ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う 作:うぉっ、でっか…
……最強の姿か、これが。
安心安全の水着回
コカビエルと伊吹狩刈という強敵(笑)を倒した俺だったが、しかし今まで通りの平凡な日常が戻って来たかと言われれば、なんだろう。ちょっと違う。
一応イッセーなんかは今まで通りに接してきてくれているのだが、アーシアなんかがまるで画面の向こうで応援していたアイドルと実際に会っているかのような態度で接する様になったり、小猫が俺の家に住む事になったりした。
アーシアはまぁ、わかる。教会の人間にとって、俺は救世主的な扱いらしいからな。
その上であんな『何かあったら俺が助けてやる』発言をしたら、確かにああなってしまってもおかしくはない。
長きに渡る説得で、何とか今まで通りに接してもらえるように戻ったし。
だが小猫との同棲はいかがなものか。
いや、確かに前々から黒歌が「白音とも一緒に暮らしたいにゃん」と要求してきてたし、ソレを「俺が赤龍帝だとバレるリスクがあるからダメ」と拒否してきたのが背景にあるんだけども。
だけど、アーシアと違ってこっちは良い方便が無い。
アイツの場合は留学生のホームステイ先という体で乗り越えられたが、小猫は戸籍上日本人。その上今まで普通に学校に通っていて、マスコット的人気を得ている俺の後輩。
急にインモラルな匂いがしてしまう。
……ま、黒歌の涙目上目遣いには勝てなかったんだけどね。あははは。
両親には死ぬほど怒られました。流石に後輩女子を連れ込んで住まわせるなんてアウトロー過ぎるだろと。
仰る通りでございました。
――さて。時が過ぎるのは早いもので、既に夏の盛り、というか入口。
既に暑苦しく、比較的涼しい旧校舎ですら灼熱地獄と化している今日この頃、生徒会から渡りに船な依頼がやって来た。
なんでも、プールの清掃をしてくれれば、オカルト研究部の全員で好きに利用してくれて構わないとのこと。
部長も二つ返事でオーケーした。その上会長は黒歌を連れてきても構わないと許可してくれた。
これはもう、やるしかないだろう。
というコトで今は生徒会メンバー立ち合いの下、清掃開始となったのだが……ここで俺が待ったをかける。
すまんね皆。俺は今すぐにでも冷水の中戯れたいのだよ。
清掃を楽しむというのは、今回は諦めてくれたまえ。熱い。ドライグだって今すぐに水浴びがしたいはずだ。
『(いや、俺はいつも酒を浴びてるから全然問題無いんだが)』
うんうん。とても水浴びをしたがっている。
という訳で、早速魔法を使うとしよう。
『
長期の時間操作は、これを使わないと辛いのでね。
それ以外には使わないから、皆後ずさる必要は無いよ。うん。お兄さん悲しいよ。
「な、なぁ輪廻。まさかとは思うんだけど、プールを破壊して一から直せば元通りー、なんてふざけたことは言わないよな?」
「お前は俺を何だと思ってんだ。普通に時間を戻すだけだっての」
「あ、そっかぁ……とはならねぇからな!?普通に時間を戻すって何!?」
『BoostBoostBoostBoostBoost!Explosion!』
イッセーから失礼な事を言われつつ力を倍加し、魔法を発動。
プールのあるこの場所全体を含む形で魔法陣が地面に展開し、そして時が遡っていく。
作られた当時の綺麗な状態へと、戻っていく。
これで良し。汚れも何も存在しない、綺麗なプールに元通りだ。
終わったんでさっさと着替えちゃいましょうよ、と言おうと振り向いたら、皆口を大きく開けて呆然としていた。
……あぁ、まぁ。確かにな。この学園が作られた時まで時間を戻した訳だから、それは流石に驚くだろうな。
確かこの学園って100年以上前に開校されてたはずだし。そこまで時間を戻すとなれば、ねぇ?
