ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う 作:うぉっ、でっか…
「それほど把握してませんよ。貴方の意志と、一部の情報くらいです」
「けっ。そうかいそうかい。――で、お前のいう
「こっちは最初の話とは別件ですね。単刀直入に言いましょう。――そちらが保有している××を、俺に渡して欲しい」
「……で、対価は?」
「渡すわけにはいきませんが、俺の××を調べさせるくらいならいくらでも」
「――いいぜ。その話、乗ろうじゃねぇか」
「え、授業参観に魔王様が来る?」
「はい。部長のお兄様が昨日イッセーさんの家に赴いて、その事を伝えたらしいです。――後、その数日後に三大勢力のトップがそれぞれ出席する会議を行う…とも」
「なるほど?その会場が駒王学園だから、下見ついでに参観も…ってワケか」
三大勢力の会合がある事は前々から知っていた物の、あくまで知らなかった体を装う。
プールで遊んだ日から幾日か経過し、ゼノヴィアの件でしっかり両親から説教を貰い、とばっちり的にドライグが一週間の禁酒を言い渡されてしばらく経った今日。
ここ最近とある理由から個人的に連絡を取り合っていたサーゼクスの話を、アーシアから聞かされた。
因みにそのとある理由だが……三大勢力の会合の前後で明らかになるだろう。
「授業参観か。私の通っていた学校には、そういう行事は無かったな。クラスのみんなは緊張するとか言っていたが…別にやましい事は無いだろうに、なんで緊張するんだろうか」
「ま、実際背後から見られてりゃわかるもんさ。多分俺の親は必ず来るだろうし、その時一緒に見られるだろうよ」
言い忘れていたが、ゼノヴィアは転校生として俺達と同じクラスで過ごすことになった。
青髪美少女!と大喜びだった松田元浜が、ゼノヴィアの「輪廻の家で世話になっている」という発言で膝から崩れ落ち、すぐさま俺に攻撃を仕掛けに来た一件は今でも記憶に新しい。
しかしそうか。ゼノヴィアは……というか、ゼノヴィアとアーシアは授業参観されるのって初めてか。
向こうじゃそういう文化がねぇのかな。
――それと、ゼノヴィアって向こうで学校通ってたんだな。てっきりずっと聖剣を使いこなす修行でもしていたと思っていたけど。
「先輩の御両親は、私の方も見に来てくださると言っていましたが……授業の時間がズレているとは言え、教室がそれなりに離れているのに、大丈夫でしょうか」
「ま、二人が行きたがってるんだから良いんじゃねぇの?複雑な作りしてるから迷子になるかもだけど、そこは黒歌に案内してもらえばいいし」
「え、姉様が?」
「ふっふーん。白音やご主人様たちの授業風景を見に行ける日に、家でお留守番している程家猫してないにゃん」
胸を張ってどや顔する黒歌に、小猫は一瞬辟易した表情を見せ、すぐさま元の無表情に戻って俺に質問してきた。
「姉様はああ言っていますけど、当日は魔王様も来るんですよね。事情があるとは言え、大罪人の姉様が魔王様のいる場所に堂々といてしまって良いものなのでしょうか?」
「問題ない問題ない。最悪俺が悪魔勢力と戦争を始める羽目になるだけで」
「「大問題じゃないですか!」」
「……黒歌の為なら、悪魔相手に戦争すら仕掛ける、か」
声を荒げるアーシアと小猫に、なんだかシニカルな笑みと共に呟くゼノヴィア。
前者はともかく、後者は一体何を言いたいんだろう。
黒歌は俺にとって大事な存在だ。ソレを傷つけるというなら、容赦しなくて当然だろう。
「ま、半分冗談だって。もう根回しはすんでるし、大丈夫大丈夫」
「……なんでしょう、すっごく不安です」
「ま、まぁ。輪廻さんが言うんですし、
俺を擁護するような事を言ってくれるアーシアだが、見た感じ確実に俺を信じている顔ではない。
なんだろう。ここ最近皆の俺に対する扱いがぞんざいな気がする。
どれだけ信用無いんだ俺。ちょっと赤龍帝だって事隠してたくらいしか、悪い事した覚えがないというのに。
「……ってか、黒歌は大丈夫だよな?小猫と俺の教室の場所、知ってるよな?」
「もっちろん。何度こっそり授業風景のぞき見したと思ってるにゃん。場所から行き方まで、全部把握済みにゃん」
「な、何度も見に来てたんですか……全然気づきませんでした」
「にゃっははっ。そこは修行不足ね。私の気配を隠す術の前には、白音の探知能力はまだまだお粗末ってワケ」
