秋葉原が五つ子達にジャックされるぞ!
二条城などを巡ったその翌日は、班ごとの自由行動だった。
その前に純達野球部がホテルに到着し、拍手の中迎えられた。
そして、クラスメイトや他クラスから祝福の言葉をかけられ
三玖「ジュン!おめでとう!」
純「サンキュー、三玖!」
一花「おめでとう!」
二乃「ホームラン打ったってね!」
純「サンキュー!」
四葉「おめでとうございます!」
五月「優勝おめでとうございます!」
武田「安達君。県大会優勝おめでとう!」
前田「やったじゃねぇかコラ!」
風太郎「やったな!」
純「サンキュー!」
五つ子や風太郎に武田や前田にも祝福の言葉をかけられた。
純も、その言葉を受け入れてはいたのだが
純「・・・」
ほんの一瞬、どこか複雑そうな表情を見せていた。
三玖「・・・」
それを、三玖は見逃す事なかったのだった。
そして、この日は班ごとの自由行動だった。
二乃「純君の班、どこに行くのかしら・・・」
そう二乃が言うと
四葉「皆は行きたいトコある?」
四葉がそう尋ねてきた。
すると
二乃「それはやっぱ、旅と言えば買い物よ。古~いお寺より、おしゃれなお店の方が楽しいわ。」
二乃が、ウットリとした表情で三年坂を彼(純君)と手を繋いで歩いてる姿を想像して言った。
一花「分かってないなー。折角の京都だよ?ならではの美味しい物を食べさせたいよ。」
これに一花は、二乃同様ウットリとした表情で名物の団子を、彼(ジュン君)に
「あーん。」
と食べさせてる姿を想像して言った。
すると
五月「私もその意見は理解出来ますが・・・今はもう少し、京都駅構内であの日の事を・・・」
五月は、ある人物と一緒に並んで歩く姿を想像したのだが
五月「いえ、散策しても良いかと思います。」
すぐにハッとして言い直した。
この五月の様子に
四葉「五月。急にどうしちゃったの?」
四葉がこっそり尋ねると
五月「私は・・・」
五月が四葉に何か言いかけたその時
一花「あっ!ジュン君の班が出発したよ!」
一花が声を上げて言った。
二乃(素直に合流しないという事は、一花と三玖は考えてる事は同じってわけね・・・)
二乃(五月はよく分からないけど・・・純君絡みではなさそうね・・・)
二乃は、一花と三玖の様子をうかがいつつ
二乃「付いて行くわよ。」
真っ先に行動を開始した。
一花も当然のように続き、三玖も、手作りパンが入っている紙袋を大事そうに胸に抱えながら、二人の後に続き
五月「行きましょう。」
四葉「うん。」
四葉と五月も、これに続いたのだった。
そして、純達が向かったのは
前田「スゲぇ・・・」
武田「実際に生で見ると壮観だね・・・」
純「伏見稲荷大社の名物、千本鳥居な。」
風太郎「生はスゲぇな・・・」
伏見稲荷大社だった。
その名物である千本鳥居を見ながら、登っていった。
その後に続いて
四葉「わあっ!これずっと鳥居なの!?」
五月「写真では見ていましたが、やはり実物は壮観ですね。」
二乃「映えるわ~!」
五つ子達も登り、実物で見る千本鳥居を見て、感動の声を上げた。
そして
二乃「ほら、アンタ達もピース。」
先頭を歩く二乃は、スマホでその幻想的な景色を撮っていき、振り返って四人にカメラを向けて撮った。
四葉「何だか、姉妹だけなのも貴重だね!」
二乃「あー、五人だけってなかった?」
一花「花火の時は写真撮ってないっけ?」
五月「それこそ、小学生の頃の修学旅行以来ですよ。」
四葉「じゃあ、今度は全員で・・・」
そんなやり取りをし、四葉が言いかけたその時
三玖「ジュン、もう上かな?」
三玖が上を見上げて四葉の言葉を遮るように言った。
実を言うと、本殿の人混みで純達を見失ってしまい、ここまで追ってきたのだ。
二乃「中々見えないわ。」
一花「男の子は速いから。」
一花と二乃もそう言いながら石段を登っていき
四葉「よーし!私達も頑張ろー!」
四葉が元気一杯のガッツポーズで気合を入れて言ったのだが
二乃「ハァ・・・ハァ・・・結構長いわね・・・」
五月「足が痛くなってきました・・・」
一花「そうだね・・・」
緩やかな上り階段が延々と続いてるため、二乃と五月、そして一花の足取りが重くなっていった。
四葉「もー、皆遅ーい!」
しかし四葉は、流石の体力で息切れしている三玖の手を引きどんどん上っていった。
その様子を見て
二乃「あの子は気楽で良いわね。」
一花「あれが四葉の良いとこだよ。」
一花と二乃は穏やかに話していたのだが
二乃「そうね。どこかの腹黒さんとは大違いだわ。」
一花「!」
二乃「どうせ今日も悪巧みを企てているんでしょ?」
二乃がそう嫌味を込めて一花に言うと、一花は一瞬ドキッとしたが
一花「はは・・・しないよ、そんな事・・・」
一花はすぐ笑ってそう言ったのだが、手荷物のトートバッグの持ち手をぐっと握り締めたのだった。
そして、石段を上りきると、そこは四ツ辻という京都全体が見渡せる絶景スポットに到着した。
到着すると
四葉「道が二つあるね・・・」
という事に四葉が気付いた。
これに
一花「どっちも山頂に続いてるみたいだよ。」
一花は地図を見てそう答えた。
それを聞き
