藤丸立香の聖杯鯖になるTSオリ主   作:生き恥マラミュート

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 目の前で命が終わる。
 一つ。一つ。また一つ。
 いつだって私は間に合わない。
 御大層な正義感なんて持ち合わせちゃいないが、この光景に何も感じない程腐っているわけでもない。
 先代のように全てを救う英雄には成れずとも、せめて手の届く人達は助けたいと思うのだ。

 だから受け入れた。

 魔力回路を力ずくで押し広げて、喰われた左腕を補って、右眼が孕んで、罅が入って、鱗が生えて、脚が腐っても立ち上がって、忘れても戦って、我慢して、我慢して、頑張って、頑張って、頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って。

 ───やっと手が届いた。

ようやく報われたんだ。
良かった!努力は無駄じゃなかった!







      「化け物め……!」










 無駄じゃない、筈なんだ。



              『溢れんばかりの祝福を』


あと1Lvの時に限って極大成功する現象について冴えない頭で考える君は物憂げ

 

 

 皆さんどうもご無沙汰しております。

人類最後のマスターやってます。藤丸立香です。

 

 なんやかんやありながらローマの特異点も無事修復。帰還後はサーヴァントを召喚し、その後ドクターから三日間の休みを貰った。俺は与えられた殆どの時間をマイルームで泥のように眠って過ごしていた。

柔らかい寝床で眠りに着くのは随分と久しぶり。幸いなことに睡眠中に来客は無かったようで、そりゃもうぐっすりと。

 

 そんなわけで今日から活動再開。

7時、起床し食堂で朝食。

8時、管制室でブリーフィング。

9時、ダ・ヴィンチちゃん魔術教室。

 

 そして只今の時刻が正午、午前中の予定を全てこなし、食堂で昼食を食べ終えた現在へと至ってるってワケ。

 

 サーヴァントに食事は必要無いらしいが、辺りを見渡せば席自体はちらほらと埋まっている。

……ものの俺の周りはガランとしている。

 

 いや、美味いでしょ納豆。

そんな露骨に距離を取らなくたっていいじゃん。

 

「ご馳走様でした。さて、それじゃそろそろ……」

 

 うん、美味かった。まさかここでこれ程の日本食が食べられるとは思ってもいなかった。

 

 手を合わせてから席を立つ。食器を返却口へと運ぶと、棚の奥からエプロンに身を包み料理を行うエミヤの姿が見える。何でこんなに様になってるんだろうか。佇まいから醸しでる貫禄が素人のそれではない。

 

 

 

……

………

 

 

 

 昼下がりのカルデアにて、俺はある人物を探して歩き回っている。

 

 

「よぉマスター、人探しか?……成程ねぇ、ダヴィンチのお使いかい。なかなか良い判断だと思うぜ。坊主にアイツ以上の適任は居ねぇさ、ただどうなろうと後悔……いや、話が逸れた。っと居場所だったな。ちょいと前にフランスのアサシンと書斎で話してるのを見かけたぜ。頑張れよ」

 

 

「おや、マスター。もう動いて大丈夫なのですか。何かあれば直ぐに医務室へいらして下さい。僕も微力ながら力になれると思うので。……ああ、確かに彼女なら先程までこちらに居ました。何故か何度も頭を下げられてしまって。このTシャツはそのお詫びなんだとか。僕の趣味では無いですが、マ、マリアも着ていたので。───その後?ローマの皇帝と肩を組んでレクレーションルームへ向かって行きました。カラオケがどうだとか」

 

 

「おぉマスター!どうしたのだ青い顔をして。……む、いつの間にか姿が見えぬな。つい先程まで余の美声に酔いしれ泡を吹いておったのだが……。うむ!妙にウマが合ってな、デュエットを組んでみるのも悪くない!いや、折角の機会、赤ランサーも交え三人で……、この衣装か?情熱の赤!ローマたる赤!素晴らしいデザインよな。言わずとも分かっておる、おそろコーデというやつであろう?

