ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う 作:うぉっ、でっか…
なお戦闘描写はあまりない模様。
「……なんて力なの…!?これが、今代の二天龍!?」
「…当初の予定では、私も狩刈もヴァーリの援護に回るはずでしたが……アレでは、私がいるだけ邪魔でしょうね」
二人のレヴィアタンが、赤と白の二人を見る。
既にカテレアは両足を失い、体そのものも部分部分が液体化し、欠けている。
決着の時は近い。
「さぁ、終わりにしましょうセラフォルー。私の全てを、あなたにぶつけます」
「……本当に、やめる気はないんだね?」
「当たり前です。真のレヴィアタンは私こそふさわしい。それを証明するためにここにいる」
「……そっか。じゃあ………さようなら」
方や大質量の水球。
方や極小の冷気の塊。
その二つが衝突し、そして冷気の塊が水球を一瞬で凍てつかせ、そして巨大な氷塊はすぐさま砕け散る。
それを見て、カテレアは諦めたような笑みを見せる。
「私の、負けですか」
「うん。そして私の勝ちだね」
「……私は、今まであなたが憎かった。真なる魔王は私のはずと、ずっとそう思って生きてきた」
「だからずっと、謝りたかった。かつての魔王が死んで、混乱する悪魔達のためにと言って、あなたを蔑ろにしてしまったこと」
「…良いんです、もう、そんなこと。原初魔王レヴィアタンの力をろくに振るえず、こうして身を削った時点で私が魔王に相応しくないと、わかっていたのですから」
「っ、じゃあ。なんでわざわざ死ににいくような真似を」
「簡単な事です。神器が扱えなかった程度の事で、私の今まで抱いていた思いを、自分の意思で否定したくなかった。だから、私は最初から、あなたに
禁手を解除し、カテレアの手に傘が握られる。
ドクドクと脈打つそれは、今もなおカテレアから命を吸い上げていることがわかる。
それを手放すようにとセラフォルーが言うが、カテレアは諦めたように首を振って拒む。
「ごめんなさい、セラフォルー。勝手な都合であなたを目の敵にして。そして私の命を背負うような真似をさせて。あなたは非情になりきれないところがありますからね」
「うぅんっ、そんな事ないよ!私はっ……大丈夫、だからっ」
「強がって……ふふっ、先ほどは、あなたに『幼児趣味なあなたが嫌い』だと、『常に明るく振る舞うあなたが嫌い』だと言いましたけど………実は結構、好きでした」
体がどんどんと液化して、もはや生きている事が不思議なほどに肉体が崩壊する。
セラフォルーは涙は流さずとも、ほとんど泣いているような物だった。
「……もっと早くに気づけていれば、あなたとも、かの大戦前のように、ずっと……友として、いられたかもしれませんね」
「友達だよ!私はずっと、カテレアちゃんの事、大切な友達だって思ってて……!」
「……そう言ってもらえるだけで、十分です。……最期に、あなたにこれを」
カテレアが、神器を手渡す。
セラフォルーが受け取った瞬間、カテレアの腕は液化して地に落ちた。
「その神器は、適切な使い方さえすれば、代償なしで扱えます。……あなたの方が、これを使うに相応しい。真のレヴィアタンを名乗るに、相応しい」
「カテレアちゃん……ありがとう」
感謝の言葉を聞き、満足そうに笑ったカテレアは。
ついに、その体全てが液化となり、消えた。
『あ、れ?私、生きてる?』
「カテレアちゃん!?ど、どこから声が!?ていうか、どうして!?」
『わ、私にもわかりません』
『神器よ神器。神器の中』
『あぁ、神器の……って、貴方は!?』
