純は、風太郎と一緒に廊下を歩いていた。
風太郎「そういえば野球部、準決勝勝ったらしいな。」
純「まあな。これでほぼセンバツ確定だよ。」
風太郎「そうだな。お前もしっかり怪我治して、投げれなかった分暴れてきなよ。」
純「ああ。だが、その前に東海大会を制して、その次の神宮大会も制してやる。」
風太郎「そうだな。」
その時
四葉「上杉~さんっ!」
ドカッ
風太郎「うわっ!?」
四葉が風太郎にタックルした。
風太郎「よ、四葉!」
純「おお、四葉。」
四葉「へへ。いよいよ明日ですね!」
風太郎「何が?」
純「林間学校、だろ?」
四葉「そうです!上杉さん、枝折ちゃんと読みました?」
風太郎「読んでねーよ。」
純「読んでねーんだ。」
四葉「楽しいイベント満載です。飯盒炊さんに、スキーでしょ、釣りやハイキング。そして・・・キャンプファイヤー!ダンスの伝説!」
純「ダンスの伝説?んだそれ?」
四葉「林間学校における伝説です。最終日に行われるキャンプファイヤーのダンス。そのフィナーレの瞬間に踊っていたペアは、生涯を添い遂げる縁で結ばれるというのです。」
四葉「それがきっかけで付き合い始めるカップルも沢山いるそうです。」
純「へえ・・・そんなジンクスが・・・」
純(だからか・・・ここ最近、色んな女子からダンスの誘いが来るのは・・・)
純(だとしたら・・・踊るんだったら・・・)
そう思いながら、純は三玖をチラッと見たのだった。
風太郎「言ったろ。学生同士の付き合いなど時間の無駄だ。」
四葉「で、でも、好きな人とはお付き合いしたいじゃないですか。ねえ、三玖?」
すると
三玖「・・・何で好きな人と付き合うんだろ?」
と三玖がそう言い始めた。
風・四「「えっ?」」
純「三玖?」
すると
一花「それはね、その人のことが、好きで好きで堪らないからだよ。」
と一花が後ろでそう言った。
一花「三玖も心当たりがあるんじゃない?」
三玖「な、ないよ。」
風太郎「良し。皆揃ったし、勉強始めるぞ。」
四葉「えっ、今日もですか!?」
一花「私は撮影あるからパス。て、メール送ったんだけどなぁ。」
それを聞いて、風太郎はスマホを取り出すと、確かにそのメールがあった。
純「これを機にメールじゃなくLINEにした方が確実な気がすると思うぞ。」
四葉「私も明日の準備を・・・へへへっ!」
そう言い、四葉は逃げた。
風太郎「おいコラ待て!」
純「逃げちったな。」
風太郎「全く・・・」
すると
一花「三玖、クラスで林間学校の打ち合わせがあるんだけど、いつものお願い。」
三玖「分かった。」
一花が三玖に何かをお願いして、その場を後にしたのだった。
風太郎「いつもの?」
純「俺が探ってやるから、お前は先に図書室に行っててくれ。」
風太郎「あ、ああ。」
そう言い、純は三玖の後を付けた。
すると、三玖は女子トイレに入った。
純(『いつもの』?三玖、何をするつもりだ?)
そう思いながら隠れていると、暫くすると
純(あれ、一花?)
既にいないはずの一花?が出てきた。
純(いや、あのヘッドホン・・・まさか!)
純(三玖か・・・!?成程・・・入れ替わりって事か・・・)
純(五つ子だから出来る芸当か・・・。けど・・・なーんか嫌な予感しかしねーな・・・)
そう思った純は、三玖の後を付けた。
そして、教室の中を見ると
前田「な・・・中野さん。来てくれてありがとう。」
三玖「えっと・・・前田君だっけ?クラスの皆は?」
前田「悪い。君に来て貰う為、嘘をついた。」
三玖「え?」
前田と一花の変装をした三玖が話していた。
純(アイツは・・・確か前田だったな・・・)
すると
前田「お・・・俺とキャンプファイヤーで、一緒に踊って下さい!」
三玖「え?」
前田がそう三玖に言った。
三玖「私と?何で?」
前田「あ・・・いや・・・それは・・・好き・・・だからです。」
純(やっぱり・・・そういう事か・・・)
この一連を見て、純はやはりといった表情で見ていた。
三玖(そうなんだ。一花、可愛いからよくあるのかな?)
