米花町で五等分   作:マイケルみつお

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今回からは劇場版『世紀末の魔術師』です。

活動報告のところにヒロインアンケートを載せているので回答よろしくお願いします!


29話 米花町でインペリアルエッグ

 それは週末。学校もない土曜日。俺たちは大阪に行くべく新幹線に乗っていた。

 

「まさかオメーも来るとはな。前、泥棒なんてどうでもいいって言ってたじゃねーか」

 

「まあ次郎吉おじさまは修斗君が来るって聞いて凄く喜んでたけどね。修斗君、最初の一回以降キッドの話を受けても断ってたからねー」

 

そう、俺は怪盗キッドと会った事がある。杯戸シティホテルの屋上で。...まあ怪盗キッドは追い詰めたんだがその後警察が来た時にあいつ、俺がキッドのように工作しやがって...。

 

それが原因で取り調べも受けたし...。あの警部さん来てないといいな。

 

その理由もあって怪盗キッドが現れても、鈴木相談役から助力を求められたりもしたが断ってきた。

 

「何かあったのか?」

 

流石に新一。微かな仕草や表情の変化から心を読み取ってくる。

 

「いや、何でもない」

 

こいつは組織の事になると無茶するからな。それにしても...

 

「なんでお前らまで来てるんだよ」

 

「いやー園子に誘われてねー」

 

「大阪ならアイツがいるかもしれないじゃない! 三玖は何か大事な買い物があるらしいし四葉は部活があって五月は新作のスイーツを食べに行ったわ。私があの子達の分まで見極めないといけないのよ!」

 

新幹線には一花と二乃も乗車していた。

 

「なあ蘭。あの子達蘭の同級生か?」

 

「え? そうよ。髪が短い方が中野一花さん、長い方が中野二乃さん。今は二人しかいないけど五つ子でみんな顔がそっくりなんだよ。それにしてもどうして?」

 

「超プリティーじゃないか! お嬢さん達!」

 

おいおい...

 

──────

 新大阪駅に到着し、車で鈴木近代美術館へと向かう。そこは入り口から警察の機動隊が詰めており、上空には警察のヘリが何台も哨戒していた。

 

「すごい警戒ね」

 

「まさに蟻の這い出る隙もないな」

 

「あったり前よ! 相手は天下の怪盗キッド様! 何たって彼は──」

 

「神出鬼没で変幻自在の大怪盗。これくらいの警備、自然やがな。せやろ工藤、村城?」

 

二人乗りでバイクに乗った二人がヘルメットを外す。

 

「服部君と和葉か」

 

後ろから睨まれた気がするが怖くて振り返られない。

 

「あれ? 今服部君工藤って...」

 

「いやぁこいつが工藤にそっくりでなぁ! ついつい間違えてしまうんや」

 

おい服部君。蘭の前で新一の話はやめてくれ。罪悪感が溢れ出してしまう。

 

「へーあれが西の高校生探偵の服部平次君? 中々いい男じゃない」

 

「ダメダメ。服部君には幼馴染の和葉ちゃんがいるから。あんな風に喧嘩してるけど本当はすっごく仲がいいのよ」

 

「見たら分かるわよ。新一君と蘭にそっくりだから」

 

「え? あの遠山さんってその服部君の事が好きなの?」

 

「そうだよ! 和葉ちゃん、最初は私が服部君の事が好きって勘違いしてちょっと大変だったんだけどね」

 

「...後で私も謝っておこうかしら」

 

──────

 怪盗キッドから今回予告状が届いたのはロマノフ王朝の秘宝、インペリアルエッグ。その現物を鈴木史郎さんから見せてもらい、みんな目を輝かせている。

 

ちなみにその予告状は...

 

『黄昏の獅子から暁の乙女へ

 

秒針のない時計が12番目の文字を刻む時、

 

光る点の楼閣からメモリーズ・エッグをいただきに参上する。

 

世紀末の魔術師 怪盗キッド』

 

と書かれていた。意味は俺も分からない。

 

毛利さんと警察は午前3時に大阪城から盗むと予想したが何処か腑に落ちない。そう考えているのは新一も同じだったようで神社の前で考え込んでいた。

 

「和葉。お前はその四人を案内したってや」

 

「平次は?」

 

「俺は村城とこのちっこいのを案内するさかい。男は男同士の方がええんや。なーコ、コナン君?」

 

服部君って嘘つけないタイプだな。

 

──────

 修斗、コナン、服部と別れた女子四人組はショッピングを楽しんでいた。 

 

「えー! 蘭ちゃんって工藤君の事が好きだったの?!」

 

「そっか。一花が引っ越してきた時と新一君が学校に来なくなったのって重なってたわね。まあいつもの様子を見たらすぐに新一君と蘭がお似合いの夫婦だって分かるんだけどね。ね? お・く・さ・ま?」

 

新一に関する話で一花、蘭、園子が盛り上がる中、二乃と和葉は少し離れた場所で話をしていた。

 

「そ、その和葉...は服部君の事が好きなんだよね?」

 

「え! な、何やいきなり?!」

 

「そ、その村城の事は何も思ってないのよね...?」

 

「修斗君? ああ、そういう事なんやねー。私も蘭ちゃんに似たような勘違いしたってなー。安心してな、修斗君の事は友達。そんな目では見てへんよ。それより...二乃は修斗君の事が好きなんやねー。いやーお似合いと思うよー!」

 

「わ、私は別に村城の事なんか! ただ私の姉妹でアイツの事を好きな子がいたから!」

 

二乃は真っ赤な顔で反論したが和葉の視線は生暖かなままであった。

 

──────

 一方その頃男性陣は...

 

「お前ら、十二番目の文字が引っかかってるんやろ」

 

「ああ、Lがロシア語なら分かるんだけどな」

 

「ロマノフ王朝、ロシアのお宝だから。暗号にするとしたら英語のアルファベットじゃなくてキリル文字だと思ったんだ。...ただキリル文字の十二番目はKだから時間を表しているとは思えないけどね」

 

「それに、予告状の最後の世紀末の魔術師ってのも気になる。あいつは自分の事を今まであんな風に名乗った事はない」

 

キッドの事は俺より新一の方が詳しいからな。新一が言うならそうなんだろう。

 

「それよりお前ら、さっき引いたおみくじ、どないやった?」

 

「そんなんまだ見てねーよ」

 

俺も。まだ結局ポケットの中で開いてないや。丁度いいし見てみるか。キッドとの対決を占うものでもあるし。

 

よくおみくじについてる和歌、これを読まない人もいればそもそもなんであるの? と思う方もいるだろう。だけどそもそもこの和歌こそがおみくじの本文である事を知ってる人はどれだけいるだろうか。このおみくじを自分が悩んでいる事に当てはめて解釈する事がおみくじの本来の意味なのである。

 

「えっと...

 

吹きあれし あらしもいつか おさまりて 軒端にきなく うぐいすのこえ

 

か。末吉で微妙だが...」

 

何か勘違いをしているって事を解釈できるな。勘違い...。まず思いつくのはやっぱり予告状の解釈だよな。そういえばあの予告状の文章の21番目って...それから服部君は大阪城にも疑問を残していたな。新一や服部君の直感は無下にできない。何かしらの答えのカギがに繋がるかもしれない。

 

「ん? どうしたんだ修斗?」

 

「あーいや、何でもない」

 

新一には悪いが仮に分かったとしてもキッドの元に新一は連れて行けない。




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