「なぁ三玖。あいつ何やってんだ?」
「多分オートロックを知らないんだと思う。」
俺と三玖は中野家のマンションの玄関で右往左往している上杉を見つける。
「おい上杉。開け方分からないのか?」
「いや。そんな事ないぞ。」
お前変なとこでプライド高いよな...。三玖に開けてもらい、俺たちは中野家に入る。
「さあ!勉強しよう!」
しかし居間に集まったのは二乃、三玖、四葉だけである。
「しかし正直二乃が来てくれたのは意外だったな。」
「あら上杉。そんな事言うなら帰ってあげてもいいけど?」
「冗談ですからここにいて下さいよろしくお願いします!」
「まああんたにも悪い事したとは思ってるし...今日は村城もいるしね。」
なぜか俺はあの日から妙に二乃から直接的な敵意を持たれてはいない。上杉に対する敵意はあんまり変わってないが...。正直何を考えているか分からない...。
「ふわぁ〜おはよう〜」
「一花。お前今起きたのか。もう九時だぞ。」
「いいじゃんそれくらい〜」
「五月も、一花を起こしに行ってくれてたんだな。サンキュ。」
「いえ。あなた達がわざわざ来るのに、私たちが失礼をしてはいけないと思っただけです。」
あの後、五つ子が集まっている場所で二乃と三玖を呼び捨てで呼んでいると、他の姉妹からも呼び捨てでいいと許可を受けた。
「そういえばいつもいるあのちっさいお前らみたいな奴は?」
授業を始めてからおよそ一時間。ふと思ったのか上杉がそう切り出した。そういえば零奈さんいないな。
「六海ちゃんなら今日は友達とサッカー観に行くって言ってたわよ。」
零奈さん。何エンジョイしてるんですか...散々あんた外出るの警戒してただろ...でもサッカーか
「そういや俺も今日夕方からサッカー行くから途中までだわ。」
「もしかしたら六海と同じ試合かもしれない。」
はは、まさかな...
「あ!私六海ちゃんから付き添いをお願いしてもらってたんでした!すみませんが私も途中で抜けますね...」
「じゃあ私もその時抜けるわ。」
「私も。」
「私もその時間になったら図書館で勉強します。」
勉強を続けていたが、俺が抜けると同時に二乃と三玖と五月も抜けてしまった。すまん上杉。一花は任せたぞ。
「まさか村城さんと行く試合が同じとは思いませんでしたねー。」
俺と四葉はあれから行く試合が同じだという事に気づき、こうして二人で電車に乗っている。
「なんかこうしているとデートみたいですねニシシ」
「アホ言え。どうせスタジアム着いたら別の席なんだ。六海ちゃんの引率頑張れよ。...お前が引率される未来しか想像できんが...」
「村城さん...聞こえています...」
「すまん。」
「そういえばお前はなんで俺たちに協力してくれたんだ?五つ子の中でお前だけが唯一最初から参加してくれた。」
上杉に対しては意固地になってる奴もいるがそれでも授業を受けてくれるまでにはなった。しかしそれは初めからではなかった。魔界のような部屋に引きこもりいつも眠そうな長女、姉妹の中に異物が入り込むのを拒絶する次女。卑屈で自分を他人に見せたがらない三女に頑固で不器用な五女。お前だけだったんだ。
「私が一番姉妹のみんなの足を引っ張ってるからです...それに...」
俺は四葉の顔にどこか今までとは違う色を感じた。四葉にも何かある。ただひたすらに、底抜けに明るいだけの女の子ではないみたいだ。
「そろそろ駅に着きますよ!下りる準備をしましょう!」
だが自分の事を話したがらない者には他人の秘密に土足で入り込む権利はない。
「じゃあここで解散かな。そういや四葉何番ゲートだ?」
「ええと...ちょっと待って下さいね。6番ゲートです!」
「お、じゃあゲート一緒か。行くぞ。」
「はい!」
俺たちは係の人にチケットをみせ、スタジアムに入る。
「じゃあここでお別れですね!村城さん!」
「ああ。......ちょっと待て。何で着いてくるんだ四葉。」
「いえ...私もこっちで...。」
まさか...いやそんな...
「あ!修斗お兄ちゃん!」
声のした方には幼児化した工藤、コナンと...
「れい...六海ちゃんも一緒だったんだね...」
何であなたがコナンと一緒にいるんですか...
「コナンくんと六海さんの保護者さんですね!僕は円谷光彦って言います。」
「私は吉田歩美!」
「俺は小嶋元太って言うんだ!」
「...灰原哀。」
「まさか村城さんと隣の席だとは!」
「...俺も驚いた。」
席順としては左から四葉、俺、コナン、哀、歩美、六海、光彦、元太という並びだ。
「ねえねえ、修斗お兄さんと四葉お姉さんって恋人さん同士なの?」
「な、何を言ってるんですか!歩美ちゃん!わた、私と村城さんなんて...!」
もうすぐキックオフかという時に歩美ちゃんは巨大爆弾を投下する。怖い...零奈さんの目が怖い...
