原作やアニメには無いオリジナル話です。
それでは、どうぞ。
三玖「よいしょっと・・・」
自分の荷物が入っている段ボールを下ろした三玖。
その中には、まだいる物が詰められており、それらをこの段ボールに入れて纏めていた。
そして、荷物を見ていると
三玖「あっ・・・」
三玖は、ある物が目に入った。
それは
三玖「これは・・・絶対に捨てちゃ駄目・・・」
さっき落としたがすぐに拾った野球の硬球で、そこには
『じゅん』
『みく』
と書かれてあった。
少し年季が入っていて、汚れも目立ち少し文字が掠れてしまっていたが
三玖「ふふっ・・・」
三玖は、それをギュッと胸に大事そうに握り締めた。
この硬球は、五年前に遡る。
回想
五つ子達の母である零奈が病気で亡くなり、その後母のファンである医者のマルオが責任を持って引き取った。
その後、二乃は蝶々リボンを結んでオシャレな格好になったりし、五月は母と同じ話し方をするようになった。
四葉は母が亡くなる前にうさ耳リボンを結んだ。
三玖は、ヘッドホンを肌身離さず身につけるようになり、段々と皆に区別がつくようになった。
そんなある日
マルオ「先日、僕の友人の葬式に一花君と行ってたのを覚えてるね。」
マルオ「その友人の奥さんの様子を見に会いに行くんだが、皆はどうする?」
マルオが亡くなった友人の奥さんに会いに行くと言い、一緒に来るか否かを尋ねた。
これに
二乃「ごめんパパ・・・私はちょっと・・・」
四葉「私も・・・」
五月「すみません、お父さん。私も・・・」
二乃と四葉、そして五月は行かないと言った。
しかし
一花「私・・・行こうかな。」
三玖「私も・・・」
一花と三玖は、一緒に行くと言った。
マルオ「分かった。二人共、支度しなさい。」
これに、マルオはそう二人に言い、江端に運転を託して出発した。
そして、到着して
マルオ「さて。ここが友人の奥さんの家だ。」
どこにでもある一軒家に到着した。
マルオ「僕の友人には、君達と同い年の男の子がいる。どうする?会ってみるかい?」
マルオがそう聞くと
三玖「私、会ってみたい。」
三玖は会いたいと即答したので
マルオ「分かった。来なさい。」
と言った。
因みに一花は
一花「私も会いたいけど、先に行ってて。」
と言ったので、マルオは三玖を連れて先に行った。
そして、マルオが家のインターホンを押して暫くして
ガチャ
扉が開き、そこに自身と同い年で誰が見てもわかる程の端整な顔立ちをしている男の子がいた。
その男の子が、純だった。
マルオ「失礼するよ。」
純「マルオさん・・・それと・・・」
純は、三玖に気付くと
マルオ「この子は僕の娘でね。名前は三玖君と言って、君と同い年だよ。まだ他にも姉妹がいるんだけどね。お母さんと話す事があるから、純君は三玖君と一緒にいなさい。」
マルオは、三玖を紹介し、一緒にいる事になった。
そして
純「・・・なあ、キャッチボールしねえ?」
三玖「・・・え?」
そう言い、純は三玖をキャッチボールに誘った。
最初は
三玖「えいっ!」
三玖が投げたボールは、純の頭上までいってしまい
三玖「ご、ごめんね!私、運動苦手で・・・!」
その度に三玖は謝っていた。
しかし
純「はは!良いんだ!三玖、俺のグローブはどこにある?」
三玖「えっと・・・胸の辺り?」
純「そう!そこに狙いを定めてしっかり投げてみて!」
純は決して怒らず、三玖に丁寧にアドバイスした。
そして
三玖「・・・えいっ!」
三玖の投げたボールが、どんどん純が構えた位置に来ていった。
純「そうそう!そんな調子!スゲーなお前!呑み込みはえーよ!」
これに、純は笑顔を浮かべて三玖を褒めた。
三玖「・・・そんな事無い。君が・・・教えるのが上手なだけ。」
しかし、三玖は純が教えるのが上手だったからと答え謙遜したが
純「んな事ねーって。お前がスゲーんだよ!」
純は、三玖が凄いからだと言った。
その時、三玖は気になった事を尋ねた。
三玖「・・・ねえ。」
純「あ?」
三玖「・・・辛く・・・ないの?」
純「何が?」
三玖「・・・お父さんを亡くした事が・・・」
この三玖の疑問に
純「勿論辛いさ。けど、いつまでもウジウジしてるわけにはいかねーよ。」
純は確かに辛いと言ったが、そうしてるわけにはいかないと言った。
