マジでネタも考えてない突発ネタ、クオリティは見ないでやってください。
仕事の帰り道、日付も変わったばかりの時間でメイドに遭遇した。
大阪で夜中にパンダが歩いてるのを見たことあるから別に驚かんが(感覚麻痺)、笑顔で手を振りながらダッシュで近付くのは軽いホラー、いやこれ体当たりじゃん。
「ごふう!?」
「やっほーご主人様! 誕生日に初めて会うのがご主人様なんて、こんなに嬉しいことはないね!」
「日付変わった直後に会う時点で作為を感じるんだが、アスナ」
待ち伏せされてたという方がしっくり来るんだが、目の前にいるメイドーーの格好をした気紛れエージェント、一ノ瀬アスナは不思議そうに首を傾げていた。
マジで偶然なのかよオイ、相変わらずこいつの幸運値異常だな。
「ご主人様今日もお仕事? こんな遅くまでお疲れ様! 何か一緒に食べよーよ。
あ、そっち行ってもいい?」
「止めても来るだろお前は、好きにしなさい。
緊急任務が入って、今さっき終わったところ。俺もなんか食うし、誕生日だから奢ってやるよ」
「本当? やったー! ご主人様は懐が太いね!」
「なんか混じってんぞ。懐が広いのか太っ腹なのかどっちなんだ」
「? ご主人様、太っちゃったの? じゃあ一緒に運動しよっか、C&Cの特別メニューで!」
「それ運動じゃなくて訓練じゃね?」
あと太ってねえから、脇腹を突くのをやめなさい。
「ご主人様ありがと! んー、やっぱり美味しいねー♪」
「……いやまあ、お前がそれでいいならいいんだけどさ」
コンビニで買ったものが入った袋を早速開け、アスナは右手に肉まんにかぶりつき、左手にあんまんを持っている。お前誕生日なんだからケーキとか食べんのか。
ちなみに俺はシュークリームとカステラ、寝る前だし当分補給だけに留めよう(真顔)
「くあーあ……ねむ」
「ご主人様って何気に健康優良児だよねー。見た目は夜更かし族なのに、いつもなら日付変わる前には寝てるし」
「夜更かし族ってなんだよ。ちゃんと寝ないと翌日の仕事に支障来たすんだよ、一個ミスすると死に繋がるなんてザラだったし」
「おー、プロ意識が高いねご主人様! もしかして、前居た場所では私みたいなエージェントだったとか?」
「エージェントというか、何でも屋だったな。旅館の経営とかしてたこともあるし」
「ご主人様がやってる旅館!? 行く行く、どこにあるの!?」
「やってた、な。キヴォトスの外だし、治安悪い場所だからやめときなさい」
「えー、そんなあ。私強いし、治安が悪いなんて珍しいことじゃないよ?」
「自分が住んでる場所を世紀末みたいに言うのはどうなんだ」
まあ銃撃戦の頻度はこっちの方が上だよな。事件は大阪の方が圧倒的に上だが。
「それにしても、ご主人様のお仕事について行けば良かったかなー。
そうすれば、おめでとうのタイミングで一緒に入れたのに」
「C&Cの仕事で、どっかに大規模襲撃賭けるとか言ってなかったか?」
「今日の仕事のこと? 何か勝手にビルが崩壊しちゃったから、すぐ終わっちゃったんだよね」
「崩壊したんじゃなくて爆破したんだろ」
勝手に壊れるとかあってたまるか、キヴォトスの建物はブラックマーケットでも手抜き工事はしてないんだし。
「? 私達何もしてないよ? アカネも勝手に壊れ出して不思議そうにしてたし」
「何それ怖い」
もう怪奇現象の域じゃねえか、アスナの幸運。
「とりあえず、夜も遅いし送ってくぞ」
「? ご主人様と一緒に帰るんだから、送ってくは違わない?」
「? いや、帰る場所違うんだから送ってくのはおかしくないだろ」
「あれ?」「あん?」
互いに向かい合って首を傾げる。何かアンジャッシュしてる気がするので、質問してみるか。
