「んじゃあいってらっしゃいシャロン。」
「ええ。しばらく日本には戻ってこれないだろうけど規則正しい生活をするのよ、修斗。」
あれから俺は小学校を卒業した。と言っても小学校にはほぼ通わずシャロンに着いて行っただけだけど。でも中学生になるんだからシャロンの世話にはならず自分の力で生きていくと決めた。シャロンにそれを伝えると少し悲しそうな表情を浮かべられたのだが...。という訳で今日からは俺はこの家で一人暮らしをする事になった。家族で暮らしていた家の場所はそのままで新しく建てたこの家で。
「ねえ、シャロンはどうして俺にこんなに良くしてくれるんだ?」
いつも思っていた疑問をぶつける。しかし...
「A secret makes a woman woman. 修斗、女性の秘密を土足で暴こうとする男は嫌われるわよ。」
こんな風にしてはぐらかされるのだ。
シャロンが家を出て行ってから俺は準備に取り掛かる。家の引っ越しをしている時に見つけたこの地下の書庫。昔かくれんぼをした時に入ろうとしたら母さんにすごく怒られた場所。銀髪の男たちを目撃した場所。しかしこの場所は特殊な金属で守られていて、火事になっても被害がなく唯一父さんと母さんがこの家にいたという事を証明できる場所だ。
「よし、できた。」
そして忘れもしない仇への憎悪を忘れないようにしてくれる場所である。シャロンには言ってはいないが(おそらく勘付かれてはいる)俺は復讐をやめようと思った事はない。よく復讐は何も生み出さないというがそれは間違いだ。復讐をしてプラスになる事はないがマイナスを取り返す事はできる。前に進むことがようやくできるようになる。復讐を認めないのは強者の考えだ。そしてそれは唯一絶対的に上から目線の綺麗事だ。
あの時は何も思うことはなかったが大きくなるとここの書庫の意味が分かるようになった。なぜ家族は殺されなければならなかったのか、なぜ
「この書類を警察に届けるか。」
「それはやめておいた方がいいですよ。」
これで最後のピースが揃った。
唯一分からなかったのがこの少女だ。あの時、家にいて共に病院に運び込まれた少女。書庫をいくら探してもこの少女の事は分からなかった。そしてあの事件からこちらから接触できない絶妙な距離を空けて俺が監視されている事も。だから何か動きを見せれば姿を現すと思っていた。
「お嬢ちゃんは何者なんだい?」
「...あなたは組織に復讐しようと考えているんですか?」
「復讐から目を逸らして生きても俺は生きた心地がしないでしょう。」
「そうですか。なら一つ、条件があります。最低限の能力があるかどうか。」
そう言って少女は真剣な眼差しで続ける。
「私の正体を見破って下さい。しかし聞き込みという手段はいけません。私は存在を知られてはいけないから。これはヒントです。ですので正解を裏付ける決定的な証拠はいりません。ただ根拠は用意して下さいね。もしあなたが答えることができ、それに足る能力があると証明する事ができれば私はあなたに協力しましょう。」
少女は一つの取引、試練を俺に与えた。
伏線回収です。修斗は父からの教えに加えてシャロンから変装の仕方、その見破り方を教わったため五つ子の変装は看破できます。最もベルモット、キッドクラスは無理です。
次回もよろしくお願いします!あと感想とか書いてくれると嬉しいですし、評価もよろしくお願いします!感想はハーメルンにログインしてなくても書けるようにしているのでよろしくお願いします。
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