三玖「何で・・・?」
純「決して挫けるな。前を向いて堂々としろ。これは親父の遺した言葉だ。いつまでもウジウジしてたら、親父に怒られちゃうからな。だからだ。」
純「だから・・・ここから練習をして上手くなって・・・プロに行って活躍して稼いで、母さんを守るんだ。」
この理由を聞き
三玖「・・・強いんだね。」
三玖はそう呟いたが
純「んな事ねーよ。お前だって、大人しそうな雰囲気出してんのに、意志が強そうな目してんじゃん。」
純は、三玖を真っ直ぐな目で見てそう答えたのだった。
三玖「え・・・?」
純「まあいいや。もしどこかで会えたら、そん時はお互い夢を叶えような。」
三玖「・・・うん!」
その時
一花「三玖~!」
純「ん?」
どこかで声がしたのでその方向を向くと三玖と同じ顔をしたロングヘアの女子がもう一人いた。
純「お前の姉ちゃんか妹か?」
三玖「ううん。私の姉。」
純「そっか・・・。」
一花「そんなところにいたんだ。お父さんは?」
三玖「今お話中・・・」
一花「そっか・・・。所で、君がお葬式で挨拶した子だね。」
純「・・・まあな。」
一花「何してたの?」
純「見ての通り、キャッチボールだよ。三玖、すぐ上達したから楽しくってよ!」
そう言い、純は端整な顔をはにかませた。
一花「そうなんだー。ねえ、私も入れてよ。」
純「良いよ。」
そして、純は新たに加わった一花にもキャッチボールを教えて、3人でキャッチボールをし
一花「はは!キャッチボールがこんなに楽しいなんてね、三玖!」
三玖「うん!じゅん君、楽しいよ!」
純「そっか。それは何よりだ!」
お互いに楽しんだ。
暫くして
マルオ「待たせたね。」
マルオが話し終えたのか、そう言いながら現れた。
純「マルオさん・・・」
マルオ「それじゃあ純君。またどこかで。一花君、三玖君、行くよ。」
三玖「・・・うん。」
こうして、純とマルオ、そして一花と三玖は別れたのだった。
この時
純「あっ、三玖。」
三玖「ん?」
純は三玖を呼び止めると
純「ちょっと待ってて!」
そう言い、家の中に入っていった。
暫くして戻ってくると、サインペンともう一個硬球を持っており
純「ちょっと待っててな。」
そう言い、二つのボールに何かを書いた。
そして、書き終えると
純「ほい!ここにお前の名前書いて!」
そう言い、三玖にボールを差し出した。
そこには
『じゅん』
と平仮名で書かれてあった。
三玖「私の名前を?」
純「ああ!俺の名前の隣にな!」
純「まぁ・・・平仮名だけど・・・」
そう言い、苦笑いを浮かべた。
すると
三玖「ううん!書くよ!」
三玖は目を輝かせてそう言うと、二球とも
『みく』
と純の名前の隣にそう平仮名で書いた。
そして、書き終えたのを確認した純は
純「これ、お前にあげる!」
と言いながら一球だけ三玖に差し出した。
三玖「良いの!?」
三玖は、これに驚きの表情を浮かべ
純「ああ!この一球は俺が!もう一球は三玖が!」
純「楽しかった記念にな!」
とニカッと笑みを浮かべて言った。
これに
三玖「うん!!一生大切にするね!!」
三玖はそう嬉しそうに言って、ボールを大事そうに握った。
そして、二人は別れたのだった。
それ以来、三玖はこの硬球を大切に保管し、年季が入っても決して捨てたりはしなかった。
そして、紆余曲折あって前の学校から今の学校に転校して
「じゃあ中野は・・・安達の横に座ってくれ。」
先生に指定された席に向かって座ると
純「安達純だ。宜しく。」
と言われ顔を見ると
三玖「っ!」
そこには、四年前キャッチボールをした純と運命の再会を果たした。
三玖(えっ・・・じゅん君!?確かに面影ある!)
三玖(まさか同じ高校になるなんて!)
この時、三玖はまさかの再会に内心驚いたのだが
三玖「・・・宜しく。」
なんとか平静を保ち、静かに返したのだった。
回想終了
三玖(ジュン・・・じゅん君・・・)
三玖(好き・・・大好き・・・じゅん君・・・)
ボールを大事に大事に握り締め、目を閉じて頬を赤らめながら微笑んでいたのであった。
投稿出来ました。
完全オリジナル物を投稿しました。
物凄い即興なので、上手く書けたか分かりませんが・・・。
つまらなかったらすいません・・・。
それでは、また。