「何でお前らそんなとこにつっ立ってるの?」
「...はっ! 今行きますよー! 村城さん!」
元気いっぱいの四葉に連れられ彼女達も校門をくぐる。
「あ! 上杉さん! すみません! 今日は部活が放課後にありますので家庭教師の時間には遅れますね!」
「あっおい! 待て四葉!」
それを聞いた上杉が四葉を追いかける。
「あいつ、何か部活入ってたっけ?」
「バスケ部の助っ人やってるのよ」
運動神経、四葉は確かによかったな。...サッカーはもうやってないのかな?
「四葉以外は部活入ってないのか?」
「私たちは入ってません」
「そもそも転校してきてもう出来上がってるコミュニティに入るのって結構難しいんだから!」
「私は女優の仕事とかがあるからねー」
じゃあ四葉以外は部活には入ってないんだな。
「...そういえば何でシュートは部活入ってないの? フータローはまだ分かるけど」
「そうよ!何でアンタは部活に入ってないのよ。私たちと違ってアンタは入学からこの学校にいたんでしょ?」
この学校では多くの生徒が何らかの部活動に所属している。新一は入学時はサッカー部に入ってたし蘭も空手部、鈴木もテニス部に所属している。俺が部活動に入らないのは組織の捜査のためだが...そんな事は当然言えない。
「まあ新入生勧誘の時に色々あってね」
「...じゃ、じゃあ私と一緒に部活動作ろうよ...歴史部」
「いや、やめとく」
──────
新学期最初の学校が終わった。今日は午前中で授業は終わり、四葉を除いた四人で勉強会をし、そして今下校している。
「お! 修斗君じゃないか!」
「あ、高木刑事。お疲れ様です」
下校中に会ったのは先日のジン確保の時でもお世話になった高木刑事だった。
「ちょっと...アンタ刑事と知り合いなの?」
「え」
そっか普通の人間は警察とそんな知り合いじゃないのか。新一とか蘭とか...あ、そういう意味では普通じゃないな。
「ちょっと刑事さんと話があるからここでな」
そう言って二乃達と別れた。
「先日はありがとうございました。どこか怪我とかされてないですよね?」
「え?」
麻酔銃を打ったとしても連行する時に目を覚ましてしまうかもしれない。今日にでも警察に聞きに行くつもりだったから高木刑事に会えてよかった。
「あの犯人、凄く乱暴でしたから」
あの時、高木刑事には応援を呼ぶように頼んだけど、どれだけ人がいたってあいつらを連行するのは難しいからな。...あの時は非常事態だったとはいえ、高木刑事には凄く負担かけちゃったな。
「それにおそらく公安に引き渡すようにされましたよ──」
「ちょっと待って! 修斗君! 君はさっきから何の事を言ってるんだい?」
「...え?」
おかしい。何かがおかしい。
「高木刑事。少し失礼します」
「えっ? ...痛い!」
高木刑事の頬を思いっきり引っ張っても顔が変わらない。その顔は変わらず、頬をさすっている高木刑事のままだ。
「...失礼します!」
「えっ! あっ! ちょっと!」
高木刑事の声に振り返る事もなく俺は家へと走った。
──────
「じゃ...じゃあ...」
「ええ。昨夜そのような人たちが検挙されたという情報は入ってません。そして被疑者を連行していた際に逃げられたという情報も確認できていません」
なら...
「その警察官が偽物だったと考えるのが自然ですね。抜かりましたね修斗」
あの高木刑事が変装? 俺が変装を見破れない可能性があるのは二人しかいない。そして今も生きているのは一人しかいない。そう、つまり考えられるあの高木刑事の正体は...
怪盗キッドだ!怪盗キッドは組織の人間だったんだ!
──────
「あら、目は覚めたかしら」
「...ベルモットか」
「あなた、あんなところで寝ていて。私が見つけるのがもう少し遅かったら捕まっていたわよ」
ジンの愛車のポルシェは主人以外の女がハンドルを握っていた。
「安心して。ボスから命令されたピスコの始末は私が済ませといたから」
「フン」
そう言ってジンは自らのタバコに火をつける。
「それにしても兄貴、あの女をこの街で探さないんですかい?」
「ああ。無駄な事はしねぇ主義だからな。アイツは俺たちに見つかった街にいつまでもいるような馬鹿な女じゃねぇ。今頃助けに来た協力者達と違う街に行くためにもうこの街にはいねぇだろ。」
「気になるわね。その協力者」
「一人はウォッカを眠らせた奴だ。だがこいつは至近距離で狙いを外したり銃弾に当たったりで大した事はねぇ。問題は俺を狙撃した二人目だ。ククッ狙撃か。ボスが恐れるシルバーブレッドの尻尾を掴んだかもしれねぇな。あのFBIの裏切り者」
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