バカとテストと召喚獣~新たな始まり~   作:時斗

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文章表現、訂正致しました。(2017.11.19)


第15話 根本の誤算、明久の戦い!

「戻ったか明久、聞いたぞ?お前、島田ごと補習室送りにしたそうだな?」

 

 

 Fクラスに戻って早々、雄二からそう問われる。……正直、僕がした事は間違っているかもしれない……。だけど、あの場はああする事が正しかったと、僕は信じている。

 

 

「……僕がやった事がまずかった、というなら、後で責任をとるよ……雄二……」

「いや、明久は悪くなかろう……。ワシとて一緒に戦ってきた部隊を島田に任せてきたというのに、部隊を放って勝手に行動したあげく、人質になるとは思っておらんかったしのう……」

「ああ、今回の件は島田の自業自得だ。俺でも同じ判断をするだろう」

 

 

 どうやら、お咎めはなしのようだ……。まあ理由はどうあれ、味方を見捨てちゃったのはまずかったかとも思ったけど……。

 

 

「……ただ、今日はここまでだな。4時をまわってしまったし、休戦というところだろう」

 

 

 先程の、Bクラスと結んだ協定に4時までに決着が着かなければ翌日に持ち越しするというルール。正直、僕らは平気だが姫路さんにとっては有難いルールだろう。ふと、姫路さんの方を見てみると、彼女はおろおろしながら何かを探しているようだった。

 

 

「ねえ、姫路さん。何か探し物?」

「よ、吉井君!?は、はい、ちょっと見つからないものがあって……」

 

 

 僕が話しかけると何か慌てたように答える。

 

「そうなんだ、じゃあ手伝うよ」

「い、いえ。たいしたものじゃないんです!!だから気にしないで下さい!!」

「……そう?まあ姫路さんがそう言うなら……」

 

 

 ひとまずそう言って姫路さんから離れるも、そっと彼女を盗み見ると、姫路さんは再び、無くしてしまったらしい何かを探し出すのがわかった……。もしかしたら……。この時、僕はある人物の顔が浮かぶ。そんな時、ムッツリーニが偵察から戻ってきた。

 

 

「おうムッツリーニ。何か変わった事はあったか?」

「…………どうもCクラスが試召戦争の準備をしている」

 

 

 ……Cクラスか。これは、Bクラスの差し金かな……。

 

 

「……たしかCクラスはBクラスと同盟を結んでいるんじゃなかったか?」

「…………まだ正式な同盟は結んでいないらしい。だが、現在Bクラスには根本がいる」

「そうか……。できればCクラスとは事を荒立てたくはなかったんだが……」

 

 

 そう言って考え込む雄二。……Cクラスが不穏な動きをしていると情報を流したのもBクラスだろう。ならば……、

 

 

「ねえ、雄二。ちょっとこの状況を利用してみない?もしかしたら、それでBクラスと決着が着けられるかもしれないよ?」

 

 

 僕は、考え込んでいる雄二にそう提案してみることにした。

 

 

 

 

 

 

「Fクラス代表の坂本だ。Cクラスの代表はいるか?」

 

 

 雄二と秀吉、そして僕でCクラスの教室に入る。そこには、ムッツリーニの情報通り、まだかなりの人数が残っていた。

 

 

「私がそうだけど、何か用かしら?」

 

 

 そう言って出てきたのは、まじりっけの無い黒髪をベリーショートにした女子、Cクラス代表である小山さんだ。チラッとCクラス内を見渡すと、明らかに一角、目立たないようにしている生徒が目に付く。恐らく、あそこに根本君がいるのだろう。

 

 

「ああ、CクラスにBクラスの代表である根本がいる理由を聞きたい」

 

 

 雄二の言葉を聞き、Cクラスがざわめきだす。

 

 

「な……、何の事かしら」

「とぼけても無駄だ、既に調べがついてある。BクラスはFクラスとの協定で『試召戦争の間はそれに関わる一切の行為を禁止』というのがあってな?それにも関わらず、Cクラスにその代表がいるというのはおかしな話だろう?だからFクラスとしてその説明を求める」

 

 

 言い逃れができないと悟ったのか、小山さんが後ろを振り返る。……案の定、そこには焦りの表情を浮かべた根本君がいた。

 

 

「し……、試召戦争は4時でいったん休戦となっている。その間で俺が何処にいてもいいだろ!!」

「……なにを言ってるんだか。今は休戦といっても『試召戦争の間』なんだぞ?そちらが言い出した事だ。それに、お前だけでなくBクラスの生徒もいるじゃないか。……ご丁寧に長谷川先生まで連れてきているときた」

「ち……、ちょっとCクラスに用があってコイツらと一緒に来ただけだ。せ……先生は……!」

「……長谷川先生。先生はどうしてCクラスへ……?」

 

 

 見苦しすぎる根本君の言い訳に被せるように、僕は長谷川先生に聞いてみる。

 

 

「私は『Fクラスが先程結んだ協定に違反している、ここに居たらわかる。』と聞いてここにいたんですよ、吉井君。……ですが、話を聞いていたら協定に違反をしていたのはBクラスのようですね……」

「グッ……!!お前らッ!!」

 

 

 根本の指示に、待機していたBクラスの生徒が僕達を囲む。

 

 

「待ちなさい!!君たち、これは明らかな協定違反です……!」

 

 

 長谷川先生にそう言われても、Bクラスの連中は僕らをを逃がさないよう、囲みを狭めている。ザッと見て10人前後、ってところかな……。

 

