五等分の花嫁と野球の天才   作:ホークス馬鹿

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78話です。


78話

三玖「・・・」

 

観光客で賑わう映画村で、三玖は一人とぼとぼと歩きながら昨日の事を思いだしていた。

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

一花『やっぱDコースが良いなー。三玖、交換しようよ。』

 

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

 

 

昨夜、一花に突然そう言われてコース交換をした。

三玖が当初選んだのは、当然ながらDコースだ。

 

三玖(私と選択コースを取り替えるなんて、何で言い出したんだろう?)

 

三玖(ここにいるのは一花の筈だったのに・・・)

 

そう内心呟き、俯き加減で歩いていると

 

??「どこ行くんだコラ?」

 

前方から声がしたので頭を上げると

 

三玖「!」

 

そこには純達がいて、映画村のパンフレットを見てどこに行くか決めており、声をかけたのは前田だった。

 

武田「あっ、中野さん。また会ったね。」

 

武田も、輝かしい笑顔で声をかけ

 

純「なぁ、み・・・」

 

純が声をかけようとしたら、三玖は咄嗟に目を瞑り、純達の横を端って通り過ぎていった。

それを見て

 

武田「ははっ、また逃げられちゃった。」

 

前田「安達。お前嫌われてんじゃね?」

 

風太郎「前田。お前の顔が怖いんじゃないのか?」

 

前田「んだとコラ!」

 

武田と前田はそう話していた。

本当は純の事が好きで好きで堪らないから逃げているのだが。

そんな後ろ姿を見ていた純は

 

純「あっ、三玖!止まっ・・・」

 

三玖が町娘の格好をしている人とぶつかりそうになったので止めようとしたが

 

ドン

 

ぶつかってしまい、三玖は尻餅をついてしまった。

 

純「大丈夫か?」

 

純は、三玖に駆け寄り

 

純「すみません。」

 

町娘に謝ったが、手拭いで頭を被っている町娘は返事もせずそのまま先を急ぐと、建物の角を曲がって身を隠し、そっと顔を覗かせた。

その町娘の正体は

 

一花(三玖・・・逃げちゃ駄目だよ・・・)

 

一花(三玖・・・こんな事で許されるとは思ってないけど・・・)

 

一花だった。

実は腹痛と偽って体験学習をサボり、こっそり抜け出してきたのだ。

 

純「ちゃんと前見ねーと危ねーぞ。」

 

そんな中、純がそう言ってしゃがみ三玖に近付くと

 

三玖「!?」

 

三玖(ジュンがこんなに近くに・・・!)

 

三玖はすぐ顔を真っ赤にし

 

三玖(二乃、ごめん。やっぱり無理だよ・・・)

 

純「お、おい三玖!」

 

すぐ駆け出した。

それを見た一花は

 

一花(また逃げようとしてる・・・何か、興味の引けそうな物は・・・)

 

焦って周りを見渡すと、『扮装の館』を見つけ

 

一・?「「戦国武将の着付け体験如何ですかー?」」

 

そう声を張ると、三玖の足がピタッと止まった。

 

前田「着付け体験だとよ。コスプレとか恥じぃだろ・・・」

 

前田がそう言ったが

 

武田「良いじゃないか。郷に入っては郷に従え。上杉くんはどうするんだい?」

 

武田はやっても良いと言い、風太郎に意見を求めた。

 

風太郎「・・・まぁ、俺は別に良いが・・・純はどうする?」

 

風太郎はそう返し

 

純「俺は・・・別に。」

 

純は少し遠慮気味だったが

 

武田「君なら特に似合うと思うよ。中野さんもそう思うよね?」

 

武田はそう言い、三玖に聞いたら

 

三玖「コク」

 

三玖は、頷いたのだった。

因みに呼び込み時に誰かの声が重なったと感じた一花は、隣を見ると

 

二乃「一花、何で・・・!?」

 

一花「二乃こそ・・・」

 

二乃が自分同様町娘の格好をしながらそこにいた。

 

二乃「私は、せめてあの二人を見守ろうと仮病を使って・・・」

 

二乃も、心配で仮病を使って抜け出したのだ。

 

二乃「アンタ、またあの子の邪魔しに・・・」

 

そう、最初は一花を疑ったのだが

 

一花「ち、違う!私も腹痛で抜けてきたの!って言っても信じて貰えないと思うけど・・・」

 

一花は慌ててそう弁明し

 

一花「私のした事は許されないとしても、最終日が終わる前に、少しでも罪滅ぼしをさせてほしいんだ。」

 

