一花「三玖、話って何かな?」
しかし
三玖(平等じゃなくて、公平で良い・・・。なら、私はどうしたら・・・)
どう伝えようか三玖が言葉を見つけられなかった。
それを一花は察したのか
一花「もしかして、キャンプファイヤーの事?」
と三玖に尋ねた。
三玖「う、うん・・・」
三玖「クラスの人達が話してた。伝説はフィナーレの瞬間、手を結ばなければいけないって。」
すると
三玖「そうだ!」
タキシード姿の純が、ドレスで着飾った三玖と一花を両手でエスコートする姿が浮かび上がり
三玖「ジュンの手は二本ある。両手に花でいこう!」
そうドヤ顔で言った。しかし
一花「ゴホッゴホッ!」
それと同時に、一花が激しく咳き込んだ。
一花「・・・え?どうするって?」
これに
三玖「・・・何でもない。」
と赤面しながら言った。
一花「ごめんね~、咳が・・・」
三玖「スキーしてないで、安静に。」
一花「え~!せっかくウェアに着替えたのに。」
三玖「ダメ。病人はベッド。」
そこへ、かまくらの外へ出ていた純が戻ってきた。
純「お、一花か。」
そう言い、スマホを耳に当てた三玖に顔をくっつけ、電話に割り込んだ。
純「ついてねーな。体調崩すなんてな。」
これに
一花「あれ?ジュン君に体調悪いって言ってたっけ?」
と一花が不思議そうに言った。
純「ああ、四葉から聞いたんだ。」
一花「成程ね・・・」
その時
三玖「ス、スピーカーに・・・!」
距離が近い事に耐えきれなくなった三玖は、顔を真っ赤にして純から離れ、スピーカーモードに切り替えた。
一花「ま、いいや。三玖とジュン君、一緒なんだね。」
一花「ちょっと安心、かな・・・。じゃあ私は戻るから。二人にお願い。」
一花「一人でいる五月ちゃんを見つけてあげて・・・本当は寂しいはずだから。」
そう言い、一花は電話を切ったのだった。
純「しっかし・・・どこに行ったんだ、五月は?」
三玖「携帯も繋がらないし、もしかしたら上級者コースに行っちゃったのかなぁ・・・」
純「三玖。実は・・・」
その時、純は追いかけっこが始まったときのことを話した。
三玖「・・・そうだったんだ。」
純「ああ。あれ、一花だって言ってたけど、五月だったんだ。」
三玖「それで・・・五月は?」
純「スマン。あの時お前に用があるって言ってすぐに別れてしまった。」
三玖「・・・そうなんだ。」
その時
四葉「三玖と安達さん見っけ!」
四葉が駆けつけてきて三玖に飛び付き、押し倒してしまった。
四葉「へへーん!こんな所で油断してちゃ駄目ですよ!」
三玖「忘れてた・・・」
純「四葉か?って事は・・・」
風太郎「ゼエ・・・ゼエ・・・やっと見つけたぞ、純・・・」
純「お前も一緒だったか・・・」
四葉「上杉さんだけじゃないですよ!一花と二乃も一緒ですよ!残るは五月だけです!」
二乃「あ、安達君!探したよー!」
三玖「一花・・・休んでてって言ったのに。」
これには
一花「ご、ごめーん。四葉に捕まっちゃって。」
一花は手を合わせて謝った。
純「お前も随分動き回ったようだな・・・」
風太郎「あ、ああ・・・もうへとへとだ・・・」
それを見て
純「・・・一花と一緒に部屋に戻んな。」
そう純は言った。
そして
純「それより四葉、風。五月には逃げられたのか?」
純はそう四葉と風太郎に尋ねた。
四葉「いえ、探しましたが、見かけもしませんでした。でしたよね、上杉さん。」
風太郎「・・・ああ、そうだったな。」
それを聞いて
純「・・・」
純は険しい顔をした。
三玖「どうかした?」
純「・・・事態は思ったよりヤベーかもしんねーな。」
その言葉に
二乃「どういう事、安達君。」
二乃は不安そうに尋ねた。
二乃「・・・遭難?」
純「ああ。こんだけ動き回って誰も五月と会ってねーのはおかしい。」
一花「まさか・・・」
三玖「やっぱり繋がらない・・・」
三玖「一花、五月は本当にスキーに行くって言ったんだよね?」
一花「う、うん・・・」
その時
四葉「あっ!まだ行ってないかも!ここ!」
四葉がそう言って、ゲレンデマップの一番端にあるプロフェッショナルコースを指差した。
純「ここか・・・。確か・・・」
二乃「うん・・・まだ整備されてない危険なルートだから、立ち入り禁止って、先生が言ってた・・・」
純「・・・俺と風が行く。お前達は、コテージで待っててくれ。」
それを聞いた
風太郎「純!?」
一花「ジュン君!?」
二乃「危険だよ!?」
三玖「ジュン・・・!?」
四葉「安達さん!?」
一花達は目を見開いた。
純「必ず見つけてみせる。」
そう言い、純は四人を見た。
一花「・・・分かった。頼むね。」
二乃「一花!?」
一花「ここはジュン君を信じよう・・・」
二乃「・・・分かった。安達君、五月をお願い。上杉、アンタもよ。」
風太郎「分かった。」
純「風、急ごう。」
風太郎「ああっ!」
そして、純と風太郎はすぐに去ったのだった。
一花「私達も戻ろう。二乃、三玖、四葉、大丈夫だよ。ジュン君なら、きっと・・・」
そう言い、一花は三人を連れてコテージへ向かった。
一花(・・・五月ちゃん。)
その時、一花は五月と今朝交わした会話を思い出した。
回想
一花「フータロー君もそうだけど、そんなにジュン君は悪く見えるかな?」