『わからないかしら。この神器をなんの神器と思っていたのかしら。私はレヴィアタン。原初魔王のレヴィアタンよ』
勝気そうな少女の声が神器から聞こえる。
カテレアの声も、そこから響いていた。
セラフォルーは酷く驚きつつも、レヴィアタンに問う。
「れ、レヴィアタン…様?どうして、今になって声を?」
『んー?アンタ達の仲良さげな姿に絆されちゃった?ってとこかしら。だからほら、カテレアから代償として徴収した魂を残留思念として、アンタと話せるようにしたの。感謝しなさい?』
その言葉に、セラフォルーはなんとも言えない顔をする。
素直に奇跡と喜ぶべきかと、困った顔になる。
『と、とにかく、良いじゃないですか。今まで敵対していた時の分、やり直しましょう?そ、そう言えば私、魔法少女に興味がありまして!終わったら、一緒に観ましょ?ね?』
「………ま、それでいっか☆覚悟してねカテレアちゃん。私の魔法少女布教はソーナちゃんがノイローゼになるレベルだよっ」
『貴方自分の妹に何をしてるんですか……』
ズゴゴォォン!!と、爆発音が響く。
すぐさま音の聞こえた方を見ると、何やら姿の変わった赤龍帝と白龍皇が殴り合いを……いや、赤龍帝の一方的な暴力が見える。
しっかりと見えるわけでは無いものの、赤と白の軌跡が空を動くのは見える。
「私たちも、行こうか」
『あの戦いに混ざる気ならやめなさい。仮に私の全力とアンタの全力があったところで、アレになんの影響も与えられ無いわよ』
『一先ず、サーゼクス達に合流しましょう。結界無しでこの場に立ち続けるのは危険です。あの戦いの場が、こちらになるかもしれませんもの』
※―――
「ははははっ!!!これが赤龍帝の力!!一撃一撃が死ぬほど重いッッッ!!!」
『ディバイン・シールドがあるからと油断するなヴァーリ。奴はまだ透過の能力を使っていないだけで、使われれば即死だぞ!』
「使うかよ。お前は限界までいたぶってから殺す。殺して死んだら復活させてもう一度殺す。それを繰り返して何度も何度も何度も何度も殺す。二度と転生できないくらい、魂が損傷し、消滅するまで殺し尽くす!!!」
目で追えない速度でありながら、何と言っているのかはわかる。
り、輪廻が驚く程キレてる…!アレ余波だけで俺たちなんか簡単に死ぬぞおい。
「ディバイン・シールドとは一体?」
「俺がヴァーリに提案してやった技さ。白龍皇の半減のオーラを纏う事で、ダメージを極限まで減少させるんだが……あの様子じゃ、即死しないだけで十分一撃一撃が致命傷なんだろうな。ははっ、アレ一応神クラスの攻撃も理論上ほぼ無力化できるってのに」
木場の質問に、アザゼルが答える。
神クラスっていうのはよくわかんないけど、俺じゃ到底及べない領域にある事だけは確かだ。
「良いぞ良いぞ、もっと怒れ!俺はそれを倒し、最強となるんだからなッ!!黒き刃に裂かれろッ!!」
『Blade‼︎』
空中に無数の刃が出現し、輪廻を斬り裂く。
……が、刃は通る事なく、全て砕け散った。
「ほぅ、『黒刃の狗神』が効かないか!!」
「『
「んじゃ鬼の一撃を試させてくれよッ!!」
今まで見てるだけだった狩刈が、背後から輪廻を襲う。
だがやはりダメージは無く、弾かれたように仰け反った狩刈を、輪廻は振り向くことなく裏拳で殴り、吹き飛ばした。
「邪魔するなよ、今はコイツを殺す」
「直接攻撃が効かないなら、それ以外でやれば良いだけさ。死ぬのは君だよ―――何?」
両手を輪廻に向けたヴァーリだが、そこから何が起こるわけでも無く、アイツは混乱する。
次の瞬間には、輪廻に殴られてか、ヴァーリの体が吹き飛んだ。
「不思議か?魔法が使えなくて。魔力を操る事ができなくて。自慢の
「……アレが『