しゅんとして目を伏せ、肩をさすりながら言った。

暫くして、四葉と五月もやって来て、誰もルールを守っていない事に気付いた二乃は、苦笑いを浮かべつつもどこか嬉しそうにしたのだった。

そして、呼び込みに釣られた純達は、『扮装の館』の前で着付けのスタッフと話をしていた。

 

二乃「やっぱ、上杉にはちょっと協力して欲しいし、あの男達は邪魔ね。」

 

二乃「ちょっと私がなんとかしてくるから、一花は三玖に着付けさせるように仕向けなさい。」

 

すると、二乃がそう一花に言ったので

 

一花「仕向けるってどうやって・・・?」

 

一花が聞くと

 

二乃「そりゃあもう、得意でしょ?三玖の変装。」

 

二乃が意地悪そうな笑みを浮かべて言ったので

 

一花「・・・意地悪・・・」

 

ムスッとしたのだった。

そして、純は新撰組の隊士に扮し、『誠』と中央に書かれてある白い鉢巻をつけ、大小の刀も一緒に差して腕を組みながら

 

純「風達マジおせーな。アイツら何の格好のコスプレしたんだ?」

 

純「なんか三玖もいねーし・・・」

 

純「やっぱ・・・俺じゃ三玖とは・・・」

 

そんな事を呟いていると

 

純「ん?」

 

建物の陰に隠れていた三玖が、華やかな着物に花の髪飾りを付けた、可憐なお姫様の格好をしながらそっと自分をのぞいているのに気付き

 

純「三玖・・・なのか?」

 

その姿に一瞬身惚れた純は、そう三玖に聞くと

 

三玖「うん・・・」

 

三玖は、こくんと頷いた。

 

純「え、ええっと・・・お前も着替えたんだ。」

 

いつもと違って歯切れを悪くしながら聞くと

 

三玖「そのつもりはなかったんだけど、何故か係の人がノリノリで・・・」

 

三玖「どう、かな?変・・・じゃない?」

 

三玖は上目遣いでそう尋ねた。

これに

 

純「いや、スゲー似合ってる。めっちゃ可愛い。」

 

純は少し照れながら褒めた。

それに

 

三玖「あ、ありがとう・・・」

 

三玖の顔は一気に赤くなり、顔を下げながら

 

三玖「えっと、フ、フータロー達は?」

 

風太郎らがどこに行ったのか聞くと

 

純「それが全然来ねーんだよ。何やってんだろうな・・・?」

 

純は頭を掻きながらそう答えた。

すると

 

純「な、なぁ、三玖。」

 

三玖「ん?」

 

純「一緒にアイツらを捜そうか。」

 

純がそう三玖に言った。

これに

 

三玖「う、うん。そうだね。」

 

三玖は緊張気味にそう了承した。

 

純「まぁ何だ。このセットは江戸の町なんだけど、幕末の京都っていう体で行くか。不逞浪士を探し、捕えるという感じで。」

 

加えて純がそう言うと

 

三玖「フフッ・・・うん!」

 

三玖は、緊張が取れたのか、自然の笑みを浮かべながら返事をしたのだった。

因みに武田達は

 

前田「ギャアアア!!」

 

武田「安達君!本当にここにいるのかーい!!」

 

二乃によって、『史上最恐のお化け屋敷』に何故か誘導されていた。

 

二乃「誘導成功。」

 

そう言いながら、二乃は手をたたきながら出てきて

 

風太郎「何で俺は出したんだよ・・・?」

 

風太郎も一緒だった。

因みに風太郎は町人の格好で、武田は若侍で前田は忍びだった。

 

二乃「良いから、アンタもちょっと協力しなさい。三玖の為に。」

 

二乃に言われ、風太郎は

 

風太郎「・・・よく分かんねーが、分かったよ。」

 

了承したのだった。

その時

 

風太郎「おっ、純と三玖だ。」

 

風太郎がとある一点を見ながらそう言ったので二乃は見てみると、純と三玖が仲良く肩を並べて歩いており、純が優しい笑みで三玖の髪を少し触って、それを三玖は擽ったそうにしながらもどこか幸せそうな柔らかい笑みを浮かべていた。

それを見て

 

風太郎「・・・前から思ってたんだが、やっぱりアイツ・・・三玖と一緒の時は良い笑顔浮かべてる気がするな・・・」

 

風太郎はそうぼそっと呟いた。

 

二乃「あんな三玖の笑顔なんて初めてだわ・・・ホント、お似合いじゃない。」

 

これに、二乃はそう続けて言ったが、その目はどこか嫉妬の色に包まれており、知らず知らずの拳を握り締めていたのであった。




投稿出来ました。

上手く書けたかわかりませんが、どうかな・・・?

風太郎君の扮装ですが、思い付かなくて町人にしました。

不満に思ったら、お許し下さい。

それでは、また。

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