|彡サッ
|"-;)))コソコソ
|"-;)ノ⌒ 4話 ポイッ
|彡サッ
Side:店主
本日、オケアノスはある方の貸切となっております。
彼女は稲妻のVIPなのですが非常に意志の強く、信念のある方ですので鎖国令を敷いたと聞いたときにはいよいよおもてなしの機会を失ったと嘆いたものです。だからこそ、旅人の影響を受けて鎖国令を解除すると伝え聞いたときは僥倖を喜んだものです。
早速下準備を始めましょう。
といってもお出しする料理は鍋料理を予定していますので、準備は調味料の作成と、肉や野菜などを切るだけになりますが。
まずは調味料から作っていきましょう。
調味料は稲妻の地酒*1、みりん、醤油、ザラメを使います。割合としては10:10:10:3です。
作り方は鍋に酒、みりんを100gずつ入れて強火で煮立たせます。十分煮立ったらいったん火を止めて、醤油とザラメを入れてさらに中火でザラメが溶けるまで温めます。
続いて今日の料理の主役である肉に手を付けます。
本日使用する肉は一か月ほど熟成した牛肉のリブロースの一部です。リブロースは肩ロースとサーロインの間にある、あばら部分の肉のことです。リブロースは牛が動くときにあまり使われない部位ですので、肉質がきめ細かく程よい霜降り状態でになり柔らかく濃厚な旨味を持っています。
リブロースの切り出すときは最初に肉を傷つけないように表面をそぎ落とします。
次にカブリという部分を外します。カブリというのは芯に覆いかぶさるようにある部分で特にサシが強く入っていて味も濃厚で大変美味しいのですが、今回の料理では濃厚になりすぎて味がくどくなってしまうので使いません。
芯だけになったら切り出し完了です。あとはお出しするときに適度な厚さにスライスするだけの状態ですね。
野菜はねぎ、しいたけ、えのき、豆腐、白菜、春菊を使います。
ねぎは一口大に斜め切りします。斜め切りすると切断面が大きくなるので鍋の旨味が良くしみ込みます。
しいたけは十字に切り込みを入れる飾り切りを行います。飾り切りは味が良くなるだけでなく、見栄えもよくなるのが良いですね。
えのきは根本の部分を切り取ってから大まかに切り分けて軽くほぐします。もし根本近くのキノコがまとまっている部分の口に残る感覚が苦手なら思い切って半分に切ってもいいかと思います。
あとの豆腐、白菜、春菊は食べやすい大きさにざっくりと切って下準備完了です。
お客様がいらっしゃるまでペアリングのお酒を吟味しましょうか。
「いらっしゃいませ、影様。お待ちしておりました」
「急なお願いにも関わらず対応してもらい感謝します」
約束の時間ちょうど、お客様がいらっしゃいました。
彼女は以前と同じように優雅な足取りでいつものテーブル席に座り、店内を見渡す。
「このお店もずいぶん変わりましたね。以前はもっと重厚な雰囲気でしたよね」
「はい。影様が最後にいらっしゃったときから何度か改築しております」
「そうですか。……少し驚いたような不思議な気持ちです。魔神である貴方が店主を務めているこの店は変わっていないと思っていたので」
「
今夜の料理は目の前でお作ります。道具の準備をしますので少々お待ちください」
「そうですか、それは楽しみです」
~すき焼き~
すき焼きは牛肉と野菜を
稲妻では非常に人気がある料理で祝い事や偶の贅沢として食べられています。
今日は客席で料理するので先に安全に火を扱うために卓上囲炉裏を用意します。
この道具は鶴の姿をした知り合いの仙人から譲り受けたもので、極めて断熱性が高く木製テーブルの上でも安全に火を使えます。
卓上囲炉裏に鉄鍋を掛け、法術で適温まで鍋を熱して準備完了。
この卓上囲炉裏、惜しむべくは大きさの都合で炭が使えないため法術で火力を調節しなければならないのです。
「お待たせしました。調理を始めますね」
鍋が十分に熱されたことを確認し、牛脂を入れて鍋全体に脂をなじませます。
次にネギを入れて焼き、焼き色がついたら取り出します。こうするとネギの香ばしさが増すのでお勧めです。
いよいよメインの肉の出番です。肉は決して焼きすぎることが無いように、サッと焼きである程度赤い部分がなくなったら鍋の端に寄せます。
最後に、肉に火が通りきらないうちに割り下と野菜などの具材を入れて煮立てれば完成です。
「すき焼きです」
Side:雷電影
私は旅人との戦いでヒトの祈りを知り、"将軍"との問答を経て"永遠"について考える日々を送っています。
そんな折、暇つぶしで立ち寄った祭りでレシピ本を見て、かつて姉と共に懇意にしていた
オケアノスの店主は私と同じく数千年の時を生きている魔神。彼であれば凝り固まった思考に何か刺激を与えてくれるのでないかと思い、急ではありますが来店することにしました。
やはりというべきか、500年ぶりに訪れた店は当時から大きく姿を変えていました。頭では理解していましたが哀愁を感じてしまうものですね。
もしかしたら、心のどこかで姉――眞との思い出の場所がそのまま残っていると期待していたのかもしれませんが。
今日は目の前で料理してくれるのですか。それは楽しみですね。
ふふ、店主は変わっていませんね。自分の腕に確かな自信を持ているところ。そして、彼なら必ず満足させてくれると期待させてくれるところも。
待っていると色々な道具と食材が並べられていきます。
生卵にお肉に豆腐、ネギなどの野菜、あと瓶から漂ってくる香りは……割り下?
なるほど、すき焼きですか。すき焼きは狩りに出向いたときに何度か食していますが、お菓子とは違った甘味と旨味が好ましいものでした。
流石というべきでしょう。店主は私でも分かるほど鮮やかな手際で調理を進めます。
暫くするとお肉と割り下の香りが食欲を刺激してきました。
さっそく頂きましょう。
お肉を解き卵に潜らせて……美味しい!
お肉と卵、割り下それぞれの旨味、甘味、濃厚さが互いの美味しさを掛け算で引き出しています!
思わず笑顔になってしまいそうです。
野菜も頂きましょう。
まずはネギから、野菜とはこれほど美味しいものでしたでしょうか。非常に香ばしくてお酒ともよく合います。
キノコもよく味が染みています。もう、手が止まりませんね。
しかし、卵が少なくなってきましたね。追加で貰えないでしょうか。
Side:店主
どうやらすき焼きをとても気に入って頂けたようですね。卵のお代わりまで注文頂けましたし。
容彩祭の折、思い切って特級の醤油を買った甲斐がありました。
そろそろ〆とデザートの準備をしましょう。
そう思って厨房に戻ろうとしたとき、影様からお声がかかる。
「? 如何しましたか」
「店主、この店は昔から少しも変わりませんね」
「……ありがとうございます! 〆の準備をいたします」
今夜は大変満足頂けたようですね。
影様は一国の神であり、そう簡単にご来店いただけません。それでもまた来ていただきたいと強く思ってしまいました。
大変遅くなり申し訳ございません。
忙しさにかまけていたら"5月末"になっておりました。
原神のショップが切り替わっていないのでまだ"5月末"です。
よろしくお願いします。
アンケートにお答えいただきありがとうございました。
今後の描写は"1人称視点の切り替え"で行う方針です。
3人称視点で作成した1,2話について、リメイクするかは未定です。
※リメイクする場合でも何らかの形で現在のものは残す所存です。
小説の視点について、どちらの方式が良いでしょうか
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1,2と同じ(第三者)
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3と同じ(各キャラ)