「俺と四葉はそんな関係じゃないよ。歩美ちゃん、適当な事言ったらダメだよ。」
「は〜い、ごめんなさい。」
素直だね。五月にも見習わせたいこの素直さ。
ホイッスルが鳴る。キックオフだ。東京スピリッツとビック大阪の試合が今始まる。
「てかお前...こんないい試合なのに観ねぇのかよ。」
スピリッツのヒデがヘディングシュートを決め、会場が沸き上がる中、哀ちゃんは試合には目もくれずサングラスをかけてクールに雑誌を読んでいた。
「私は付き合いで来ただけよ。そもそもテレビカメラがあるようなこんな場所で奴らに見つかったら...」
「バーロー。こんな試合であいつらみたいにはしゃがない方が逆に目立つぜ。サッカーの試合は生で観るに限るんだ。来いよ!」
そう言ってコナンは哀ちゃんを連れてピッチに近づく。四葉はすっかり元太君達と混ざって楽しんでいる。零奈さんは菩薩のような笑みで彼女らを見つめている。俺はそんな菩薩の彼女に近づく。
「ていうか零奈さん。コナン達と知り合いだったんですか?」
「小学校の同級生なのですよ。今日はあの子達に誘われて来ました。ですがあの子達、子どもだけで行こうとしてたので四葉にお願いしました。全くあの子達は...」
えっ?零奈さんコナンが
「あっ!」
哀ちゃんの帽子が風に吹かれてピッチの方へ落ちていく。
「!?」
飛んでいく帽子につられるように目線を向かわせると近くのサッカーボールが突然吹き飛びプシューと音を立てながら空気が抜けていく。
「零奈さん!」
「わかっています。」
狙撃だ。どこから撃たれた?まずは子ども達と四葉の安全を...
「おい!コナン!」
そんな忠告を発する前に彼はピッチに飛び降りて銃弾を回収しようとする。
「坊や!何してるんだ!」
当然係員が注意をしにやってくる。
「すみません。俺が上に連れて行きます。」
全く...余計な仕事増やしやがって...。
「おい、これ見ろ修斗。」
7.62mm弾、ロシア製か。
「とりあえず早く離れろ。お前は二撃目が来るとは考えないのか...」
「その話、本当だと思うよ。」
会場からパトカーが見え、目暮警部が車から出てくるところが見える。零奈さんは子ども達を見てくれるようで会場に残っている。
「おお!コナン君!それに修斗君!」
やっぱりお前も着いてきたか。零奈さんにはコナンはこっちにいるから探しに来なくていい、とメールをして...。そのコナンはお前も目暮警部と知り合いだったのか?という目でこちらを見てくる。その視線に気づいたのか目暮警部は俺に対して済まないと手でポーズをつくって謝罪をした。
「大丈夫です。それにコナン君が言ってた事も事実です。」
「警部さん、これを見て。」
コナンはそう言って目暮警部に銃弾を見せる。
「その弾が装弾できるロシアの拳銃といえば中国経由で日本に多く密輸されているトカレフとみてまず間違いない。殺傷能力が極めて高い強力な拳銃だ。...銃声が聞こえなかったからきっと犯人は銃口を加工してサイレンサーを...」
「...しかし、何でそんな事を知ってるんだね君は。」
お前...完全に隠す気ないだろう。ていうか零奈さんが気づいてないのって小学校で事件が起こってなかったからだよな。これ事件起こったら即座にバレるぞ...いやもうバレてるのか?
「も、もちろん全部小五郎おじさんに聞いたんだ!」
「ったく。子どもになんて事教えてるんだあの男は。」
かわいそうな毛利さん...。
おまけ 六海ちゃんはコナン君を五等分したい
「コナン君すごかったよね!ね、光彦君!六海ちゃん!」
「ええ。流石コナン君、といった推理でしたね!」
江戸川コナン。明らかに小学生ではない。おそらく私と同じ薬を飲まされたのか...。確か彼は修斗と面識がありましたね...。
「そういえばコナン君、今日蘭お姉さんが早く帰って来なさいって朝言ってなかった?」
「ヤベッ!歩美ちゃん教えてくれて助かったぜ!また明日な!」
そういえばコナン君は毛利探偵事務所に居候してるんでしたね。そこの長女は確か修斗と同じ学年の高校生でしたね...。そういえば彼と同じクラスの高校生探偵、工藤新一君が最近行方不明だとこの前彼女が言ってましたね...。その時のコナン君の表情が確か...。確認してみましょうか。
「やっぱりそうでしたか。工藤新一と江戸川コナンは同一人物。おそらく私と同じ薬を飲まされたのでしょうね。」
私はコナン君と工藤新一君の指紋を照合してみた。結果は思った通りだった。
「そして修斗はこの事を知っていて私に黙っていた。フフフ、どうしてくれましょうか。」
六海はコナンの正体が高校生だと知っても特に対応は変わらなかった。高校生の娘を持つ彼女からしてみれば小学生も高校生も大人ではなく等しく子どもであるという認識だったからである。それよりもこの事を黙っていた修斗に対して不適な笑みを浮かべる
こんにちは。ハンバンパンです。今回からの事件はアニメ129,130話の競技場無差別脅迫事件です。競技場に残っているのは少年探偵団(灰原含む)、四葉、零奈です。零奈は少年探偵団が事件に首を突っ込みたがってるのを知っているので変に介入しないよう見張っています。後には灰原と共に彼らの保護者となります。
次回もよろしくお願いします!
生存報告を兼ねたアンケート(文字数の関係から詳細は活動報告を見てね!)
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上書き更新してもいいよ!
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リメイク更新ならいいよ!
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百年早いわこの未熟者!
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