ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う   作:うぉっ、でっか…

22 / 39
月光校庭のウェルシュ・ドラゴン
聖剣、ドラゴンーー幼馴染?


イッセーと部長が交際する事になった例の一件から、早数日。

アイツから惚気話を毎日のように聞かされたり、部室で部長とイチャコラしている所を見せつけられつつ、俺達は今まで通りの落ち着いた日々を過ごしていた。

 

変態三人組の中でも一番の獣と評されていたイッセーと、誰もが憧れる二大お姉さまの片翼であるリアス部長の交際は瞬く間に学園中に知れ渡り、特に松田元浜がイッセーを本気で殺しかける事件等が勃発したのも今では懐かしい。

 

余談だが、殺されかけたのは最終的に松田と元浜の方だった。

だてに毎日鍛えてるわけじゃないな、イッセー。

 

さて。今日は普段部活で使っている旧校舎が清掃中という事もあって、俺達はイッセーの家に集合している。

今はイッセーの家が部長の家って事でもあるからな。サー坊なんかは「リーアたんが帰ってこないんだよ…」と悲しんでいたが、それは別のお話。

 

「今となっては驚きよねぇ。あのイッセーが、こうして沢山の女の子と知り合って……しかも美人外国人の恋人まで連れてきちゃうなんて!まさか輪廻君より先にイッセーが彼女連れになるなんて、思いもしなかったわ!」

 

そんな風に笑うイッセーの母に、俺は曖昧な笑みを浮かべる。

親父さんの方も、うんうんと力強く頷いていた。

 

……ま、そうだよなー。未だに目を離せば松田元浜と一緒に覗きを敢行しようとするスケベ野郎なのに、こんな美人を俺の彼女です、って言って紹介するなんて。

俺が同じ立場だとしたら、驚きのあまり卒倒する自信がある。

 

「か、母さん……そう言ってくれるのは嬉しいけど、アルバムを皆に見せる必要は無かったと思うんだよね俺」

「あら。良いじゃないの。彼女さん……リアスさんも、喜んでるみたいだし?」

「えぇ。ありがとうございます。イッセーの幼少期、幼少期のイッセー……」

 

うわごとのように呟く部長は、他のメンバーと一緒にイッセーと俺が写った写真をまとめたアルバムに見入っていた。

俺は昔から大人びていたというか、一応転生者だから恥ずかしいような真似はしていないが…イッセーは、うん。全裸で海に飛び込んでみたり、ちょっぴり恥ずかしい写真があるからな。

それが憧れであり恋人である部長にまじまじと見つめられ、他の部員たちにも見られるなんて、そりゃ耐えがたい苦痛だろう。

 

……あぁ、でも俺もあまり見られたくない写真があったな。

ヒーローごっこをしてる時だけ、年甲斐も無く子供っぽくなっちまうんだよ。

ま、気づかれてないっぽいしセーフセーフ。

 

「あ、この写真の輪廻さんだけ、なんだか年相応っていうか…大人びた感じが無くって、可愛いですね!」

「あぁ、そうねぇ。輪廻君、昔っから大人びてたけど……変身ヒーローが絡むと、これでもかってくらい子供らしさ全開になっちゃって。テレビを食い入るように見つめてみたり、玩具で目を輝かせたり…」

「ちょっ、そういう話はあまりしないでもらえるとありがたいのですが」

「……先輩に、そんな一面があるなんて」

 

全然アウトだった。

アーシアも、後何故か小猫も、俺のちょっぴり恥ずかしい一枚を食い入るように見つめている。

朱乃さんもあらあらうふふと微笑んでいるし、木場もいつも通り爽やかに笑っている。

 

なんだろう、別に悪い事をしたわけでも何でもないのに、なんだか気まずい。

イッセーみたく部屋の隅で縮こまってしまいそうだ。

 

しばらく談笑していると、イッセーの母さんと父さんが部屋を離れていった。

その後も時折これは何の写真か、等の質問に答えて過ごしていたのだが、突然木場が一枚の写真に反応し、表情が硬くなった。

 

それと同時に感じるようになったのは、凍えるような殺気と、燃え上がる復讐心。

……なるほど、()()写真か。

 

「――イッセー君、輪廻君。この写真なんだけど」

「ん?あぁ、ソイツは昔、よく一緒に遊んだ奴でなー……名前も何も覚えてねぇけど、俺を良く振り回してたコトは今でも覚えてる。コイツと遊んだ日の夜は、もはや気絶と言ってもいいくらいにぐっすりと眠れてだな……まぁ、家族全員引っ越してって、もう年賀状も送り合ってないし、接点も何もないな」

