太宰イチロウは魔界が怖かった。火も氷も雷もこれまで襲ってなんかこなかった。怖いから必死で仲魔の間に隠れていた。油断だってしたわけじゃない。それなのに、自分と仲魔が死なない可能性を残すたった一つの方法として、一人きりでポルターガイストが詰まったビルの中に入ることになってしまった。

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 太宰イチロウが火の熱さを思い出すのは、例えば友人とロケット花火を打ち合うときだ。ときには横倒しになった吹き出し花火が枯草を焦がしても、倒した友人を面白おかしく責めるのに忙しかったし、火事の心配まではしなかった。

 氷、氷はファストフード店でポテトを摘まみながら、笑い話の合間に紙カップに刺さったストローを上下させたときの感触。あれが氷だ。一番大きな氷なら、遠足でスケートリンクを見た。氷を削って色とりどりに装ったひとたちが回っている。

 同級生にしたって大差ないだろう。スクリーン上の大爆発に照らされながらポップコーンを探る平日の夜が、年に一度や二度くらいはあるかもしれない。

 イチロウの前に悪魔が立ちはだかるようにならなかったら、彼は映画館で隣の友人をつついて、近くの観客に嫌な顔をさせる太宰イチロウだった。

 生活は一変した。彼は東京を守りたくて、悪魔を連れて悪魔と戦うようになった。

 初めて悪魔の火球がイチロウを掠めたとき、彼は動けなかった。火球は隣にいた仲魔を狙った。火からは距離があるように思ったが、制服からは熱せられた繊維の匂いがして、袖口から出ていた指先はじんじんとした。頬に熱い風を感じた。

 怖い。

 氷を扱う悪魔は望む方向に氷を作ることができて、それは生きもののように素早かったし、稲妻はまぶしくて残像がなかなか消えない。

 怖い。

 戦闘を重ねても恐怖からは逃げられない。うす汚れてきた制服を見ても、場違いだとしか思えなかった。硬い外皮も鱗も鎧もない。悪魔ではない自分にどれほどのことができようか。うずくまれば殺される。どれほど怯えていても、悪魔召喚プログラムの扱いについて「スジがいい」と評価されたセンスが彼を生かしていた。

 仲魔に前と後ろを歩かせてイチロウは身を守った。もし不意を突かれてもイチロウが無事なら対処できる。

 すぐ脇のビルを見ると、ヒビの入ったガラスに自分が映っている。何気なく確認して、パーカーのフードに手をやった。フードが裏返っていたとして、それを見るのは次のビルの窓ガラスだけだ。

 前方に視線を戻して五歩も歩かないうちに、膝よりもずっと下から、するはずのない子どもの声がした。

「キミ、ニンゲンだ。遊んでくれよ」

 全身がびくりとする。視線を少しずつ動かすことができた。耳を取ったくまの縫いぐるみのような悪魔がいた。体の色は劣化したプラスチックを思わせる。眼球や歯はなく、ぽっかりと穴だけが開いていた。短い腕はいまにもイチロウがすねの半ばまでたくし上げた制服の裾に届きそうだ。

 仲魔たちが戦闘態勢を取ろうとすると、ビルのほうから、きっと十以上の声が重なっていただろう、大きな叫びが発せられた。

「キミたちじゃ、ない!」

 ビルの前には窓枠から落ちた窓ガラスの破片が散らばっていた。一瞬振動したガラス片は中央で何かが破裂したかのように鋭くイチロウの仲魔を襲った。あるものは突き刺さり、別のものは切り裂いた。奇妙なことに、咄嗟に腕で頭部を守ったイチロウだけには一つも飛んでこなかった。

