以下の文章の()に正しい言葉を入れなさい。
「光は波であって、( )である」
姫路瑞希の答え
「粒子」
教師のコメント
正解です。
土屋康太の答え
「寄せては返すの」
教師のコメント
……君の解答はいつも先生の度肝を抜きます。
須川亮の答え
「勇者の武器」
教師のコメント
先生もRPGは好きです。
吉井明久の答え
「間隔が短くなると限界」
教師のコメント
……地震か何かと勘違いしていませんか?
――某時刻、Fクラス教室にて……。現在この場所では、数学の長谷川先生立会いの下、召喚フィールドが形成されていた。
「覚悟しろよ!?この異端者め!!」
「ヤッチャウヨ!?ヤッチャウヨ!!」
「■○×▽★!!」
(はぁ……、どうして、コイツらは……)
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
VS
Fクラス-柴崎 功(61点)
Fクラス-田中 明(26点)
Fクラス-近藤 吉宗(38点)
Fクラスメンバーの召喚獣を相手に僕は1人で対峙していた。どうしてこんな状況になっているかというと……、少し時間を遡る必要がある……。
優子さんに付き添い、Aクラスにまで資料を運んだ後、西村先生のところへ来た僕は、観察処分者の仕事の件で、職員室を訪れていた。
「…………お前の言う事はわかった。だが、授業の度に雑用していたらお前が授業に参加できないのではないか?」
「授業の用意くらいならば、召喚獣を使えばすぐ終わりますから大丈夫です。……まあ前もって言ってもらえれば、僕も準備しておきますから……」
僕は先程の件、Aクラスの授業用の資料を運んだ事も、今後遠慮なく観察処分者の仕事としてやらせるよう、西村先生に伝える。
「そうか、お前がそれでいいならば、他の先生にも伝えておこう。尤も今日の件は、教員の方も自分の召喚獣を使って運ぶ予定だったらしいが……」
「……木下さんが職員室に来たので、せっかくだからお願いした、という訳ですか……」
「そんなところだろう、まあいい、それで、他に何かあるのか?」
「ええ、実は……」
そこで、僕は西村先生に模擬試召戦争の事を伝えようとしたちょうどその時、
『吉井明久!!!何処に隠れた!!!』
『Aクラスには既にいない模様!!となるとこの付近に居るはずだが……』
『草の根を分けても必ず探し出して、ヤツを異端審問会にかけるぞ!!』
こともあろうに……、あの
「……アイツらはFクラスの連中だな……。で吉井、今度は何をやったんだ……?」
「……さっきまでAクラスに資料を運んでいたんで、僕には何も……ん?」
優子さんと一緒に資料を運んだ
↓
それをFクラスの誰かが目撃
↓
異端審問会発動
↓
僕を抹殺すべく捜索中(←今ココ)
「…………理由がわかりました」
「……で、今度は何をやった?」
「……女子と一緒に並んで歩きました……」
「……それが何故、あの騒ぎになるんだ……?」
…………それは僕が聞きたい。
「……西村先生、すみませんが、模擬試召戦争の許可を頂きたいのですけど……」
「模擬試召戦争だと?……アイツら相手にか?」
「……本当はFクラス内で行いたかったのですが……、あのまま騒がせておく訳にもいかないので……」
「……あまり私闘のような理由では承認しないんだが……、確かにあのまま放っておくわけにもいかん……。」
「なら、私が行きましょうか……?」
そう言って出てきてくれたのは、数学を担当している長谷川先生だ。
「さっきは、私の代わりにAクラスへ資料を運んでくれたようだからね……。今日は各個人に自習をして貰う予定で、ちょうど時間は空いてますし……」
「そう言って頂けると、助かります」
そうして、僕は長谷川先生と西村先生と一緒に職員室を出る。
「吉井!!見つけた……ぞ……!?」
「テメェ、何で鉄人と一緒なんだ!?」
「卑怯だぞ!!」
相変わらず訳の分からない事を言っている彼らに、僕は理由を聞いてみる事とする。
「……一応聞いておくけど……、僕が何をしたの……?」
「何をしただと!?貴様はAクラスの木下と楽しそうに歩いていただろうが!!」
「証拠は全て揃っている!!言い逃れはできんぞ!!」
「大人しく捕まり、裁きを受けろ!!」
……大人しく裁きなんかを受けてたら死んでしまうじゃないか……!
