ウマ娘 ~伝説の好敵手~   作:とんこつラーメン

3 / 61
祝! ウマ娘三周年!

ってことで、今回もまた番外編です。

今回はタグにもある通り『チームSRW』の面々と、他にも前々から出したいと思っていたキャラ達を出したいと思っています。

こんな機会でもないと出せそうにありませんしね。

それと、割とどうでもいいことではありますが、私の中でのメジロモンスニーのイメージCVを発表しておきます。

メジロモンスニー:CV 田村ゆかり

あくまで私の中での勝手なイメージなので、皆さんはお好きな声優さんで脳内再生をしてください。






番外編③ 帰ってきたライバル達(前編)

 『彼女達』は、突如としてやって来た。

 否。戻ってきた。

 

 トレセン学園の校門前に、複数のウマ娘達の立ち姿があり、各々に感慨深そうに校舎を見上げていた。

 

「うふふ…♡ 私達が暫く離れている間に、また随分と『ムンムン♡』な空気になってるわね♡」

「そうだな! 皆の噂は遠く海を隔てた地にいたボク達の耳にも入ってきたぐらいだ!」

「だからこそ楽しみで仕方がない。新しく入ってきたウマ娘達が。大きく成長したであろう私達のライバルたちが」

「あぁ…考えただけで興奮で全身が沸騰しそうになっちまうぜ…!」

「これだから、日本はいいのよね。才能溢れるウマ娘達が沢山いる…」

「早く彼女達に会って、その成長を肌で感じたいですね」

「白黒ハッキリつける為にも、こんな所で足踏みなんてしていられない!」

 

 それぞれに思いの丈を告げる彼女達の後ろに、二人のウマ娘が微笑を浮かべながら校舎を見つけた。

 

「憧れの先輩達と再会できる…。今から凄く楽しみだよ」

「この数ヶ月で確実に以前のデータを超えて来ている筈。一刻も早く計測をしてデータの更新をしなくては…」

 

 彼女達は決意を胸にトレセン学園の門を久々に潜っていく。

 全ては、ライバル達と決着をつける為に。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 トレセン学園の中庭には幾つかのテーブルセットが並んでいて、天気のいい日にはウマ娘達が良く外で食事やお茶などをしていて、それが一種の名物光景のようになっていた。

 

 そんな場所に、今日はまた珍しい組み合わせが一緒に座っていた。

 

「まさか、お前が私の事を誘って来るとは思わなかったぞ。ラモーヌ。どういう風の吹き回しだ?」

「さぁ? アナタはどう思うのかしら? フウウンサイキ」

 

 トレセン学園屈指の格闘ウマ娘『フウウンサイキ』。

 メジロの至宝とまで称される気高きウマ娘『メジロラモーヌ』。

 一見すると全く接点も無ければ、その性格も真逆と言っても過言じゃない二人。

 だが、彼女達にはたった一つだけ『ある共通点』が存在していた。

 

 それは、二人とも『トリプルティアラ』の達成者であるということ。

 

 その頭に至高の冠を頂く彼女達を尊敬するウマ娘は非常に多い。

 

「ふむ…いつもは玉露ばかりを飲んでいるが…偶には紅茶というのも悪くは無いな」

「貴女…玉露を淹れられるの?」

「ん? 一応な。これでも、一通りの家事ぐらいはこなせるんだぞ?」

「意外ね。フウウンサイキはもっと不器用な子だと思っていたわ」

「お前に言われると中々に複雑だぞ…ラモーヌ」

 

 思ったよりも会話が成立している事に周囲で見ているウマ娘達が驚く。

 ラモーヌと言えば、何を考えているのかよく分からない事で有名だから。

 

 そんな二人の会話に、堂々と割り込もうとするウマ娘がいた。

 

「む? この匂いは…」

「あら…」

 

 コツコツとヒールの音を響かせて、その顔に怪しい『マスク』を付けたウマ娘が近づいてくる。

 その全身から甘い香水の匂いを漂わせながら。

 

「フウウンサイキにメジロラモーヌ…至高の女王たる冠を頂く美しきウマ娘が揃ってお茶だなんて…なんて『ムンムン!』なのかしら!」

「矢張りお前か…」

「随分と懐かしい声を聞けたわね。ねぇ…」

 

 優美な笑みを浮かべながらも、その身から溢れる圧倒的なプレッシャーを浴びせながら、ラモーヌは自分達の時間の邪魔をした者の名を呼ぶ。

 