 仲魔たちの傷が深い。全員回復が必要だ。仲魔の術で回復させて、イチロウ自身も魔石で仲魔の誰かの回復に、それで……それで? 次に同じだけの攻撃を受けたら、イチロウと仲魔の両方から回復を受けた仲魔以外はもたない。回復が使える仲魔がいなくなればそれで終わりだ。でもその仲魔と、自分だけが残ったとして、攻撃にも転じられずに回復し続けることに何の意味があるだろう。無限に回復できるわけではない。魔力もすぐに尽きる。数分延命して何になる。それでも指先をそっとポケットに滑り込ませたとき、ふと頭上に影がさした。足元の悪魔が、遊んで、という言葉と同じ調子で言う。

「死んじゃうぞー」

 厚いガラス窓がイチロウたちの頭上に水平に浮いていた。よく見るとガラス窓は一度割れていて、カチカチと震えながら四角く組み合わさっているのだった。一番鋭く尖ったほうを下にして破片へと戻っていく。破片といっても、それぞれがイチロウの開いた手で二つ分ほどはある。今度の破片はイチロウの頭上にも並んでいた。範囲が広い。さきほどのように加速して向かってくるのなら防ぐ技術がある仲魔はいない。仲魔たちも周囲を見回しているが、良い遮蔽物になりそうなものは、かろうじて背の低い乗用車が数台あるばかりだった。単純な落下でない以上あれでは不十分だ、動けない。

 これだけの強力な悪魔がいるとは彼が所属する組織からも、同じ組織の友人からも聞かされていなかった。

 ビルの窓ガラスには足元にいるのと同じ悪魔がべったりと顔を押し付けていた。六十体はいる。奥の暗がりにはどれだけいるだろうか。これだけ数がいれば大きな窓ガラス一枚分であろうと分担して制御できる。

(強力なんじゃない、数がヤバいんだ……負けた……オレ……)

 イチロウは死なずに負けると思っていなかった。跡形もなくなるか、手足がバラバラになるような想像ばかりしていた。諦めればもしかしたら死なないかもしれないが、諦めなければ死ぬ。相手が人間なら両手を挙げるところだ。悪魔相手にはどうやって降参だと信じてもらえばいい。緊張を高めている仲魔たちに攻撃しないように言う。彼らは明らかにうろたえた様子だった。意見を聞いている猶予はない。

「あ、ああ、遊ぼう」

 震えた声に歓声が応える。通りかかった小学校の運動会で校庭がこんなふうに沸くのを、腹が痛くて学校をサボった昼下がりに聞いた日があった。場にそぐわない平和な午後の記憶が呼び起こされる。その途端、ガラスがまるで非常に重たい金属か何かのように、イチロウの目の前で周囲をずるりと刺し貫いた。イチロウの真上だけ、破片がぶらぶらと揺れている。

(なんで)

 絶命した仲魔の体が崩れると、ガラス片が静かに地面に落ちる音がする。あの見知らぬ小さな悪魔はイチロウのズボンの裾を掴んだ。イチロウの脚を盾に仲魔たちが消滅していくのを覗き込み、頭を震わせる。裾を掴む力が強くなって、庇護を求めるような細い声を出したす。

「オイラたち、アクマは怖いんだ」

 イチロウはその場で吐いた。あまり食べていなかったので、胃液ばかりが出て喉を刺激した。何体かの悪魔たちが入り口から出てきて、彼の背中をさすった。振り払いたかった。

 悪魔召喚プログラムで使役される悪魔は、悪魔自身が息絶えても召喚者か仲魔が蘇生させれば死ななかったかのように復活できる。これは悪魔にとって大きなメリットで、召喚者を守る動機としては大きな割合を占めている。単独では到達できない魔界の奥にも蘇生の仕組みを使えばたどりつけるかもしれない。

 この仕組みを維持するためには召喚者自身まで死んではならない。そしてイチロウはまだ生きている。

(落ち着け、遊びってのに付き合って、ビルから離れて仲魔を蘇生させれば助かる。くそ、遊びってなんなんだ?)

