ハイスクールD×Dの世界に転生したので、俺もハーレムを目指そうと思う   作:うぉっ、でっか…

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イッセーの朱乃の呼び方が原作と違い『姫島先輩』になっていますが、それはこの作品におけるイッセーの神器がちょっと影響しています。
まぁ、その辺の説明はいずれ軽くすることになるはずなので、気長にお待ちください。


駒の力と俺の力

アーシアと友人になって数日。

イッセーの居ぬ間に小猫と一緒にソファに座ってまったりして、その後帰宅前にアーシアの下を訪れ談笑し、家に帰って以降はひたっすら黒歌とイチャイチャする毎日を送っていた俺だが、今日の夜はいつもと違って外出する事に。

 

寂しそうにする黒歌に「帰ってきたらいつも以上に甘やかしてやるぜ」的な事を言って(これでもまだ付き合っていない。もういい加減に腹括って告白するべきだろうか)まで外出したのには、ちゃんとした理由がある。

 

それがここにいる、はぐれ悪魔バイザーと、対峙しているリアス達である。

 

まぁ、アレだ。原作でもあった、イッセーに悪魔の戦いを見せるイベントだ。

俺はソレを、物陰に潜んで眺めている。

いや、これだけなら別に俺が来る必要も無かったのだが、ここにあるイレギュラーの気配を感じ取った。

本来ここにいるはずのない、()()()()()()()()()()の気配である。

 

原作では今木場が素早さで翻弄しているはぐれ悪魔だけが登場していたのだが、なぜかこの場にはソイツ以外のはぐれ悪魔の気配がする。

それが本当は原作でも居て、ただ様子を見て去っていただけで登場しなかったのか、それとも原作とは違う事が起きているのか。

 

 

取り敢えず気配を隠して様子を見て、もしリアス達に接触するようなことがあれば俺が早急に排除しよう。

…でも、お面をつけて登場するにしても、それ相応の理由が無かったら誤魔化せないはず。

うーむ……まぁ、普通に『コイツからは他の悪魔とは違う物を感じた』とかで良いか。

ってかその都度考えりゃいいだろ。別に最終的に俺の正体明かすし。

 

んじゃ、もうちょっと気配を消失させた状態で観戦させてもらいますかねっと。

 

※―――

 

イッセーこと俺、兵藤一誠は、今日も今日とて悪魔のお仕事(ビラ配り)に励みながら、いずれ出世してハーレムを作る妄想に浸っていたわけだが、今日はいつもと違い()()が入り込んできた。

なんでも大公というお偉いさんから、部長とその眷属である俺達に向けて直接出された指令らしい。

これをこなせばきっと俺の出世も近くなる!と、意気込んでみた物の。

 

いざ実際に対峙して思った。

いや、無理だねコレ。最初物陰から出てきた時は上半身裸でおっぱい丸見えのエッチなお姉さんだと思ったのに、下半身が化け物オブ化け物。

流石の俺でもNOサンキューだったし、何より放っている威圧感が恐ろしい。

まるで、堕天使に殺されそうになった時のようだった。

 

それでも部長の為に俺も戦わないといけない…っと思っていたが、今回は俺は見学らしい。

駒の特性と、皆の戦い方を見て学べとのこと。

 

「祐斗は『騎士(ナイト)』。持ち味はその速度。瞬発力。騎士の駒を使うと、こうしてスピードが増すのよ。――そこに祐斗の強みである剣が加われば」

 

西洋風の剣を構えた木場の姿が掻き消えたかと思えば、次の瞬間にはバイザーの腕が切断されていた。

 

や、やっべぇ速すぎる!目で追えなかった!

 

「次に小猫。あの子は『戦車(ルーク)』。特筆すべきはそのパワーと防御力。あの子が小柄だからって油断してると、ほら」

「く、そぉおおおおっ!!踏みつぶしてやるぅっ!!」

「……うるさい」

 

腕を切られて怒り狂ったバイザーが、近くにいた小猫ちゃんを踏みつぶそうと足を振り下ろす。

しかし小猫ちゃんはまるで恐怖する様子も無く、その巨大な足を受け止めた。

 

す、すげぇ!自分の何倍もある足を、難なく受け止めた!

