第七魔法の使い手になりました   作:陸神

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英霊召喚……やっぱ場所が悪いのかな?

 英霊。

 

 それは各時代に有数の傑物が偉業を成し遂げ、人々の信仰によって世界の外にある「座」へと招かれた存在だ。

 英霊の多くは純粋な人であり、無色の魂が精霊の領域まで格上げされた存在である。

 

 本来、英霊は世界の防衛機能として召喚される最上級の使い魔。

 彼らを人の身で召喚することは能わない。

 

 だがしかし、召喚する方法が幾つか存在する。

 

 例えば、聖杯。

 

 例えば、最上位の召喚魔術。

 

 例えば────―英雄召喚システム・フェイト。

 

 三個目の選択肢はカルデアが開発した魔術科学装置の名だ。

 時代背景からも分かるが、魔術と科学、相容れない。

 

 システム・フェイトは相容れないはずの二つの要素を掛け合わせた魔術式であり、唯一無二の英霊召喚システムである。

 

 

「では、先輩の方からどうぞ」

 

「うん」

 

 

 で、俺の目の前にあるマシュの盾の上で召喚を行っていた。

 マシュの持っている盾は、とある概念を付与されて作られたもので、それ自体で英霊召喚の触媒となる。

 

「じゃあ、いくよ」

 

 リッカちゃんが先に英霊召喚を行う。

 

 理由としては、彼女らが聖晶石を持っていたからだ。

 なんかエネミーを倒していたら見つけたらしい。楽でいいな、オイ! 

 

 でもね。聖晶石、あれを直で見た時、俺は驚いたよ。

 聖晶石さ、あれそのものが超高密度に圧縮された魔力結晶だったんだわ。

 

 それこそ五百年ものの琥珀とか宝石に匹敵するレベルの魔力を含んでいる。

 あれなら神秘の薄い現代でも英霊を召喚できるのに納得だわ。

 

 ちなみに俺が聖晶石なしでも大丈夫な理由は、聖晶石がなくとも自分の魔力で代用出来るからだ。

 

 どうよ?凄いっしょ?

 

 

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公

 降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 

 閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

 繰り返すつどに五度

 ただ、満たされる刻を破却する

 

 ──────告げる

 

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

 聖杯の寄るべに従い、人理の轍より応えよ! 

 

 汝星見の言霊を纏う七天

 糾し、降し、裁き給え

 

 天秤の守り手よ──―!」

 

 

 マシュの大盾の上で魔術式が循環を始めた。

 

 青く清い光が辺りに満ち、粒子が人型を形成する。

 

 

「──────新選組一番隊隊長、沖田総司推参! あなたが私のマスターですか?」」

 

「沖田総司? 沖田総司って男じゃないの? それに新選組なら羽織は?」

 

「え? 羽織? それがどこか行ってしまいまして……」

 

 

 マジかァ…………うっそだろ、ヲイ。

 

 あいつ、初手で星5引きやがった! クソッたれが! これだから主人公サマは嫌なんだ! 

 なーんで初っ端から桜セイバー引いてんだよ!? 

 

 

「俺のことは気軽にクロノアス様とでも呼んでくれ」

 

「全然気軽じゃないッ! なんなら敬称まで付けさせようとしてる!?」

 

 

 ムカつくからしょうがないよね。うん。

 

 次、俺の番。

 霊地の龍脈の関係とか縮小化された召喚魔術式の関係上、あと引けるのは三回が限界らしい。

 

 …………ゲームでは十連ぐらいしてたと思うんだけど? 

 現実、実際問題そう上手くはいかないかー。ご都合主義万歳なんだけどネ、こっちは。

 

 

「ほいじゃ一発目。素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が系譜メイソン──────以下略」

 

「「「「「『以下略!?』」」」」」

 

「まあ、全部は面倒だし?」

 

 

 さあ、回っております、魔術陣。

 青く光り輝いて……あぁ、外れ演出だワ、コレ。

 

 沖田さんよりも弱い光で形成されたのは……。

 

 

「マーボー豆腐?」

 

「麻婆豆腐です」

 

「麻婆豆腐だわ」

 

『麻婆豆腐だね』

 

「麻婆豆腐って何です?」

 

「何か不快な気持ちになったわ、オレ」

 

 

 ゴトッという音と共に盾の上に現れたのは、皿に盛られた真っ赤な、それはもう真っ赤な麻婆豆腐だった。

 

 これって……言峰の…………うぷっ。

 画面越しだと大丈夫だったが、目の前に来ると匂いヤバいな。目頭が痛い。凄い痛い。

 

 

『この麻婆豆腐なんなんだ!? 概念礼装だよこれ!』

 

「ねえねえ、マシュ。マーボーの概念って何?」

 

「先輩。私にも分かりかねます」

 

 

 麻婆豆腐はひとまず俺のスーツケースの中にしまうこととなった。

 …………匂いとか移らないよね? 

 

「二発目行きまーす。────―以下略」

 

「「「「「『もう詠唱でもなんでもなくなった!?』」」」」」

 

 さあ、どうだ!? どうだ!? 来るか!? 来るか!? どうだ!? 

 

 

「…………外れだな」

 

 

 青い光から灰色の何かが飛び出す。

 飛び出したソレは俺の身体に着弾して、馴染んでいく。

 

 恐らくだが……。

 

『概念礼装だね』

 

「吸い込まれてったね」

 

「吸い込まれてきました」

 

 概念礼装の「鋼の鍛錬」だ。

 

 体感だが肉体の魔術回路とか刻印の質が向上したように思える。

 モデルとなる俺の肉体が強化されたと考えれば、ギリ許せる……かも? 

 

 ある程度サーヴァントと殴り合えると考えれば……ね? 

 

 う~ん……やっぱ冬木教会じゃダメかな? 駄目だな(戒め)

 柳洞(りゅうどう)寺の方が良かったかね……。絶対そっちの方が良かった気がする。

 

「ラストいっくよー。以下略ー」

 

「先輩マズいです! ロアさんの眼が死んでいます!」

 

 

 想像しろ、俺! 

 

 イメージするのは常に推しと星5ピックアップを引く自分! 概念礼装など要らぬ! 

 

 俺にとって英霊召喚とはガチャだ! 

 

 天井引きがやっぱり正義だあああああああああああああああああああああ!!!! 

 

 

 

 

「──────サーヴァント、降臨者(フォーリナー)。見て通り、ゴッ──―アレっ!? どうしてこんな場所に!? ゴッホ召喚されてる!? なんでどうして!? ウヘヘ、エヘヘ……死罪!」

 

 

 

 

 

 勝ったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!




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