「えーっと、取り敢えず終わりました……よ?」
「――今のが、時間を支配するという力…?まさか、プールを設置したての状態に戻したというのですか?」
会長の言葉に頷く。
すると会長は頭を抱え「プールは、お好きに使ってください…」と言って出て行ってしまった。
慌てて匙らも付いていき、後にはグレモリー眷属および俺&黒歌だけが残る。
よほどショックだったんだろうな。まぁ、新品に戻ったんだから結果オーライというコトで妥協しておいてくださいな。
「……な、なんかもう色々ツッコミどころばっかだけど!せっかくだし、さっさとプールを楽しむとしよっか!」
「そ、そうだね。うん。じゃあ、僕も着替えに行こうかな」
気まずい沈黙が続く中、イッセーと木場が声を張り上げ、更衣室へ向かっていった。
それを見て、部長たちも溜息一つついた後、更衣室へ向かう。
この場に残ったのは、黒歌と俺と……ゼノヴィア。
何故ゼノヴィアがここに?聖剣の欠片を回収して帰ったのでは?と疑問に思うかもしれないが、なんと彼女は既に教会の人間ではない。
神の不在を知り、破れかぶれになって教会から離反。行く当てもないので悪魔に転生した…とのこと。
何という行動力、と軽く戦慄したが、先程述べた理由以外に、俺に会いたかったというのがあったらしい。
なんで?と思ったが、俺はゼノヴィアもイリナも勝手に美化して憧れていた赤龍帝。いるとわかれば、なるたけ近くに居たいのだろう。
俺とて前世は厄介オタク。好きなキャラの声をやっておられた声優様のイベントには毎回追っかけしていたやべー奴である。気持ちはわかるよ。
「行かなくて良いのか?」
「少し話があって、ね。黒歌にも是非立ち会ってもらいたくって、残ってもらったんだ」
「話がある事は知ってたけど、何か相談かにゃ?」
「単刀直入に言わせてもらおう。私も輪廻の家に住みたい」
「「はい?」」
すっごくマヌケな声が出た。
今、なんて?ゼノヴィアが、んん?
冗談を言っている様子ではない。しかしその理由もわからない。
「え、えっと。なんでまた?」
「ふむ……理由を聞かれれば、少々照れくさい所もあるが……なんだろうな。あの時、主の死を伝えられて絶望していた私に優しく声をかけ、鼓舞してくれた君に……他の人とは違う、特別な感情を抱いたんだ。その正体は生憎と私にはわからないが、少なくとも黒歌やアーシアが君と同棲していて私はしていないという状況に、言いようの無い不満を覚えてしまう程には強い感情でね。そんな折に、小猫が君の家で暮らす事になったという話を部長から聞いて、なら私も構わないだろう…と。――後は、純粋に住む場所が無かった、という話だ」
「それ絶対最後のが本当の理由だろ…」
そんな事は無いんだが…と呟くゼノヴィアは一旦無視して、黒歌に目を向ける。
その目はなんだか、警戒の色を帯びているように見えた。
いや、なんで?
「えっと、どうするよ?」
「家主はご主人様……というか、お義父様お義母様にゃし、お好きにどうぞ?まぁ、同棲を認めるなら説教は免れないと思うけど」
「……で、でっすよねー」
汗がダラダラと流れる。
それは果たして暑いせいか、はたまた正座させられて数時間近く不純異性交遊がいかに悪い事なのかを説教された時の事を思い出したからか。
…どちらにせよ、黒歌が好きにしろというなら俺の答えは決まったも同然である。
「えっと、ゼノヴィア。俺の家に住みたいって話だけど……取り合えず、俺からは良いよ、とだけ言っとく。けど、父さんと母さんが許すかどうかわからないから、あまり期待せずにいてもらえればいい…かな?」
「そ、そうか!では帰ったらすぐ、御挨拶だな!――話は終わりだ、着替えてくる!」
スキップするかのような軽やかな足取りで去って行くゼノヴィア。
ソレを見送った後、黒歌がおもむろに口を開いた。
「…良かったの?」
「まぁ、行く当てがねぇってんなら仕方ねぇだろ。家のスペースは
「そういう力技ができるからこのご主人様は……好きにしろって言っちゃったし、これ以上なにも言わにゃいけど」
