バカとテストと召喚獣~新たな始まり~   作:時斗

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文章表現、訂正致しました。(2017.11.18)


第2話 Fクラスの惨状

「えー、お早う御座います。2年F組の担任を務める福原慎です。宜しくお願いしますね。それでは早速皆さん、支給品の確認をして下さい……」

 

 

(さて、これからどうしょうかな……)

 

 

 クラスの皆が卓袱台やら座布団やらを確認している最中、僕はそんな事を考えていた。

 

 

(雄二は試召戦争を起こすだろうし……。僕もそれに参加するべきか……)

 

 

 試召戦争となれば当然、召喚獣を出さなければいけない。まあ、召喚獣を出さずに敵前逃亡と見なされて補修室送りになってしまったとしても、正直、僕にとってはそんなに困ることではないのだが……。

 

 

「……今回は出来るだけ、関わっていきたい気持ちはあるんだけど……」

「……君、吉井君」

「…………!?は、はい」

 

 

 考え込んでいた矢先、福原先生から呼ばれている事に気付き、僕は慌てて席を立つ。

 

 

「自己紹介、君の番ですよ?」

「あ……」

 

 

 どうやらいつの間にか、それぞれの自己紹介の時間に移っていたようだ。そして、自分の番になっていたらしい。

 

 

「す、すみません……。え、えー、吉井明久です。気軽に……そうですね、『ダーリン』とでも呼んでください」

「「「「「ダァァーーーリィーーーーーン」」」」」

 

 

 刹那、野太い野郎どもの大合唱が鳴り響く。……煩いなぁ。僕は気分が悪くなるのを我慢して席についた。

 

 

(まあ後で考えるか……。色々と確認しておきたいこともある事だし……)

 

 

 とりあえずそう結論づけた時、ガラリと教室のドアが開く音に、再び顔を上げると、

 

 

「あの、遅れて、すみません……」

 

 

(……姫路さん……)

 

 

 そこには学年次席クラスの成績である、姫路さんが立っていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(まさか姫路がFクラスというのは驚いたな……。だが、思わぬワイルドカードが手に入ったものだ……)

 

 

 姫路が自己紹介する様子を眺めながら、これからの試召戦争の戦略を洗い直す事にする。ただ、どうも身体が弱いようだな……。体調の方は、もう大丈夫なのか確認するために俺は、自己紹介が終わり席に着いた彼女に声をかける事にする。

 

 

「姫路」

「は、はいっ。何でしょうか?えーっと……」

 

 

 ああ、悪い。自己紹介していなかったな……。

 

 

「坂本だ。坂本雄二。このFクラスの代表でもある。よろしく頼む」

「あ、姫路です。よろしくお願いします!」

 

 

 深々と頭を下げる姫路を見て、彼女の育ちの良さを感じる。少し、黒髪の幼馴染が脳裏に過ぎったが、それを振り払い俺は気になる事を聞いてみる事にした。

 

 

「一つ確認しておきたいんだが……、もう体調は大丈夫なのか?」

「あ、はいっ。一時的な熱だったので、もう大丈夫です」

 

 

 それはなによりだ。という事で、俺は彼女をどのように試召戦争で動いてもらうかをシュミレートする。

 

 

「そうか、ちょっと確認しておきたかったんだ。すまなかったな……」

「いえ、そんな……!?え、よ、吉井君!?」

 

 

 驚いた様子の姫路に俺はその原因は何かと視線を移してみると、隣の席にいた明久の顔を見て驚いているようだった。ああ、なるほどな……。

 

 

「姫路。明久がブサイクですまん」

「そ、そんなっ!目もパッチリしてますし、顔のラインも細くて綺麗だし、全然ブサイクじゃないで……」

「大丈夫だよ、姫路さん。……別に気にしてないからさ」

「…………え?」

 

 

 姫路の言葉を遮る様に、そう呟く明久。その言葉に何やら違和感を覚え、俺は明久を見てみると、あまり関心がなさそうな顔をしているようだった。

 ……ん?コイツ、姫路の事が好きなんじゃなかったか?去年、いつぞやの召喚獣の操作確認の際、姫路をぼぉっとした様子で見ていたのを思い出し、俺はこのバカをからかう事を思いつく。

 

 

「……そう言われると、確かに見てくれは悪くない顔をしているかもしれないな。俺の知人にも明久に興味を持っている奴がいたような気もするし……」

「そ、それって誰ですかっ!?」

 

 

 ん?まさか、姫路が食い付くとはな……。これは案外もしかするのか?

 

 

「確か、久保とし……」

「……久保利光、とか言わないよね、雄二?」

 

 

 先程の姫路の時同様、俺の言葉を遮るようにそう被せてくる明久。……コイツ……。

 

 

「……お前、知ってたのか?」

「久保君とは何度か会っているけれど……、彼とはちゃんと話をすれば、異性として好き、というのはないと思うよ……。多分ね……」

 

 

 そう返す明久の言葉を聞き、俺は先程から感じていた違和感の正体を知る。

 

 

(……コイツ、本当に明久か……?)

 

 

 姿かたちは確かにあのバカそのものなんだが……、何かいつもと違う気がする……。そう、特にその雰囲気が……。

 

 

「はいはい。そこの人たち、静かにしてくださいね」

 

 

 福原と言っていた担任教師が俺達の会話を見咎めて教卓を軽く叩いたら、教卓がゴミ屑と化した……。……チョークすらまともな物が無かった事といい、本当にここは教育機関なのか……?

 

 

「え~……、替りを用意してきますので、それまで自己紹介を続けていてください」

 

 

 そう言って教師が足早に教室を出ていく。……まあいい、ちょっと確認してみるか。

 

 

「明久、ちょっといいか?」

「ん?何、雄二?」

「ちょっと廊下に出てくれないか?少し、話したい事がある」

「…………わかった」

 

 

 そう言って明久が立ち上がるのを尻目に、俺はFクラスの扉を開き、廊下へと出るのだった。

 

 

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