三玖「好き。」
純「・・・あぁ、知ってんぞ。」
純が、真っ直ぐな目で答えると、三玖は嬉しそうに微笑んだ。
そして、純を差していた人差し指を後ろの格子窓に向け
三玖「うん。やっぱり私は、皆が好き。」
と言った。
これに
風・二「「ええっ!?」」
思わず風太郎と二乃が揃って声を上げ、顔を出してしまい
純「テメーら、やっぱり・・・」
風・二「「あっ・・・」」
純も、後ろを振り返り睨むように言った。
四葉「三玖、気付いてたの?」
五月「一体いつから・・・」
四葉と五月が、茶屋から出て尋ね、二乃達も出てきた。
三玖「やっぱり・・・一花と二乃の声が聞こえた時から、おかしいと思ってた。」
純「それに、戦国武将の着付け体験って言ってたけど、着付け一覧に戦国武将なんて無かったぞ。」
これを聞き
風太郎「待て待て、整理しよう・・・えっ、どういう事だ・・・?」
風太郎は脂汗を浮かべながら考え込んだ。
純「テメーは一体何を想像したんだよ・・・」
三玖「うん・・・一体何を想像したの?」
これに、純と三玖は揃って風太郎を揶揄うと
風太郎「し、知らねーよ!」
と顔を真っ赤にしながらその場を後にした。
純「じゃあ三玖。これ返しに戻ろうぜ。」
純は、今自分が着てる新撰組の衣装と三玖が着てる可憐なお姫様の衣装を指差して言うと
三玖「あっ、私は少し用があるから、先に行ってて。」
三玖がそう言ったので
純「・・・そっか。そんじゃあ、先行ってるな。」
純は、優しい笑みを浮かべながら三玖の髪を撫でると風太郎を追いかけ
純「テメー、今までどこに行ってたんだよ?」
肩を掴んだ。
風太郎「お、俺は武田達と一緒にお化け屋敷に行って・・・!」
純「祐輔達はどうした?」
風太郎「し、知らん!二乃に連れられてさっきの状況だ!」
純「あっそ・・・んじゃあ、さっさと着替えようぜ。そこに祐輔らも来るかもしんねーし。」
風太郎「あ、ああ・・・」
そう言いながら、扮装の館に向かった。
その純の様子を、三玖は柔らかい笑みを浮かべながら見た。
それを
四葉「三玖、良いの?せっかく伝えたのに・・・」
四葉が気遣うと
三玖「良いんだよ。私は誰かさんみたいに、勝ち目もないのに特攻するほど馬鹿じゃない。」
三玖はさっぱりした表情で言い
二乃「誰が馬鹿よ。」
二乃も自覚があるのか、三玖の言葉に反応した。
三玖「それに・・・ジュンはああ見えて鋭いから・・・」
そう言い、三玖は純の後ろ姿を見ていた。
この時
純(やっべ・・・俺、ちゃんと誤魔化せたよな・・・多分・・・)
純はそんな事を考えながら風太郎と一緒に歩いていた。
三玖「だから四葉、パンをありがとう。」
四葉「ししし。一時はどうなるかと思ったよ。」
三玖「二乃。」
二乃「良いわよ、水臭い。」
いつものように、ツンとしながら顔を逸らす二乃。
三玖「そして、一・・・」
一花にも言おうとした瞬間
バッ
一花に抱き締められると
一花「ごめん!ごめんね、三玖!ごめんなさい!」
一花は泣きながら三玖を抱き締め、謝った。
これには三玖の目にも涙が浮かび
三玖「良いよ。恋って、こんなにも辛いんだね。ありがとう、一花。」
一花を抱き締め返し、お礼の言葉を言った。
その二人を、他の姉妹が優しく見守り
風太郎「良かったな・・・」
純「ああ・・・」
純達も、穏やかな眼差しで見つめていた。
その時
武田「おお!安達君に上杉君。こんな所にいたのかい。」
前田「や、やっと見つけたぞコラ・・・」
武田と前田が現れ、前田に至ってはひどく疲れた顔をしていたが
前田「ん?中野の五つ子全員いるじゃねーか。これはチャンス・・・ぐぇっ!」
前田は五つ子達を見るやすぐに元気になり、近づこうとしたが純に止められ
純「今はそのままにしとけ。」
風太郎「俺達だけで回ろうぜ。」
四人で回ったのだった。
それから集合時間までの間、五つ子が何をして、何を話したのか・・・それは五つ子以外、誰も知らない。
そして、いち早く着替え終わった純は、風太郎達を待っていると
一花「ジュン君。」
一花「ジュン君にも迷惑かけちゃったね。ごめんね。」
一花がいつもの笑顔を浮かべながら歩み寄ってきた。
すると
純「この映画村・・・Eコースは、お前らがバラバラに選ぶ可能性を考えて俺は選んだんだ。」
純「一花。お前ならここに来ると思ってな。つっても、女優だからっていう単純な考えなんだけど・・・」
純は目を逸らしながら言った。
それを聞き
一花「な、なんで私なの・・・?」
と聞くと
純「あの・・・その・・・昨日はマジで言いすぎた。雨に当たったからか頭が冷えたんだ。」
純「お前があんな事するには何か理由があったんじゃねーかって。なのに俺は、何も言い分聞かねーで・・・本当に悪かった。」
純は申し訳なさそうに目を泳がせながら、一花に謝った。
これに、一花はポカーンとなったが少し微笑むと
一花「全くその通りだよ!女子にあんな目を向けるなんて最低!」
そっぽを向いて怒ったフリをした。
純「悪い・・・」
一花「私、すっごく悲しかったんだよ!」
純「・・・」
純は、終始申し訳なさそうにした。
すると
一花「なーんてね。」
一花はつま先立ちをして、純の肩に手を置いて顔を寄せると
一花「全部嘘だよ。」
そう言うなり、純の頬にキスをした。
これに
純「えっ?全部って、どゆ事?」
純は少し慌てながら聞くと
一花「全部。」
一花はイタズラっぽく笑いながら言った。
その目には、少しだけ切ない涙が光っていた。
そして、帰りのバスに乗り
風太郎「そういや前田、撮れたか?」
前田「あぁ、なんとかな。」
風太郎「そうか。」
純「てかお前らさ、ヘタしたら捕まってんぞ。」
風太郎「わ、分かってる!」
前田「あ、ああ!」
武田「全く・・・」
そんな事を話していた。
実は風太郎は、誕生日のお返しを渡す為に、五つ子らの写真を撮っていた。
その為に、前田らに協力を求めたのだ。
そして、バスがホテルに到着し
風太郎「はい、チーズ。」
風太郎はチェキを構え、後部座席で身を寄せ合って寝ている五つ子に向かって、シャッターを切った。
純「これ、マジで一番のベストショットじゃね?」
風太郎「そうだな。」
そう言いながら、純達は五つ子の寝顔を見ていた。
その際
純「・・・」
純は三玖の頬を少し指で優しく撫でたのだった。
こうして、波乱万丈の修学旅行は終わりを告げたのであった。
投稿出来ました。
修学旅行編が終わりました。
いつも通りのグダグダな内容ですが、お許し下さい(土下座)
それでは、また。