「オイラたち、ポルターガイスト。名前くらいは聞いたことある?」

 イチロウはパーカーの袖口で口元を拭いながら、ポルターガイストに囲まれて壊れたビルへと足を踏み入れた。吐いたあとの口の中が気持ち悪い。

 無人のエントランスで、自動販売機のブーンという音に被さって大勢のポルターガイストの声がする。

 ほかのポルターガイストが浮遊するなか、最初に接触してきた一体はわざとらしくタイル張りの床に足を付け、イチロウの前を歩いた。歩幅が小さいので小走りだ。

 エレベーターホールの奥から作り物の観葉植物が鉢をゆすって近付いてきた。続いてもう一鉢。揺れる葉から砂と埃が左右に振り落とされる。

 鉢が通りすぎたすぐ後ろで、非常階段の扉が勢いよく開いて壁にぶつかる。跳ね返った扉を避けて、中からキャスターの付いた椅子が飛び出した。鉢の後を追うひじ掛け付きの椅子。座面の端が破れて黄色いスポンジがはみ出している。

 観葉植物はエレベーターの両脇に、椅子はそのずいぶん手前に止まり、こちらを向く。キャスターで転がろうとしたが、古くなったキャスターはほとんど動かない。つんのめった挙句に床から浮いて位置を調整した。ポルターガイストがイチロウに椅子を勧める。

 演出じみたユーモラスな動きがイチロウは気に食わなかった。

(ポルターガイストって。いまどきそんな動画、いや、あるかもしれねえけど)

 古くさい印象は拭えない。家の中でラップ音がしたり、食器が飛び回ったりする心霊現象だ。イチロウが魔界と無縁だったとして、今から新しくポルターガイスト現象の動画を撮影して話題になろうと考えることはない。それならまだ、用水路で白骨化した動物を見つける動画を撮ることを選ぶだろう。

 ポルターガイストが腰掛けたイチロウの前に立つ。悪魔の背が低いのでイチロウは腿の上に肘をついた。近付きたくはなかったが、話を聞き逃して相手の機嫌を損ねたくもなかった。

「キミはこれからエレベーターに乗るんだ。それがどれだけエレベーターらしいか教えてくれよ。オイラたちは上りと下りで二組に分かれて勝負する。ずいぶん練習したんだぜー。エレベーターってニンゲン向けだろ? ニンゲン抜きに勝敗を決めようとしてもいつもケンカになっちゃってさー」

「えっ、それだけ?」

「ひでー。電気が通ってないのに動いてんのはあの変な自動販売機だけだぜ? 電気もなしにエレベーターを上下させるなんて、壊しながら魔力で無理矢理やってのけるような難しい技だって、わかんないかなー」

「わっ悪い! オレ、そういうの詳しくないのに簡単そうに言って悪かったよ」

「出た出た、ニンゲンって意味わかんないよなー。自分たちが作ったものに無関心。電球をパチンパチンやるのは簡単だったぜ、それがセンサー式のどうのって、いまやオイラたちの専門外! キミたちだってわかってないんだろ? まー、詳しいとしたらあいつらだよ、ゲームのバグまでひっ被せられてるヤツら。名前は忘れたけどさ。まだどっかに生き残ってるなら忙しくしてるだろうね。で、やる?」

「勿論だろ、やるよ!」

 イチロウは初めて生のラップ音を聞いた。

 何をやらされるのかと思ったが、これなら難しくはない。ポルターガイストに気分よく送り出してもらう想像もできた。調子のいいことを言うのは慣れている。

「じゃあエレベーターとして不自然なところがあったら言ってよ。オイラは審判だ」

 立ち上がるように促された。椅子がどこかに飛んでいき、代わりにネームホルダーが頭の上に落ちてきた。名札の中には消えかかった字で何か苗字が書かれている。椅子と同じ場所から取ってきたのだろう。イチロウはそれを首から掛けさせられてエレベーターの前に立つ。ポルターガイストにエレベーターを呼ぶように言われ、意を決して上向きの矢印が薄く残るボタンを押し込んだ。

