街灯に照らされた黒いアスファルトが、光を反射する暗褐色の池へと変わっていく。
液体の発生源は、俺。
腹部から流れ出る生ぬるい血が、俺の身体と地面を染めていく。
近くに投げ捨てられた俺の血に塗れた包丁の持ち主は、凶器が俺の身体に刺さる感触と、内臓が傷ついたことで俺の口から溢れた血に驚き、慌てて俺をつき飛ばすと泡を食って逃げていった。
犯人とは俺からすればちょっとした顔見知り程度だ。
奴は今泣きながら必死に傷口を押さえて出血を少しでも止めようとする後輩のストーカーである。
反応を見るに、俺を本気で害するつもりはなく、精々脅かして俺を引き剥がし、彼女の孤立を望んでいたのだろう。
彼女が強引に言い寄られていた所に偶然通りかかり、結果として奴の邪魔をすることになった訳だが、それをきっかけに、この後輩は俺によく懐いた。
「先…しっか……て…さい!……く…えた…、こん……つも…ゃな……たの…」
必死に声をかけ少しでも意識を保たせようとしているが、よく聞こえない。いよいよ駄目らしい。
死ぬのか……来世なんてものがあるのなら……そうだな……これまで仕事をしすぎだといわれていたし、洞窟の隅で名もなき蜘蛛として巣を張ってスローライフでもしてやりたいな……
《確認しました。記憶情報より「名無し」の蜘蛛の存在を検知。当該個体を参考に肉体の生成・スキルの構成を実行します。記憶情報の確認を開始します》
意味のわからない幻聴まで聞こえてきた……
無事の回復を願っているであろう声よりも幻聴の方がはっきりと聞こえるとは、俺も薄情なものだ……
思えば、この後輩は明確に好意をぶつけてきた。
アニメを見ていた俺に話を合わせるために、アニメを見まくって俺より詳しくなってしまったのは予想外だったが。
そういえば、「転生したらスライムだった件」をまだ見ていなかった。見ようと思った時には二期が始まっていて、一期をレンタルで見ようか見放題に登録するかで迷ってそれきりだ。彼女は視聴済みのようだったし、早いうちに見ておけばよかった。
《思考の正常な認識に失敗しました。解読できた単語からスライムに興味があると推測。スライムの付近に転生を行います》
意識が遠のく中、後輩がなにかの許可が欲しいと告げる。
「好きにしろ」と伝えてやりたいが、もはや声も出せないため、頑張って目を合わせ、震える口で音もなく言葉を紡ぐ。
その口の動きを正しく受け取ったのか、後輩がわずかに目を見開いた。
泣き顔がゆっくりと近づいてきて、意識が途切れる寸前、やわらかい感触があった気がした。
体は凍えるほど寒いのに、顔だけは熱かった。
≪確認しました。「耐寒耐性」を獲得。成功しました≫
≪記憶情報の確認が終了しました≫
≪肉体の生成を開始します≫
≪転生体の候補が複数存在するためエクストラスキル「身体変成」を獲得。成功しました。一時的な措置として、肉体をホワイトスパイダーとして生成。成功しました≫
≪「身体変成」のプリセットとして、ホワイトスパイダー・アーマースパイダー・アラクネを設定。各種族の固有スキルを獲得します。「毒攻撃」/「腐食攻撃」/「畏怖」を獲得。成功しました≫
≪転生体の情報に【大魔王】を検知。これにより魔王種を獲得。成功しました≫
≪転生体の情報に【勇者】を検知。これにより勇者の資質を獲得。成功しました≫
≪スキルの再現を開始します≫
≪【集中LV10・思考超加速LV6・並列意思LV10・高速演算LV10・五感大強化LV10・知覚領域拡張LV8・神性領域拡張LV9・魔道の極み・叡智】をスキルにより再現。ユニークスキル「大賢者」を獲得………………失敗しました。すでにスキル獲得者が存在します。代替措置を検討…………代替措置として新たにスキルを作成します…………前述のスキルの再現として、ユニークスキル「
≪【隠密LV10/隠蔽LV2/ 無音LV10/無臭LV8】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【糸の天才LV10/操糸 LV10/念力LV9/投てきLV10/射出LV10/神識糸】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【未来視LV6・暗視LV10・万里眼LV4・呪怨の邪眼LV9・静止の邪眼LV8・封印の邪眼LV3・乱魔の邪眼LV2・引斤の邪眼LV7 ・歪曲の邪眼LV4・死滅の邪眼LV6】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【傲慢】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【怠惰】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【救恤】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【忍耐】をスキルにより再現。ユニークスキル「
