ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う   作:うぉっ、でっか…

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決戦は駒王学園

木場とイリナ達との再会は、それなりに荒れる事はあった物の、何とか「協力する」という話に落ち着いた。

そしてその時に言っていた事なのだが、なんでも木場は聖剣を持ったフリードと一度対峙したらしい。

フリードとは勿論、あの気が狂ったような神父の男の事だ。

 

で、そのフリードが持っていたのがエクスカリバー。砕け散り、七本に分かれたうちの一本であり、所有者の速度を上昇させる『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』だったとのこと。

その時はフリードを倒す事は勿論聖剣の破壊もできなかったらしいが、代わりにコカビエルがバルパー・ガリレイという男と組み、聖剣の力を統合する計画と、その力を利用しての大規模な破壊術式を作っているという事が分かった。

 

……後は、『夢幻人』について。

なんでも、コカビエルに協力している『夢幻人』は、今までと違い『幹部』の男なんだと。

フリードが出した情報ではそれしかわからなかったらしいが、一筋縄ではいかない相手である事に変わりはない。

――俺も、いい加減に腹括った(正体明かす)方が良いかな、なーんて。

 

「……しっかしまぁ、良く思いついたよな」

「思いつくのは誰だってできる。どっちかっつーと、俺らの分の服を用意してくれたイリナ達に感謝だな」

「まぁ、理にかなった作戦だからね。悪魔に神父服を着せるなんて、教会の人間としてどうかとは思うが」

「清濁併せ吞む、ってヤツね。――後は、この状態で移動して、フリード・セルゼンが来るのを待つだけね」

 

夜の街を、神父服に身を包んだ俺達が闊歩している。

イッセーの案で、俺達が神父の恰好をする事でフリードをおびき出す作戦だ。

おびき出して聖剣を回収し、そのままコカビエル達の情報を得て……んで、万全の状態に整えてから最終決戦へ、という感じ。

 

「……大分冷静になって来たな、お前も」

「ははは…まぁ、今までは『聖剣』が漠然とした敵だったけど、今は『バルパー・ガリレイ』を倒すっていう明確な目的ができたからね。一つの目的に向かって全霊をかける以上、今までみたいにずっとピリピリしっぱなしで居るわけにもいかないよ」

 

頬を掻きながら笑う木場の目からは、強い意志を感じた。

何としてもバルパー……『聖剣計画』の首謀者を倒す、と思っているのだろう。

イリナ達からバルパーが諸悪の根源だったと聞かされた時から、木場は一周回って冷静になっていた。

今は良いが、実際にバルパーと対峙した時に我を失う事が無ければ良いが。

 

「――さて。ようやくお出ましみたいだぞ」

「お出まし…って、まさか!」

「呼ばれて飛び出てじゃっじゃじゃーんっ!!通りすがりの神父モドキ共め、覚悟しやがれぃ!」

 

相変わらずのエキセントリックな言葉と共に、聖剣の切っ先を向けながら俺らに攻撃してくるフリード。

なるほど。確かに前に会った時よりも動きが速いな。

……一体どういう原理なんだか。

 

「フリード!!」

「いやはやお久しぶりっすねー悪魔君。ちょっと背ー伸びた?なんちて」

「僕たちが神父じゃないと、気づいていたのか」

「そっりゃあ気づきますって。だって悪魔だぜぃ?悪魔。もう臭くて臭くてしょうがないっつーの!なーんか新顔増えてるみたいだけど、そこの猫耳じゃない二人組はただの人間……っと!?しかもこの雰囲気、シースターちゃんじゃあーりませんか!?おいおいマジかよ教会!悪魔と組むとか世も末だっぴ!」

「殺す事に執着したあまり教会を追い出された貴様に言われる筋合いは無いな」

「さぁ行くわよ、まずは一本――」

「「回収/破壊するッ!!」」

 

魔剣を生み出した木場と聖剣を握ったイリナが、フリードへと斬りかかる。

続くようにゼノヴィアが相手の回避先を目指して駆け出し、黒歌が援護用の仙術を発動した。

聖剣での強化がいかほどな物かはわからないが、これで速度負けする事も、パワー負けする事も無いだろう。

 

「ひゃっはーっ、俺ちゃんモテ期到来のお知らせ!?悪魔と教会のクソビッチ二人から殺気向けられちゃうなんて素敵感激そのまま死ィッ!!」

「させるかよ!伸びろラインよ!!」

 

攻撃を回避し、反撃しようとしたフリードを匙の腕から伸びたラインが引き留める。

これがヴリトラの力か。神器として見るのは初めてだな。

 

『(ほう、かなり力を失ってはいるが……なるほど。あの匙元士郎という男と相性がいいらしいな。十全に力を発揮できている。アレは育て方によっては化ける逸材だぞ)」

(お前がそんな褒めるなんてな。もしかしたら、いつかはヴリトラ自身を超える事になったりしてな)