「あ、あはは…そうしてくれると助かる。どうせ父さんと母さんから叱られるのはほぼ確定事項だし」
一周回って許してくれるんじゃないかなぁって期待してる部分もあるが、取り敢えず怒られる覚悟だけはしてある。
けどさぁ、やっぱ、行く当てがなくて困ってるってんなら放っておけねぇよ。
俺は確かに命の価値に区別をつけるし、人が苦しんでいる所を見ても何も思わずにいられるタイプだけど……仮にも、困ったことがあれば助けてやるって言った身だしな。頼まれたなら断らずに力になってやるべきだろう。
最低限のけじめというか、そこら辺は俺とてしっかりしているのだ。
苦笑いする俺に、黒歌は呆れたと言いたげな顔で溜息一つ吐いた後、ころっと表情を変えて、笑顔を見せつつ俺にこう言ってきた。
「じゃ、私も着替えてくるにゃん。とっておきだから、期待してて?」
「――お、おう」
その悪戯っぽい笑みが何とも可愛らしくって、俺はついどもってしまうのだった。
うーむ。これが何年も生きてきた龍帝の姿か。
※―――
男子全員が着替え終わり、後は女性陣を待つだけだー…という状況になってから早数分。
更衣室の扉が開いて最初に現れたのは、古き良きスクール水着に身を包んだアーシアと小猫。
幼いふくらみによって少し押し上げられたゼッケン部分の文字は、ひらがなでそれぞれの名前が書かれている。
体に張り付くようになっているからか、へその形まで丸わかりな程だった。
「輪廻さん、その…ど、どうですか?」
「すごく良いと思う。なんていうかアーシアの純朴さってのが、この穢れ無きスクール水着とマッチしてて。――あぁ、勿論小猫も似合ってるぞ?言っていいのかわからんけど」
「…それはつまりどういう意味でしょうか」
まぁ、どちらかと言うと小猫の方が似合っているように見える。アーシアはアーシアで、結構成長している節があるからな。
それが成長期の瑞々しさとなって表れてて良い、ってのもあるけど。
「お、おぉ。天使って多分こういうのを言うんだな!うんうん。学園の二大マスコットと言われつつあるアーシア&小猫ちゃんコンビのスク水姿!今までの俺なら、覗きでもしない限り見れなかった代物だぜ!」
「さらっと選択肢の中に『覗き』が入ってるんだね……」
感動の涙を流すイッセーと、困ったような笑みを浮かべる木場。
……何故か知らんが、木場がブーメランパンツみたいな水着を着てるんだよな。これは…その、触れた方が良いのか?それとも話題にしない方が良いのか?
「彼女の私を差し置いてそっちの二人にご執心とは良い度胸じゃない」
「ぶ、部長!?いえ、そんな事は―――って、ぶはぁっ!?」
イッセーが鼻血を噴き出して尻もちをつく。それほどの衝撃を与えた部長の水着姿は、まさかの
端的に言おう。大事な所がちょっぴり見えている。
それとも俺達に見られても気にしないという意志の表れなのだろうか。
まぁ、流石に人の恋人に色目使う程落ちぶれてはいないが。
「あら、刺激が強かったかしら?」
「そ、それはもう物凄く!!」
「あらあら、リアスったら大胆。私も結構攻めた水着を持ってきたけれど、流石にアレには勝てないわね」
「……朱乃さんのそれは……マイクロビキニですか。白の」
「うふふ。そうよ?どう、似合ってるかしら?」
「それは勿論。――ただどうしてこう、うちの学園の二大お姉さまが揃いも揃ってそんな露出度の高い服を」
「ごっしゅじんさま~!」
俺の言葉を遮るように、黒歌の声が聞えてくる。
視線を向けると、更衣室のドアから顔だけ覗かせている状態だった。
なんでそんな焦らすような真似をしているんだろうか。
そんな疑問が頭に浮かんだ次の瞬間、黒歌の姿が完全に露になる。
まず最初に、アーシアや小猫と同じスク水かと思わせられた。
しかしすぐに気づく。違う。アレはへそ周辺が見えるようになっているし、それに見た目も若干違う。
食い込んでいるかのような股下が、やけにエッチだ。
――まさかこれは、ハイレグレオタード……!?