「アンチマジック………まさか、魔法の一切を無力化すると?」
「いや。それだけじゃない。魔力を介した全てがこの空間では無力化される。私やリーアの滅びの魔力も、放出する事すら叶わないさ」
直接殴ったりするのが全部無駄で、魔法の攻撃も効かない……じゃあアレどうやって倒すんだよ。
前まではオーフィスってヤツと引き分けになるだけでもすごいやって思ってたけど、今じゃどうやってオーフィス
土煙が晴れて、立ち上がろうとしているヴァーリの姿が見える。
が、立ち上がらせまいと輪廻が一瞬で接近して、その拳を叩きつける。
その衝撃で、地面が砕けた。
「ごふっ……ははっ、直接攻撃も魔法攻撃も無効、か。そりゃあ強いわけだ。――だが、俺にはそれ以外の攻撃手段がある。――例えば奪った四凶、饕餮の力とかね」
ヴァーリが右手を伸ばすと、手の甲部分の宝玉に不思議な模様……そう、ラーメンのどんぶりについてるアレみたいな模様が浮かび上がり、まるで口のような何かが輪廻を飲み込むように出現した。
輪廻のロンギヌス・スマッシャーみたいな、本能的な恐怖を感じるソレに、しかし俺は何処か心の中で冷静だった。
寧ろ、俺はそっちの心配をしていた。
――今の輪廻に噛みつくような真似をして、大丈夫かと。
俺の心配は正解だったらしく、出現したはずの大きな口は、一瞬で
それどころか、謎の文様が浮かんでいた方の鎧まで、黄金になってしまった。
「なっ、これは…!?」
「『
ゾッとする程冷たい声音で、輪廻は言う。
改めて羅列されると意味不明なまでに強いな。
「俺はお前を許さない」
『Boost Burst Dragons Gear!』
鎧の形状が変化し、輪廻の背後に『∞』の模様に似た魔法陣のような物が出現する。
あれってもしかして、無限?なんかのロゴで見た事あるけど、どうして無限―――まさか、アイツも無限の力を持ってるって事か!?
…サタンから、一度だけ聞かされた事がある。
ドラゴンの極地。龍の最果て。
力を持った龍が至る事ができると言われている、『夢幻』と『無限』。
現状その領域に居るのは、生まれつき至っていた『グレートレッド』と『オーフィス』のみ…と聞いていたが、もしかして輪廻はその領域に、至ってるのか…!?
「……
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
宝玉から聞こえる声が、二つ重なっているように聞こえる。
輪廻の力が爆発的に跳ね上がり、俺達を守っていた結界も完全に壊れた。
「サーゼクス、アレは一体…」
「『
「なるほどねぇ、デュエットって事は二つ同時ってワケか。神器は所有者のイメージで強くなる……そういうわかりやすいイメージを作ればすぐに形にできるわけだ。―――それはそれとして不味いな。アレ止めねぇと本当にヴァーリ死ぬぞ」
随分あっさりと言うが、結構切実だと思う。
今こうしてサーゼクス様達が話している間にも、ヴァーリがまるでスーパーボールみたいに地面に叩きつけられて何度も何度も
その度に時間を戻しているから、まだ生きてるんだ。
……相手に魔法使わせない癖に、自分は使えるのかよ……
「アレが、赤龍帝……輪廻君の力か」
「……果たして、鍛錬なんかで、たどり着ける領域なのか…?到底私じゃ、共に戦うなんて叶わない気がするんだが…」
目の前の圧倒的な
そうだ。俺たちは、最強だとか色々聞いていた癖に、心のどこかで思ってたんだ。
――俺達もいつかは輪廻と肩を並べて戦えるようになれるって。
だけど現実はアレ。聞き取れないレベルの怒号と共に、歴代最強って言われてる白龍皇なんて存在を、まるでゴム毬みたいに甚振り続けているのがアイツの力の一端だ。