「アスナ、お前どこに帰るつもりなんだ」
「どこって……シャーレだよ?」
「何言ってんだコイツ」
寮あるのになんでウチに来ようとしてるんだよ、いやマジで。そんな不思議そうに首傾げるんじゃありません。
「誕生日って、ご主人様と一日中一緒に入れる日じゃないの?」
「そんな制度はありません」
誕生日に合わせて時間作ってるだけだよ。実質一日一緒にいるけど、こんな真夜中からはねえから。
「じゃあ似たようなものだからOKだね! さあさあご主人様、守ってあげるから一緒にシャーレへレッツゴー♪」
「いやどこが一緒――オイ引っ張るなっての。こんなとこ誰かに見られたら、確実に噂になるんだが」
「既成事実って奴だね!」
「お前意味分かって言ってる?」
分かってない方が正直問題だけど。溜息を吐いていると、腕を引っ張っていたアスナが振り向いて、いつもと同じ満面の笑み、しかし同時に色気を含ませた笑みを浮かべる。
「ご主人様となら……私は、いいよ?」
「俺は良くねえの」
大阪と違ってこっちは貞操観念が厳しいんだから、軽々しく応じるかっての。
「……ご主人様のいけず」
「そんな顔してもダメなもんはダメだから。一応先生って立場なんだし」
「んーつまり、ご主人様がご主人様じゃなくなったらOKってこと?
あれ、でもそうなるとご主人様はシャーレの先生じゃなくなっちゃうから、ご主人様って呼べなくなっちゃう……? でも、ご主人様はご主人様だし……うーん?」
(たまに変な哲学入るな、アスナ)
バニーガールについても問い掛けてくることがあったし。やったことも関わったこともない俺に聞いても分かんねえから。
「ほら、いつまでも夜道に立ってるとあぶねえぞ。早く帰るぞ」
「あ、うんご主人様! ……もしかして、私のこと」
「そりゃ女の子が夜道を一人で歩いてたら、あぶねえだろ。C&Cの腕利きだろうと、それは変わらんさ」
誘拐とか夜襲とか、大阪でもキヴォトスでも変わらずあるから困る。生徒じゃなけりゃ知ったこっちゃねえけど。
「えっへへー。ご主人様は私を女の子として見てくれるんだー」
「他にどう見えるんだよ。実は女装男子ってオチでもあんのか?」
「む。そーいうとこだよご主人様―」
笑ったりムッとしたり、表情が忙しい奴である。あと銃でつつくな、こえーから。
「はいはい、悪かったよ。起きたらちゃんと構ってやるから、さっさと帰って寝るぞ」
「やた! 約束だよご主人様。じゃあ元気に帰ろう!」
「一仕事終えた奴に元気を要求するなよ」
上機嫌で前を進むアスナに肩を竦める。寝酒をやめる羽目になったが、まあ見つかったのが運の尽きか。
というかスキップやめなさい、メイド服に収まりきらない立派なものが飛び跳ねてるから。目に毒なんだよ、男にとって。
(とりあえず、いつ渡すかね。……アスナが寝てからでいいか)
ポケットに入れておいた誕生日プレゼントの感触を確かめつつ、俺も足を動かす。先に寝るかもしれんが、まあその時はその時か。
翌日、シャーレ内の自室にて。
「んぐーーごえっ!? 誰だコラ、新手の奇襲か!?」
「おっはよーご主人様! ねえねえ、枕元に置いてあったプレゼントご主人様でしょ!?」
「……ああ、アスナかおはよう。そーだよ、寝てる間に置いといた」
「あは、ご主人様サンタさんみたいだね♪
ありがとー、大事にするよ!」
「はいはい、喜んでくれて何よりよ。というかどいてくれ、動けん」
「……あ、これってご主人様を手玉に取るチャンス?」
「はよどけ」
あとがき
まーたギリギリ……最後どういう体勢だったかは、読者の皆さんの創造にお任せします()