 

「ぶっ飛べ」

「あぁやって、痛い目を見るのよ」

「ぐわぁあああああっ!?」

 

受け止めていた足を投げ飛ばし、体勢を崩させた小猫ちゃんは、その場で跳躍して拳を引き絞り、バイザーの腹を思い切り殴りつけた。

すると、ドバンッ!!という音と共にバイザーは吹っ飛び、後には残心する小猫ちゃんが残った。

 

つ、つぇええええっ!小猫ちゃんは怒らせないようにしねぇと、俺もあんな風にぶっ飛ばされちまうのかな!?

ってか今まで一年の覗きしてなくって良かったぁー!してたら絶対小猫ちゃんに殴られてたぜ俺達!

輪廻様様だな!止めてくれてマジでありがとう!

 

吹っ飛ばされたバイザーの目の前に居るのは、あらあらうふふと上品な笑みを浮かべた姫島先輩。

でもなんだろう。普段の優しいオーラとは対照的な、刺々しい攻撃的なオーラを感じる。

 

「うふ、うふふふ。さぁ、どうやって遊んであげましょうか。ほらほら、まずは小手調べ程度で」

 

姫島先輩が両手を翳すと、突然雷がバイザーを襲った。

凄まじい雷撃だ。見ているこっちも痛い。

ぎゃあああああっ、と断末魔めいた叫びをあげるバイザーが、見た目醜悪な化け物ながらも同情してきた。

…いやでも、罪も関係もないただの一般人を食い物にしてたような奴だし、同情してやるのも変か。

 

「朱乃の『女王(クイーン)』は、『騎士』『戦車』そして『僧侶(ビショップ)』の三つの力を兼ね備えた、まさに最強の駒。王を間近で支えるに足る能力の持ち主って事。あの子は魔力による攻撃が基本スタイルで、その雷撃の苛烈さから『雷の巫女』と呼ばれているわ」

「うふ、うふふふふっ。ほらほら、もっと頑張りなさい?まだまだこの程度じゃ、全然物足りませんわよ?」

「え、部長。俺はその、アレがただのドSにしか見えないんですけど」

「違うわよイッセー。あの子はただのドSなんかじゃ無いわ。究極のドSよ」

 

ズドンッ!!バリバリィッ!!と何度も雷撃が落とされ、バイザーはそのたびにビクンビクンと体を痙攣させる。

 

いや、究極のドSってなんですか!?えっ、怖ぇえっ!

 

怯える俺を無視して、姫島先輩は生き生きとしながらバイザーに雷撃を与え続けた。

そしてしばらく経って一息ついた所で、部長がヤツに歩み寄った。

 

「最後に何か言い残すことはあるかしら?」

 

絶対零度を思わせる冷たい声音に、俺に向けられたものではないと知りつつもちょっとゾッとする。

しかしその冷たさを向けられた本人であるバイザーは、今まで受けた攻撃で疲弊しきっているのか、それとも既に諦めきったのか、取り乱すこと無く一言告げた。

 

「殺せ」

「そう、ならお望み通り」

 

部長が手を翳すと、どす黒い魔力の塊がバイザーに襲い掛かり、触れたと同時にヤツの姿は消滅した。

まるでそこに何も無かったかのように、消えてなくなったのだ。

 

「終わりね。みんなご苦労様」

 

部長の一言で、みんなの緊張感がふっと消えた。

 

…これが、悪魔の戦闘、か。

俺にこんなすげぇ戦いができるのかって言われたら、多分無理だろう。

一応昔輪廻に喧嘩の極意みたいなのは教えてもらったし、ソレは多少なりと体に染みついては居るけど…それは全然付け焼刃だし。

神器があるとは言え、『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』っていうありふれた神器の仲間っぽいって事しかわかんない以上、戦闘で使おうにも使い方すらわからないという始末。

 

……はぁ。先は長いなぁ。

 

「あの、部長。結局俺の駒の特性って……下僕としての役割って、なんなんですか?」

「あぁ、それはね―――」

「いやはや、流石はグレモリー家の御息女。眷属たちも素晴らしいお力をお持ちだ」

 

ゾワッ、と、全身の毛が逆立つような恐怖感を感じて、声のした方を見る。

 

そこには、黒いタキシード姿の男がいた。

シルクハットを目深にかぶっているせいで顔は見えないが、背中から生えている羽的に悪魔だろう。

 

…こ、コイツもはぐれか?それとも、部長の知り合い?

