「じゃ、好きなのを選びましょう。」

 

一・二・三・四・五「「「「「せーの」」」」」

 

それぞれ好きな花火を取ったが

 

一・三「「あっ・・・」

 

一花と三玖だけ、同じ花火を取っていた。

 

一花「あは。珍しいね、同じのを選ぶなんて。」

 

すると、一花は花火から手を離して

 

一花「私はこっちで良いよ。それは譲れないんでしょ?」

 

その場を立って言った。

 

四葉「三玖!線香花火より派手な方が面白いよ!」

 

三玖「私はこれが良い。」

 

四葉「へー。そんなに好きなんだ?」

 

三玖「うん、好き。」

 

そして、一花は純達の所へ行き

 

一花「ジュン君、まだお礼言ってなかったね。応援して貰った分、私も君に協力しなきゃ。」

 

一花「パートナーだもんね。私は一筋縄じゃいかないから、覚悟しててよね。」

 

そう純に伝えたのだが

 

風太郎「一花・・・純は既に寝てるぞ。」

 

一花「え・・・?」

 

純は腕を組んで目を閉じながら静かに寝息を立てていた。

 

一花「・・・。」

 

風太郎「俺はらいはのとこに行くから、お前は純の隣にいろ。」

 

そう言い、風太郎はらいはが寝てるベンチに移動した。

 

一花「もう!」

 

そして、一花はベンチに座り、純に膝枕をした。

 

一花「頑張ったね。ありがとう。今日はお休み。」

 

優しい笑顔で、純にそう言ったのであった。

 

その数日後、純達旭高校野球部の秋季県大会決勝戦があり、純は投げなかったが、ホームランを含む3安打5打点の活躍で旭高校は12-3と快勝し、秋季県大会を制したのであった。




投稿出来ました。

これにて、花火大会のお話は終わりました。

かなりおかしな点があると思いますが、お許しを(土下座)

それでは、また。
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