「そうか……輪廻君は、覚えてるかい?特に、この男性が腰に携えている剣に」

「……聖剣、か?」

「あぁ。―――その通りだよッ!!」

 

聞き返した俺に、木場は攻撃と共に返答した。

創造した魔剣が首元を狙うが、それを片手で受け止めて防ぐ。

 

部長たちが木場の蛮行に驚くが、当の本人はそれどころではないらしい。

……いや、なんで俺を攻撃するん?イリナの一家と仲良くしてたのはイッセーもなんだけど。

 

「前から、怪しいとは思っていたんだ。君の使うあの剣……聖書の剣とか言ったっけ。感じるオーラも何もかも、聖剣と同等かそれ以上だった」

「そりゃどーも。ただ知名度のあるような強い聖剣には全然劣るぜ」

「アレの強弱は今はどうでもいい。僕にとって重要なのは、君が教会の関係者か否か…そして、聖剣とどう関係しているかという事だけだ!」

 

俺に掴まれた剣を手放し、新たな魔剣を生み出す。

刀身が氷になっているその剣は、多分素手で防げば普通は凍てついてしまうだろう。

……俺は『気』で守ってるから無意味なんだけど。

 

「おい木場!どうしちまったんだよお前!」

「邪魔をしないでくれるかな、イッセー君。これは僕の問題なんだ。僕と――殺された、皆との」

「言っておくが俺は教会と何ら繋がりはないし、お前に恨まれるような真似をした覚えはない」

「ならなぜ聖剣と同質の力を持つ武器を生み出せた!僕らの命を弄んだ末に手にした技術を流用したからだろう!?でなければ、そんな武器を生み出す必要性がない!」

「生み出せたのは俺の持つ神器の力があったから。そしてその構想は俺が独自に編み出したもので、製造過程で誰かの命を奪うような事はない。『聖書の剣』も『聖書の盾』も、もとは黒歌を追う悪魔に対処するために生み出したものだしな。なにより俺はお前に何があったのか、なぜ聖剣にそこまでの憎しみを向けるのかを知らない。――これで満足か?」

 

一部嘘を織り交ぜた話だったが、まぁ隠している事は『俺が赤龍帝』という事と『俺が転生者であり、この世界の事は物語として知っている』という事なので残酷な嘘という訳でも何でもない。

…それは言い訳に過ぎないか。

 

勿論だが、『聖書の剣』と『聖書の盾』を創り出した理由に黒歌を追う悪魔に対処するためというのも事実だ。

元々は白龍皇(ヴァーリ)対策で構想を練り始めて、黒歌と一緒に暮らすようになってからはそっちメインになったという感じ。

だから最初の案では『聖書の盾』なんて作る気は無かったんだよな。俺一人の防御なら『気』で事足りるし、なんなら回避で間に合う。

 

俺の説明を聞き、木場は険しい顔のままではあるモノの、一応武器は下ろしてくれた。

魔剣を消し、淀んだ瞳のまま重苦しく口を開く。

 

「………あぁ。一先ずは、君の言葉を信じるよ。すまなかったね、いきなり攻撃なんかして」

「いや、構わないさ。何があったか知らんが、お前の話から察するに――誰か、大事な人を殺されたんだろ?なら、冷静さを欠くのも仕方ないさ」

 

俺の言葉に、小さく「そう言ってくれると、助かるよ」とだけ言って、木場は部屋を出ていった。

イッセー達が引き留めるが、その言葉は耳に届かなかったらしい。

残された俺達は、気まずい沈黙が場を支配する中、ただただ立ち尽くしていた。

 

「部長、その……木場と聖剣に、何かあったんですか?アイツ、いつもと全然様子が違ったっていうか……」

「――イッセーと輪廻…後、アーシアには教えてなかったわね。祐斗に何があったのか。あの子がどうして聖剣を憎むのか」

 

イッセーに問われ、ゆっくりと語り始めた部長。

その内容は、とても重く、悲しい物であった。

 

※―――

 

聖剣計画。

教会で極秘に行われた人体実験。その被験者の一人が、木場だったらしい。

本来聖剣を扱うには()()が必要らしく、聖剣に選ばれる必要があるのだが、本来先天性の物である()()を、後天的に付与しようとしたのがその計画なんだと。

しかもその計画の要となっていたのが、俺でも知ってるような超有名な聖剣、エクスカリバー。

成功すれば、悪魔や堕天使に対する有力な攻撃手段である聖剣を、人を選ばずに持たせることができる……と、言われていたその実験は、失敗に終わったらしい。

 