 

「……貴方、ただの下級悪魔って訳じゃなさそうね。名前は?」

「生憎と、私は名乗る名前も、仕えるべき主も持っておりませんので。まぁ、お好きなようにお呼びください」

 

大仰な身振りをしながら話すこの男は、一言で言うなら胡散臭さの塊。

 

あと部長の知り合いではないらしい。

ならただの敵か。名前も無いらしいし、きっとはぐれ悪魔なんだろう。こいつも。

ってか主いないならはぐれじゃん。

明らかにさっきのヤツよりも強そうだけど。

 

「…それで?自分の名前も主も無い悪魔が、一体私達に何の用かしら?」

「えぇ、簡単なことです。私…いえ、()()の悲願のために、ここで死んでいただきたく」

「そんな事をさせるわけがないだろう」

 

三日月のように歪められた口元に、知らず後ずさっていた俺の背後から、今度はまた違うヤツの声が聞えて来る。

 

上下ジャージに、謎のお面。

いつだか俺を堕天使から守ってくれた、あの男だ。

 

※―――

 

死んでいただきたく、なんて気取った言い方をしやがった謎の悪魔。

まぁ、明らかに原作に居ない輩だ。

その癖介入している当たり、イレギュラーと言えるだろう。

つまりは俺と同じようなヤツ、という訳だ。

 

『(まぁ、それなりに力はあるようだが、相棒なら俺無しでも全然余裕だろうさ)』

(ましてや悪魔だからな。対抗策はいくらでもある)

 

イッセー達から向けられる視線を一旦無視しつつ、彼等の前、つまりシルクハットの男から守れる位置まで移動した。

 

「はて、貴方は?」

「さぁな。俺の事はどうでも良いだろう」

 

まだ『気』は抑えたままだ。実力を隠して、相手の出方をうかがう。

アイツは我々、だとか悲願、だとか、そんな意味深なワードを使っていた。

俺の知らない、原作にない組織の介入がこの先あるのだとしたら、今の内に情報をある程度入手しておきたい。

 

「それよりも、なぜ彼女等を狙う?貴様、まるで自分がとある組織に所属しているような口ぶりだったな。ならお前の所属する組織の悲願とやらは、一体なんだ?」

「ふむ……まぁ、どうせ殺すのです。話してしまっても構わないでしょう。―――我々は『夢幻人(イマジネウス)』。かの夢幻を司る龍を信奉し、真の目的に『とある龍』の抹殺を掲げる、あらゆる種族が綯い交ぜになった組織です」

「夢幻……グレートレッドか」

「ぐ、グレートレッド!?」

「え、なんすかそれ」

「端的に言えば凄い龍だ。ドラゴンともいう」

 

驚くリアスを見て、不思議そうに首を傾げるイッセーに、凄く大雑把な説明をする。

まぁ、詳しい話は後々話してやるとしよう。具体的にはみんなの前でお面を外して堂々と戦えるようになった後くらい。

 

「…しかし解せないな。その『とある龍』とやらが何かは知らんが、ソレと彼女等がどう関係する」

「『とある龍』とは言いましたが正確にはその『とある龍』の力が込められた神器の持ち主。未来から来たと自称した、とある男の抹殺が我らの悲願」

「えっ」

「み、未来から来た…?」

 

男の言葉に、俺はつい体が固まってしまう。

 

この男、今なんと言った?

 

未来から来たと自称する、龍の力を宿した神器を使う男?

俺、思い当たる節があるんだけど。

思い当たる所かそれ、もしかして……。

 

 

「最強を名乗る、時間の支配すら容易に行う彼は、我ら夢幻人…いえ、我々が崇拝するグレートレッドを脅かすに足る存在と判断された。だから我らは何百年もその存在について調べ、彼奴の言葉の端々から元居た時代を特定し、そしてその正体を掴んだのです」

「……まさか、今代の赤龍帝か?」

「その通り!ヤツこそ我らの宿敵とも呼ぶべき相手!無限と謳われるオーフィスすらも超越した存在であるあの男を、我々は我々の信仰の為に殺す必要があるのです!」

 

う、うわぁーっ、俺だ。滅茶苦茶俺だった!

嘘でしょ?俺確かに修行のために過去に行って過去の強い存在に只管喧嘩売って、最終的には全盛期のオーフィスと戦って引き分けるレベルにまで成長したけど。しましたけども、なんでそんな危険分子扱いされてんの!?ってかグレートレッドを信仰するってなんだよ!?