「ど、う、か、にゃん♪」
「ご、ごっはぁッ!?」
昔から、性的な興奮を覚えると鼻血が出る…なんて話を聞くが、俺はずっとソレをデマだと思っていた。
そんなわけが無いだろう。脳が茹だって…とか言われても、そんなのが現実に起こりうるわけが無いだろうと鼻で笑っていた。
その頃の俺よ、今の俺は、実際にエロいものを見て鼻血を出したぞ。
それも勢いよく。
胸元を強調するポーズを取り、小悪魔的笑みを浮かべる黒歌に、俺は悩殺された。
なんというエロス。俺は今日この日の為に生まれてきたかもしれない。
今までなんとなく維持されてきたクールキャラ(笑)が瓦解していく音を微かに聞きつつ、俺は鼻を押さえながら黒歌の姿をまじまじとその目に映した。
一瞬たりとも視界から外したくない。そう思えるほどに魅力的だ。
「にゃっふふーん。鼻血出ちゃうくらい興奮しちゃうなんて、ご主人様可愛いー♪」
「か、かわ……いや。俺とて男だ。そんな刺激的な恰好をされれば耐えられるはずが無かろうに」
「口調乱れてるよ輪廻君……」
「えぇい、うるさい木場。この場に必要なのはツッコミじゃ無くティッシュだ。――まぁ時間操作で鼻血が出る前に戻すから別にティッシュもいらないけど」
俺とイッセーの鼻の時間だけを戻して、正常な状態に。
鼻血が収まるまで待った後直ぐにプールに入ったら、血がもう一回流れることになるかもしれないからな。
小猫には「力の無駄遣い」と言われた。
い、良いじゃん。戦闘中はこれでもかとばかりにかっこよくなるんだから。(自画自賛)
「すまない、遅れてしまった」
「あぁ、いやいや全然。皆まだ柔軟してた段階だからな――っと。ビキニと、シャツか。色もゼノヴィアらしくって似合ってるぞ」
「ん、そうか。ありがとう?かな。実際にこれを選んだのは私じゃなくってアーシアだから、素直に喜んでしまって良い物かと」
「もう。そんな事気にしなくっていいんですよ?」
アーシアと談笑するゼノヴィアは、青いビキニの上に黄色のTシャツを着ている姿だ。
水に入っても大丈夫なシャツのようだが、実際に着ている人を見るのは初めてだったりする。
っていうか、アーシアが選んだのか。
元教会コンビというコトもあって仲が良いのは知っていたが(無論前に魔女と呼んで断罪しようとした事については謝罪し、許されている)一緒に買い物に行く仲だったとは。
……ん?一緒に買い物に行ったのに、アーシアは態々スク水を?
趣味かな。
「さ、皆揃った事だし、泳ぎましょうか」
「「「おぉー!」」」
部長の言葉に皆が賛同し、炎天下の中、冷たい水で戯れる時間がついに始まるのだった。
※―――
さて、俺達はプールを楽しんでいた。
俺はアーシアと小猫の泳ぎの練習についてあげたり、黒歌と朱乃さんにサンオイルを塗る役目を任されたり、木場とゼノヴィアの二人と一緒に泳ぎで勝負したり、まぁ充実した時間を過ごした訳だ。
部長とイッセーも、恋人同士ちょっと過激に楽しんでいたようだし、かなり良い時間を過ごしていたと思うのだが……
なんだろう、この状況は。
ゼノヴィアから「話があるから来て欲しい」と言われて物陰まで引っ張られ、そしてそのまま押し倒されての驚愕の一言。
「輪廻の子供を産ませて欲しい」
子供。子供。子供。
何度頭の中で反芻しても、キムチ的な聞き間違いではない事は明らか。逆に子供を産ませて欲しいと聞き間違えるような文章を思いつく奴が居たら名を名乗れという話だ。
…ってかなんで?