「…ピンクフェロモン」

 

 フランス出身にして、嘗てはフランスのクラシック三冠を達成した事もある実力者たるウマ娘。

 その怪しい雰囲気や独特の口調とは裏腹に、恐るべき脚力を誇り、その足でこれまでに数多くのウマ娘達を破ってきた。

 祖国ではモデル活動も行っており、名実ともにフランスの誇るウマ娘としての地位を確立しているが、そんな彼女が日本に来て初めての敗北を味わったウマ娘達がいる。

 それこそが、ここにいるメジロラモーヌとフウウンサイキであった。

 

 走ることに、その情熱の全てを注ぐラモーヌと、生涯現役全戦全勝を目標として掲げるフウウンサイキに敗れたことで、ピンクフェロモンは彼女達の事を完全に自分の超えるべき最大のライバルとして認め、超える為に一度祖国に戻って猛特訓をしてきたのだ。

 

「その口調とキツい匂いは相変わらずだが…」

 

 フウンサイキの口の端が僅かに上がる。

 格闘家としての本能…強者を見つけた時の笑みだ。

 

「その『覇気』だけは隠しきれんぞ。随分と『面白く』なって帰って来たもんだ。お前もそう思わないか? ラモーヌ」

「そうね。ピンクフェロモン…今の貴女なら…この私を少しは楽しませてくれるかもしれないわね」

 

 二人の圧倒的強者を前に、ピンクフェロモンの顔から笑みが消える。

 

「当然じゃない。その為に私は再び、地獄のような特訓をしてきたのだから」

「「面白い」」

 

 手元にあった紅茶を一気に飲み干し、ラモーヌとフウウンサイキが立ち上がる。

 

「来い…ピンクフェロモン。成長したお前の実力…見せてみろ」

「久し振りに、面白くなりそうだわ」

「その台詞、そのまま二人に返してあげるわ」

 

 闘争心むき出しのまま、三人は練習用ターフのある方へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 トレセン学園には様々な遊技場が併設してある。

 流石にゲームセンターなどは無いが、軽く体を動かせるサッカー場や野球場、意外とところで卓球場なんかもあったりする。

 そんな中でも最も異色なのは、何と言ってもビリヤード場だった。

 

 ビリヤード自体、プレイするウマ娘こそ少ないが、その見た目のカッコ良さから見学するウマ娘達が後を絶たない。

 今日もまた、とあるウマ娘達がビリヤードを楽しんでいた。

 

「えーっと…えい。これでナインボールです」

「ば…馬鹿な…! しかも『ブレイクランアウト』…だと…!?」

 

 対戦しているのは、最近になって短距離一本に絞った事でメキメキと実力を伸ばしつつある『ユニコーンドリル』と、本人は否定するがルドルフやモンスニーと仲がいい凱旋門挑戦経験のあるウマ娘『シリウスシンボリ』。

 だが、今回のシリウスはユニコーンにビリヤードで完全に圧倒されていた。

 

「『テンボール』でも『エイトボール』でも『ナインボールバンク』でも勝てないとは…!」

「次は何にします? 『ホノルル』でもします?」

「んな超上級者向けのゲームなんざ出来るか!?」

 

 『ホノルル』

 

 手球を的球に当てて直接ポケットに入れる、ポケットビリヤードの基本となる『シュート』が全て禁止であり、全ての的球をバンクショット、コンビネーションショット、キスショット、キックショット(空クッション)と、その組み合わせで必ずポケットしなければいけないという超絶技巧ゲームである。

 因みに、ユニコーンドリルが最も得意とするのが、このホノルルだったりする。

 

 民名書房刊『ユニコーンドリルの超初心者用ビリヤード講座』より抜粋。

 

「はぁ…悔しいが、ここまで完膚なきまでに倒されちゃ、流石に負けを認めるしかねぇな。やるじゃねぇか、ユニコーン。伊達にビリヤードで何度も大会優勝したってわけじゃあないみたいだな」

「あはは…それ程でも…」

 

 普段はルドルフやモンスニー達に対して強い口調で話しているので素行が悪いイメージがあるが、実は意外と後輩たちの面倒見が良かったりする。

 ユニコーン自身も、これまでに何回かシリウスに助けて貰った事があった。

 