『(それこそあり得ない話ではないさ。お前が一番わかっているだろう?俺本来の力を超えたお前なら)』

「っちぃ!神器持ちかよめんどっちーな!――なーんちって。僕ちんはしっかりチミ達の神器を知ってるし、この神器への対処法はバルパーの爺さんに教えてもらった後でござんす!ほれ、悪魔殺しの聖剣ぱわーッ!」

「ぐあぁっ!?」

 

フリードの体が輝くと同時に、匙の体から煙が昇り、苦しむような声を出した。

まるで、体内に光の力を直接流し込まれたような……あぁ、なるほど。ヴリトラの神器の吸収する力を逆に利用して、そこから聖剣の力を流し込んだのか。

 

「おいっ、無事か匙!?」

「あ、あぁ。何とか、ギリギリでラインを外したからな……くそっ、あの野郎、俺の神器の事を知ってるだと…!?」

「もーちろんですとも!なんてたって、こっちにゃ優秀な情報屋がいるからね!そこの『聖剣計画』の()()()君が『魔剣創造(ソード・バース)』の持ち主で、今苦しそうにしてる君が『黒い龍脈(アブソーション・ライン)』の持ち主。そこの前に俺にボコボコにされた悪魔くんが『悪魔の連撃(コンボ・オブ・デーモン)』の持ち主で――ひひっ、そしてそして、まさかまさかのもう一人が――ぬぉあ!?ちょっとちょっとー。人が話してる途中に攻撃するとは何事ですのん?」

「はは、ははは、あぁ、そうさ。僕は所詮失敗作だ。それに変わりは無いし、否定もしない。――けど、聖剣を持ち、聖職者を名乗り、そしてバルパー・ガリレイと手を組んでいる君に言われると――虫唾が走る!」

「はっ、んだよ熱い男はお嫌いなのよあてくしは!このエクスカリバーちゃんの錆にしたげるわ!」

 

黒歌の強化込みとは言え、いつも以上の速度を発揮してフリードへと攻撃を仕掛ける。

一度距離を置いたイリナが間に入りに行けないくらい苛烈な剣戟の応酬は、夜の住宅街に鉄の音を響かせた。

 

……わざと煽ったな、フリードの奴。これが木場にとって地雷だってわかってて言ってやがる。

相手の冷静さを奪うのは戦法として理にかなったものだからな、まぁ悪くはないだろうが……仲間がやられてるのを見て、気分が良くなるモノではない。

後ついでに、コイツ多分俺の事知ってるな。黙らせておくためにも、ここは俺も動くとしよう。

 

『気』を練り上げて『縮地』を発動し、振り下ろされる聖剣の腹に手を当て、軌道を逸らす。

 

「はぁっ!?え、エクスカリバーだぞ!?なんでそんな平然と触れてんの、はぁ~ッ!?」

「それはともかく、隙だらけだな」

 

右手を握りしめ、腹部を殴打。

すんでの所で攻撃がガードされるが、それでも防いできた左手の骨は折った。

……聖剣のブーストがあるとは言え、凄い反応だな。前の時とは違う…というか、元々これくらい強いのか?

 

「ってぇ、痛ェよこのっ…――なーんてねぇえええっ!!聖剣の持つ光の力。その使い方も俺ちゃんしっかり学んでるの巻!ほれ、折れた腕もこのように……!!」

 

折れた腕が光に包まれ、あらぬ方向に曲がっていたはずの左腕が元通りになる。

……あんな使い方できたのか。バルパーが発見したのか?いや、原作で無かった要素だからこれは……『夢幻人』か?

 

とにかく、攻撃してもあぁやって再生するのか。

つっても再生にかかる時間が結構あるし、何なら隙の生じぬ連撃で……っと?

 

俺とフリードの間を、衝撃波が通過する。

地面を抉り、一直線に破壊をもたらしたソレの発生源には、金棒を持った男が立っていた。

 

黒髪の美少年。中学生くらいの見た目なソイツは、下駄をカランコロンと鳴らしてこちらへ近づいてくる。

身長の何倍もある金棒を肩でトントンしながら、鼻歌混じりにやってくる。

 

「やっぱ、流石に今のじゃやられねぇわな、立神輪廻」

「おっおーっ!狩刈君じゃ、あーりませんか!」

「よぉフリード。そろそろ儀式開始だから戻ってこいってよ」

 

狩刈と呼ばれた少年は、なぜか俺の名前を知っていた。

……っつーか、フリードの仲間で、原作に出てなくて、しかも俺の事を知ってるとか……確実にコイツが『夢幻人』の幹部だろ。

 

「あらら残念。ここらであの悪魔君たちをぶっ殺殺殺してあげたかったんだけどもねぇ」

「お楽しみは取っておけ、ってやつだな。――兵藤一誠、木場祐斗、塔城小猫…だな?グレモリー眷属の三悪魔。後ついでにシトリーの眷属、匙元士郎も居るか。お前らの主様に伝えとけ。俺達は駒王学園で、聖剣を統合する儀式を行う。そしてこの町を消滅させ、悪魔や天使に宣戦布告を行う…とな」