アーシア同様にゼノヴィアも最初は畏れ多いだのなんだのと言って俺から少し距離を置いているような所があったから、気にせずフレンドリーに来い、名前も呼び捨てで良いぞ、と言った事はあるが、まさか子作り要求される程フレンドリーだとは思わなかった。
いや子作りが要求される程のフレンドリーさってなんだ。どんな友人関係してるんだ。
「え、えぇっと?子供?なんでまた、急に?」
「ほら、私は教会から離脱して、そして悪魔になっただろう?だから、今まで抑圧して生きてきた分を発散すると良い……と、部長から助言を貰ってね」
「ん、んん?なんか悪い言い方になるけどそれはつまり、今まで性欲を押さえて生きてきたから…って事になるの?」
「もしかしたら、そういう側面もあるかもしれないね。私自身、よくわかっていないんだ。ただ、望むことは子を産む事で……せっかくなら、強い血を引く子供が良い。そこで真っ先に目をつけたのが、輪廻だったわけだ」
え、えぇー……。
まぁ確かに?ゼノヴィアみたいな美人に迫られて子作りを要求されるのは嬉しくない訳じゃない。
寧ろ嬉しい。全然バッチこいだ。
…そこに確かな愛があるならば、だが。
俺はあくまで純愛厨。
要するに、エロい事を誰でも良いからやってみたいと思いつつ、いざするとなると相思相愛のいちゃらぶセ●クスでなければ不満を覚えてしまい行為に及べない…という訳だ。
我ながら度し難い。
とどのつまり、ただ何となく漠然と強い子供を産みたいから、なんて理由でおねだりされても空しいだけなのである。
――かといって、俺がここで拒んで、他の男と…となるとなんだか後味が悪い。
一度誘われてソレを自分の都合で拒否しておきながら、後で他の男が良い思いをするとなればソレを許容できないとは、これまた度し難い男だ。
しかし俺はハーレムを最終目的に掲げる男。
黒歌と進展していない物の、取り敢えずハーレムを目指している事だけはしっかり知られてしまっているという何とも言えない状況にあるが、俺はやる。やってやるぞ。
今この場で、
深呼吸して気持ちを落ち着かせ、冷静さを無理矢理保ちながら、若干ハイになりつつ話す。(一行矛盾)
「……まずは、ごめん。今この場でお前と子供を作るわけにはいかない」
「いや何、そういうとは思っていた。けど、流石に今すぐ作ってすぐさま父親として振舞えと強要するつもりは無いよ。基本的な育児なんかは、全て私がするつもりでいたしね。ただ、子供が父親を欲する時には、そう振舞ってもらえると助かるが」
「仮に子供ができたとしたら俺も育児に参加する予定だとは一応言っておくが、今大事なのはそこじゃない。あのなゼノヴィア。確かにお前は魅力的な女だと思う。はっきり言わせてもらうがさっきの子供を産ませて欲しい発言で俺の下半身が結構危うい。――だが、愛も何もないのに子供を作るつもりは毛頭ない。それは生まれてくる子にとっても良くない事だしな」
「……それは、確かにそうかもしれないが…」
「それに、子供を作るったって焦る必要なんかないだろ。それは長期の目的って事にしときゃいい。――けどさ。俺としては、一度誘ってきた相手が別の男と…なんてのもまた嫌なわけで。だからさ」
一度言葉を切り、体を起こす。
思いのほかあっさりとゼノヴィアが避けてくれたので、今度は俺がゼノヴィアを壁に押し付けるくらい近づいて、
「
「どちらかが…って、私には恋とか愛とかが良くわからないんだが…」
「よく聞く話だけど、それってつまり恋とか愛とかを抱いたことが無いってだけで、実際そう言う感情が出るとわかるもんだぜ。内心で気づかないふりをするかどうかが問題なだけだ。――でも、お前はそう言う事はしないタイプだろ?」
「まぁ、そうだね……だけど、片方が好きになった時にもう片方が好きじゃ無かったとしたら、それは愛のある子作りとは言えないんじゃないのかい?」
「んー…最低な話だけど、男としては相手から愛されてたら別に問題無いんだよ。愛ってのは後から生まれるものでもあるわけで。でも女性の方はわからんし、そもそも俺が本気でお前に惚れるような事があれば、多分どんな手を使ってでも振り向かせようとする。だから、この条件で良いんだよ。お前が俺を本気で好きになった時はいつでも来ればいいし、俺だけがお前を好きになった時は、自分から行かず、お前に好きになってもらえるように奮闘してからすればいい」
「……なる、ほど?」
顎に指をあて、考え込むゼノヴィア。
俺が言った事を反芻しているのか、時折口から断片的な単語がこぼれ出てくる。