 

内心大騒ぎな俺を放って、話は進んでいく。

 

リアス達は今代の赤龍帝という言葉に反応して。

シルクハットの男は、自分の話で気分が高揚して。

 

「赤龍帝が、あのウロボロス・ドラゴンをも超えた…!?そんなの、あり得るはずが」

「そんな不可能を可能にしてしまったのがあの男なのです。――そして、その男の名前も素顔も、我々はついに入手する事に成功した。彼奴の名は――」

「だからその赤龍帝の身の回りの人間を襲って、おびき寄せようとしたわけか」

「む。人の言葉を遮るのは感心しませんねぇ。――まぁ良いでしょう。その通りです。リアス・グレモリーというビッグネームを殺してしまえば、悪魔勢力との火種を抱える事になりそうですが…これも悲願の為には仕方のない事。眷属諸共、皆殺しにさせていただきたく」

「だからさせねぇって言ってんだろ」

 

俺の名前を出させないように無理矢理言葉を遮って、そのまま戦闘に突入する空気感を無理矢理作る。

隠していた『気』もある程度出した為か、男は一気に警戒心をあらわにした。

 

後、ついでに背後にいるリアス達からも身構える気配がした。

…あの、これでも君らを守るためにここに立ってるんですけど。今はもう自己保身第一になっちゃってるけど。

仮にも味方枠なんだから、もうちょっとこう、安堵する感じになってくれたりしない?

 

「ほう…その気配、仙術使いか」

「…まぁ、使えなくもないが。俺のコレはただの『気』さ。人間誰もが持ってるような、何てことない物を、ただただ練り上げ続けただけで――なっ!!」

「ぐぅっ!?」

 

話しながら手に手作りの武器を持ち、ソレを即座に投擲する。

狙い通り、男の左腕を切断した。

我ながら良い投擲だ。

 

「こ、これはっ…!」

「まぁ、お察しの通りコイツは光の力が込められた剣……じゃなくて、コイツは()()()()()()()()っていった方が正しいな。聖書一ページを専用の儀式を行って加工して、記された言葉の神秘性や神々しさなんかを抽出して固めたモンだ。人間相手にゃ絶望的なまでに殺傷力がないが、悪魔や堕天使が相手だと違う。低位の聖剣なんかよりも強力な武器になるぜ」

「そ、そんなモノを、一体どうやって…!?貴様、まさか高位のエクソシストかッ!?」

「だとしたら悪魔を庇うなんて真似する訳ないだろ。単純に、コレは俺が作った物だ。必要だったからな」

 

まぁ、ドライグの力を借りてようやく形にできたんだけど。

イメージはあったけど、中々成功しなくて困った思い出がしっかりと残っている。

 

「ふ、ふふ、ふははははっ!!この町は化け物揃いか!かの赤龍帝然り、貴様然り!」

(同一人物なんだよなぁ)

『(ふん。だが悪い気はしないな。赤龍帝はやはり力と恐怖の象徴。誰もが恐れ、憧れ、敬い、傅く存在であって当然だからな)』

 

高笑いしながら、男は魔力による攻撃を仕掛けてくる。

規模はそれなりにでかいが、全然躱すのが苦じゃない程度。

密度もさほどないし、大方上級一二歩手前の中級悪魔程度の実力しかないのだろう。

 

それでも、今のグレモリー眷属たちには十分脅威であるし、イッセーなんかちょっと攻撃されただけで死んでしまうレベルである。

コイツ等に当たらないような位置に誘導するように移動しつつ戦って、終わったらドロンだ。

 

※―――

 

目の前の戦いを見て、ただただ凄い、としか思えなかった。

二人の会話の内容は正直チンプンカンプンだったけれど、この戦いが凄いってのは流石の俺でもわかる。

 

さっき部長が使ったレベルの魔力による過密な攻撃。

それを掠ることすらなく回避して、手にした剣(聖書らしい。見た目は鉈っぽい感じで、剣の腹の部分にはなんか言葉が書いてある)を時折投擲して、男の移動や攻撃を牽制していた。

 

じゃあ開いた口がふさがらないのは転生したての下っ端悪魔の俺だけなのかというとそうでもなく、他のみんなも驚いている様子だった。

 