……確かに鍛えりゃある程度は強くなれるかもしれない。
もしかしたら、ヴァーリくらいはなれたりするかも。俺だってサタンの力があるし、アーシアは聖書や聖歌の力と十字架の力、そして癒しの力がある。
木場は魔剣も聖剣も、その上聖魔剣も生み出せるし、小猫ちゃんだって最近は仙術を覚えつつあって、体術も俺達一だ。
ゼノヴィアだって力強い剣術とデュランダルの力があって、ギャスパーは時間を止めれる。
朱乃さんの雷の魔法も、部長の滅びの魔力も、どっちも強力だ。
けど、アレは
腕を捨てる、足を捨てる、寿命を削る、そんなもんじゃない。
アレはきっと、俺達が俺達のままたどり着ける場所じゃ無い。
「……ご主人様」
「あ、姉様……その、元をただせば姉様の浅慮な発言のせいだと思うんですけど、そこの所はどうお考えでしょうか」
小猫ちゃんが毒を吐く。
丁寧な口調だが、その言葉の裏にはかなり棘がある。
しかし黒歌さんは、まるでこの状況を理解していないような言葉を発した。
「私が取られたかもって嫉妬するなんて可愛い過ぎるにゃん♡」
「付き合ってもいないのにバカップル気取りですか、最悪です」
「しかもその嫉妬のせいで俺達の校舎消し飛んじゃったんですけど」
あんまりな発言に、俺達全員がずっこける。
黒歌さんは両手を頬にあてていやんいやんと体をくねらせるばかりだ。
「おい黒歌。お前ならアイツでも止められるだろ。さっさと止めてこい」
「いやよ。私がヴァーリを助ける義理は無いし、それに……」
「お前の都合なんか知るか!こっちはヴァーリに死なれちゃ困るんだよ!元をただせばテメェの昔の発言のせいなんだから止めてこいっての!」
「ああなったご主人様を私なんかが止められるわけないでしょ!?」
「うっせっ、テメェが乳でも何でも見せてやりゃ止まるだろ!」
「………なんだろ、輪廻ならそれでもいける気がする」
すごく失礼だけど、アイツの場合黒歌さんがストリップ始めたら攻撃の手を止めて見入ると思うんだよな。
しかし黒歌さんはそれが不服らしく、さらに声を荒げる。
「はぁッ!?私にご主人様以外の奴らがいる場所で脱げっての!?冗談じゃ無いわ!」
「ヴァーリに子作りねだるくらいなんだからどうでも良いだろ!どうせ生娘でもねぇんだろお前はよ!!」
「私は処女よ!!何から何までご主人様専用なの!」
「姉様。品が無さすぎます。――後、自分のやらかしの責任くらい取ってください。白龍皇が死ぬかどうかはともかくとして、あのままだと街どころかこの国が崩壊します」
国が崩壊する。確かにその通りだ。
今はまだアイツも
冗談抜きで。
小猫ちゃんの言葉に、黒歌さんは顔を顰め、輪廻の方に視線を向ける。
空間が歪んでいる。アレはきっと、力の波動であんな風になっているんだ。
もう俺達じゃきっと、止められない。
「ちょ、ちょっとちょっと!アレ一体なんなの!?」
「セラフォルー!そっちは終わったのかい?」
「ん、えへへ。無事解決っていうか…」
『色々ありまして、神器の中身になったと言いますか』
「へぇ、『歴代の所有者』になった訳か。ヴァーリも輪廻も言ってたが、普通は生前の無念とかに囚われて変質しているんじゃねぇのか?」
『この女は現所有者との戦いで、自分の中の
セラフォルー様が俺達の下に駆け寄り、輪廻達の方向を指さす。
危機感を覚えている様子だったが、サーゼクスの質問に、一気に雰囲気が柔らかくなる。
そして、手に持った傘……先程カテレアが持っていた神器から、なんとカテレアの声が聞えてきた。
『歴代の所有者』とアザゼルは言っていたが、死んだ後も所有者ってのは神器の中にいる事になるのか?