そして少し経ってから顔を上げ、首を縦に振った。
「良いな。そうしよう。――けど、輪廻は良いのか?黒歌に並々ならぬ感情を抱いているように見えるが」
「大丈夫、と言っていいのかはわからないけど……俺の夢って、ハーレム王だしな。一人二人三人、平気で囲ってやるのさ。なんてったって龍帝だし、将来的に身を置くのは悪魔社会とかそこら辺だからな。一夫多妻オーケーなんだよ。――まぁ、俺の甲斐性が試されるわけだけど」
「……ふふっ、なんだろうね。君のハーレムだったら、なんだか楽しく居られそうだ」
「今は正妻すらいない状態なんだけどなー」
「うん?それなら、私が立候補しても――」
「そこまでにゃん」
ゼノヴィアが一瞬でその場を離れ、そしてデュランダルを構える。
それくらい濃密な殺気が、俺達を襲った。
まぁ、口調からわかる通りその殺気は黒歌のモノな訳だけど。
「……えっと、黒歌……さん?」
「はぁ……なーんか怪しいと思ってついてきてみればこれにゃん。全く、油断も隙も無いとはこのことにゃん」
「まったく、いきなりそんな殺気をぶつけてこないでくれ。体が自然と反応する」
「それ自体は結構だけど、反応速度も動きも何もかもお粗末にゃん。もちっと訓練した方が良いわね。――話は全部聞いてたけど、その上でゼノヴィアに一言だけ言わせてもらわないといけないから……ご主人様は、先に戻ってて?」
「え、全部聞いてたってその、黒歌?その全部っていうのはつまりゼノヴィアとの子作りの件から俺のハーレム願望の所まで」
「良いから。先に戻ってて」
「アッ、ハイ」
有無を言わさぬ語調に、俺はすごすごと引き下がった。
これが最強と謳われた赤龍帝の姿である。
うーん。黒歌とは絶対に結婚するつもりではいるが、もし仮にゴールインできたとて尻に敷かれる未来が見える見える。
まぁ、黒歌程敷かれ心地の良い尻は無いだろうがな。ははは。
※―――
「…それで、話って?」
「ま、簡単な事にゃん。ほーんの一言だから」
「輪廻にハーレムなんか作らせるつもりは無いから、お前は手を引け――とかかい?」
口元を歪めて言うゼノヴィアだが、しかし黒歌は首を横に振って否定する。
それに驚いたように目を丸くして、彼女は本当の答えを待った。
「……別に、私としてはご主人様がいくら女囲おうと構わないの。私だってご主人様に愛してもらいたいし、白音もご主人様に想いを寄せている節があるから、一緒に愛してあげて欲しいし。アーシアだって健気で、報われて欲しいって思う気持ちもあるからにゃん」
「じゃあ、警告でもするのかい?赤龍帝と…この世界の最強と、契りを交わす事の重大さを?」
「それも不正解」
またしても予想が外れたゼノヴィアは、つまらなそうにしつつ眉を顰めて黙り込む。
これ以上の失態はごめんだ、という顔だ。
そんな彼女に、黒歌は纏う雰囲気を危険な香りのする物へ変え、背筋の凍るような凄絶な笑みを浮かべて、告げた。
「ご主人様の一番は誰にも譲らない。正妻も、最初に子を授かるのも、一番近くを、隣を歩むのも――私」
「……なるほど、宣戦布告、という訳か」
「ま、こればっかりはご主人様が決める事だし。――けど、私は容赦なく蹴落とすタイプだから覚悟しておくにゃん。一番の座だけは、アーシアにも白音にも譲るつもりないし♪」
じゃ、言いたい事はそれだけだから、と言って去って行く黒歌。
後に残されたゼノヴィアは、デュランダルをしまって深く息を吐いた。
「………ははは、面白いじゃないか。一筋縄ではいかなさそうだが、けれどそれが良い。……私が彼を好きになり、同時に彼も私を好きになるようにする……それが最優先だな。――見ていろ黒歌。ご主人様だかなんだか知らないが、その座に胡坐をかくばかりなら、私が蹴落として奪わせてもらうからね」
にやりと口元を歪めて、我ながらうまい事を考えたという表情で、続ける。
「――
黒歌は大分前から輪廻のハーレム願望に気づいている上、元々白音も娶ってもらう前提で動いていたので、ハーレム云々の話を聞かれた所で何の問題もありません。
まぁ、輪廻自身は聞かれた事で嫌われたのではとか色々要らん事考えてますが。
よくそのメンタルでハーレム王目指すとか言えたなコイツ。
因みにイッセーと部長はみんながわちゃわちゃやってる間にオイルマッサージ系のアダルトビデオばりにエロい事してました。
でも本番行為までは及んでいません。イッセー君がすぐにヘタレるから……後周りに人もいたし。
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