───そういえばマシュが来ていたような」

 

 

「お疲れ様です先輩!……はい、盾を用いた白兵戦での立ち回りについて指導していただきました。流石はアイギスの保有者!今まで鎧として使用しているところしか見ていませんでしたが、叫ぶと同時にこう、がしゃーん!がしゃーんと!……す、すいません。つい興奮してしまって。彼女ならちょうどドクターと共に医務室へ向かいました。いえ、霊基の不調では無さそうです。どちらかというとドクターの方が顔面蒼白だった気がします。あの、ところで今日は何故皆さんお揃いのTシャツを着ていらっしゃるのでしょうか……?」

 

 

 

……

………

 

 

 

「今度こそ居てくれると良いんだけど……」

 

 サーヴァント、職員さん達への聞き込み調査の末、辿り着いたのは医務室だった。

 ……カルデア中歩き回ったせいで大分疲れたな。

 

 ぼーっと立っていると扉が開き目的の人物がようやく姿を現した。どうやら当たりだったようだ。

 

「はぁ……全く散々だ。あぁ立香か。よ、元気かい?」

 

 英雄アテーノがそこに居た。

 

「うん。お陰様で十分休めたよ」

「それは何よ……待て、誰から聞いた?」

「人避けの魔術が使われてたって術のジルが」

「チッ、アイツかよ。アレで優秀なのなんか腹立つわ」

 

 舌打ちをするアテーノの肩越し、開いた扉の奥からDr.ロマンが頭を抱えているのが見えた。一体何があったんだ。

あ、閉まった。

 

「ここで何してたの?」

「ああ、ドクターに説教されてた。いやぁ普段温厚な奴が怒るのがやっぱり一番怖いよな!」

「絶対反省してないでしょ。ちなみに理由は?」

「ほら、私って偶にエネミーに中指立てるじゃん?」

「うん」

「さっきマシュと戦闘訓練しててさ」

「うん?」

 

 待って、もう嫌な予感しかしない。

 

「マシュが意味もわからず真似しちゃったんだよね」

「何やってんの!?」

「無垢な少女から中指を突き立てられるのは新鮮で何とも……!ま、一番面白かったのはそれを見て卒倒する職員達だったけどね!危うくシミュレーターが全停止するとこだったぜアッハハハハ!」

 

 一回縛り上げたほうがいいんじゃないかこいつ。

 

「ところで、何で私捜してたんだ?」

「ダ・ヴィンチちゃんに『君の一番信頼出来るサーヴァントを連れてきたまえ!』って言われたから来たんだけど、うん。正直気持ちが揺らいでる」

「うわっ……私の信頼厚すg「ちょっと黙ろっか」ごめんなさい」

 

 信頼できるサーヴァントと言われて、真っ先に思い浮かんだのは目の前にいるろくでなしの顔だった。なんか悔しい。

ま、まぁ、こんなだけど頼りになるのだ。

……寧ろ特異点でもこんな調子だからこそ頼ってしまうのかもしれない。どうしようもない窮地でもいつも通りの彼女を見れば安心できる。

 

 俺を茶化すアテーノと共に指定された一室へ向かった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「お二人様ごあんな〜い!!さぁさぁかけたまえ、ダ・ヴィンチちゃんの素敵な工房へようこそー!」

 

 扉を潜ればマイルーム程の小さな部屋。

教科書で見たことのあるような模型や標本が至る所に置いてある。もしかしてこの場所、とんでもない歴史的価値があるのでは?

 

「お邪魔しまーす」

「洒落てんねぇ。お、見ろ立香。呼符あるぞ!」

「こらこら、流れる様に懐に収めるんじゃない。それは商品だからそこに置いておいて。───コホン。じゃあフジマル君が予想通りアテーノを連れてきたところで早速本題に入るとしよう」

「え、予想通りって何。俺そんなにわかりやすいの」

 

 咳払いをした万能の天才はアテーノをこの場へ呼んだ理由について説明を始めた(俺の声をスルーしつつ)。

 

 霊基再臨。

 

 カルデア召喚式にて座より招かれたサーヴァントは本来よりも大幅に弱体化している。

そのため、霊子の欠片であるQPと専用の素材を使用して徐々に力を取り戻す必要がある。……らしい。

成程。つまり……。

 

