帰宅のために暗黒大陸を目指す雑な矛盾   作:これからはずっと一緒だよ

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 これは、この作品の今後についてのお知らせのための1話です。食玩のラムネみたいなものです。
 本編の直接の続きではありません。
 後書きが本体となりますので、必ずそちらをご覧ください。


XX.雑な終わり……?

 キルアまでもが倒れ、からがらゴンが決着をつけ、全てがあるべきところへ収まった後。

 自らの役割を果たしたと確信していたデプスは、現実世界と隔絶した念空間へと呼び出された。

 髪も肌も服も盾も汚れきり、伊達眼鏡だけが輝きを保っている有様のデプスに対し、分厚い本と王笏(セプター)を携えたグイシーンの姿は、既に敗者として晒したそれではなくなっていた。

 黒い髪、浅黒い肌はまだしも、白の布地に金の縁取りのローブだけは、どうしてもデプスと対照的だった。

 

 座り込んでいたデプスが立ち上がり、どういうつもりかを尋ねる前に、グイシーンはそれを見透かして口を開く。

 

「終わったつもりでいるのはそちらだけだ」

「なんだって?」

 

 もはや戦う意味はないはずだと、デプスは2つの碧玉を見返した。睨みつけるほどの気力は、もう残っていなかった。盾も、手に取られず、地面に伏せられたままだった。

 グイシーンは本をどこかへ消すと、右手の王笏、その先端の半月形の刃を、デプスに向けた。

 

「全てが丸く収まったというならば、もはや戦いのための戦いでも構わん」

「そんなキャラじゃなかっただろ」

「それは貴様の勝手なイメージだ」

 

 2つの刃に挟まれたアメジストがキラリと光り、オーラの破壊光線が飛ぶ。これまでの戦闘で見せたものと同じだろうと思っていたデプスは、纏うオーラがごっそりとめくれ上がるような感覚がしたと同時、慌てて盾を拾い上げた。

 盾の赤色に染まった表面が光線を跳ね返してグイシーンを撃ち、回避を強要されたグイシーンは攻撃を中断した。片手で王笏をくるりと一回転させる。

 

「"手を抜いているのはわかっていたが、本気を出すとこんなにも"か。むしろ、全てがわかった今になって、よくもそれだけ見くびってくれるものだな」

「手加減しないで戦えとでも言うつもりなのかよ?」

「その通りだ」

「きっと……いや、絶対に勝てやしないぞ。今ので本気なら」

「そうだとしてもだ」

 

 デプスの言は自信過剰などではなかった。油断なく戦えば、間違いなく勝つという確信があった。しかし、グイシーンを大人しくさせる手立てがなく、死なせて止める以外の方策が思いつかない故に、無意識に及び腰になり、体を盾に隠していた。

 

 暗く無機質で、それでいて互いの姿ははっきりと見える、広大な念空間。グイシーンが再び王笏を突きつける。その目に宿る輝きは理性による決意が発するものであり、それがわかるデプスは、尚の事迷いを深めた。

 グイシーンが、活を入れるように叫ぶ。

 

「さあ来い、デプス=ハーゲン! さもなくば我手ずから、貴様を黄泉路に送ってくれる!」

 

 デプスとグイシーンの全身から迸るオーラが、爆発的に広がった。




 連載の無期停止を行います。永久ではなく、再開がいつになるのかが定まらないという意味で無期です。
 理由を端的に言うと"冨樫が仕事し始めたから"です。

 これまで読んでくださり、また応援してくださり、続きが欲しいと思って下さった方々の期待を裏切る形となってしまうこと、申し訳ありません。
 ひと月近く間を空けて更新されたと思ったら、どうやら打ち切りの気配が漂っている。そのような場合にどんな気持ちになるか、自分でも承知しております。よって説明の機会を得たく、このような形での連絡となりました。

 順を追って説明します。

 これまでは連日連載だったり、投稿までに長くても一週間をかけることがなかったのですが、ヨークシン編を終えて次に進むにあたり、不可避かつ致命的な課題にぶつかりました。
 "いつ、どこで、どうやって終わるか"です。

 このままG.I.編、キメラ=アント編とデプスが原作の展開についていった場合、ただただゲンスルーや女王が事前に排除され、ゴンやキルアも(デプスがあれこれ絡んだり細工をしはすれども)空気で終わることになります。
 それはあらゆる意味で都合が悪いため、どのように流れを変えていくかを考えなければなりません。

 しかし、そもそもこの作品は"よくわからないやつが出てきて1行目でヒソカが死ぬ"という1話きりのネタのつもりだったのが、お気に入りがついたりしたために見切り発車で連載にシフトしたものであり、着地点がまるで決まっていませんでした。