「すっげー…あのシリウスさん相手に完勝しちまったよ…」

「大人しそうに見えて、めっちゃスゲェのな…ユニコーンドリル…」

「流石はチームSRWの短距離担当…!」

 

 短距離は関係ない。

 

「とは言え、後輩にやられっぱなしてのは性に合わねぇ。腕を上げてから、今度こそお前を負かしてやるよ」

「その時を楽しみに待ってますね」

「言うじゃねぇか。負けた時に吠え面かくなよ?」

 

 なんだかんだ言って、結局は先輩後輩の楽しい交流になっていた。

 …とあるウマ娘がビリヤード場に入って来るまでは。

 

「やっと見つけたぞ! 我が終生のライバル! ユニコーンドリル!」

「「ん?」」

 

 いきなり聞こえてきた元気な声。

 誰かと思って振り向くと、そこには雄々しい二本の角飾りのついたカチューシャを頭に着け、赤いマントを持ったウマ娘が仁王立ちをしていた。

 

「やや!? 一緒にいるのは、あのシリウスシンボリ先輩っ!? 流石は我がライバル! 遂には上級生にまで勝負を挑むようになるとは!」

「うわー…帰って来たんだー…」

「また五月蠅いのが来やがったか…」

 

 ユニコーンは呆れ顔になり、シリウスは心の底から面倒くさそうな顔に。

 二人は、目の前に現れたウマ娘の事をよーく知っていたから。

 

「えっと…久し振りだね…バーニングビーフ…」

「うん! 久し振りだな! 君の噂は遠くスペインにまで聞こえて来てたぞ!」

「そっかー…凄いねー…」

 

 バーニングビーフ。

 スペインから留学してきた、とても情熱的なウマ娘。

 実力、人気共に申し分ないウマ娘であり、自分の適性にさえ合えば、あらゆるレースに積極的に参加をして好成績を残し続けている。

 その脚質は『追い込み』であり、似たような脚質である『差し』を得意とし、嘗て敗れた事のあるユニコーンドリルを一方的にライバル視している。

 最初こそは適当に受け流していたりしていたが、日に日にそれもエスカレートしていき、最終的には殆ど腐れ縁のような間柄になっていた。

 数か月前に祖国であるスペインに調整と特訓を兼ねた帰省をしていて、ユニコーンも静かに暮らせていたのだが…。

 

「あの強豪揃いのスプリンターズ・ステークスを見事に制し、短距離最強ウマ娘の一角に名乗りを上げたそうじゃあないか! ライバルとして、私も凄く鼻が高いぞ!」

「いや…別にボクは名乗りとか一度も上げては無いんだけど…」

 

 Sステークスを制したのは事実だけど、最強の称号なんて自分には最も縁が無い…と本気で思い込んでいるので、ユニコーン的には普通に恥ずかしい。

 だけど、そんなユニコーンの様子を見てもバーニングビーフの興奮は収まる気配が無い。

 

「むむ? もしや、今までビリヤードをやっていたのか?」

「ビリヤード場にいるんだから、ビリヤード以外に何をやるんだよ…」

 

 シリウスの疲れたようなツッコミも、虚しくバーニングビーフ一人が生み出す喧騒に消えていく。

 

「面白い! ならば、まずはレースの前の前哨戦として、私とビリヤード勝負だー!」

「えぇー…。ルールとか…分かる?」

「勿論だ! 基礎的なことぐらいは知ってるぞ!」

「基礎的な事だけかよ…」

 

 実際のレースならばいざ知らず、ビリヤードで基礎しか知らないバーニングビーフが大会優勝経験のプロ中のプロとも言うべきユニコーンに挑むのは無謀でしかなかった。

 だからと言って、それで止まってくれるような相手ならば誰も苦労はしないのだが。

 

「じゃあ…さっきまでシリウス先輩とやってたナインボールで…」

「望むところだ! いざ勝負ー!」

 

 数分後。

 ユニコーンの容赦ない猛攻にボロ負けして泣きじゃくるバーニングビーフがいたとか。

 

 

 




てなわけで、ある意味で超有名なJWCから色々とウマ娘を出していきます。
流石に本編じゃ出しにくいと思ったので、こうして番外編で出す事にしました。

最初は一気に終わらせるつもりが、いつものように無駄に長くなってしまったので幾つかに分けていきます。

そこまで長引かせはしない…と思います。多分。

次回はどんなウマ娘が出てくるのか?







  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。