「ソシャゲの覚醒ってとこだな」

「それだ!」

「んーー身も蓋もないね!まぁ、確かにイメージとしてはそれで構わないよ。それにしても君、この時代に染まりすぎじゃないかい?」

「ははは、適応力A+なのさ。ってことはあれか。その霊基再臨とやらを試すために呼ばれたのかな私は」

「うん、概ね正解。それじゃちょっとだけ真面目な話だ」

 

 俺の目を真っ直ぐと見据え、諭すように語る。

 

「身に染みて感じただろうけど人理修復ってのは生半可なものじゃない。私達の失敗がそのまま類史の敗北に直結する。多くのサーヴァントが集ってはいるけど戦場を共に出来る数は限られている。だからこそ個の強化だ」

 

 改めて聞くと自分の背負っているものの大きさを感じる。

 

「これからの特異点修復は更なる困難を極めるだろう。私が提案するのはその旅路を安全に円滑に進めるための手段。名付けて特別再臨だ!」

 

「特別。それって普通の霊基再臨となにか違うの?」

 

「通常四回に渡って行う再臨を素材とQP無しの一回で行う裏技のようなものさ。とは言え易々と行えるかと言えば勿論ノー。多くのリソースを割くから正真正銘の一度きり。───ただね、話したいのはそこじゃない」

 

 向けられていた目線が横へと逸れる。

 

「成程な。───ははは、面白ぇ」

 

何かに納得したかのように呟き、アテーノは目を細め口角を上げた。

 その言葉と裏腹に普段の戯けた声色は無い。

 

「……フジマル君、何故カルデア召喚式は態々サーヴァントを弱体化させると思う?」

 

「あ、それならマシュから教えてもらった。召喚のコスト?を引き下げるためだっけ」

 

「半分正解。でも今回はもう一つの理由。それはね、サーヴァントによる反乱の鎮圧を可能にするためだ。聖杯戦争、英霊召喚の参考元ではマスター殺しなんてザラだったからね」

 

「──もしかしてアテーノを疑ってるの?」

 

 自然と口が開いていた。

 

「そうとは言ってないよ。ただ、君の隣に居るサーヴァント。……『英雄アテーノ』という名前は自己申告によるもの。霊基そのものすら既存のどのクラスにも該当しないから『プリテンダー』も同じく自己申告。どうしても大英雄の名を騙る別人の可能性が拭えない」

 

 自身への懐疑の声に彼女は何も言わない。

胡散臭い笑みをたたえながら黙って話を聞いている。

 

「特別再臨を行えば文字通り彼女は最強だ。今までの戦いぶりを見るに、魔力供給を断ったところで容易にサーヴァント全騎をねじ伏せられるだろう。つまり、この旅路の終わり。藤丸立香、君は───」

 

 

 

 

 ───それでも、彼女を信じられるかい?

 

 

 

 

 事実、俺の隣に座る彼女はアテーノではあるが、人々に望まれた偶像ではないのだろう。

 英雄と出会い役目を継いだ少女。歩んだ軌跡を、迎えた結末を俺が知るのはこれからのことだ。

今は彼女が善であるのか、悪であるのかすら分からない。

 

でも、結局のところ。

そんなのはどうでもよくて。

 

 

 

 

「信じるよ。例えアテーノを演じている誰かでも、あの日俺の声に応えてくれた人だから」

 

 

 

 

 理由なんてそれだけでいいと思う。

 

 

 

 漠然とした答えにダ・ヴィンチちゃんは優しく微笑み、張り詰めていた空気が解かれる。

 

「おっけー、十分過ぎる解答だ。───疑ってすまない英雄アテーノ。説得力がないだろうけど私も君のことは信用しているんだよ。戦力としても仲間としてもね。ただ、カルデアの責任者としてどうしても聞かなくちゃいけないことだから」

 

「いや、上に立つ人間はそう在るべきなんだろうさ。立香もマシュもドがつくほどのお人好しだからな。……それにまだ謝罪は早いぜ?もしかしたら本当にやっちまうかもよ私?」

 

「それでやっちまったら俺めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん」

 

「……うん、ありがとう二人とも。じゃあ早速だけど別室に移動して始めるとしようか!!」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「───さァ、観客共。その目ん玉かっぽじって存分に焼き付けろよ!!之こそが少女の到達点にして唯一の真実!!」