「おわっ」

 ボタンは矢印の部分と外周が白く光った。ポルターガイストが腕を組んで解説する。

「目で確認しているだけだぜー。キミが押したから光らせたんだ。制御盤と連動して動かすわけにはいかないから、合図でかごが下ろされる。ほら」

 昇降路の中をかごが下りてくると、本物らしく、操作盤の辺りから到着を知らせる音がチンと鳴った。左右に開くタイプの扉が、その音に少し遅れてなめらかに開く。開く速度の緩急もうまく再現されていた。

 ただ、開いたかごの中には闇が広がっていた。異様な光景にたじろぐ。ホールの床から目で追っていくと、光が届く範囲にかごの中の床が端だけ見えた。かごは来ている。奥が見えないと何か中にいる気がした。ポルターガイストよりもっと獰猛なやつだ。

「……なあ、おかしいって」

 問題があるとは思っていないらしい。なぜ早くかごに入らないのかと促しかけた審判に声を掛ける。

「なにがさ」

「真っ暗だ」

「窓がないからさ」

「乗るときにはいつも明るくないと駄目なんだよ」

「ふーん、なるほどね」

 ポルタ―ガイストが大きなラップ音を一つ響かせる。減点の合図らしい。ざわめきは悲しげなものと沸き立つものと二つあった。

「寝室とはちがうね。部屋に入ったニンゲンが照明をいじるんだと思ってたなー。どうりで探してもスイッチがないわけだ。うん、キミが来て早くも新しいことがわかった。オイラたち、魔界で増えるまでこんな大掛かりなものに手をつけようなんて思わなかったんだ」

 照明がついた。少し黄色味を帯びた薄暗い光だ。古ぼけた雑居ビルならともかく、こんなガラス張りのオフィスビルにはそぐわない。イチロウはその色調に違和感を覚えてエレベーターの照明を見た。

 天井にはポルターガイストがすみずみまで詰まっていた。その反射光だった。

「ふっふーん。ふっふーん。なに。まだおかしい?」

「い、いや何でもないよ」

「魔界に来てエレベーターの乗り方忘れた? ニンゲンは次は中の操作盤をさわらなきゃ」

「そっ、そうだな。何階に行くんだっけ」

「二階」

 ポルターガイストは一度も階数については伝えていなかった。自身でもそれに気が付いたので、審判の不手際を指摘されたと感じて鼻歌をひっこめた。イチロウが慌てて階数ボタンと開閉ボタンを押すと、外側のボタンと同じように光った。操作盤上部の液晶画面は黒いままだ。

「あれは難しくてさ。上りチームはがんばってたけど完成しなかったみたいだね」

 昇降路の中での動きががたついていることは審判もすぐに認めた。ニンゲンの分重たくなるって言ったのに、とぼやきながら、ラップ音を響かせる。液晶パネルがカウントされないのは「専門外」にあたるからだろうか。ラップ音はエレベーターの中でも小さく鳴った。

 二階に到着したことを示す音がして、扉が開く。この動きは乗り込むときと同様うまくできていた。ひょっとして彼らはエレベーターに乗り込んだことはなくても、扉の開閉くらいは見たことがあったのではないか。イチロウはそう感じた。

 遊びの半分が終わってイチロウもポルターガイストに慣れてきた。恐怖が薄れてきた分、表に出てきそうになる嫌悪感を意識して隠す必要があった。相手が一体なら弱いくせに、平気でイチロウに背中を向ける。周囲がお仲間だらけでなかったら。さっきの仲魔たちの唖然とした死に顔を思い出す。周りの目があって睨み付けることも許されないまま、小さな審判に続いて、はこの外に出る。イチロウは突風に煽られた。

(ええっ)

