五等分の花嫁と野球の天才   作:ホークス馬鹿

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28話です。


28話

純「・・・。」

 

マルオ「・・・。」

 

この日、東海大会の決勝戦を迎えており、純は試合前に西辺監督と一緒に病院へ行き、右足首をマルオに診せていた。

 

マルオ「・・・ふむ。腫れはないようだが、痛みは?」

 

純「テーピングしてれば特にないっす。」

 

マルオ「ふむ。ほぼ大分良くなってるようだしね。」

 

それを聞いた純は

 

純「じゃあ、投げても・・・」

 

と言ったが

 

マルオ「駄目だ。捻挫を甘く見ては駄目だと言ったはずだ。君はプロになるんだろ。ここで無理して癖になったら、選手寿命にも関わるよ。」

 

純「・・・っ。」

 

マルオはそう言い、純を黙らせた。

そして、マルオは西辺監督に振り返り

 

マルオ「西辺さん。この子の将来を考えていらっしゃるなら、無理をさせてはいけません。良くて1イニング。痛みが出た、もしくは違和感を感じたら、すぐに止めさせて下さい。」

 

そう言った。

 

西辺「・・・はい。分かりました。」

 

純「・・・うっす。」

 

そして、診察室を出ようとすると

 

マルオ「純君。少し残りなさい。」

 

純はマルオに呼ばれた。

 

西辺「・・・外で待ってるからな。」

 

西辺監督は、そう言い診察室を後にした。

 

純「・・・何すか?マルオさん。」

 

マルオ「・・・あれからもう5年か。君も大きくなったね。」

 

純「・・・急にどうしたんすか?」

 

マルオ「いや。子供が成長するのは早いものだなと思ってね。」

 

純「・・・そうっすか。」

 

マルオ「お父さんも、今の君を見たら喜んだ事だろうね。」

 

そう言うマルオの顔は、少し眉間にしわを寄せていた。

 

純「今怪我してんのであれっすけどね。」

 

そして、暫く二人の間に沈黙が流れ

 

マルオ「・・・今度の月命日、また会いに行くよ。」

 

純「そうっすか・・・。いつもありがとうございます。けど、わざわざ忙しい中無理に行かなくても・・・」

 

マルオ「僕が君達家族に出来る唯一の贖罪だからね。」

 

純「そうっすか・・・。それじゃあ、ありがとうございました。」

 

マルオ「うむ。決勝戦、投げるか分からないけど、無理しないように。」

 

その声を背中に聞き、純は診察室を出た。

すると

 

??「お、押さないでよっ!」

 

純「ん?」

 

??「二乃、病院では静かに・・・。」

 

二乃「仕方ないでしょ!怖いものは怖いわ。」

 

少し騒がしく、聞き覚えのある声がしたのでその方向を見ると

 

純「アイツら・・・何やってんだよ・・・?」

 

二乃と三玖がいた。一花と四葉もいた。それを見て、歩み寄ろうとしたら

 

一花「注射で怖がってたら、いつまで経ってもピアスあけられないよ?」

 

純「注射?」

 

一花の言葉に、足を止めた。

 

四葉「あっ、安達さん!」

 

すると。四葉が純に気付いた。

 

三玖「ジュン、何で病院に?まさか、足が悪化したの・・・?」

 

これに、三玖は心配そうな表情で純に尋ねた。

 

純「ああ。別に悪くなってねーよ。寧ろ大分良くなった。」

 

それを聞いて

 

三玖「そうか・・・良かった・・・。」

 

三玖はホッとした表情を浮かべた。三玖だけじゃなく、一花と二乃も同様の表情を浮かべたのだった。

 

純「・・・ところでお前ら、こんなとこで何してんだ?」

 

一花「何って、予防接種。毎年、この時期は受けてるんだよねー。」

 

三玖「うん。それなのに、二乃は抵抗するし、五月はどこかに逃げちゃうし・・・」

 

二乃「痛いのは嫌っ!」

 

純「そっか・・・。二乃・・・諦めて予防接種受けてきな。いい年して予防接種怖がってたら、そこらのガキンチョと変わんねーぞ。」

 

二乃「うっ・・・!」

 

一花「ははっ。ジュン君、ハッキリ言うね-。」

 

純「・・・別に。」

 

一花「相変わらずクールなんだから・・・。」

 

そう、一花は純に言った。

 

一花(学校なんてつまらないとこ・・・すぐ辞められると思ってたけど、もう少しこのままで・・・)

 

そして、一花は純を見つめ

 

一花(未練が出来ちゃったから・・・。)

 

一花(クールで温厚だけど、野球をやると凄い気迫で格好いい。けど、時々何を考えてるのか分からない・・・)

 

一花(・・・何で・・・君なんだろうね・・・?)

 

そう思いながら純を見ていた。

 

純「そんじゃあ、俺試合だから行くわ。」

 

すると、純はそう言ってその場を後にしようとした。

 

三玖「ジュン、試合出れるの?」

 

これに、三玖は疑問に思い尋ねた。

 

純「いや、スタメンとしては出ねーよ。」

 

三玖「そっか・・・。」

 

純「けど、良くて1イニングならって言われた。」

 

二乃「それって・・・」

 

純「つっても、試合状況によるかもしんねーな。」

 

一花「そっか・・・。」

 

四葉「安達さん、勝てるよう祈ってますから!」

 

純「サンキュー。そんじゃあ、監督待たせてるから、またな。」

 

そう言い、純はその場を後にしたのだった。

 

四葉「皆、予防接種が終わったら、観に行こう!」

 

一花「そうだね・・・。」

 

三玖「うん・・・。」

 

二乃「そうね。」

 

四葉「じゃあ、上杉さんにも連絡して・・・」

 

そして、四葉は風太郎にこの事を連絡して、五月を探し、ようやく見つけて、予防接種を受けた。

 

そして、その足で球場へ行き、純達野球部の試合を見た。

試合は両者ともに一進一退の攻防だったが、旭高校が1点リードされた9回の表に土壇場で逆転し、その裏純がこの日自己最速タイの148キロの真っ直ぐを中心に三者三振に抑え、旭高校は6-5で東海大会を制した。

その際、風太郎達はまるで自分の事のように大喜びしたのであった。




投稿出来ました。

今回のお話で、アニメだと2期、漫画だと5巻に突入しました。

しかし、オリジナル話は本当に難しい・・・。

試合は、上手く頭の中で纏まらなかったので省略しました。大変申し訳ございません(土下座)

それでは、また。

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