 

 

 堂々と、荒々しく。そして美しく。轟々と魔力の嵐を巻き起こし、口上と共に再び現れた彼女の姿は以前までと大きく異なっていた。

 

 背から伸びているであろう、華奢な体躯に似合わない巨大な翼が天を衝く。

 存在感を放つのは羊を想わせる湾曲した片角。

 鮮やかだった金髪は褪せて灰色へと変わっている。

 

 どろりと濁る瞳が黒だけを映す。

他と比べささやかな筈の変化が何より異様に見えて。

 

 そんな姿を見た俺は………。

 

「───っ!アテーノ……!!」

 

 駆け寄り、手を強く握り締める。

 虚飾を纏わない腕に体温は無く、冷たさだけが俺の掌へと伝わる。普段の彼女ならば突飛なこの行動をこれでもかと揶揄うのだろうが、今はただ困ったように眉を下げて笑っている。

その自嘲にも見える笑みが痛々しい。

 

「どうだい、マスター。恐ろしいかい?判断を後悔してるかい?……嗚呼、それともやっぱり。私が気持ち悪「かっこいい!!」……は?」

 

 我慢の限界だった。思わず言葉を遮り叫ぶ。

 

 気持ち悪いだなんて、何を言っているんだろうか。

 

 角に翼、頬の傷跡と罅。闇堕ちしたかのように変色した肌と髪。

 

 

 最高に厨二臭くてカッコよすぎる。

 

 

「属性詰め込み過ぎだよアテーノ!!何これ狡いよ一人でオルタまで持ってるなんて!てか、鎧は!?胸に着けてた鎧はどこ行っちゃったの?!──ハッ!CAST OFF!?まさか内なる力を抑えるためのアレだったとか!?!!?男の子が皆好きなやつじゃん!!」

 

「はぁ……、あのなぁ立香……」

 

 しまった。ついテンションが上がりすぎた。真面目な雰囲気だったのに、思わず捲し立てて喋ってしまったことを後悔する。

 アテーノは溜息をつきながら、右目に大きくかかった前髪をかきあげる。一体何を……!?

 

「これ、魔眼」

「最高……!!」

「あとこれ、よいしょ」

「すげー!!義手の中から剣出てきたー!!かっこいいー!!」

 

 ヤバい、俺のプリテンダーがカッコよすぎる。

……あれ。そういえばどことなく誰かに似ている気がする。今日も何処かで見かけた気が……。

 

「……エミヤと雰囲気が似てる?」

「───それは「二人ともー、お疲れ様!」……ダ・ヴィンチちゃん」

 

 少し離れて様子を見ていたダ・ヴィンチちゃんが俺の隣へと駆けつける。

 

「どうかな。自分自身の姿に記憶との齟齬とかあるかい?もしあるのなら遠慮なく言ってくれたまえ」

「大丈夫、全く問題ないとも。間違いなくこれが英雄アテーノの全盛であり、私の終着点さ。溢れる力も生前以上、これならどんな獣も相手じゃないかもね」

「なら良し!……にしても凄いねこの翼。どれどれ、少し触ってもいい?」

「あら、私の体は高いわよ?」

「では失礼するねー」

「おいおいガン無視は凹むぞ流石に」

 

 羽根を散らしながら身を捩らせるアテーノを無視し、ダ・ヴィンチちゃんは興奮気味にぺたぺたと身体に触れる。

 

「ふむふむ、真っ白だけどこの構造は梟だね。うわっ、この腕本当に義手かい?生身と遜色無いくらいには精巧なんだけど。むむむ、私と同じレベル?もしやそれ以上……?」

 

 何故か悔しそうに唸りながら全身を撫で回す技術顧問。

 

「はいはいそこまで!触られ慣れてないのにそう弄るな!で、もう用事が終わってるなら帰っていいか」

 

「おっと、すまない。一発明家としてつい熱くなってしまった。それでこの後ね、君の試運転と藤丸くんの訓練を兼ねた戦闘シミュレーションを考えているのだけど、二人とも都合大丈夫かい?」

 

