「...これって泊まりパターンだよな。しかも知らない人の結婚式に参加するなんて。」
俺は新一に連れられ全く知らない家の結婚式に参列する事になった。
「しっかしでけぇ家だなぁ。」
「昔遊びに来た時と全く変わってないで。」
「なあ和葉、服部君はこの家と何か縁があるのか?」
「ああそっか。修斗君何も聞かされずに連れてこられたんやもんね。実は今日の結婚式、平次んとこのおばちゃんの同級生の息子の結婚式やねん。せやけど平次のおばちゃん、足にたこ焼きプレート落として参加できんから、代わりにうち達が参列するって話になったんよ。」
「じゃあ毛利さん達は?」
「おまけやおまけ。毛利のおっちゃんと、この坊主とで明治神宮参拝しとったらそこの森園家の執事の重松はんとバッタリおうてな。話の流れでそういう事になったんや。それよか、村城...いつから和葉とそんなに仲良うなったんや?」
和葉と話していると、その連れで西の高校生探偵と呼ばれている服部が会話に参加してくる。
「いつからって...さっき会ったばかりだけど。なぁ和葉。」
「うん。なに?平次嫉妬でもしとるん?」
にやけ顔で平次を挑発する和葉。
「そ、そんなんじゃないわドアホ!俺は先に行っとくからな!」
あ、行っちゃった...。
ーーーーーー
和葉のアホが変な事言ったさかい、逃げ出してしもうたやないか。
「なあ工藤。俺そういやあいつがどういう人間かはまだ聞いてなかったな。...あいつ、女誑しとかそういう奴じゃ...」
「一応高校入ってからの付き合いだがそんな評判は聞いた事ねーよ。彼女どころか好きな人の話とかも聞いた事ねぇな。なんだ服部、和葉ちゃんの事で嫉妬してるのか?」
「ち、違うわい!それにお前もさっき毛利の姉ちゃんと親しげに話してるとこ見て気持ちが顔に出とったで。この目でちゃんと見たんや。」
コナンは揶揄ったつもりだったが自分に返り討ちが飛んできた事を自覚し、咳払いで誤魔化す。
「まあ、俺も最近あいつの知らない部分を見すぎて、あいつの事を全然分かってなかったんだなって理解したんだけどな。」
「それが電話で言ってた組織の事っちゅう訳か。村城が組織の人間って可能性は考えなかったのか?」
「もしあいつが組織の人間なら今頃俺や灰原も殺されてるよ。灰原は組織でも重要な人間だからな、あいつを泳がせて...とかはないはずだ。...それに非論理的かもしれねぇが俺はあいつが悪人だとは思えない。」
新一が言うところは友人として付き合った過去があるからだ。しかし新一は仲がいいからといって疑わない訳ではない。むしろ信頼してるから疑う事に何の躊躇もせず調査にかかれる。だがそれでも感情の部分が論理の部分にまで干渉してきて正常ではない判断を下してしまう事も事実だ。工藤新一とは実に人間らしい探偵なのである。
「分かった。ほんなら俺がお前に変わって村城を見極めてやる。俺なら初対面だから変な情を持つ事もないからのぅ。」
新一と服部が話していると不意に木が揺れる音がして、同時に人間が一人木から飛び降りてきた。
「ッ!?」
誰や!という言葉は目の前の情景に打ち消された。
「ああすまないね村城君、彼は怪しい者ではない。だから放してやってくれ。これ!桜庭君!お客様の前で失礼だぞ!」
桜庭と呼ばれた男性はこの森園家の使用人であるという。しかしそんな事が重要なのではなく、
「なあ工藤...。今の村城の動き、見えたか?」
「いや...見えなかった...。」
新一と服部と、修斗との距離は離れていた。列の先頭と最後尾にそれぞれ彼らはいたからだ。そして桜庭が飛び降りた木は新一と服部の目線の先にある。木が揺れてから瞬きする間もなく修斗が目の前に現れ、桜庭を拘束したのだ。たった数秒の間で、まるでシークレットサービスのような早業で。
今話でこの事件は終わらせる予定でしたが、次回にまでもつれこみそうです...。一応本事件は平次和葉と修斗の顔合わせと修斗の実力の片鱗を彼らが体験する事でした。
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