コサックダンスがウクライナの伝統舞踊と知った34歳のおっさんがコサックダンスに挑戦するだけの小説です。

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34歳のおっさんがコサックダンスに挑戦するだけ

「へぇ~、コサックダンスってウクライナの伝統舞踊だったんだ」

 混沌とする世界情勢に、ウクライナのことを調べていた俺は某動画サイトでコサックダンスがロシアではなくウクライナの伝統舞踊だと知った。

「……本当なのだろうか?」

 コサックダンス=ロシアというイメージが強かった俺は念のため調べてみた。すると多くの人が論文などでの調べものをする際によく利用するであろうサイトに「コサックダンスはロシアのダンスと誤解されがちだが実際にはウクライナの伝統舞踊である」内容が記されていた。

 

「ふ~ん、そうなんだ。勉強になったな。……やってみるか!」

 

 無性にコサックダンスをやりたくなった俺は、コサックダンスの動画を見て頭に入れるとジャージに着替えてアパートの駐車場へと向かった。「これ、むしろ身体を冷やさねぇか?」と思う強風の中、ジョギングと簡単なストレッチをした俺は、爪先立ちになって腰を下ろす。

「えっと……確か、腕を組んで背筋を伸ばすんだったよな」

 腕を組み背筋を伸ばすと、爪先を伸ばしながら右足を突き出した。

 

「ッッッ!!??」

 

 足首の上部分、尻から腰への激痛に、俺は「フゴ、フゴ、フゴッ!!」と自分でも意味不明なことを言いながら駐車場を小走りに走り回る。

「ハァ……ハァ……ハァ……」

 痛みが治まり、俺は駐車場の電柱に手を置く。

「……い、いきなり本場さながらのコサックダンスをするのはムリがあったな。まずは身体を慣らしていかないと」

 俺は今度は電柱に左手を置き、爪先立ちで腰を下ろして背中をピーンッ! と伸ばす。そして今度は足首と足を曲げたまま右足を突き出した。

「……よし」

 先ほどのような痛みがないことを確認すると、今度は左足を突き出す。左足も大丈夫だと確認すると俺は右、左、右、左と跳ねるように交互に足を出す。

「……う~む、何だかこれではカエルがコサックダンスをしているみたいだな」

 本場のコサックダンスを初心者の俺に踊れるとは思っていない。しかし電柱に手を置いた状態でのコサックダンスまがいのダンスに不満を持った俺は今度は爪先と足を伸ばして足を交互に突き出した。

 数秒後。

 

「……ッ! ……ッ! ……ッ!!」

 

 身体が冷えるほどの強風もあり汗こそ()いていないが、汗が流れてもおかしくないほど俺は声にもならない息切れを起こしていた。

 

(ヤバい。マジでヤバい! 自転車で平日20~30分かけて通勤し、マッチョには程遠いとはいえ2、3日に腕立て、腹筋、スクワットの筋トレ20~30回×3セットしている俺がギブアップするほど、コサック(この)ダンスはキツい!!)

 俺はその場で座り込んで体力の回復を待つ。腰や足、肺に痛みを感じながらアパートへと足を向けた。

 

「もっとだ。もっと身体を鍛えて今度こそは!!」

 

 そうリベンジを誓って。

 

 




多くの人が論文などでの調べものをする際によく利用するであろうサイトに関しては、Wikipediaのコサックダンスから(2022年3月7日調べ)。

皆様もご存じの通り、現在ウクライナはとても大変なことになっています。ロシアがなぜウクライナに侵攻しているのかという本当の目的・理念・大義は理解しがたいですが、それでも筆先文十郎には原発や住宅地を攻撃したロシアに正義はないように思えます。

武器を持って戦うことの出来ない、寄付くらいしか出来ない人間に何ができるか?そう思い今回の小説を書きました。

ウクライナの人々が一日でも早く平和な日常を過ごせる日が戻ることを祈るばかりです。

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