でも話を聞く分には失敗するのが普通だと思う。

なんてったって、エクスカリバーってのは聖剣の中でもかなり強力な物らしいのだ。

そんなすごい剣を、そう簡単に誰でも使える物になんて、きっとできないだろう。

 

だが、実験が失敗に終わった……だけでこの話は終わらなかった。

何と被験者たち…つまり木場やその仲間たちを全員処分、皆殺しにしたらしい。

 

酷い話だ。聞いてるだけでムカついてくる。

アーシアも、人を救うためにあるはずの教会がそんな事をしていたのかとショックを受けている様子だった。

輪廻だって、表情こそ変わっていなくても、オーラは怒りの色に変わっていたくらいだ。

 

――けど、その実験の首謀者とかそう言ったものは、未だにわからないんだと。

復讐心は有れど、しかしその矛先を見つけられない……それが今の木場だと、部長はそう締めくくった。

今は聖剣の存在を目の当たりにし、聖剣と同質の力が間近にある事で冷静さを失ってしまっているのだろう。けれど自分達には何もできないから、しばらくは様子を見るしかできない…と。

 

「なんだかなぁ……」

『不満そうだが、しかしお前に何かできるか?聖剣計画について長い事調べていたであろうグレモリーの娘すら首謀者を掴めていないというのに、つい先日その事を知ったお前が?』

「…わかってるっつーの。――でも、それでも木場は俺達の仲間で、部長にとって大切な眷属(家族)で…」

 

部長がいつだか言っていた、眷属を家族と思って接しているという言葉。

それは勿論俺だけじゃ無く、朱乃さんや小猫ちゃんにアーシア……そして、木場も、だ。

 

でもこっちにもそう言った理由があるように、アイツにも仲間たちを殺された事に対する復讐心って理由があるわけで。

ソレを否定するつもりなんて俺には毛頭ないし、第三者でしかない俺が口をはさんで良い問題とも思わねぇけど……

 

むむむ、と頭を抱えつつ帰路につく。

いつもなら部長と一緒に帰宅するのだが、今日は生徒会の人と話があるんだとか。

なんでも、もうすぐに迫っている体育祭が開催できなくなるかもしれないとのことで。

脅迫状が送られてきたせいで、安全を確保できない限り保護者会の方々が納得してくれないのだとか。

 

――あぁ、そうそう。なんと生徒会の皆も悪魔だった。

いやぁ、驚いたね。部長、朱乃さんに並んで美人と称される支取蒼那先輩率いる生徒会メンバーが、まさか悪魔だったなんて。

しかもその支取先輩は、ソーナ・シトリーが本名で、部長と同じ貴族なんだとか。

 

因みに俺と同じく『兵士』である匙元士郎という男は、駒四つ消費の凄い奴らしい。

ドラゴン系の神器を持ってるんだ、と自慢げに話されたが……一体どんな神器なんだろうか。

まさか、アイツが夢幻人の言っていた赤龍帝――なんて、流石にないか。

 

『なんだ、今度は赤龍帝が気になるのか?』

「気になるっつーか……いや、気になるよ、やっぱり。俺らが夢幻人に狙われるのもソイツのせいらしいし、せめて正体くらい知っておきたいっつーか」

『くくくっ、正体を知りたい、ねぇ……いやはや、正直不思議に思ってたんだよ、俺もな。なんでアイツは正体を明かそうとしないのか、ね』

「えっ、もしかしてお前、知ってるのか!?」

『そりゃあ勿論。全盛期の俺の目の前に現れて、突然喧嘩吹っ掛けてきて……あぁ、やばい奴だなアイツは。かの無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)を倒したってのもあながち嘘じゃないんだろうと思わせられる強さだったぜ』

「ぜ、全盛期のお前に勝ったのか、ソイツ」

 

って事はつまり、その力の一部しか持たない俺だとまず勝ち目はないという事になる。

誰かは知らないけど、そんなやばい奴が身近にいるって……なんだか薄気味悪いというか、恐ろしいな。

 

『一応俺は、黙示録の獣なんて側面もあったんだがな……それこそ、まだ一匹のドラゴンだった時の『赤い龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)』相手なら勝負にすらならないくらい、俺の方が強かった。強いはずだった』