二乃(純君はどっちに行ったのかしら・・・?ここで会えなかったら大幅なロスになるわ・・・)
二乃は焦りの表情を浮かべて内心呟いた。
そこへ
五月「もうお昼ですし、あそこのお店でお食事を取りましょう!」
五月がお茶屋を指差してそう言うと
三玖「待って・・・お昼は・・・」
三玖は想わず胸に抱えた紙袋を見て言った。
このパンを純に食べて貰えるチャンスは、自由昼食の今日しかないからだ。
二乃「何よ、他に食べたい物でもあるの?」
これに、二乃がそう問い詰めたが、三玖は何も言えずに顔を伏せてしまった。
その様子を
四葉「ええっと・・・」
四葉は気が気でなかったのだが、すぐに初日での新幹線のポーカーをやってた時を思い出した。
回想
三玖と四葉やり取りを密かにうかがっていた一花は
一花「そうだ。次勝った人は、何でも命令できるってルールはどうかな?」
とそう提案し
二乃「何でも、ね・・・良いじゃない。」
五月「受けましょう・・・」
三玖「負けない・・・」
二乃と三玖、そして五月も闘志をメラメラと燃やしながら参戦した。
その結果は・・・
四葉「フルハウス!私の勝ちだね!」
四葉が勝利してしまい、何でも命令できる権利を得たのだった。
回想終了
それを思い出した四葉は
四葉「二手に分かれよう!」
四葉「私と三玖が右のルート。一花と二乃と五月が、左のルートね!」
四葉「そうすれば、上杉さんや安達さんと入れ違わずに済むよ!」
皆に向かってそう提案してきた。
これに
二乃「ちょっと待ちなさい!」
一花「勝手に決められちゃ・・・」
二乃と一花は抗議しようとしたが
四葉「勝者の私が言う事は絶対!何でも命令できる権利!」
四葉はそれを盾にごり押しし、軽く拳を作って三玖に笑みを浮かべたのだった。
そして
二乃「アンタが余計な提案をしたせいで、変な事になっちゃったじゃない。」
二乃「人の流れから見て、あっちが正規ルート・・・」
左ルートを進みながら、二乃はブツブツと文句を言い
一花「・・・」
これに一花は何も言わないが、焦っている様子が伝わった。
五月「えっと・・・二乃達は何の話を・・・」
しかし、五月は蚊帳の外だった・・・。
すると
五月「あ、お手洗いです。ちょうど行きたかったので、こっちで正解でした。」
公衆トイレに目を留めた五月は、すぐにトイレに向かった。
二乃「この先には無いのよねー。私も行っておこうかしら。」
二乃も、そう言い五月に続いてトイレに向かった。
二人がトイレに入ったのを確認した一花は、決意の表情を浮かべ、行動を開始した。
一方三玖ら右ルートは
三玖「ハァ・・・ハァ・・・」
体力が無い三玖は、ハァハァと肩で息をしていた。
その様子を見た四葉は
四葉「三玖~!早くしないとお昼終わっちゃうよ~!」
手を振って声をかけ
三玖「うん・・・あと少し・・・」
三玖は辛そうな表情ながらそう答えると
四葉「この日のためにずっと頑張ってきたんだもん!あと少しだけ頑張ろっ!」
四葉が明るく励ました。
それを聞き
三玖「四葉・・・ありがと・・・」
三玖は汗だくの顔を上げて辛そうながら微笑んで言った。
一方左ルートでは
五月「もうお昼なのに・・・お腹が空きましたね。」
二乃「純君達はお昼ご飯、どうするつもりだったのかしら?」
二乃と五月がトイレを終えて外に出ると
五月「あれ?一花は・・・?」
一花の姿が見当たらない事に五月が気付いた。
これに
二乃「しまった・・・!」
二乃は顔をしかめ、抜け駆けされた事を察した。
その頃一花は
一花「ハッ、ハッ、ハッ!」
必死に石段を駆け上がっていた。
一花(地図を見た限りでは、こっちのルートの方が山頂まで短い。四葉だけなら負けるかもしれないけど、三玖の体力を考慮すれば、私の方が早く着く!)
一旦立ち止まって、息を整えて、また走り出し
一花(ジュン君に会ってどうしよう・・・?フータロー君や、他の班の男の子もいる。)
一花(それでも、三玖の動きが怪しい。きっと、この修学旅行中にアクションを起こす。)
そう思い、トートバッグに手を突っ込み、ヘッドホンとウィッグを取り出し
一花(またやるしかない!一度ついた嘘はもう取り消せないなら、三玖を止めるため、私は嘘つきを演じ続ける!)
そう決意し、三玖の変装をしたのだった。
そして、頂上に辿り着くと
一花「・・・誰もいない・・・」
まだ誰もいない事に気付き
一花(途中ですれ違わなかったという事は、やっぱりジュン君は右ルートを!)
一花(急がなきゃ!これだけ走ったんだから、三玖達はまだ・・・)
右ルートの石段に向かって駆け出そうとしたその瞬間
一花「え?」
三玖を背負った四葉に遭遇し
一花「・・・」
この瞬間、一花の顔から血の気が引き、銅像のように固まり、心臓が激しく脈打つのを感じたのであった。
投稿出来ました。
伏見稲荷大社はの千本鳥居は絶景ですよ!
見てて、我ながら呆けてしまってましたね(笑)
しかし、一花のこの行動は、一部ファンが嫌う理由の一つでもあるのかな・・・?
けど、それだけ好きな人に振り向いて貰いたいという思いがあったから、こういった行動をしたのだと思いますね。
やり方はともかくとして、ですけどね・・・。
それでは、また。