「あれ、博士? 新一は?」
新一に話があり、零奈さんがこの前博士の家に集まると言っていたので行けば会えると思ったのだが新一の姿はない。
「江戸川君なら探偵事務所の子達とクルーズ船ツアーに出かけてるわ。急に決まったんですって」
「コナン君だけで行くなんてずるいよ! 私たちも行きたかったよね!」
思わず目を丸くするが...あ、そうか。灰原と博士がいるからか。だから
コナンや灰原とは違って、子どもの前でも幼く振る舞っているからである。
「あなた、ちょっと手伝いなさい。買い物の持ち手が足りないのよ。博士はあんなだし」
博士は布団に横になったっきり、目は覚めているが起きあがろうとしない。
「ぎっくり腰よ」
「私は博士が心配だからお留守番してるね!」
「分かったわ。私は荷物持ち連れて行ってくるから博士の事はよろしくね、中野さん」
「うん!」
──────
「で、どこに行くんだ?」
「さっきも言ったけど昼ごはんの買い出しよ。着いてきなさい」
零奈さんの時と同じように年下に詰められる情けない様子に見える。いや、灰原は実年齢じゃあ俺より一つ上なんだが...
「それよりあなた、何で私に対して最初持っていた敵意がなくなったの?」
灰原に最初に会ってから少し経つ。最初は灰原に対して明確な敵意を覚えていたが今は普通に話せるまである。
「あれから少し考えたんだ。生まれてから組織にいたんなら逃げ場なんてなかったんじゃないのかって。身内を殺され、そして今は組織の追手に怯えている。そんなの俺たちと同じじゃないかって」
「...甘いのね」
「なら前みたいに敵意持ってお..」
「...」
「冗談だからそんな目で見ないで!」
──────
「それで、この後はどうするんだ?」
スーパーであらかた食材を買い終わって...荷物全部持たされているけど。
「もう全て買い終わったわ。あなたの分も買い終わったし夕食まで食べていきなさい」
「あー...昼ごはんはありがたく頂くけど夕食はいいや。またの機会にお願いするよ」
「何か用事でもあったの?」
「ちょっとバイトな」
「それって中野さんのお姉さんの家庭教師かしら」
「六海ちゃんから聞いてた?」
「いえ。この間会った中野さんから聞いただけよ」
四葉の事か。サッカーの時に会ってるし。中野さんの
「まあとりあえず帰ろうぜ。博士の腰が心配だ」
──────
昼食はカレーだった。帰ると博士は普通に立ち上がっていた。そういえば昨日今日かかった訳ではないって言ってたな。
「ごちそうさまでした」
昼食を食べ終わった後は博士の家でテレビゲームをして過ごす。そろそろかな。
「じゃあ俺はそろそろ帰りますね。お邪魔しました博士」
「じゃあ私もそろそろ帰るね! 行こ! 哀ちゃん!」
「ええ、分かったわ」
え?
「今日は哀ちゃんもウチに泊まるんだって!」
「フフ、あなたの働き様、よく見させてもらうわ」
──────
「久しぶりだな」
シャロンの葬式とかもあってあいつらに会うのは夏祭り以降だな。零奈さんが開けてくれたので俺はインターホンを鳴らさずに入る。
「む、村城!」
「シュート!?」
「村城さん!?」
「村城君!?」
いきなり入ったので大層驚いたようだ。
「あ! 哀ちゃん、だったよね? サッカーの時ぶりですね!」
四葉だけが灰原の事を知っており声をかける。灰原はそれに頭を下げるのみ。客観的に見ても愛想がいいとは思えない。ただ五つ子には
「はいば..」
そういえば五つ子の前じゃ何て呼べばいいんだろう。元太とか歩美とかは下の名前で呼んでるから灰原も下の名前で呼ばないと不自然かな...? いや、もう灰原呼びがしっくりくるんだよな。別にいいか。零奈さんも気づいているし。
「あんま六海ちゃんに迷惑かけるなよ
──────
「三玖、四葉、五月。ちょっと集合」
修斗の発言にギョッとした一花を除いた四人は緊急五つ子会議を開いた。
「今、あいつが言った灰原...勿論覚えてるわよね」
「村城さんがロリコンに走ってしまった原因だよね!」
「そんな言い方は酷いですよ四葉。
「おいお前ら。もう休憩は終わりだ。修斗! お前も来たなら参加しろ。修斗は理系科目頼めるか?」
「すまん。えっと...今理系は二乃と四葉か。じゃあこっちのテーブルでやるか」
──────
「やっぱり難しいですねー」
「ここ...さっきやったばっかりね」
元々どちらかといえば文系教科が得意な二乃と四葉は基礎の範囲でも苦労していた。
「そこは運動方程式のこの2番目の公式を使いなさい。3つ覚えられないならこの2つだけ覚えておきなさい。最後のはあくまで一つ目と二つ目の派生だから2つだけで答えは導き出せるわ。そっちの問題は..」
「おい、自重しろ灰原」
科学者の灰原にとってこんな物理の問題なんて何も見ずして解けるようなものだ。だとしても今の自分の姿を考えろよ...明らかに不自然に思われ...
「す、凄いよ! 哀ちゃん!」
「や、やるわね」
あれ、結構自然に受け入れてる? それなら
「灰原は科学とかが小さい頃から大好きでな。本とかいっぱい読んでたらしいぞ」
この調子でいけば近い将来零奈さんが教えられるようになるかな。
──────
「ふぅ、お疲れ。今日はこれくらいにしておくか」
灰原も参加してくれたおかげでいつもより効率が良かったんじゃないかな。
「シュート...言いたくなかったらいいんだけど...何かあった?」
家庭教師が終わったタイミングで三玖含め、みんなから聞かれる。勉強の間は聞かないようにしていたからやや微妙な空気にはなっていた。上杉も何も口を挟まないでいる。
「...とても大切な恩人が亡くなった。母みたいな人が」
その言葉を聞いて三玖がしまったという顔をする。五つ子も上杉も母を失っている。それがどれだけ苦しい事なのかを分かっているのだろう。
「......」
そして苦しんでいるのは五つ子や上杉以外にも。
コナンは174話のシンフォニー号に乗船しています。
ログインしていない方でも感想を書けるように設定しています。感想を書いてくれるとすごく嬉しいのでよろしくお願いします。
twitterもやっています。フォローよろしく! @hanvanpan
生存報告を兼ねたアンケート(文字数の関係から詳細は活動報告を見てね!)
-
上書き更新してもいいよ!
-
リメイク更新ならいいよ!
-
百年早いわこの未熟者!
-
興味ないorどうでもいいor作者に任せる
-
結果閲覧用