 

「長谷川先生、かまいませんよ……。フィールドの承認をお願いします」

「よ……吉井君……!?」

 

 

 僕の提案に、戸惑った様子の長谷川先生。そこに、僕を援護するよう、雄二達が続く。

 

 

「ああ、向こうが協定をやぶる気なら、俺達も遠慮する必要はない……!」

「ここで決着をつけてやるぞい!!」

 

 

 僕に続き、雄二達も臨戦態勢にはいる。その様子を見て、長谷川先生は頷いた。

 

 

「……わかりました、君たちがそう言うならば承認しましょう。先に協定を破ったのはBクラスのようですしね。『数学』、承認します!!」

「「「「「「試獣召喚(サモン)!!!!」」」」」

 

 

 

【数学】

Fクラス-坂本 雄二(78点)

Fクラス-吉井 明久(51点)

Fクラス-木下 秀吉(63点)

VS

Bクラス-芳野 孝之(161点)

Bクラス-工藤 信二(159点)

Bクラス-野中 長男(154点)

Bクラス-真田 由香(166点)

Bクラス-金田一 裕子(159点)

 

 

 

「雄二……大丈夫?」

「俺も伊達に昨日練習したわけじゃねぇ……。ま、戦死しないようには気をつける」

「……秀吉は……」

「うむ、雄二の事はワシにまかせておくのじゃ、それよりも明久……」

「……お前に全てがかかってるんだからな?しくじるなよ?」

 

 

 ……そんなの言われるまでもない!僕は召喚獣に木刀を正眼に構えさせ、相手を見極める。

 

 

「てめえら、正気か!?そんな点数で真正面から挑んでくるとはっ!!」

「さっさと終わらせるわよ!!」

 

 

 僕達の点数を見て、勝ち誇った様子のBクラスの面々を前に、僕はそっと、ほくそ笑む。これくらいの点差ならば……、みな一撃で倒す事が出来る。それに……、今回はBクラスと決着をつける以外にももう一つの目的もある。根本君が盗んだであろう、姫路さんの手紙を取り戻す事……!

 

 

「……じゃあ今回は『本気』でいくから……、覚悟してよ?」

 

 

 そう呟き、僕は『力』を解放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 な……何が起こっている!?点数は俺たちの方が上のハズだ!!なのにこの状況はなんだ!?

 

 

 

【数学】

Fクラス-坂本 雄二(67点)

Fクラス-木下 秀吉(56点)

VS

Bクラス-真田 由香(31点)

Bクラス-金田一 裕子(43点)

 

 

 

 坂本を討ち取るべく仕掛けているのにも関わらず、討ち取るどころかこちらが押されているだと!あのAクラスの木下の弟というのが強いというのもあるが、坂本は坂本で妙に戦いなれており、最初あった点数差がなくなってしまっている。だが……、一番の問題は……!

 

 

「う……、うわあぁっ!!!」

 

 

 

【数学】

Fクラス-吉井 明久(51点)

VS

Bクラス-工藤 信二(0点)

 

 

 

 あの観察処分者が強すぎる!!10人以上いた味方がまた一人やられ、もうこちらには俺を守る親衛隊を含めて3人しかいない……!そして、吉井の点数は呼び出した時と変わらず、1点も減っていないのだ……!さらに、この場の雰囲気に、俺も含めて残っている奴らも皆、恐怖を感じているんだろう……。そう、まるで蛇に睨まれた蛙の様な……!

 

 

「…………次の相手は根本君、キミか……?」

 

 

 奴がゆっくりと近付いてくる。それに合わせて無造作に木刀を握った召喚獣も一緒にやってきた……。

 

 

「く、くそおぉ――っ!!」

 

 

 俺の横に控えていた一人が恐怖を振り払い、吉井に向かっていった。だが……、

 

 

「…………遅いよ」

「!?ぐわあぁぁ!!?」

 

 

 まるで奴の木刀に当たりに行くように突っ込んでいき……、

 

 

 

【数学】

Fクラス-吉井 明久(51点)

VS

Bクラス-松本 正一(0点)

 

 

 

 結果、奴に触れることもできず、また戦死させられる……。

 

 

「あ……ああ……」

 

 

 俺の傍に控えていた親衛隊の一人があまりの出来事に腰を抜かしたようだ……。

 

 

「くそっ!!ここはもう駄目か!!」

 

 

 このままここにいたら確実に戦死すると判断した俺は、腰を抜かした奴を切り捨て、すぐさま教室を脱出すべく出口に急ぐ。

 

 

「……逃げる、というのは良い判断だね……、だけど……、そっちは地獄の一丁目だよ」

 

 

 俺がCクラスの扉を開けた瞬間、そんな声が聞こえてきたかと思うと、

 

 

「…………残念だがここは行き止まり」

 

 

 その向こうには保健体育の教師、大島先生と……、

 

 

「…………Fクラス、土屋康太。Bクラス根本恭二に保健体育勝負を申し込む」

「ム……ムッツリーニ……だと!?」

「…………試獣召喚(サモン)

 

 

 土屋の声と共に召喚獣が呼び出される。……何処にも逃げ場が無いと悟った俺は、放心しながらも召喚獣を呼び出す。

 

 

 

【保健体育】

Fクラス-土屋 康太(441点)

VS

Bクラス-根本 恭二(203点)

 

 

 

 そして次の瞬間、俺の召喚獣は小太刀を持った敵の召喚獣に一閃され、消滅する事となった……。

 

 

 

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