『大阪』から来た先生   作:ゆっくりいんⅡ

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 寝落ちしたので当日に書いてます、ユウカの誕生日SSです。
 今思い返すと、最初に誕生日SS書いたのもユウカだったんですね。
 ……一年の間に、彼女関連の色々出過ぎじゃね?(体操着、ASMR、ちょっとお時間よろしいですか、クルー衣装、ノア実装etc)


先生、今日一日のお時間いただけますか?(早瀬ユウカ)

「ほい、ユウカ。あーん」

「あ、あーん……あの、先生?」

「ん、どした? 口に合わなかった?」

「い、いえ、とても美味しいんですけど……これ、恥ずかしいというか……」

「ノアとは良くやってるじゃん」

「あ、あれはノアが勝手にやってくるからですよ! 貰ってばっかりだと負けた気分になるから、お返ししてますけど……」

「それノアが喜ぶだけだと思うんだが。

 あとゲーム開発部行った時とか、餌付けする勢いであげてるし」

「……だって、あの子達おいしそうに食べてくれるから、つい……」

 

 指を合わせながら視線を下に向けるユウカ。何だかんだでお前、あの四人に甘いよな。その光景をノアが楽しそうに見守るのがいつもだし。

 三月十四日、本日はホワイトデーであり、ユウカの誕生日。ようやく復旧の終わったD.U地区の散策がてら、誕生日プレゼントを買いに二人で街の散策をしていた。

 今は小休止も兼ねて目に入った良さげなカフェでお茶をしており、注文したクッキーをユウカに食べさせてやっている。「ホワイトデーだから」という理由になってない理由でごり押したら、案外簡単に折れて受け入れた模様。この子たまに心配になるわ、まあ芯はしっかりしてるから大丈夫だと思うが。

 

 本日は私服で待ち合わせをしていたユウカの恰好は、白いワイシャツの下にシンプルな肩出しワンピースという、春先らしい装いを綺麗にまとめていた。

 女子の服装なんて良く分からないが、「似合ってる、綺麗だな」と無難だけど思った通りの褒め方をしたら、慌てながらも笑っていたので間違ってはいない、はず。

 

「じゃ、じゃあ、折角だし先生もどうぞ! はい、あーん!」

「へ? いや、これユウカ用に注文したもんで」

「あ、あーん……」

 

 再度食べるよう促してくるユウカのクッキーを持った指が、細かく震えている。そんな羞恥と不安で涙目にならないでくれ、罪悪感と共感羞恥がエグイから。

 

「……あむっ」

 

 可愛いからもうちょっと見ていたいなーと思っていたが、素直に差し出されたものを口に入れる。程良く柔らかい触感と、しつこ過ぎない甘味が口内に広がるも、美味いより気恥ずかしいという気持ちが強い。

 

「ひゃっ!?」

「あ、すまん」

「い、いえ……」

 

 のを意識し過ぎていたからか、クッキーと一緒に唇がユウカの指先に触れてしまった。手袋越しだからまだ良かったけど、場合によってはセクハラになってたぞ。

 

「……」

「……あむ。あの、先生? 気まずいからって、無言で食べさせるのはやめません?」

「そう言いつつ食べてくれるユウカにかんしゃー」

「誰の真似ですかそれ……んむっ」

 

 でも食べるのな。なんか食べさせてると、ユウカがいつもより幼く見える不思議。

 

「それにしても、アリスも一緒に来なくて良かったのか? 昨日は連れてこられてたのに」

「……そのアリスちゃんから言われたんですよ。「誕生日はデートイベントにバフがかかりますよ、ユウカ! 先生の好感度を稼ぐチャンスです!」って」

「そこは俺が稼ぐ方じゃね? 誕生日はユウカなんだし」

「へ~え? じゃあ先生が色々してくれるんですか?

 ……なんて、そういうこと言われると変に意識しちゃいますよね」

 

 悪戯っぽいものから一転、赤い顔を誤魔化すように手を振って苦笑するユウカ。まあ、口にされると恥ずかしくなることってあるからな。

 

(とはいえ……この状況なら)

 

「ありゃ、そりゃ残念。折角ユウカの誕生日なんだし、デートを楽しんで好感度を稼ごうと思ってたんだが」

「ーーえ、えぇ!? せ、先生、それって……」

 

 下を向いていたユウカが目を見開いてこっちに顔を向けたが、俺の顔を見て「あ」と声を漏らしたことで成功を確信し、意図的に意地の悪い笑みを向けてやる。

 

「んー? ユウカ、一体何を想像したんだ? 先生、気になっちまうないでででで」

「せ~ん~せ~い~? 私の反応を見て楽しむなんて、趣味悪いんじゃないですか~?」

「いたいいたい悪かったって。ユウカのいつもと違う一面を見たくてつい、な?」

「な? じゃないですよ! もう、こんな時もからかってくるんだから……

 ……先生、大人なのにほっぺ柔らかいですね」

「だからって引っ張り続けるのやめなむごごごご」

 

 つねったりこねくり回していた指を離し、顔を逸らすユウカ。振られたテールの片方が首に当たり、こそばゆい。うーん、ちょっとご機嫌斜めになってしまったようだ。

 

「ほら、安い高いとか気にしなくていいから、好きなものプレゼントするよ。だから機嫌直して、な?」

「……もので釣ろうって計算ですか?」

「いやいや、ユウカの喜んでくれる姿が見たいからだよ」

「……もう、すぐそういうこと言うんですから。

 そこまで言うなら、今回は乗せられてあげますけど。遠慮はしませんから、覚悟してくださいね?」

「あー、お手柔らかに?」

「ダメです♪」

 