「午後から入ってた戦闘訓練ってこのことだったんだね。俺はいいけどアテーノは?」

 

「んー、まぁいいよ。どうせ暇だからな」

 

「じゃあフジマルくん、早速だけどこの部屋へ誰か呼んできてほしい。きっと募集をかければ直ぐに集まるから。人選と人数は君に任せよう」

 

 探し回っている時にも感じたけど、各地に残る伝承の多さからか、生前からアテーノのファンであるサーヴァントも同じように多い。ダ・ヴィンチちゃんの言うとうり募れば一瞬だろう。いや、寧ろ争奪戦が勃発する気がしなくもない。

 

 悩む、とても悩むけど。それより今はアテーノのカッコ良さを共有したくて堪らない。

 

 軽い足取りで俺は二人を残してシミュレーションルームを出た。

 

 

 

 

 

 

 

……

………

 

 

 

 

 

 

 

 

「……多少なりとも魔術についての知識があれば、その容姿から君が辿った凡その過程が想像出来る。得意の幻術を使えば隠し通すのだって容易だろうに。どうして態々?」

 

「信頼に対しても嘘で返すほど、私も不義理じゃ無いってだけ。それ以外はそうだな……、あれだ。ずっと気張ってたら疲れちゃうだろ」

 

「ふぅん、君がそう言うのなら私がこれ以上口を挟むのは野暮かな。でも『詐称者』が中身を明かしてしまっても大丈夫かい?」

 

「明かすも何も!youが見た目で勝手に予想してるだけで、私はそれに対して肯定も否定もしてないのさ。自分自身で明かすことも暴かれることも出来ない、そういう存在なの」

 

「その言葉が肯定しているようなものだけどねぇ。……ところで、話が戻るのだけどアテーノ。本当に霊基に違和感とかないのかな?」

 

「優しい、好きになっちゃいそう」

 

「女性への免疫が無さすぎて心配だよ。フジマルくんが男の子で良かったね。いや、本当に。で、どうなのさ?」

 

「───違和感はある。でもそれは英雄アテーノに不可欠なものだからな、寧ろ馴染んでる。んー、ダ・ヴィンチちゃんが聞きたいのは多分そういうのじゃないだろ?」

 

「うん。通常、霊基再臨を行ったサーヴァントは段階を踏んで全盛期へと近づく。私の予想では二回ほど姿を変えてね。───君、まだ何か隠してるんだろう?……あぁ、いや咎めはしないよ。だからちょっとその目は止めて欲しいな!ゴリゴリ正気が削られていく!」

 

「ははは、ごめんなぁ。でも私だって本意じゃないんだぜ?()()()()は過保護というか好戦的というか唯のガキというか……。とにかく護ろうと必死なんだよ。ま!とにかくこの姿じゃ特に仕方が無いんだな!許して!」

 

「大分ハイになってるねぇ」

 

「……うん、まぁ、そうだな。乙女だもの、プリテンダーだもの。隠し事の一つくらいはある」

 

「ワオ、落ち幅が凄い。ハイというか不安定なんだね」

 

 

 

 

 

 

 

……

………

 

 

 

 

 

 

 

 

「連れて来たよアテーノ!」

 

「こら、走ると危ないぞマスター。フッ、然しオレも存外にツイているらしい。幸運ランクも当てにならないようだ。この身が伝説の大英雄の力になれるかは分からないが、全力で……相、手………を……?」

 

「よっ、エミヤか。よろしく。おいおい、どうしたんだよ固まっちゃって!私がカッコよすぎてビビっちゃったか!?」

 

「うーん、人選ミスと言わざるを得ないかも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「英雄アテーノ」の

第三段階以降のセイントグラフは封印されています。

 

 

 

 

 

 






【挿絵表示】



霊基再臨1「翼に角に魔眼!そして何より、ハイライトの消えた瞳!!どうだいマスター?最高の闇堕ちスタイルで分かりやすいだろ。んー、まぁ、善の大英雄である私だ。生前から今まで悪に堕ちたつもりはないけどね。……っていうかネタばらしが早過ぎないか?こういうのは最後に取っとくもんだろ普通?!」





◇◇◇◇


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