 ビルの二階より上には柱のそばに少し天井が残っているだけで、あとは崩れて空が見えていた。わけがわからなくて振り返ると、エレベーターの昇降路も三階の辺りで折れている。

「うわあああ」

「いきなりなんだよー」

「ワイヤーが切れてる!」

 思えばガラス片に必死だった。ビルの外観は記憶にない。ポルターガイストは誰もエレベーターがワイヤーと重りと滑車で動いているとは言わなかった。

「あー、残ってるの見えた? オイラたち落として割るのは得意でも、切るってなるとどうも非力でさー。あれが邪魔で上げるにも下げるにも苦労するよ。さて、上りチームは減点二。健闘してるね。さあ、ここからは下りの採点だー」

 あれはただの宙に浮いているかごだ。今それに乗ってきたことを思うと、二階であっても脚が震えた。今二階にかごがあるのも、ポルターガイストがずっと支えているだけだ。上りチームはどのタイミングで下り側に交代するんだ。そのときに間違いがあってかごが落ちたら?

 幸い、イチロウたちがかごに乗り込む前に審判が引き継ぎを指示した。かごは大きく一度沈み込んでから元の高さで停止し、扉が開かれる。今度は内部が明るく、奥の鏡に制服の中に黄色いパーカーを着こんだ少年の姿が映る。恐る恐る外に重心をかけたままかごの内側を踏み、ようやく中に立った。このとき扉が一度閉まりかけるという演出は、審判を驚かせるほどエレベーターらしかった。

「加点式じゃないのがザンネンだね」

 重たいかごを持ち上げるのも大変だが、速度を保って下ろすのも難しい。イチロウは短い距離で大きく一度、小さく二度、体が浮かび上がるような感覚を味わい、これは減点対象となった。ようやく一階の扉が開き、一刻も早く外に出たかったイチロウは、かごと一階の床との段差につまずいて、手をついたフロアのガラス片で指を切った。床の高さがずれている。エントランスにはラップ音が二つ響いた。

 審判の講評が始まる。

 エントランスにはポルターガイストがひしめきあった。彼らが浮遊しない悪魔だったら、イチロウがこっそり移動するだけの隙間は残らなかっただろう。

「オイラたちは上出来だよ。上りが減点二、下りが減点二。一つ言っとくとすればね、中が明るくないといけないって上りでわかったから下りの改善が間に合ったんだぜー」

 どうやら大差がないとわかって、ビル全体が喜んだ。観葉植物の鉢が飛び、受付から紙片や文房具が飛ぶ。イチロウのネームプレートも勢いよく引きちぎられてどこかに行ってしまった。ガラス片が飛び交いだしたので、イチロウは審判に聞こえなくてもいいくらいの声で「オレ、帰るよ」と言ってビルから走って出た。

 脱出した。早く別の悪魔と鉢合わせないように仲魔を蘇生させなくては。ああ、どこで。

 これまでは回復や蘇生をするときは安全な場所を求めてビルに隠れていた。トイレの目隠しの裏や、ソファの陰、大きな柱の後ろ。今はとてもそんな気持ちにはなれなかった。

 目の前の歩道橋を駆け上がって這いつくばる。ポルターガイストはイチロウがビルから逃げたことにもう気が付いただろうか。ここは道路からは見えないが、ビルの高いところからは黄色いフードや帽子が目につくかもしれない。ブレザーの背中側を引き上げる時間は惜しい。震える指で蘇生を繰り返し、回復をさせて、イチロウは仲魔たちと一目散にビルと反対方向に駆け出した。

 悪魔たちはイチロウが空白の時間をどのように生き抜いたのかまったくわからなかった。しかしこれ以上怯えられては困るので、誰もが面倒がって尋ねなかった。なにしろイチロウはそれからしばらくビルのガラスにひどく怯えるようになって、ガラス窓に映りこんだ自分や、風で音を立てた割れ窓に対し、何度も攻撃を仕掛けようとしたのだ。


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