「……まさか本当にそんな理由で暴走しているのか?このバカどもは……」
「……本当に、噂以上ですね……」
「まあ、いいよ……、裁きだか何だか知らないけれど、それだったらFクラスに戻ろう。話はそれからだ……」
「「「何で我々が貴様の言う事を聞かねばならないんだ!?」」」
声をハモらせながら怒鳴る彼らに、僕はわからせるように伝える。
「……雄二から何も聞いていないの?ちょうど西村先生と長谷川先生に模擬試召戦争の許可をもらったんだ。教室に戻ってから『合法的に』僕に裁きでもなんでもかければいいじゃないか……?知ってるだろ……僕の召喚獣にはフィードバックがある事を……」
僕のその言葉を聞くと連中も納得したのか、大人しくFクラスへと戻って行った。……まぁ、君達の攻撃は一太刀たりともあびるつもりは無いけどね……。
教室に戻るとほぼFクラス全員が殺気立っており、今にも僕に襲いかかろうとしていた。
「吉井ッ!!アンタなんで西村先生と一緒にいるのよ!!」
「そうです!!このままだと吉井君におしおきができないじゃないですかっ!!」
「「「卑怯だぞ!!吉井!!」」」
Fクラスのメンバーはもちろん、島田さん、そして姫路さんも暴動に参加しているようだった。先生の影響で何とか治まっているみたいだけど……西村先生がいなかったらと思うと恐ろしい……。
「……雄二。他のメンバーには話をしてないの……?」
「話をしている途中でお前の話になってな。その瞬間、教室が戦場となった訳だ」
……つまり、暴動に参加してないのは雄二以外では秀吉、それと教室にいないムッツリーニだけって事か……。
「……じゃあ長谷川先生、召喚許可をお願いします……」
「わかりました……、『承認』!!」
「……試験召喚獣……、
長谷川先生がフィールドを展開し、それを見て僕は召喚獣を呼び出す。足元に魔法陣が描かれ、僕の召喚獣が出現した。
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
「よし、ヤツは雑魚だ!!」
「全員で叩き潰すぞ!!」
「「「
こうして他のFクラスのメンバーも召喚獣を呼び出し……、冒頭の状況となった訳である。
「死ねっ!!吉井!!」
近藤たちが3人がかりで襲いかかってくるが、連携もなくただ突っ込んできただけ……。僕はそれを最低限の動きでかわすと、最初の2人に足払いをかける。
「うわっ!?」
「なにっ!?」
見事に足払いが決まり、転んだ2人にそれぞれ木刀を突き刺して、確実に息の根を止める……。
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
VS
Fクラス-柴崎 功(0点)
Fクラス-田中 明(26点)
Fクラス-近藤 吉宗(0点)
「戦死者は補習だ!!」
それに伴い、西村先生が戦死者である柴崎君と近藤君を抱え、一瞬で補習室に連れていった。
「くっ、模擬試召戦争でも鬼の補習があるのか!?」
「……隙だらけ。余所見はいけないよ」
「なっ!?」
さらに僕は距離をつめると、先の2人が補習室に送られ呆然となっていたもう一人の心臓部に木刀を突き刺す。……これで3人が戦死した。さて……お次は、と……、
「吉井!!覚悟しなさい!!」
「おしおきの時間ですよ……、吉井君!」
僕の背後には既に、最恐の2人が立ちはだかっていた。
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
VS
Fクラス-島田 美波(171点)
Fクラス-姫路 瑞希(412点)
「ふん、数学を選んだのが運のつきだったわね、吉井!!さあ……、たっぷりおしおきしてあげるわ!!」
「覚悟してくださいね、吉井君……」
勝利を確信しているのか、余裕げにそんな事を言う2人に、僕は油断なく相手の出方を伺う。
「……点数で判断してると、痛い目にあうよ……」
「何言ってるんだか……、瑞希!」
「はいッ!!」
その瞬間、姫路さんの召喚獣についている腕輪が光りだす。これは……、腕輪の能力か……。
「……えいっ!」
その言葉と共に左腕から光がほとばしり、僕の召喚獣目掛けて熱線が飛んでくる。だけど、僕は予めソレが来ると予想して回避行動をとり、熱線をかわす。それと同時に、腕輪を使用した反動で点数が低下したのを確認し、姫路さんの召喚獣に向かって木刀を投げた。その木刀は狙いたがわず、姫路さんの召喚獣の急所へと突き刺さる。
Fクラス-姫路 瑞希(0点)
「そ、そんな……」
「う……嘘でしょ!?まさか瑞希が……」
「はい、隙あり」
「しまっ!!」
最高得点者である姫路さんがやられ、皆が呆然とした隙に、僕は召喚獣に刺さっていた木刀を抜き取ると、動揺している島田さんの召喚獣の首に目掛けて木刀を振り下ろす。