「小猫は匂いに頼り過ぎてる嫌いがあるからなー。今度気配の察知の訓練しような」
「……はい」
※―――
時間が流れるのは早いもので、参観日がついにやって来た。
俺の家からは父さんと母さん、そして猫耳と尻尾を隠した黒歌が来て、イッセーの家からは両親、そして部長の家からはサーゼクスとジオティクスさん(部長の父親だそうだ)が来ている。
因みに他のオカルト研究部部員と松田元浜の家族は来ていない。
いや、小猫は黒歌が来てるから別か。
授業が始まる時間になって入って来た黒歌に手を振り、そして前を向く。
その時点で既に松田元浜含む男子たちから鋭い目を向けられたが、まだ「後で説明してもらうからな」程度の目である。セーフセーフ。
「さて、今日の英語の授業だが、この紙粘土を使って
英語教師の言葉に、皆がどよめく。
いつもは簡単な英単語の小テストから始まるのだが、今日は英単語どころか普通の授業ですらないらしい。
何かを作れってなんだ。なんで芸術の授業をさせるんだ。
俺の選択科目は音楽なのに。
「先生。それは英語の授業と言えるのでしょうか」
「そういう英会話もある!というコトだ。後これは内緒話だが、最近の教師ってのは上から「参観授業の時は他校との違いを示すために独創的な授業を行うように」と圧力をかけられる物なんだぞ!ちくしょーっ、テスト範囲狭めるしかねぇじゃねぇかっ、理事長のバカやろーッ!!」
先生の魂の叫びに、俺達は一気に同情するような目を向けた。
教師歴四十年のこの人も、上には頭が上がらない物なのだろう。
……しかし参ったな。紙粘土で何かを作れ、か。
咄嗟に思いつくものがねぇな。―――周りの連中も他の生徒と相談しながら進めてるっぽいし、俺もイッセーと話して決めるか。
ただま、アイツに聞いたらおっぱいでも作ろうぜ!!とか言われそうなのがな。
「なぁイッセー、お前は何を作ることにした?」
「んー。どうしよっかなーって思いつつ、取り敢えず適当に手でこねるだけこねてる。最悪お前の禁手姿でも作ってみるかなー、なんて」
「……まぁ、ロボットみたいでカッコいいかもしれんが。しかし意外だな。お前の事だから「最高のおっぱいを作ってやるぜーッ」とか言うもんだと思ってた」
「失礼な奴だなお前は!!」
そういいつつも、イッセーの手は止まらない。
目を閉じている所からも、ただ適当にこねている事が良くわかる。
さてどうしようか。何か良い物はーっと。
周りに目を向けると、親と相談している生徒の姿も見受けられた。
この自由っぷり…これはこれで悪くないと思うな。
「むむむぅ、おっぱい……おっぱいを作る…俺の、最高のおっぱい……!!」
「おいお前さっき俺に怒鳴っておきながらなんでおっぱいを作る方向にシフトしてるんだおい」
ガン無視。完全にゾーンに入っていやがる。
ちら、とアーシアの方を見て、彼女が磔刑にあっているキリストを作っている最中なのを見てすぐに目を逸らし、ゼノヴィアを見てなんかぐちゃぐちゃの教会を作っているのを見て完全に諦める。
仕方ない、俺もイッセーみたいな方法でこね続けて、なんか出来たらソレを提出しよう。
席に戻り、瞳を閉じて粘土をこねる。
もう俺も人目とか忘れておっぱい作ったろうか。
しかしおっぱい。言うて俺はおっぱいフェチという訳ではない。
かといって尻が好きかと聞かれれば、それもまた疑問符だ。
俺は女体ならば基本何でもよい。大きかろうが小さかろうが、毛が生えていようが生えていまいが、それはその女性固有の魅力であり、俺はそれに興奮を覚える。
言うなれば雑食の変態。特筆して何が好きとか、そういうのは無い。
―――ただ、好きな女性ならばいる。
黒歌だ。俺が現状好意を寄せている相手と言えば、アイツしかいないだろう。
……しかし、黒歌の魅力を果たして俺の技量とこの程度の紙粘土で表現できるだろうか。
確かに、外見的魅力にあふれた女性である事は否定できない。俺が『龍帝武装』に目覚めることができたのは、アイツに抱き着かれた時に感じた感触温もり良匂いがあってこそだからな。
それくらいに魅力的。けれど、彼女を構成するのはそんな外側の物だけではない。
大人びて妖艶で、しかし子供っぽい無邪気さや可愛らしさを見せるチグハグ感。
驚くほど距離が近いかと思えば、手がちょっと触れ合うとかで顔を赤くして大仰に反応する事もある等、初々しさと手馴れている感じの入り混じった不思議なあり方。