 よって、それを考え始めましたが、書く・読むに値する、"話になる"ラインを満たそうとすると難しく、とにかく悩みました。
 2話(当時0話はありませんでした)を投稿してから、1日に可処分な時間のほとんどはこの作品のために考えたり、原作を読み返したり、実際に書いたりといったことに使っていました。それは投稿していない日や、この3週間も同じでした。
 今なお完全な結論は出ておらず、断片的に設定の補完・追加などを行い、さながらパズルを前に唸っているような状態です。少しずつ進展しながら……

 そんな中、時は5月24日。ツイッターのタイムラインに冨樫義博を名乗るアカウントによるツイートが現れました。
 ご存知かと思われますが、このアカウントは本物であることが集英社から発表され、それから連日行われるツイートは、いずれも例外なく、原稿進捗を伝えるものでした。

 連載が再開されるという希望が出たのはいいことです。無論、我々も喜びました。ツイートが続き、どんどん原稿作業が進捗しているらしいとわかれば、それは更に大きくなりました。
 しかし、"さて、雑文のことでも考えるか"と思った時、思いがけず原作の存在が思考にまとわりついてきました。

 わからない部分を好き勝手するのはよくても、原作の設定と矛盾する点は出したくない。これは、作者としての我々にあるかなり強い芯です。なんなら、わからない部分についても、わからないままにしておきたいとさえ思うこともあります。
 原作キャラの念能力をオリジナルで設定することに踏み切れなかったりしたのも、原作への未練の残滓とでもいうべき何かによるものでした。
 それでもこれまで連載を続けていられたのは、"どうせ原作がもう連載されないから"という諦めが前提にあったからなのです。

 以降も毎日"続きを書く。そのために設定を詰めなければ"と思ってはあれこれと思索を巡らせるのですが、"でも原作進んだらどうするの?"という思いが、キルアの針めいて我々の足を止めました。

 暗黒大陸の実態はまだしも、特に無視できないのが、選挙編以降の新ネームドたちの未だ見ぬ側面の存在でした。
 既に王位継承戦編が終わってスパッと使い捨てられた後だったなら、同様のレルートやカストロやネオンのように好き勝手扱うこともできたでしょうが、今はまだ全てが明らかになっていません。

 連載されないと決めつけていれば、諦めて好きにしましたが、そうもいかなくなりました。出すか出さないか、出すならどのような形にするか、それを考えることをができなくなっていきました。
 24日より前のいつかから、たとえば"デプスはツェリードニヒを殺すかどうか"よりずっと先のことまで考えていたため、ツェリードニヒがどういう人物かによって、その扱いを変えなければならないとか、そういったパラドックスが発生していました。
 そこにパラドックスがあることにさえ気付かないまま、月を跨いでも、"書きたい、完成に向かいたい"という気持ちが体を引っ張っていました。

 気付いたのは、これを投稿する2時間前くらいのことでした。気付いてから、この作品を、というかハーメルンでの活動をどうするかを検討し始めました。
 出した結論は、"自分が納得する内容でこの作品の連載を続行することは現在不可能であるからして、他の作品にその労力を向けるべき"というものでした。

 他にも連載中の作品があるのですが、この作品の続きを書くことになってからというもの、本当に出せる力を全て出し切ってこの作品に注いでおり、それらの更新は停止していました。
 連載開始時は"雑に2、3ヶ月くらいでキメラ=アント編までやって暗黒大陸絡みを1話やって完結、それから元の作品に戻ればよかろう"と思っていたのです。
 それが高評価や感想をいただくうち、自分で納得いかなくなりました。気付けば、ゴンやキルアをどうするか、世界をどうするか、暗黒大陸をどうするかを真剣に考え始める方向にシフトしていました。それも、完結させてやろうというモチベーションになりました。
 他の作品のことが頭をよぎっても、"今はデプスのことだ"と払いました。未だに完結作がないことからも、さほど長くならなそうなこれだけは、という思いがありました。

 一度決めたはずのそれを、自分の手で曲げざるを得なくなりました。好きに書いて欲しいという声もいただき、自分ももし読者だったなら"好きに書いていいから"と言っているところという自覚があるのですが、書く側としては、先に述べた通りの結論となってしまいました。

 真っ直ぐ完結へ向かえなかったこと、再開の具体的な見通しのないまま打ち切り同然で読者の方々に背を向けてしまうこと、心苦しい限りですが、この作品から一度手を離さなければならないというのが自分の中の理屈上確かなため、その通りにすることに決めました。

 また、現在の設定や終わりまでの漠然とした流れを公開することも考えましたが、それをすると完全な打ち切り宣言になってしまうので、やめました。


 これまでも前書き等で常々述べてきましたが、読み続けて下さったこと、感想・一言・高評価・アンケート投票、いずれにも深く感謝しております。ありがとうございます。
 再開のタイミングは原作(というか、冨樫氏の動向)次第となりますが、願わくば、この作品のことは一旦忘れても、お気に入りは削除せず、いつかリスト内で浮上した時にまた読んでくだされば幸いです。

 以上で説明と挨拶を終わります。
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