皆大好きな『あの子』本格登場です。
何が…起きている…?
「はぁ…癒されるぅ~…」
この状況は一体何だ…?
思い出すのよデジたん…今の状況に至るまでの経緯を…!
私はいつものように木陰からウマ娘ちゃん達の麗しくも雄々しき姿を観察…もとい見守る為に精を出していた。
それこそが私が心の栄養を得る唯一無二の手段だからだ。
荒くなる息遣い。滴る汗。
可憐で勇ましいウマ娘ちゃん達を今日も推していると、いきなり腋に手を入れて私の身体が誰かによって持ち上がるような感覚があった。
余りにも突然の出来事に思わず放心して抵抗する事を忘れてしまった。
今にして思えば、抵抗しなくて本当に良かったけど。
私の体を持ち上げたのは、今トレセン学園内にて話題の中心となっているメジロ家の御令嬢の筆頭とも言うべき『メジロモンスニー』さんだった。
あの『ミスターシービー』さんの宿命のライバルであり、それと同時に一番の親友同士でもある歴戦のウマ娘。
かくいう私もずっとモンスニー×シービー本を過去に何冊も描いたことがある。
自慢じゃないが、そのいずれもが非常に好評だった。
今年もまた冬にでも描いて出品しようかな…。
モンスニーさんはメジロ家の次期当主であり、奇跡的な復活を遂げて今は来年の天皇賞に向けて一生懸命に頑張っていると聞いているけど、そんなお方がどうして私なんかを持ち上げている?
私にとっては高嶺の花なんて次元ではない。
それはまさに天上に咲き誇る金色の薔薇。
こうして触れる事は愚か、近づく事すら畏れ多いと言うのに…。
「最初見た時から…ずっとこうしたかったのよねぇ~…」
私の事を後ろから抱きかかえたかと思ったら、近くにある木まで行ってから腰を降ろし、私をご自分の膝の上に降ろした。
その後、まるで抱き枕のように私の身体を後ろからそっと優しく抱きしめ、後ろ髪の中に顔を埋めながら、時には静かに頭を撫でてくれる。
まさか、ウマ娘ちゃん達に夢中になり過ぎる余り遂に白昼夢を見るようになってしまったのか?
そうじゃないと、今の状況を説明なんて出来ない。
冷静に考えるのよデジたん。
お相手はあのメジロモンスニーさん。
在学中のメジロ家の方々から『お姉さま』と呼ばれ慕われているだけではなく、他の下級生のウマ娘ちゃん達からも尊敬の念を一身に集めている、謂わば『トレセン学園のお姉さま』と言うべき尊きお方。
私にとっては超が付くほどの大先輩であり至高の御方。
正真正銘の高貴なる御身分であるモンスニーさんが私を抱き枕代わりにしている?
私はアレか?
遂にトレセン学園という楽園に実った禁断の果実の一つに触れるという、とんでもない禁忌を犯してしまったのか?
分かっているのか? 知恵の実を食べたアダムとイブは楽園から追放されたのよ?
だったら、私は自分の足で次の楽園を捜しに行きますです。
そして、この目でどんな場所が楽園と呼ばれているのかを見に行きます。
「うん…やっぱ…デジたん…超可愛い…♡ めっちゃいい匂い…」
「ひゃうっ!?」
う…うなじっ!? うなじの匂いを嗅がれているっ!? 私のうなじをっ!?
それは…それ以上は刺激が…刺激が強すぎますですことよぉぉぉぉぉっ!?
かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!!
こ…興奮の余り…い…息が…!
「あー。こーんな所にいたんだ。モンスニーってば」
「シービーじゃん。やっほー」
「きひゅっ!?」
シ…シービーさんっ!? どうしてよりにもよってこのタイミングでッ!?
お願いだから誤解だけはしないで!!
私は決してお二人の間に入ろうだなんて畏れ多いことは微塵も企んではおりませぬッ!!
私はいつまでもずっと『モンスニー×シービー』のカップリングを応援し続けます!!
だから…だからどうかこの場は是非とも穏便に事を済ませてくださいまし!!
後生だから!! 後生だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
「えっと…そんな所で一体何をやってるの?」
「心と体の休憩。唯でさえ無茶が出来ない体なんだし、休める時は全力で休みたいの」
休むのは大事…それは理解出来ますが、出来ますがっ!!!
それとこれと一体どんな御関係があるのかお教えいただけると非常に有り難いのですがっ!!
あひゅ…! うにゃじが…ひゅうっ♡ ひにゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡
「アタシも暇だし…一緒に休んじゃおうかなー?」
「いいんじゃない? 一緒にデジたんを堪能しましょうよ」
ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?
モンスニーさんだけでも畏れ多すぎて申し訳ないと言うのに、ここで更にシービーさん倍率ドンですかぁぁぁぁぁっ!?
あ…ようやく私の身体がモンスニーさんから離れて…名残惜しいとか思ってませんからねッ!?
そもそも、私みたいなウマ娘がメジロモンスニーさんのようなお方と触れあっていること自体が間違いと言いますか……あれ?