彼女自身からしか感じる事の出来ない魅力を、果たして俺にこの数グラム程度の紙粘土で表現できるだろうか。
そんな事を考えながら、取り敢えず粘土を練る。練ってねって練り続ける。
時折水で濡らしたりして、なんか違う形になっているのではと考え直してもう一度最初から練ってみる。
しばらくそうしていると、なんだか周りから多くの視線を感じるようになる。
一体どうしたというのだろうか。まさか俺の黒歌の完成度が予想以上に低くてドン引きされているのだろうか。
そりゃ目を閉じながらイメージと感触だけで作ってるんだから仕方ない……いや、なんで目を開けずに作ったし、俺。
「…おろ、意外といい出来」
目を開けて、一先ず完成形を目にしてみる。
我ながら中々の出来だった。良いクオリティだろう。勿論、本物の黒歌の方が何倍も美しく可愛らしく綺麗なわけだが。
さて、そんな俺の黒歌七分の一スケールフィギュアに、クラスメイトや父兄、教師の視線がじーっと注がれている。
おい、なんだその目は。何か言いたいなら言えばいいだろう。
誰かがボソッと声を出す。
「…5000」
声と同時に掲げられた五千円札を皮切りに、教室内オークションが開幕する。
周囲から聞こえる値段の声と、掲げられていくお札。
生徒も教師も保護者の方も、皆がオークションに参加していた。
「いや黒歌は大金積まれようが誰にも渡さねぇからな!!」
「ご、ご主人様…!!にゃはは、私の高クオリティな人形作るばかりか、そんな熱~い言葉までくれるにゃんて…!」
「「「ご、ご主人様ァあああああっ!!?」」」
黒歌が俺をご主人様と呼んだ途端、オークション会場だったはずの教室が俺を裁く法廷へと変貌。
残りの授業時間は、嫉妬に狂った男子たちによる追及と制裁(勿論回避した)の時間に変わったのだった。
…因みに、みんながハッスルしている間もイッセーは黙々と粘土をこね続け、部長のハイクオリティなフィギュアを完成させた。
しかも、全裸の。
お前、恋人の裸体をフィギュア化して人前に晒して良いのか…?
※―――
「うーん、やっぱりすごいな。まるで黒歌さんそっくりだ。まさか輪廻にこんな才能があったなんてなぁ」
「やめてくれよ父さん。この程度じゃ黒歌の魅力は全然表現できてないじゃないか」
「……あのね輪廻。お母さん的には、そんな発言を別に付き合っているでも何でもない女の子にするのはとても罪作りだと思うのよ」
「そうにゃん。だからこれからもそういう事を言っていいのは私だけというコトで」
「オイコラ輪廻ッ!!今思い出したが黒歌さんってアレだろ!テメェにいつぞや愛妻弁当を作ってきてたあの人だろッ!!非リア連合にその名を連ねておきながらなんだその恵まれた状況は、アァン!?」
「黒髪巨乳和服美人と同棲とかテメェなんの冗談だコラァッ!!その上クラスのアイドルアーシアたそにこれまた美人なゼノヴィアとも同棲中とか人生イージーモードすぎんだろテメェはよぉおおおっ!!」
昼休み。
教室では怒り狂った松田元浜からの暴言の嵐で落ち着いて食事もできないというコトで、父さん母さんを連れて、いつものメンバーで食事をとるために旧校舎へ向かう事に。
その道中で部長たちとも合流して、互いの両親が挨拶を交わした所で、少し離れた所で騒ぎが起きているのに気づく。
廊下に人が集まっているのを、匙が解散する様にと必至に訴えているようだった。
一体何が起きたというのだろうか。
「よぉ、匙。どうしたんだ?」
「ん、立神か。いや、廊下のど真ん中で、このコスプレしてるお姉さんの写真撮影会が始まっちまってて…」
「いえーい☆どもども、コスプレお姉さんでーっす☆」
「ほう、魔法少女コスですか」
「おいおいおい、カメラを構えるな変態」
失礼な。こんなレベルの高いコスプレを披露されては、一枚や二枚写さねば無作法というもの。
ガンレフ持ち歩いといて正解だったぜ。
ステッキを構えてみたり、にこやかにピースをしてみたりと色々なポーズを見せてくれる魔法少女コスの女性に、時折ポーズ要求をしつつ何度もシャッターを切る。
うんうん、我ながら良い写真だ。ただスカートが短いせいで時折パンツが写るんだよな……ま、ラッキーって事で。
「いやぁ、いい写真が撮れました。ありがとうございます」
「ううん。こちらこそ、そんな熱心に撮ってくれるなんて魔法少女冥利に尽きるよ☆」
「お前なー……ったく、こんなのが最強とか、世も末だぜ…」
「聞こえてるぞ匙。別に良いだろ?