後、最後に聞こえてきた幼子の声は一体?
『よぉレヴィ。久しぶりだな』
『……私の質問に答えず挨拶とは、良い度胸ね。セラフォルー、あの品性下劣なクソ悪魔と宿主の下級悪魔をまとめて葬ってしまいなさい』
『はっはっは!品行方正なお嬢様が『クソ』なんてお下品な言葉をお使いになられるなんて世も末でございますねぇ。――後、今代の二天龍は化け物揃いだ。あっちの赤龍帝なんかは時間を支配できるし、何なら
『ふん。強さなんて二の次とは言っているけれど、アンタが狙われて私は何も無しってのは腹が立つわね。―――それにしても、全盛期の貴方が手も足も出ずに?なんの冗談なのかしら。真なる魔王、妨げる者、最も神に近い堕天使、黙示録の獣、忌まわしき皇帝……あらゆる異名を持つほどに『強者』だったアンタが、だなんて』
サタンが親し気に…しかしどこか挑発する色を込めて声をかける。
それに対し、神器から少女の声が聞えるが……もしかして、会話の内容的にこの声が原初魔王レヴィアタンの声?
ってか何そのサタンの異名の数。多くね?
サタンとレヴィアタンが会話している間に、サーゼクス様がセラフォルー様に事情を説明したようで、深刻そうな顔をして悩みこんでいた。
まぁ、輪廻が(多少理性があるとはいえ)暴れてるってなったら、そりゃあんな顔もする。
「ギャスパー・ヴラディの神器で、彼を止める事は不可能なのか?彼の時間停止と、神器による時間停止は別物だと思うが」
「あ、えと。輪廻先輩に、僕の神器は利きません…でした。なんか、自分だけの時間?がどうとかで……」
「輪廻は時間操作のために、自分にのみ適用され、外部からの影響を一切受けない特殊な時間軸を自らの世界の中心としているからね。世界を止める彼の神器だろうと、輪廻は止まらないさ」
「……なぜ貴方が自慢げなのですか……」
ギャスパーの神器は利かない。
っていうか、もし神器で干渉しようものならギャスパーの目が黄金になっちまうだろう。
それはダメだ。
やっぱり、黒歌さんが止めに行くしかない。
誰もがそう思った、その時。
「縛鎖陣」
そんな言葉が聞えると同時に、俺達の体は見えない鎖に捕らえられたかのように動かなくなる。
それは魔王様も、大天使たちも、アザゼルも同じだ。
……これは、妖術……狩刈の仕業か!
「いっつーっ。やってくれやがったよあの赤龍帝。俺の事振り向きもせずに殺しかけやがって。止め刺しに来なかったあたり、本当に俺は眼中にねぇらしいな……くそっ。今、後悔させてやる…」
「私達をこんな程度で捕えられたとでも?」
「あぁ、そうさ。言っておくが自慢滅びの魔力も、その他諸々の全部も使えねぇぞ。その鎖に縛られてる間は自分の力を扱えなくなる。――そうそう、この術は俺よりも弱い奴じゃないとそもそも縛ることができない。黒歌ならわかるだろ?お前も妖術使いだもんな」
「……えぇ、そうね。でも予想外だったわ。ご主人様の攻撃ですぐぼろ雑巾みたいになっちゃうよわ~い鬼っ子が、まさか私達を縛れるだなんて」
「はっ、言ってろ言ってろ。弱者からの煽りはどうでも良い。負け犬の遠吠えはうるさいだけだ。――おかしな話だよなぁ。俺は魔王とか、四大天使とか、堕天使の総督だとか、そんな連中よりも上にいる。中には超越者って呼ばれる二人が居て、きっと夢幻人でもソレとまともに戦える奴は少ない。だっつーのに、赤龍帝相手だとまるで
「攻撃も何も利かない輪廻に、数を増やした所で勝てねぇだろ」
「いいや。俺たちのボスなら或いは、な。詳細を態々教えてやるこたねーけど、俺達だって馬鹿じゃない。本当に勝ち目がないなら、自然災害だの試練だの言って受け入れる。それでも諦めてないのは