「凄まじいわね、あのお面の人間」

「えぇ。騎士の駒の力で速度が底上げされている僕と、ほぼ同程度の速度を出しています。しかも僕の最高速度が、彼には通常速度のようだ」

「……まだまだ、余裕を持ってる…そんな気がします…」

「正直、敵対はしたくないですわね」

 

みんな的には、どちらかというとお面の男の方が気になるらしい。

…まぁ、方や悪魔であっちは人間。

それで互角でやってるんだから、人間のが凄いってなるよな。

 

……ってか、あの人絶対俺より強いじゃん。

前掴みかかった事、気分悪くされてないと良いんだけど。

…いやいや。でもアレはあっちが悪ぃよ。俺にとって禁忌だった内容に、いきなり触れたんだから。

 

「なっ、なんなんだ貴様はッ!こんな人間が、そういるはずが…ッ!!」

「普通はそうかもな。だが俺がここに居るのは紛れもない事実さ。――ほら、そろそろチェックメイトだぞ」

「何――はッ!?」

 

男が周囲を見渡し、何かに気づいたように声を荒げる。

 

えっと、第三者目線で見ているはずなのに、俺何にもわかんねぇよ?

誰かー!説明してくれー!

 

「兵藤君。見ての通り彼は今、壁際付近に追いつめられているだろう?そしてその周囲には、先程あのお面の彼が投げた剣が刺さっていて、間を通り抜けるだけでも消耗した今の状態では消滅の危機すらあるだろう。だから、彼は逃げ道が一本道しかない状態で回避しなくてはならないんだ。しかしあのお面の彼がそう簡単に外すような真似はしない。――だからこその、チェックメイト(詰み)って訳さ」

「な、なるほど」

 

なんとなく分かったぞ。

わかったけど、俺の心を読まないでくれ。男に読まれたって嬉しくとも何ともない。

 

「…さて。他にも色々聞きたいとは思ったが……これ以上はあまり期待できそうにないな。この程度の実力でそれなりのポストにつけるとも思えん。与えられる情報も、斬り捨て可能の末端程度だろ」

「こ、この程度の実力って…ソイツ、相当強いはずじゃ」

「確かにそうかもな。上級悪魔二、三歩手前の中級悪魔程度の実力はあるし、戦いのセンスもそうそう悪くなかった。片腕失った上で、しっかり計算された攻撃をしてきたしな。―――だが、今代の赤龍帝を殺すレベルとなれば別だ。アイツはこの程度の連中が上位層として扱われる程度の組織じゃ、束になっても意に介さないさ」

 

俺の言葉に、男は律義に説明してくれる。

ってか、その赤龍帝ってヤツ、そんな強いのか。

正直会いたくねぇなぁ。なんか怖そうだ。

 

「それじゃあ、止めは任せる」

「あら、殺すのは苦手なの?」

「いや。悪魔的に見れば、ここはアンタの領地だろう?なら、関係者の前に下手人がいるんだ。大人しく引き渡すのが正しい判断だと思うね」

「そう。――なら、私が直々に消滅させるわ」

 

再び、先程バイザーに使ったようなドス黒い魔力が放出されて、シルクハットの男が消滅した。

ただなんだろう。恐怖心が薄れた気がする。

 

もっとやべぇのを未だに手に持った男が、そこに居るからだろうか。

 

「では、俺は帰るとしよう。――また何かあったら、会う事になるだろう」

「ちょっと待ちなさい。貴方には色々聞きたい事が――」

「それは、またいつか、な」

 

呼び止める部長の言葉を無視して、男は姿を消した。

 

…結局、なんだったんだ?アイツ。

そんな疑問を残しつつも、俺の悪魔の戦闘見学は終わった。

 

因みに俺の役割は『兵士(ポーン)』。滅茶苦茶下っ端でした。




【オリジナル要素紹介】

『聖書の剣』
・形状は鉈。刃の腹の部分に、その使用したページに記された文章が抜粋されて浮かび上がる。
普通のエクソシストが使う剣とは違い、罪なき人間や天使に対してはただの棒にすらならず、痛みを与える事は不可能。
しかしその反面極悪人や悪魔、堕天使には途轍もない力を発揮する。
主人公は主にヴァーリやその他の強い悪魔や堕天使への対策として用意した。
なので、対悪魔、堕天使という点で順位をつけると、

一位:強力な聖剣(エクスカリバー等)
二位:聖書の剣
三位:下位の聖剣(伝承の神秘性が弱い剣)
四位:エクソシストの剣

となる。



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