「はーい、魔王でーす☆名前はセラフォルー・レヴィアタン。よろしくね☆」
「あのな、コスをしてるのが魔王様だからってそんなはっちゃけるのは――って魔王様ぁあああああッ!!?」
ギャグみたいな反応をした匙に、セラフォルーはポーズを決めたまま「ソーナちゃんのお姉ちゃんでもあるよ☆」と付け足す。
その時になって、ようやくみんなが人込みを抜けてやって来た。
「おぉ、セラフォルー。ここにいたのか」
「あ、サーゼクスちゃん。なんだか上機嫌だけど、何かあった?」
「ん?いやぁ?私は別に、何も?上機嫌だなんて、まったくおかしなことを言うなぁ。私のどこが、そんな上機嫌に見えるんだい?んん?」
「…お兄様は、ここ数日ずっとこうで……なんというか、何かが待ち遠しいと言わんばかりにそわそわと。しかしいくら聞いてもその事については詳しく教えてもらえず…」
「うーん、リアスちゃんにすら言わないって事は相当なコトなのかな☆――あ、ソーナたん」
「私を。そう呼ばないようにと。何度も。お願いした。はずですが」
言葉が片言になりつつ、眉間を押さえた状態で会長が姿を現す。
いやぁ、大変そうだな。姉がこんなはっちゃけた人だと、こう堅物っぽいこの人だと色々苦労するんだろう。
胃薬が手放せない生活を送る事にならないと良いが。
「えぇー。じゃあ、ソーナちゃん」
「大差ないでしょう!――ん、んんっ。とにかく、その服で校内を歩き回らないでください。この学校にもきちんとしたルールがあるんです」
「えー。でも赤龍帝ちゃんには大好評だったよー?」
「それでもです。――後、貴方もそちら側なのですか立神輪廻」
「まさかのフルネーム!?」
先日のプールの一件以来、俺への当たりがキツイ気がするこの人。
なんでかと聞いたら、ボソッと「…姉と、似た雰囲気を感じる」と言われたが……俺苦手な人認定されてるよね、コレ。
何だよ、俺別に魔法少女コスに興味はないぞ。見るのは良いが着るのはNG。
…多分、似てるって言うのは軽いノリでとんでもない事を平然としでかす部分なんだろうけど。
「もう、わかったよソーナちゃん。ちゃんと後で着替えるから、先に一つ聞きたい事があるの」
「ん、俺ですか」
会長からの説教に若干の反省の色を見せたセラフォルーは、俺に視線を向けて問いかける。
「なんで大罪人の黒歌がここに居るの?」
返答次第では事を構える可能性がある。
そんな雰囲気を滲ませつつも、しかし周りにはソレを悟らせない。
仮にも魔王と呼ばれるだけはある。相当な実力者なのは確かだ。
サーゼクスやジオティクスさんからは何も言われていなかったからと油断していたらしい黒歌が、一気に険しい表情になる。
大丈夫と言っていたが、これでは大変なことになってしまうのではと危惧している顔だ。
……ま、問題無いんだけどさ。
「詳しい話は会合の時にでも話しますよ。黒歌の事については、天使と堕天使がいる場で話した方が良いので。――少なくとも彼女が誰かを殺すような真似はしませんよ」
「……ふーん。ま、サーゼクスちゃん達も何も言ってないみたいだし、なら私も何も言ーわない☆」
コロッと雰囲気を変えて、彼女は「じゃ、着替えてくるねー☆」と言って去って行った。
少しの間静寂が場を支配し、そして俺の父さんが最初に口を開いて、
「黒歌さんが、大罪人?」
と言った。
……俺一応全部説明したんですけど。家に住まわせていいかと聞くときに、しっかり黒歌の事情を全部説明したはずなんだけど。
あ、母さんに叩かれた。
※―――
「もう一人の、『
「そう。リーアの眷属には、今まで実戦に参加させるのを禁止され、封印されていた子が居てね。元々は『
放課後。俺の家に集合し、俺の父さん母さん、イッセーの父さん母さん、そしてサーゼクスとジオティクスさんが、家のテレビを使って今日の授業の風景の記録映像を肴に酒を飲みかわした後、サーゼクスがこんな話をしてきた。
この場には俺の両親どころかイッセーの両親すらいるのだが、そこは問題ない。
イッセーが、部長と交際することになった時点で自分が悪魔だというコト等を全て話したのだ。
これは自分なりのケジメだな、と笑って言っていたので、俺も包み隠さず赤龍帝云々を話してある。