背筋をぐぃと伸ばし、狩刈は声を張り上げる。
「おい立神輪廻!!テメェの仲間も、友人も、そして黒歌も!守りてぇモン全部人質にとっちまってるぞー!!」
言い終わる直前……というか、黒歌も、の下りで輪廻は俺達の目の前に現れ、狩刈を殴り飛ばすと、俺達を縛っていた見えない鎖を壊した。
勿論その途中で俺達に凄まじい衝撃波が襲い掛かって来た。
一応あの時みたいに俺達にシールドを張って守ってくれはしたけど。
周囲の地形が変わってるんだよなぁ。
「お前、せっかく生き延びたのに無駄な事するんだな。俺の怒りの矛先が現在進行形でヴァーリに向いてるってわかった上でやったのかよ。ほっときゃお前は生き延びれたっつーのに」
「……知ってる、っつーの。バーカ。俺が、無駄に、死ぬわきゃねぇー……だろ」
「そこまでわかってないとでも?気配探知でここにヤツの仲間が来てる事は把握済みだ。だがそいつらが救援に向かう事は無い。魔法でここに来ることも、それ以外の方法でここへ来ることも、既に不可能―――あ?」
ドスの利いた声で輪廻がヴァーリのいた方を睨む。
そこには今までいなかったはずの、ライトアーマーを装備した男や、金髪眼鏡にスーツ姿の男がいた。
スーツ姿の男に肩を貸されながら、ヴァーリは『覇龍』を解除したボロボロの状態で、虚ろな目をして立っている。
「何があったか知らねーが、大方ヴァーリが無駄に煽って手痛い反撃喰らったってとこかねぃ。んま、俺っちには関係なし。いざ対峙してわかったけどアレは俺らの手に負えるレベルじゃねぇしな。手合わせどころか一瞬でひき肉だぜぃ」
「噂は話半分程度にしか聞いていませんでしたが……なるほど、アレは確かに、世界最強と呼ばれるだけはある」
「ごちゃごちゃうるせぇ。二秒だけやるからさっさとソレを置いて失せろ。じゃないとお前らもまとめて殺す」
「へっ、悪ぃがこっちも事情ってのがあるんでね。そこの鬼も回収してかなきゃならねぇし、ヴァーリを死なせるわけにもいかない。――アーサー、ヴァーリだけ転移させとけ。二人で食い止めて、狩刈も回収すんぜ」
「えぇ。生きて帰りましょうか」
「わかったわかった。お前らの気持ちはよーくな。――死にたいならわかりやすくそう言え」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
地面が抉れ、そして輪廻が二人の男に殴りかかる。
いや、もうすでに殴っている。まともな奴に反応できる速度じゃねぇ。
しかし、男達は上手く対処したらしく、致命傷で
「あっぶねっ!!『引換剣』の強化させてもらって正解だったぜ」
「……無意味に命を落とす必要は無いと止めましたが……なるほど、これは必要でしたね」
「微かに気配がすると思えば……お前らも『引換剣』で底上げしてるのか。なるほどな」
『Dragon Blaster!!!』
関係ねぇな。
そう呟いたと同時に、今度は輪廻の両手が巨大な二つの大砲へと変化し、エネルギーが瞬時に収束。
解き放たれた破壊の光が、全てを飲み込みながら男を襲う。
しかしソレをギリギリで回避し、男達は狩刈を確保し、足元に何らかの術式を展開。
あれ、魔法じゃないらしいけど……それにしたって、黄金に変わっちまうんじゃ。
「……あぁ、やっとわかった。それ、夢幻人がここ最近この町に仕掛けてたヤツだろ。いつまで探しても見つからないから、なんだろうなと思ってたんだ」
「へへ、そうだぜ。コイツは脱出用の転移陣。一応魔法以外の移動手段に含まれるが前々からあるからお前の黄金化も免れるのさ。――んじゃ、一先ずおさらばさせてもらうぜぃ」