Fクラス-島田 美波(0点)
「バ……バカな!?こ……こんな事が……!!」
「えっ!?俺死んだの!?戦ってもいないのに!?」
「し、島田だけでなく、姫路さんまでやられただと!!」
「い……、一体どうなってるんだ!?」
「さて……、次は君たちの番だ……」
西村先生が五月蠅く喚いている島田さん達を補習室に送っていくのを視界に入れた後、ゆっくりと残っているFクラスメンバーに向き直る。……どうやら1人、さっきの姫路さんの熱線にあたった可哀相な人もいるようだけど……。
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
VS
Fクラス-須川 亮(55点)
Fクラス-横溝 浩二(67点)
Fクラス-武藤 啓太(43点)
Fクラス-君島 博(8点)
Fクラス-原田 信孝(12点)
Fクラス-福村 幸平(0点)←『熱線』にて戦死
「くそっ……、ならば、もう残りの全員でかかるぞ!!」
「ヤツだけはなんとしても……!!」
「「「異端者は殺せっ!!!」」」
「……僕としても、いっぺんにきてくれた方が手っ取り早くて助かるよ」
僕は木刀を正眼に構えながら、残りのメンバーを観察する。頭に血が上り、冷静に現状を見極められない相手など何人いても僕の敵ではない……。まず、接近してきた須川君の長棒を木刀で受け流すと同時に蹴り飛ばす。須川の召喚獣が他の2人を巻き込みながら倒れたところを無駄なくとどめをさしていく……。さらに、君島君の物干し竿での攻撃をかわした時にその腕を掴みあげ、突っ込んでくる原田君の盾とした。最後は、仕上げとばかりに味方を攻撃し、戦死させてしまって動揺した原田君の召喚獣に木刀を一刀両断する……。
【数学】
Fクラス-吉井 明久(51点)
VS
Fクラス-須川 亮(0点)
Fクラス-横溝 浩二(0点)
Fクラス-武藤 啓太(0点)
Fクラス-君島 博(0点)
Fクラス-原田 信孝(0点)
「か……勝てる気がしねぇ!!」
「に……、逃げろぉ――!!補習は嫌だあ――!!」」
「……馬鹿だね、敵前逃亡は……」
残ったメンバー達が戦意を喪失し逃亡を試みるも、
「敵前逃亡は戦死扱いだ。補習!!!」
「「「ぎゃあああ――!!!」」」
……こうして西村先生に纏めて補習室送りにされて、教室に残っているのは僕の他にはフィールドを展開している長谷川先生と、雄二・秀吉の4人だけとなった。
「……レベルが違うな」
「うむ……、まさかこれ程とはの……」
「ふう、大分予定と違っちゃったけど……、そろそろ始めようか?」
僕は雄二にそう言って召喚を促す。
「……雄二よ、そもそも今回の模擬試召戦争はどういう意図があったのじゃ?」
「昨日、俺は明久の戦い方を見て、召喚獣は点数で決まるわけではないんじゃないかと思ったんだ。点数もただ一定に減るという訳ではなく、明久が攻撃した時はどんなに点数差があってもほぼ一撃で戦死させている……」
「確かに先程の姫路も明久の放った木刀の一撃で戦死しとったからの……」
……そう、召喚獣との戦いは点数差だけでは決まらない。先程のように召喚獣の急所に攻撃が決まればそれで勝負は決まってしまう。尤も、先程の姫路さんは、腕輪の力を使い、点数が消耗した状態だったから倒せたという事もあるし、同じ操作性を持つ者同士との戦いになったら、それ故に急所にも攻撃しづらくなるという事もあるけれど……。
「だから召喚獣の操作力を上げるという事は重要な意味があるんだ。まして俺は代表だから、そんなに召喚する機会もないだろうしな。……本当はクラスの連中、特に姫路や島田には操作性を向上させて欲しかったんだが……」
「……問答無用で襲いかかってきたからね……。今日はどのみち無理だよ。まして姫路さんなんかいきなり腕輪を使ってきたからね……。結果、一人巻き添えになってたし……」
「……ワシらが言っても聞く耳を持ってなかった様じゃしのう……」
……さすがに特殊能力持ちの姫路さんを相手にするのは危険だったので、すぐに退場して貰う予定だったが、その意味では腕輪を使用してくれた事は、僕にとっては幸いだった。島田さんに関しては粘っても良かったかもしれないが……、彼女の場合は僕自身に直接攻撃してくる可能性もあった為、雄二の意図に反するが、さっさと戦死して貰う事にした。
「……まあいいや、時間も勿体ないしそろそろ始めようよ」
「「
そして僕の提案に従い、2人が召喚獣を呼び出す。その後、僕達は召喚獣の体力が続く限り続け、その結果2人の召喚獣の操作性は大幅に向上したのであった。
文章表現、訂正致しました。(2017.11.19)