米花町で五等分   作:マイケルみつお

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本文の後には六海ちゃんによるおまけがあるので最後までご覧下さい

文体を修正しました。内容は変わっていません。(8/22)


1話 米花町で太る / マルオくんは娘達に近づく男を五等分したい

 「私の方が先でした。隣の席が空いています。移って下さい!」

 

「ここは毎日俺が使っている席だ。あんたが移れ」

 

今日は朝起きるのが少し遅くなってしまい、昼食を準備できなかった俺は食堂へと向かい、その光景を目にしていた。

 

「あっら〜、とうとう上杉君にも春が来たのね〜」

 

「バーロー、あの上杉だぞ園子。天地がひっくり返ってもありえねぇよ」

 

後ろから話しかけてきたのは鈴木園子。俺の友人で世界的にも有名なあの鈴木財閥のお嬢様だ。まぁ、普段はそんな面影など全く見られないのだが...。

 

そしてそんな彼女を一蹴したのが工藤新一。これまた俺の友達だ。彼は高校生ながら探偵として活動しており、「平成のホームズ」や「日本警察の救世主」などという称号を持っている。

 

「ん? どうした修斗?」

 

「あ、ああ...、いや何でもない」

 

「ん? もしかして春が来たのは上杉君じゃなくて村城君の方だったりして、ムフフ」

 

俺が珍しく動揺している様子をみて深読みしているのか...でもそうなるのも仕方がない。

 

「なんであの子()が...」

 

 

 私立帝丹高等学校。ここは生徒数が多いいわばマンモス学校である。校内での偏差値の幅も大きく、学年の下の方は大学進学すら怪しいレベルであるが上位成績者は東都大学に進学する者も少なくない。また帝丹小学校からエスカレート式に進学する仕組みも整っている。

 

そんな中、高等部から特待生として入学し、()()()()()この学年のトップを走っている上杉風太郎は今現在違う高校の制服を着用したあの人に似た女子生徒と話しており、食堂内の視線を独占していた。

 

「ちょっと面白そうね...。さっ! あんた達行くわよ」

 

「おっ、おい!」

 

鈴木は俺と工藤を引っ張って上杉と女子生徒の方へと向かった。

 

 

 

 

 「行儀悪いですよ」

 

単語帳を見ながら昼食を食べる上杉に女子生徒はニヤニヤしながら尋ねる。

 

「へぇ〜、よほど追い込まれているんですね。何点だったんですか?」

 

そう言って彼女はトレイに置かれていた上杉の答案用紙を見ようと手を伸ばす。

 

「あなた、やめておいた方がいいわよ。上杉君それ、見せつけるためにわざと置いているんだから」

 

鈴木の一言で彼女は手を止める。しかし既に上杉の答案を手にしており、その点数を見てしまう。

 

「ひゃっ、百点!?」

 

「あーめっちゃ恥ずかしいー」

 

「顔のにやけが抑え切れてないわよ上杉君」

 

鈴木と工藤は上杉のその様子に顔を引き攣らせる。

 

「わ、わざと見せましたね! ...まあ悔しいですが私はあまり勉強は得意ではないので羨ましいです。そうです! 折角相席したんですから勉強教えて下さい!」

 

「ごちそうさまでした」

 

「えっ! 食べるのはや!」

 

彼女の申し出を無視して上杉は席を立つ。

 

「お昼ご飯それだけで足りるんですか? よければ私のを少し分けましょうか?」

 

「あんたが食べ過ぎなんだよ...

 

 

 

 

太るぞ

 

「!?」

 

顔を真っ赤にして怒る彼女を見もせずに上杉はその場を離れる。

 

「うわー、あの言い方はないよね上杉君。あ、違う制服着てるけどもしかして転校生? 私は鈴木園子。よろしくね!」

 

「えっ...あっ! よろしくお願いします! 私は中野五月です。よろしくお願いします鈴木さん」

 

「園子でいいわよ五月。それより勉強教えてもらいたいならそこの村城君にでも頼んだら? この前のテストじゃさっきの上杉君に学年一位独占されちゃったけどそれまでは村城君も一位だったんだから」

 

鈴木は俺を指差しながらそう提案する。

 

「まあ中野...さんがいいなら別にいいけど」

 

少し気になる点もあるし別にいいか。こうして昼食を食べ終わった後に少しだけ勉強を教えることになった。

 

 

 

 

「俺、完全に空気だったな...」

 

ドンマイ工藤...

 

 

 

 「あの子達に家庭教師を雇ったらしいです。勇也のとこの子どもにです」

 

勝手に俺の家に上がり込んだ彼女、零奈さんは今日出会った中野五月さんを幼く、小学生にしたような容貌をしておりその年齢に不相応の口調でそう言った。俺あの人怖いから苦手なんだよ...しかもあの薬を飲まされてから、側からだと年下幼女に詰められる情けない姿に見えるし...。

 

「それで?」

 

「はい。あなたも彼の補佐、家庭教師補佐としてあの子達の手助けをして欲しいのです。...私はまだあの子達に母親として接する事はできませんので。よろしくお願いしますね」

 

「は...はい...」

 

その有無を言わせぬ圧に俺は抗議すらできず、首を縦に振る他なかった。




おまけ マルオくんは娘達に近づく男を五等分したい

これは自分を零奈の親戚の六海と名乗る彼女がどうやって修斗を家庭教師の補佐にさせたかの裏話である


零奈(以下六海)「あ!お父さんどうしたの?」(マルオが最愛の人に似た少女に父と呼ばれるのが嬉しいという事を知っている)

マルオ「あ!六海ちゃん!いやね、一花ちゃん達の成績を考えて家庭教師をつけようと思ってね!」(画面に風太郎の写真)

六海「あ!勇也のお兄ちゃんの子どもの頃に似てるねその人!」(純真無垢な外面笑顔)

マルオ「なっ...勇也の「お兄ちゃん」...だと...」(お父さんもいいけど、お兄ちゃんとも呼ばれたいので勇也に嫉妬)

六海「勇也のお兄ちゃんの子どもが家庭教師するんだー。そういえば一花お姉ちゃんってまだ京都で会った男の子の事が好きなんだよねー。五つ子だし他のお姉ちゃん達もその男の子の事好きになったりして。」(今作では風太郎と会ったのは一花だけ)

マルオ「なん...だと...」(マルオはそれが勇也の子どもの風太郎である事を知っている)

六海「でも生徒5人に先生1人だったらその先生一花お姉ちゃん達全員独り占めだね!」

マルオ「」

六海「みんな自分のお嫁さんとしてお父さんに紹介するかもねー」

マルオ「娘は渡さない娘は渡さない娘は...(ボソボソ)」

六海「でも先生一人だったら大変だろうねー。あ!その勇也お兄ちゃんの子どものお兄ちゃん以外に頭いい人いないの?」(追い詰められたマルオに対して風太郎にもお兄ちゃんづけして止めを刺す)

マルオ「なっ!や、奴だけに任せられない...そ、そうだ!確か上杉風太郎と同レベルの人間がいたはずだ!」

六海「じゃあその人に風太郎お兄ちゃんの補佐でもしてもらったら?」(修斗にお兄ちゃんをつけるというヘマはしない)

マルオ「そ、そうだね!そうしよう!」(村城君にはお兄ちゃんがつかない!!)

六海(計画通り)

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