「いつかまた、ヴァーリと共に貴方を倒しに戻ります。――その時までに、御覚悟を」
「覚悟なんかいらねぇな。今死ね。
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost』
『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost』
『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide』
『BoostDivideBoostBoostDivideBoostDivideDivideDivideBoostDivideBoostBoostBoostBoost!!!!!!』
輪廻と男達を一直線に繋ぐ、バリアでできた楕円のドーム。
明らかに過剰であろう倍加と、恐らく半減(男二人から感じる力が極端に弱くなった)の力の後、一拍置いて輪廻の両腕の大砲部分からエネルギー砲が発射される。
「『
「……逃げられた、か」
気づいたときにはドームが消え、後には災害直後とも呼べる破壊の跡だけが残っていた。
男達は皆逃げたようで、残っていたはずの夢幻人や禍の団のメンバーの死体は、全て戦闘の余波で消し炭になったらしい。
「え、えっと、輪廻――」
「んのド畜生ォオオオアアアアアッ!!!!次は殺すッ、絶対に、徹底的にッ!!」
――解決した、とは言えないが。
少なくとも、これでこの戦いは終わった。
不完全燃焼の俺達を残して。
「やはり輪廻は強いなぁ。少年の心を思い出す」
「サーゼクス様?」
「……ごめんよリーシア」
【オリジナル神器、要素紹介】
・『ディバイン・シールド』
ヴァーリが生み出した力。常に自分を半減のオーラで包む事で、相手の攻撃の威力や副次効果を瞬時にほぼ無まで減少させる。ヴァーリであれば現状神クラスの一撃もかすり傷にまで和らげる事ができるが、『覇龍変生』輪廻の倍化した拳の前ではなんの役にも立たなかった。
・『
『覇龍変生』に合わせて『四神玄武の大盾』が変化した物。『覇龍変生』状態でのみ使用可能だが、その力は『あらゆる直接攻撃を無効化する』と強力。
自分を守るだけでなく、サイズや形を変えて好きな場所に好きなだけ出現させられる。
・『
『覇龍変生』に合わせて『反魔の万能書』が変化した物。『覇龍変生』状態でのみ使用可能だが、その力は『空間内のあらゆる魔力を媒介とする現象、物を無力化する』と強力。
魔法を使うどころか魔力を体外に排出する事すら叶わない為、いかな魔法の才能があろうと一切関係ない。
その上輪廻だけは関係なく魔法を使える。
効果対象者を絞る事も、範囲を好きに変える事も可能だが、自分が中心地である事だけは変えられない。
・『
上記以外の攻撃の一切を無力化し、ソレを発動しようとした物、者を黄金の塊に変える。『覇龍変生』状態でのみ使用可能。
主に妖術仙術神器の類に使われるが、自動で黄金とさせるのがそれなだけで、魔法も直接攻撃してきた者も黄金に変えられるし、やろうと思えば『黄金化』のオーラを放つだけで周囲一帯を黄金に変えられる。
水を浴びても効力を失わない等、弱点や欠点の類が存在しない。
・『
『
同時に倍加を進めたり、別の能力を発動したり、『龍帝武装』をさらに強化改良したモジュールを体中至る所に装備できたり、その他神器の力を攻撃的に変化させ発動できたりとやりたい放題。勿論ノーリスク。
これでのみ発動できる『
まさに人知を超えた力。
説明は話が進むと補足される……かも?
評価感想お気に入り登録、よろしくお願いします。