勿論黒歌の事も紹介していたので、セラフォルーから大罪人云々と言われたことも、疑問に思わずすんなり流していた。
「あの一件は、私ではなく輪廻が解決した問題です。私はただその場にいただけで……」
「だとしても、彼らにとっては君が全てを解決したことになってるんだ。――元々、赤龍帝が世界最強であるという事を真実とわかっているのは、私含む一部の悪魔や堕天使…後はそうであると教え伝えられている教会の人々と、他勢力の一部分くらいでね。当たり前と言えば当たり前だが……今代の赤龍帝が本当に強者であるのかと、疑問を抱いている者すらいる始末だ」
『ははは。言われてるぞ相棒』
「赤龍帝も白龍皇も二天龍なんぞと持て囃されてはいるが、結局世界全体で見ればそれ以上の存在が山ほどいるはずだからな。力の一部を封印された状態で神器としてただの人間に宿った所で、そりゃ強いとは誰も思わんだろうよ」
勿論俺だって最初はクソザコだった。
それはもう、そこら辺のはぐれ悪魔相手に死にかけるレベルで弱かった。
それでも強くあろうとし続けて、やっとここまで来たのだ。現状一応最強の称号を貰えるほどに、至れたのだ。
「それで、今回のこの決定をしたのが『赤龍帝は弱者』と考える者でね。この一件に赤龍帝は大して関わっておらず、その場に居合わせた若手上級悪魔が解決したものと思い込んでいる。――まぁ、悪い話ではないだろう。いつまでもあの子を封印し続ける訳にも行かないだろうし、いい機会だと思うと良い」
「しかし……いえ。わかりました。『
部長の言葉に満足そうに頷き、サーゼクスはテーブルに戻り、俺の父さんにお酒を注いだ。
おい良いのか魔王。俺の父さんはただのサラリーマンぞ。平社員ぞ。
「いやぁ、サーゼクスさん達が持ってきた酒は美味いですなぁ。さぞお高かったのでは?」
「いえいえ。一応年代物のワインではありますが、未来の義理の息子や、サーゼクスが懇意にしている子の御両親への贈り物としてはまだまだ安い部類ですよ。日本円で言うと、ざっと100万くらいの」
「「100万!!?」」
安いとか言っているが、その値段のワインは相当である。
どれくらいすごいかわかりやすく説明すると、現在ワインで歴代最高の値段を叩きだしたロマネ・コンティの価格が約160万。
つまり最高値との差額60万程度というとんでもないワインを、イッセーの両親と俺の両親にそれぞれ一本ずつ贈呈した事になる。
やめてくれよ、うちの両親の普段飲んでるワイン1000円いくか行かないかなんだぞ。
もはや繊細な味もわからんぞ、多分。
「…もう、お兄様もお父様も、張り切り過ぎよ」
「ぎ、義理の息子かぁ……うん。俺頑張った甲斐があったなぁ…」
「人生振り返るみたいな喋り方すんなよ。悪魔なんだから、まだ1万年くらいは生きるんだろ?」
「そりゃそうだけどさ。腕も捨てて寿命もちょっぴり削って、そんだけ頑張った分の幸せがこうして巡ってきてると思うとさ、なんかこう……ふぅっと一息つきたくなるっつーか」
そういいつつソファにゴロンと寝転ぶイッセーを、部長が愛おしそうに見つめつつ優しく頭を撫でる。
それだけで一気にだらしなく変態的な顔に早変わりするんだから、俺の親友はブレが無い。いつもいつでも相変わらずである。
『……くっ、高いだけのワインなんて、どうせ……どう、せ…』
「禁酒中に限っていい酒渡されちゃったな、可哀そうに」
『も、元をただせば相棒!お前が後先考えずに女を家に連れ込むからなぁ!!』
「人聞き悪い言い方してんじゃねぇ!!ってか後先考えてない訳じゃないだろ。怒られる覚悟してたわ」
『説教前提で動くな!おかげで俺はまだまだ禁酒だちくしょーっ!』
酒龍帝のんべえドラゴンの悲痛な嘆きが、部屋中に響くのを、俺の父さんと母さんだけが愉快そうに笑うのだった。(笑い上戸)
他の皆?畏れ多いのか何なのか、苦笑いだったよ。
輪廻とサーゼクスの間でこっそり連絡を取り合っていますが、一体何を話していて何を実行しているかは、三大勢力の会合までのお楽しみ。
因みにジオティクスが黒歌に反応しなかったのは、サーゼクスから話を伝えられていたからです。
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