告白を受けた三玖は、そう思い
三玖「ありがとう。返事はまた今度・・・」
言い残して教室を後にしようとした。
その時
前田「今答えが聞きたい!」
三玖「えっ?」
前田がそう言い三玖を止めた。
前田「中野さん、お願いします!」
三玖「えっと・・・」
純(ありゃりゃ、やっぱりメンドーな事になった・・・)
そう思っていた純だが
前田「あれ?中野さん、雰囲気変わりました?」
純「!」
前田「髪・・・ん?なんだろ・・・」
前田「中野さんって、五つ子でしたよね?もしかして・・・」
前田「他の誰かと・・・入れ替わったりなんて事は・・・?」
前田が少し勘付いたため、それを防ぐため
ガラッ
純「一花、んな所にいたのか。」
純「二乃達他の姉妹が呼んでたぞ。行ってやんな。」
三玖「ジュン・・・」
教室に入った。
前田「おい、何勝手に登場してんだコラ?つーかお前、野球部の安達だな?武田と並んで女子人気№1の。いくら女子にモテるからって、気安く中野さんを下の名前で呼ぶんじゃねぇよコラ。」
前田はそう言い純に詰め寄った。
純「俺の事はどうでも良い。つーか彼女の事が好きなら、返事くらい待ってやんなよ。少しは人の気持ちを考えろ。」
しかし、純は負けじとそう言い返した。
三玖(ジュン・・・)
前田「な、何勝手に人の話聞いてんだ?俺はい・・・中野さんと踊りてぇだけだ。お前関係ないだろ?」
純「一応関係者だ。」
三玖「あの・・・」
その時
前田「何だと・・・てめえ・・・!」
前田が純の胸ぐらを掴んだのだった。
三玖「お、落ち着いて!」
しかし
純「んだよ?殴んのか?ほら、殴ってみろ?」
純が普段マウンドで投げてるのと同じくらいの威圧感を出したため
前田「ア・・・ア・・・」
前田はビビって胸ぐらを掴んでた手を離して後ずさったのだった。
すると
三玖「やめて!」
三玖「私・・・この人と踊る約束してるから。」
三玖が必死な声で純の腕を取って言ったのだった。
しかし、あまりに咄嗟のことだったため
三玖「あっ。」
三玖「えっと・・・違くて・・・」
自分の言った事に気付いたのだが、時既に遅かった。
前田「そんな・・・でもコイツ・・・この前ウチのクラスの女子からダンスに誘われてたの、見たぞ!」
前田は諦めきれないのか、そう言いながら純を指差した。
三玖「えっ・・・」
これに、三玖は驚きの顔で純を見た。
純「確かに色んな女子からダンスの誘いは来た。」
前田「ホラ見ろ!だから・・・」
純「けど、全て断った。」
前田「なっ・・・!?」
三玖「そ・・・そっか・・・」
純の言葉を聞いて、三玖は少しホッとした表情を浮かべ、顔を真っ赤にしながら純の腕を強く抱き締めた。
前田「そっか・・・だから・・・。はぁ、俺が入る余地はねーな。美男美女カップル・・・羨ましいぜ。」
そう言い、前田は諦めたのだった。
三玖「あの・・・私が聞く事じゃないと思うんだけど、何で好きな人に告白しようと思ったの・・・?」
すると、三玖はそう前田に質問した。
前田「中野さんがそれを言うか・・・?」
三玖「ごめん・・・」
前田「それはそうだな・・・とどのつまり、相手を独り占めしたい。これに尽きる。」
この回答に
三玖「!」
三玖(相手を独り占めしたい・・・)
三玖は目を見開いたのだった。
前田「あーあ、何言ってんだか。迷惑掛けちまって悪かったな。そんじゃ。」
そう言い、前田はその場を後にしたのだった。
三玖「・・・行こう。」
そして、三玖は純にくっつきながら言った。
純「おい、そんなにくっつかなくても・・・」
三玖「もう少しだけ・・・それに・・・今は私、一花だもん。これくらいするよ。」
三玖(私は大丈夫。)
そう思いながら、三玖は純に更にくっついたのであった。
投稿出来ました。
今回は、前田君との絡みのお話をアレンジしてみました。
矛盾点があったら、お許し下さい(土下座)
それでは、また。