旭高校野球部グラウンド
純「ふぅー・・・」
旭高校野球部は、三が日を終えてから初の練習に入っていた。
純も、室内練習場でウェイトトレーニングをし、汗を流していた。
西辺「おお、安達。そこにいたか。」
すると、室内練習場に西辺監督が現れた。
純「ああ、監督。何か用っすか?」
西辺「ああ。今日の練習、午後から映画の撮影で休みなのは聞いたよな?」
純「ああ、知ってますよ。」
西辺「もうそろそろ来るから、それを知らせにな。」
純「ああ・・・もうそんな時間なんすね。分かりました。」
西辺「ああ。」
すると
スタッフA「失礼しまーす!今日はよろしくお願いしまーす!」
映画の撮影スタッフが現れ
みぃちゃん「うわああっ!本物の安達純さんだー!」
りなりな「生で見ると本当にイケメンだねー!」
こんタン「よろしくお願いしまーす!」
今を時めくみぃちゃんに、りなりなとこんタンが見えた。
純「ど、どうも・・・」
純(スゲー・・・本物のみぃちゃんにりなりな、そしてこんタンだ・・・)
これには、純も目を丸くし
純(まあ・・・取り敢えず帰るか・・・)
そう思い、室内練習場を後にしようとすると
??「まさかウチの高校が撮影現場だとはね~。」
??「とにかく、頑張ろう!」
??「よろしくお願いしまーすぅ・・・」
どこかで聞いたような声が聞こえたので視線に目を向けると、純のよく知っている女優がいた。
純「あっ・・・」
一花「あっ!?」
それは一花で、一花も衣装の野球のユニフォームにダウンジャケットを羽織った状態で、カアッと赤く染まった。
しかし、すぐに切り替え
一花「よろしくお願いしまーす!」
純(うわああっ・・・コイツ、切り替えやがった・・・)
見なかった事にしたのだった。
そして
監督「シーン37の4、アクション!」
映画の撮影が始まった。
一花「ここのグラウンド、一度来てみたかったのですー。」
そう、髪を上の方で二つ結びにした一花が、ほっぺにぷにっと人差し指を当てて小首を傾げながら言った。
みぃちゃん「タマコ!そんな事言ってる場合じゃないよ。」
一花「えー、何の話ですー?」
りなりな「ここ、呪いのグラウンドだよ。」
こんタン「ここで野球をすると死んじゃうっていう・・・」
一花「うーん・・・タマコには難しくてよく分からないのですー。それより、野球をするのですー。」
この一花の演技に
純(スゲー・・・こうも雰囲気変わんのか・・・)
純は驚きの表情で見ていた。
一花「うふふふ・・・」
演技を続けていた一花だが
一花「・・・。」
やはり純を意識してしまうのか、チラッと一瞬純に視線を走らせる。意識するまいと思っても、ふとした拍子に素の部分の自分の顔が覗かせてしまう。
一旦出番が終わった一花は、純を室内練習場の中に引っ張り込んで
ドン
純「んだよ、タマコちゃん。」
一花「ジュン君・・・恥ずかしいから、見ないでくれるかな?」
壁ドンして、羞恥心いっぱいの顔を純に向けながら言った。
純「だったら断れば良かったんじゃねーのか?」
これに、純がそう言うと
一花「皆には誤魔化してるけど、貯金が心許なくてね。」
一花「いやー、食費やら光熱費やら、思ったよりかかるんだもん。だから、どんな仕事も引き受けるって決めたんだ。あの子達の為にも、私が頑張んなきゃ。」
純「・・・。」
そう、長女としての覚悟の声で俯きながら言い、その思いは純にも伝わった。
一花「だから止められても・・・」
純「その努力を否定はしねーよ。」
その言葉に、一花はハッとした。
純「それに、アイツのサポート役を続けるようにしてくれたお前には感謝している。」
純「そんなお前を止める権利なんざ、俺にはねーよ。」
一花「ジュン君・・・」
純「けど、ぶっ倒れる程すんじゃねーぞ。そうなったら、いくら俺でもブチ切れるからな。」
一花「う、うん・・・分かってるよ。」
そう、少し照れながら言い、顔をあげた時
スタッフB「中野さーん、撮影準備出来ました。」
スタッフの声が聞こえたため、一花は心と顔を仕事モードに切り替えると、小走りで戻ろうとした。
純「一花!」
一花「うん?」
その時、純に呼び止められると
純「頑張れよ。」
そう、一言言われ
一花「・・・うん!」
一花は眩しいほどの笑顔を浮かべ、撮影現場に向かったのだった。
そして、撮影は順調に進み、NGも特に無く進んだのだった。
一花がタマコの衣装のまま、ベンチブレスで使うベンチに座って無心に勉強していると
純「問五、『日米和親条約』じゃなくて『日米修好通商条約』だ。」
純の声が頭上から聞こえ顔を上げると、制服姿の純がいた。
一花「あ・・・ハハ、見られちゃった。」
純「別に隠すこたぁねーだろ。」
そう言い、純は野球部のバッグとバットケースを置いて一花の隣に腰を下ろした。
一花「こういうのは、陰でやってるのが格好良いんだよ。」
そう言い、一花がノートをベンチに置いた。その下に、一花の名前が書かれた台本が見えたので
純「台本は良いのか?」
と尋ねると
一花「うん。そっちは最後まで覚えたから。」
と一花は言ったので
純「何でそれを勉強に活かせねーんだよ・・・」
と突っ込まれた。
一花「あはは・・・私は序盤で呪い殺されるから出番が少ないんだ。」
そう言い、一花は頭を掻いた。
純「何かお前、よく死ぬな・・・」
純「しかし、スゲー演技力だな。マジ驚いたわ。」
純「女優らしくなったな、一花。」
そう、純はそっぽを向きながら言った。
しかし、何も反応無かったため視線を向けると
純「って、寝てたのか・・・」
一花が豪快な前屈みの姿勢で眠り込んでいた。
純「・・・ったく、しゃーねーな。」
それを見た純は、呆れ笑いを浮かべながら一花の肩に手を掛け、自分の肩に頭を寄りかからせ
純「お疲れ・・・一花。」
そう、頭を優しく撫でながら言った。
すると、一花の睫毛がピクリと動いて、閉じていた目が薄らと開いた。
一花(・・・こんな時に演技だなんて・・・)
一花(でも・・・こんな顔、見せられないよ・・・)
そう、ドキドキさせながら思っていた。その時の顔は、夕陽に負けないくらい真っ赤に染まった、恋してる女子の顔になっていた。
同時刻、五月はとある者に会うために待ち合わせ場所のスタバにむかった。その者は
マルオ「ご無沙汰だね、五月君。」
マルオ「今日は君達に通告に来たよ。」
五月「お父さん・・・」
五つ子達の父親、マルオであった。
投稿出来ました。
漫画とアニメを見て、原作とアニメだと風太郎君がアルバイトに通ってるケーキ屋さんでしたが、今回は主人公の野球部のグラウンドにし、オリジナルと原作、そしてアニメをミックスしました。
違和感あると思いますが、お許し下さい(土下座)
それでは、また。