五月「そ、そういうわけでは・・・」
すると、五月は一花の手を握りしめ
五月「ただ、男女の仲となれば話は別です。私は彼らのことを何も知らなさすぎる・・・。特に安達君は一番何を考えているのか分かりません。お父さんとの関係も・・・。男の人は、もっと見極めて選ばないといけません。」
回想終了
一花(五月ちゃんは、まだ追ってるんだね・・・)
一花(大丈夫・・・フータロー君とジュン君は、お父さんと違うよ。けどジュン君・・・私も君のことがよく分からない・・・。だから・・・いつか教えて欲しいな・・・。私達に・・・君のこと・・・)
そう、一花は心の中で呟いたのだった。
そして、純と風太郎の必死の捜索で、何とか五月を見つけることが出来、五月は大騒ぎを起こしたことを皆に謝った。
そこに純と風太郎が間に入ったお陰でこれ以上叩かれずに済み、この件に関しては終了となったのだった。
キャンプファイヤーでダンスの時間が近づくにつれ、周りでは続々とにわかカップルが誕生していた。
松井「相手がいないなら、踊ってあげても良いけど・・・」
前田「え!?お、おう・・・」
その様子を、一花は毛布にくるまって階段に座り、微笑ましく見つめていた。
一花「わっ!?」
その時、頬に温かい物が触れた。
三玖「あげる。風邪は水分補給が大事。」
それは、三玖がホットの抹茶ソーダを一花の頬に当てたのだ。
そして、三玖は一花の隣に座った。
一花「あ、ありがとう。へー、ホットもあるんだ、抹茶ソーダ・・・」
すると、三玖が一花の額に自分の額をくっつけてきた。
三玖「治ってる。」
一花「うん・・・何とかね。けど、今日はジュン君に感謝だね。」
三玖「うん・・・皆が慌ててる中、ジュンは冷静さを崩さなかった。けど、ジュンには無理させちゃった・・・」
一花は、身体をずらして三玖に向き直って
一花「・・・ごめんね。ダンス、断るべきだった。もっと早く気付いてたら良かったのにね。伝説の事・・・三玖の想い。」
一花(そして、この気持ちにも・・・)
そうして、一花は辛そうに目を伏せた。それを見た三玖は
一花「え・・・三玖?」
一花を抱き締めた。
三玖「ずっと気にしてた。一花や二乃が、ジュンとどう接しているのか。私だけ特別なんて、平等じゃないと思ってたから・・・」
一花「そんな事・・・」
三玖「でも、もうやめた。」
そう言い一花を離すと、三玖は吹っ切れたような笑みを浮かべ
三玖(・・・独り占めはしたい。この感情に嘘はつけない。だけど、それは今じゃない・・・)
三玖「私は、ジュンが好き。だから好き勝手にするよ。その代わり、一花も・・・お好きにどうぞ。負けないから。」
そう言い、一花の両手を包み込んだ。
それは三玖の宣戦布告。誰にも言えずに沢山悩んで苦しんで、彼女が出した答えだった。
一花は、フッと口元をほころばせて、抹茶ソーダを飲み干した。
一花「絶妙にマズイ・・・」
三玖「・・・そうかな?」
一花「でも効力抜群だよ。ありがとね。」
三玖「うん。」
その時
純「一花・・・三玖・・・」
純が後ろから二人に声をかけた。
一花「ジュン君!?」
三玖「どうしたの!?」
純「ちょっとな。それよか、何か色々あったな・・・」
そう言い、純は一緒に座った。
一花「うん・・・」
三玖「そうだね・・・」
すると
二乃「あ、安達君・・・」
二乃が現れた。
純「ん?二乃か・・・。どったの?」
二乃「ちょっと・・・ね・・・」
純「なんだよ、ちょっとって・・・四葉と五月は?」
二乃「あの二人なら、上杉と一緒にどこかへ行ったわ。」
純「そっか・・・」
二乃「安達君こそ、そんなところで何やってんの?」
純「何もせずぶらついてたらこの二人に会ったから、一緒にいるだけ。」
二乃「・・・そう。」
そして、二乃も一緒に座った。
すると
三玖「ねえ、ジュン・・・」
純「ん?」
三玖「私は勿論、一花と二乃、この場にいない四葉と五月も、ジュンがどんな人なのか分かんない・・・」
純「・・・いきなりだな。」
三玖「別にだから話してってわけじゃないよ。その内話したくなったら、話して。ジュンの事。」
そう三玖は純に言った。
純「っ!」
それを聞いた純は、少し目を見開いた後
純「・・・ああ。そのうちな。」
そう三玖に返したのだった。
『さあ、キャンプファイヤーもフィナーレです!皆でカウントダウンお願いします!』
『せーの・・・!』
「「「10!」」」
「「「9!」」」
「「「8!」」」
「「「7!」」」
「「「6!」」」
「「「5!」」」
「「「4!」」」
「「「3!」」」
「「「2!」」」
「「「1!」」」
「「「0!」」」
そして、キャンプファイヤーを囲うように置かれた花火から、火柱が輝きながら噴きだしたのだった。
純「スゲーな・・・」
一花「そうだね・・・」
二乃「ええ・・・」
三玖「うん・・・」
それを、純達はそう言いながら見ていた。
その際、四人は手を繋ぎ合っていたのであった。
投稿出来ました。
かなりぐちゃぐちゃかつ強引に纏めてしまいました。
読みにくかったら、大変申し訳ございません。
さて、アニメだとこれで1期が終わりましたね。
次は漫画だと5巻ですね。
何とかアレンジしてみます。
それでは、また。