いつの間にか私の身体が芝生の上に寝転んで…右側には同じようにモンスニーさんも寝転んで…左側に対になるようにしてシービーさんも寝転んだ?
これはどういう状況?
右を向けばモンスニーさんの超絶美麗なご尊顔が、左を向けばシービーさんの凛々しきご尊顔が。
『前門の虎、後門の狼』ならぬ『右門の美女、左門の美女』。
って、どっちも美女やないかーい!
「こうすれば、二人一緒に休めるわね」
「そうだね。偶にはこんなのも悪くは無いよね」
かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!!
お…お二人の息遣いが直に肌に…耳に触れてりゅぅぅぅぅぅぅぅっ!?
こここそが私の探し求めた楽園なの…?
二人の伝説的な美女に挟まれ、私はこれからどうなってしまうの…?
やヴぁい…頭が上手く機能しなくなってきた…。
あ…頭が真っ白に…いえ! こんな事でめげちゃダメよ私!
死ぬ気で頑張りなさいMy脳!!
「そういえば…アタシ、前にデジタルちゃんにキスをし損ねた事があったんだっけ」
「えー? 私とはまだしてないのに?」
「したいの?」
「そりゃ…ね。シービーとは割とマジで長い付き合いだし…もうそろそろ先に進みたいと言いますか…」
「モンスニーがアタシにだけ見せてくれる、その顔…本当に大好きだよ」
「……ん」
ラ…ラ…ラ…ラ…ラブ米だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
私を挟んで美女二人のラブ米が実ったぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
このラブが群生しているトレセン学園に、また一つ新たなラブ米が実りましたよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!! かひゅー!!
「はぁー…モンスニーの言う通りだね…。この子…すっごくいい匂いがする。落ち着くなぁ~…」
「でしょ? もうずっと、こうしていたい気分だよ……」
ひゃうっ!? お二人が私に腕に体ごとくっついて来て…って、胸が当たってますからぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
お二人のご自慢の大きなお山が二つとも私の腕に当たってますからっ!!!
そ…そうだ。こんな時は素数を数えて落ち着くのよデジたん!
えっと……私、素数なんて知らないぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!
「手…繋ごうか」
「うん…」
手を繋ぐ…?
わ…私のお腹の上でお二人が指を絡ませての恋人繋ぎをしているまでは良いけど…空いた方の手で私と手を繋ぐのはどういう事ですかぁぁぁッ!?
しかも、ちゃんとこっちの方も指を絡めて簡単には解けないようにしてるし!
お蔭で、お二人との距離が更に近くなって…もう超至近距離になってる!!
モンスニーさん…睫毛が長いんだなー…唇も潤っててプニプニしてそうだし…。
シービーさんのお肌…なんて綺麗なんだろう…まるで高級絹みたい…。
「なんだか、こうしてるとまるでサンドイッチみたいだね」
「そうだね。あたし達とデジタルちゃんとのサンドイッチ」
もしも、そんなサンドイッチがあったら即座に完売間違いないですね。
何故って? 私が全部買うからですよ。はっはっはっー。
…余りの異常事態に遂に私の頭が思考を放棄し始めているッ!?
無理もないよね。だって、こんな美女二人に挟まれているんだから。
誰だってそうなる。私だってそうなる。
あれ…精神的疲労のせいなのか、なんだか瞼が重くなってきたような気が…。
「今日は本当にいい天気だからか、普通に眠くなってきちゃったわね」
「そうだね。暑過ぎず、かといって冷えすぎず。丁度いい塩梅な陽気だね」
「しかも、芝生が良い感じに気持ちが良い。ちょっと眠くなってきちゃったかも」
「外での昼寝か…普通なら危ないって言われるんだろうけど、学園の敷地内なら大丈夫だよね」
「まだ時間はあるし…」
「だね。そうしようか」
お二人が私の耳元で何か話していらっしゃる…?
この距離なので全て聞こえているけど。
眠気のせいなのか、少しだけ呼吸が安定してきた…?
けどなんだろう…とんでもない予感がするような…。
「ねぇ…デジたん」
「ひゃうっ!?」
だ…だめ…もう…!
「今からアタシ達と…」
「おっふっ!?」
これ…以上は…!
「「一緒に寝よう…?」」
ほあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?
やる気が『絶好調』に上がった! やる気が『絶好調』に上がった!
やる気が『絶好調』に上がった! やる気が『絶好調』に上がった!
やる気が『絶好調』に上がった! やる気が『絶好調』に上がった!
やる気が『絶好調』に上がった! やる気が『絶好調』に上がった!
やる気が『絶好調』に上がった! やる気が『絶好調』に上がった!
あぁ…そっか……。
「きひゅっ!!」
ここが…楽園…だったんだぁ……。
「あ…あれ? デジたん?」
「どうやら、先に寝ちゃったみたいだね」
我が生涯に…一片の悔い…無し……ガク。
百合色全開でやってみました。
今回限りとはいえ、思ったよりもシリアスってぶっ飛ばせるんですね。
次回はまた元の雰囲気に戻します…多分。