 花咲く満面の笑顔で、指を立てられてしまった。これは本当に容赦されないな。

 

(……ま、こうでもしないと遠慮するしな、ユウカは)

 

 計画通り、と漏らしそうになった言葉を、紅茶と共に飲み下す。誕生日くらい好きに頼めばいいのにな、真面目だしいい子過ぎるんだよ。

 

 

 

「いやあ、色々買ったなあ」

「買っちゃいましたね……先生、今更ですけどお財布、大丈夫ですか?」

「余裕持って用意したからまだまだ平気。というか誕生日の人間がそんなこと気にするなって」

「いや、先生に乗せられたのもありますけど、振り返ってみるとさすがに買いすぎたかなって……あとはまあ、会計としての癖、ですかね?」

「それもう職業病の域じゃね?」

 

 電卓にペアのキーホルダー(ノアとお揃いにしたいらしい)、座椅子やマグカップ(シャーレに置いておく用)など、ショッピングモールで何店舗回ったか忘れるくらいの買物を終えて。昼食後の腹ごなしに並んで

 うむ、正気に戻るまで色々買えて良かった。自分用だけじゃなくノアや他の面々にも買ってあげるあたり、ユウカらしいが。

 

「まあ値段とか量はいいんだけど、車引っ張ってくれば良かったな」

「そういえば、先生って車運転出来るんですっけ? キヴォトスでは見たことないですけど」

「一応持ってるけど、キヴォトスだと電車の方が圧倒的に便利だからな。大阪だと結構乗ってたけど」

「へえ、出勤とかにですか?」

「いや、逃走とかチェイスとか、あとは銃撃戦の盾にしたり」

「……何したんですか、本当に」

「交渉人って中立だけど、相手に不利な結果だと恨み買いやすいから追いかけられるんだよ。大体は八つ当たりで撃たれるけど、それで死にかけるとかザラだし」

「……キヴォトスの方が平和って言ってたの、あながち間違いじゃない気がしてきました」

「実際平和だよ、使うのはほとんど銃だけだし」

 

 向こうだとクスリとか利権争いとか超常現象とか、色々絡んでくるからな。いや最後はこっちでも似たようなのがあったけど。

 

「なんかすごい遠い目になりましたね……

 でも、ドライブ、ドライブ……あの、先生」

「ん? 何だユウカ」

 

 横に視線を向けると、ユウカが指を絡めながら、躊躇いを含めた上目遣いを向けてくる。君どこでそんなの覚えたの、可愛いぞ。

 

「先生が良ければ、なんですけど……今度、ドライブに連れてってくれませんか?」

「ドライブ? 俺と?」

 

 自分のことを指さしたら、赤べこよろしく何度も頷くユウカ。

 

「だ、ダメでしょうか……?」

 

 と涙目で言うが、そんな必死にならなくてもいいってだけなんだけどな。他意はないが、不安にさせてしまったようだ。

 

「いや、構わんよ。ユウカにはいつも世話になってるしな。

 

 今度予定が空いた時でも行くか? 行きたい場所も決めてくれると助かる」

 

「! も、もちろんです。じゃあ今度行けるよう、スケジュールを調整しますね。

 絶対ですよ、約束ですよ!? ノアにも記録してもらうから、忘れたなんて言わせませんからね!?」

「おおう、分かったから。反故になんてしないから落ち着けって」

 

 近いのよ、薄いけどメイクしてより整った顔が近いのよ。君そんな必死になるキャラ……割とあるか。

 

「ーーあっ。す、すいません。ちょっと、興奮しちゃって……」

「まあ、そんな楽しみにしてくれるなら嬉しいわ。

 んじゃ、そっちは後で話し合うとして、まだ買いたいものあるか?」

「はい! じゃあ次はあちらに行きましょう、先生!」

「あ、マジであるのな」

「当然です! 今日は私が満足するまで付き合ってもらいますから!」

 

 ほら早く! と手を引いてくるユウカに苦笑しながら、俺も歩みを再開する。女の買物についていくのは大変だが、まあユウカなら可能な範囲で付き合ってあげますかね。

 

 

「ところでさ、ユウカ」

「はい、なんですか先生?」

「パーティーの時にお酒飲んじゃダメ?」

「う……そんな顔してもダメです! 未成年がいるんですし、モモイとかアリスちゃんが興味本位で飲むかもしれないんですから!」

「もう心配の仕方がお姉ちゃんなんよ」

 

 

おまけ

 二人が戻ってから、ミレニアム内で行われたユウカの誕生日パーティーにて

 

「先生、今日は良いものを見せてもらって、ありがとうございます♪」

「んあ? 何の話だ、ノア」

「買物の時、ユウカちゃんとドライブの約束をされましたよね? あの時のユウカちゃん、見たこともないほど」

「わー、わーわー!? ストップ、ノアストップ!! 何でよりにもよって先生に、その話をするのよ!?」

「先生とはユウカちゃんの可愛いところを共有するべきだと思ってますから♪」

「しなくていいから! というか他にも共有してる情報あるの!?」

「それは秘密です♪」

「のーこめんと」

「ノア―!? 先生まで!!」

 

 

 




あとがき
 ユウカはアピールしても弄られても可愛いから、ラストは弄られてもらいました(謎弁護)
 それでは読んでいただき、ありがとうございました。最近は同人活動の方ばかりですが、こちらもなるべく更新しようと思います。……多分!()
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