「な、なんだよソレ、宣戦布告!?」

「ま、詳しい話はコカビエルから聞けよ。さっき言った通り、駒王学園……の、校庭にいるからよ。止めたきゃご自由にどうぞってやつだ」

 

それだけ言って、狩刈は踵を返し、戻っていく。

それについていくように、フリードも聖剣を腰に携えて去っていった。

 

「ッ、逃がすか!」

「あ、おい待てよ木場!」

「イリナ、私達も追うぞ」

「えぇ、勿論!」

 

去って行った二人を追うようにして、木場とイリナとゼノヴィアが駆け出す。

イッセーが止めようとするも、無駄だった。

 

「行っちまったな。でもまぁ、最終的に目指す場所は同じなんだ。俺達は後から向かえばいいだけだろ?――ちゃんと説教受けてからな」

「え、説教?何言って……げっ」

「酷いわねイッセー。私の顔を見て、なんで『げっ』なんていうのかしら?」

 

振り向いたイッセーの顔が引き攣り、冷や汗が額を流れる。

その視線の先には、なんだか不穏なオーラを垂れ流す部長が、会長や朱乃さんと一緒に立っていた。

 

※―――

 

「…ち、ちくしょう。すっげぇ痛い…」

「愛の鞭よ。私を心配させた罰」

「は、ははは、情けないな兵藤。俺なんて全然…ひぎぃんっ!」

「座ろうとしただけでそんな情けない声上げてる癖に俺の事笑ってんじゃねぇよ匙!」

 

イッセーは部長に、匙は会長に尻叩きという罰を受け現在満身創痍。

小猫も俺と黒歌も説教をされたが、流石に尻叩きは無しだった。

ま、イッセーは眷属であり部員であり後輩であり…何より彼氏だもんな。一番心配しただろう。

 

イリナ達と協力し、聖剣の破壊に参加していた事……そして、フリードと対峙し、コカビエル達が何をしようとしているかを聞いたという事。

その話を聞いた部長は、それはもう険しい顔をしていた。

 

「……取り合えず、お兄様には連絡したわ。だけど、どうやら転移用の魔法陣に妨害工作が仕掛けられていたらしくって、別の手段で来ようにも、そうするよりも魔法陣の修繕を行った方が早いらしいの」

「それで、その修繕とやらにはどれくらいの時間が?」

「最低一時間。どれだけ遅くとも三時間、だそうよ」

「コカビエルが何を以ってこの町を消滅させようとしているのかがわからない以上、何時間も魔王様の到着を待つのは非現実的ね……これは、私達で食い止める…できれば解決する必要があるわ」

「何より、祐斗が既に戦場に向かってしまっているしね。――そうと決まれば、早速行きましょう。アーシア、武器の準備はしてあるわよね?」

「は、はい。『聖なる十字の拡声器(スピーカー・オブ・グローリー)』は、いつも持ち歩いていますので。――でも、その…相手が、聖書に名前を記されるレベルの堕天使だというのに、輪廻さんまで行ってしまって…大丈夫なんでしょうか?」

 

心配そうに俺を見てくるアーシア。その言葉に、全員が「そう言えば」とこちらに視線を向ける。

まぁ、黒歌はともかく俺はただの人間…だと思われてるしな。心配されて当然か。

 

「問題ねーって。寧ろ危機が迫ってるってわかってるのに黙ってる方が気分悪ぃ。何より、木場(友達)イリナ(幼馴染)も戦場に行っちまってんだ。大人しく待ってるなんてできるかよ」

「……それに、あなたは持っている力を全て振るえば、最上級悪魔レベルの力に匹敵する…って言ってたわよね。それが真実なら、正直心強いわ」

「それに、SS級はぐれ悪魔の称号を与えられるくらいに強い姉様もいますし」

「ほ、褒められて渡された称号じゃ無いんだけどにゃー」

「え、SS級はぐれ悪魔!?塔城さんのお姉さんが!?」

「匙……」

 

会長が溜息を吐く。

…まぁ、一応悪魔界では有名な存在らしいしな。長い事一緒に行動してて気づいてなかったなんて、そりゃ溜息も出る。

 

「戦力は、まぁ十分とは言い切れないかもしれないけど……でも、負けるつもりは無いわ。私達みんなで、この町を守って見せるわよ!」

 

部長がそう言うと、皆が拳を突き上げて賛同する。

この団結力や意志があれば、きっと負けるなんて事は無いだろう。

 

――後は、俺が本気を出すだけ、だな。




【オリジナル要素紹介】
聖なる十字の拡声器(スピーカー・オブ・グローリー)
・アーシアのメイン武器。十字架だったり逆十字だったり、杖だったり拡声器だったりする。普段はサイズを小さくして、懐に隠している。
最近は、これを使って聖書の一節を読んでもあまりダメージを受けないようになった。
これは輪廻がこっそり『聖なる力への耐性』を強化した為である。
だが完全に無効化されている事は無いので、何度も聖書の内容を読み上げたり、聖歌を歌ったりしたら、命に関わる。


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