「なのに、負けた…って?」

『あぁ。名前は伏せておくが、ソイツはまぁ強かった。複数の神器を持ち、赤龍帝の力を限界以上まで発揮したアイツは、とても俺じゃ敵わねぇ相手だったなぁ……そうだイッセー。俺たちの戦闘面の最終目標は、奴を超えるってのはどうだ?封印された力を振るうもの同士、対等だと思うが』

「いや無理無理無理!流石に無理だって、そんな話聞いてるだけでも勝ち目なさそうな奴相手に挑むとか超えるとか!」

『なんだよつまんねーなー。こと女の事に関しちゃすっげぇ情熱を持って挑めるというのに、なんで強敵との戦いってなったら急に消極的になるんだよお前』

「あのな、実力差があり過ぎる相手に挑むのは自殺行為って言うんだよ!胸を借りるとかそういうもんでもないだろ!?」

『……お前だったら、そうでもないと思うがなー』

 

何を言いたいのかはよくわからないが、多分絶対間違っている。

その赤龍帝を宿す奴というのが誰なのか、どんな奴なのかまるでわかんないが、そんなバトルジャンキー相手に喧嘩吹っ掛けて生きて帰れる自信は全然ない。

 

そんな風にサタンと会話しながら歩いていた俺の前に、見知った背中が見えた。

気配的にも、輪廻だ。

 

だがしかし、両隣を歩く謎のローブ姿の二人……物凄い悪寒を感じる。

まるで…そう、教会の前に立った時のような。

 

「り、輪廻…?」

 

声が震えるが、一応平静さを装いながら声をかける。

すると、両隣の人との会話を切り上げて、アイツはこちらを見て片手を上げた。

 

いや、「よっ」じゃなくって。

俺結構心配して声をかけたんだけど。

 

「なんだイッセー、今日は一人か?」

「あぁ、部長は生徒会の人と一緒に脅迫状問題対策会議に出席中だと。――で、そこの二人は?」

「んー……なんっつーんだろ、教会の人?こっちの青い髪の人がゼノヴィアで、こっちの栗毛の方がイリナ。わかってねーだろうけど、イリナの方は俺達の幼馴染だぜ」

「え、はい?教会?幼馴染?なんて?」

 

いきなり脳内で処理しきれない情報を与えられ、俺は聞き返してしまう。

ゼノヴィア?イリナ?いや、片方幼馴染って言われましても。全然聞き覚えが無いと言いますか……ってか二人ともすげぇ美人!

服の上からわかるくらいおっぱいおっきいし!!

 

「な、言ったろ。イッセーは覚えてないって。っつーかお前が女だった事にすら気づいてないぜ」

「本当ねー……ほら、覚えてない?昔よく一緒に遊んでた、イリナ。私にイッセー君が振り回されて、輪廻君が手綱を握っててくれたんだけど…」

「……いや、確かに俺を昔よく振り回してくれやがった奴は居たけど……え、男じゃ無かったのか…!?」

「失礼しちゃうわね。私はずーっと女よ。まぁ、昔はお淑やかさの欠片も無かったから、誤解されてても仕方ないけど」

 

そんな風に話ながら、イリナはローブを外し、顔を見せた。

やっぱり美人。でもこの栗色の髪、確かに昔よく遊んだ少年(少女だったらしいが)と同じである。

 

「改めて、久しぶり。長い時を経ての再会って、喜ばしくもあるし……こうも悲しい物だなんて、思いもしなかったわ」

 

そう言って複雑そうな笑みを浮かべたイリナ。

どうやら、俺が悪魔になっている事は、とっくに気づいているようだ。




『赤龍帝の籠手』も『白龍皇の光翼』も本来の二天龍の力を引き出せないように、『悪魔の連撃』もまたその力の一部しか引き出せない。
しかもその上力の一部を分離させられ、とある別の存在として生命体にされてしまっているため、サタンは本来なら『黄昏の聖槍』クラスの神滅具であるはずが、一介の神器程度に収まってしまっている。

だが輪廻同様に所有者によってはカタログスペック以上の力を発揮する事もあるため、いずれは神滅具クラスを優に超える可能性もある。

なお現在の輪廻は異世界の存在を一人で相手してもなおお釣りがくるレベルの力を持っている(最大解放時)ため、仮に今サタンが喧嘩を吹っ掛けてしまった場合はお察しである。



評価感想お気に入り登録、よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。