≪【HP超速回復LV8】をスキルにより再現。エクストラスキル「超再生」を獲得。成功しました≫
≪【SP高速回復LV10】をスキルにより再現。エクストラスキル「高速回復」を獲得。成功しました≫
≪【魔神法LV8・闘神法LV10】をスキルにより再現。エクストラスキル「魔力強化」を獲得。成功しました≫
≪【外道無効】をスキルにより再現。エクストラスキル「精神干渉無効」を獲得。成功しました≫
≪【魔力付与/魔法付与/気力付与/技能付与/打撃無効/状態異常無効/苦痛無効/痛覚無効/空間機動/毒合成/薬合成/過食】をスキルにより再現。それぞれ同名のエクストラスキルとして獲得。成功しました≫
≪【破壊大耐性LV6/斬撃大耐性LV6/貫通大耐性LV6/衝撃大耐性LV6】をスキルにより再現。「物理耐性」を獲得。成功しました≫
≪【酸耐性LV8】をスキルにより再現。「酸耐性」を獲得。成功しました≫
≪【腐食大耐性LV6】をスキルにより再現。「腐食耐性」を獲得。成功しました≫
≪【気絶大耐性LV1】をスキルにより再現。「気絶耐性」を獲得。成功しました≫
≪【火炎耐性LV9・水流耐性LV3・暴風耐性LV8・大地耐性LV9・雷光耐性LV3・聖光耐性LV6・暗黒耐性LV9】をスキルにより再現。「耐熱耐性」/「水流耐性」/「烈風耐性」/「大地耐性」/「電流耐性」/「聖属性耐性」/「魔属性耐性」/「魔力耐性」を獲得。成功しました。…………「耐寒耐性」と「耐熱耐性」を獲得したことによりスキルが変化します。「熱変動耐性」を獲得しました。…………「水流耐性」、「烈風耐性」、「大地耐性」、「熱変動耐性」を獲得したことによりスキルが変化します。エクストラスキル「自然影響耐性」を獲得しました。「聖属性耐性」と「魔属性耐性」を獲得したことにより、スキルが変化します。エクストラスキル「聖魔属性耐性」を獲得しました≫
次回「竜と蜘蛛とスライム」
テクト・テンペスト
前世:白織 拓磨
種族:ホワイトスパイダー
見た目は「蜘蛛ですが」のスモールスパイダー。一人称視点の状態。エクストラスキル「身体変成」により、見た目の変更が可能。スキル説明で後述。
原作知識について
転スラ
ほぼなし。一部主要キャラの名前や外見がわかる程度。
蜘蛛ですが
アニメおよびポータルサイトからのスキル知識。能力未登場のスキルについては想像で補完しており、獲得スキルに一部影響している。
ユニークスキル
「無不知」(叡智得たもの)
構成要素
≪集中LV10/思考超加速LV6/並列意思LV10/高速演算LV10/五感大強化LV10/知覚領域拡張LV8/神性領域拡張LV9/魔道の極み/叡智≫
「大賢者」と同様の権能を持つ。他のスキルとのと連携も可能。
これに加え、魔法での使用魔素の低減、魔素の高速回復、「叡智」のマーキング、魔法構築補助、鑑定での完全看破。「魔力感知」と同様の効果。さらには五感の超強化。
本来なら「大賢者」を取得するところだったがリムルが持っていたため全要素をぶっこんだチートスキルと化した。
「捕獲者」(捕らえるもの)
構成要素
≪糸の天才LV10/操糸 LV10/念力LV9/投てきLV10/射出LV10/神識糸≫
魔素による糸の生成、操作を行う。糸の色・質感の変化が可能。
糸は空中に固定することもでき、どこでも営巣を行うことができる。糸により行動力を失わせる、もしくは本人の同意をもって「巣」の内部への収納が可能。「巣」は「捕食者」の胃袋と同様に解析・鑑定を行うことができる。簡単な測定程度なら取り込む必要はない。
「隠蔽者」(隠すもの)
構成要素
≪隠密LV10/隠蔽LV2/ 無音LV10/無臭LV8≫
アーツの隠密のように姿を消せる。ただしアーツよりも痕跡が残りにくい。また、オーラ等の隠蔽も可能。匂いや音だけ消すこともできるが、基本的には使わない。
アーツの隠密を看破できる。
「嘱目者」(見つめるもの)
構成要素
≪未来視LV6/暗視LV10/万里眼LV4/呪怨の邪眼LV9/静止の邪眼LV8/封印の邪眼LV3/乱魔の邪眼LV2/引斤の邪眼LV7 /歪曲の邪眼LV4/死滅の邪眼LV6≫
各種邪眼の効果発揮が可能。
未来視は常時発動しており、スマブラSP「灯火の星」でのシュルクのビジョンのように少し先の危険を予知する。ただし、自身への危険のみ。仮定未来の予見は不可。
呪怨:ダメージを与えつつエネルギーを奪う。
静止:動きを止める。相手との力量差がありすぎるとわずかに抑止する程度。
封印:スキル・アーツの使用不可。力量差が大きいほど失敗する確率が上がる。
乱魔:魔法の発動を妨害する。
引斥:重力に干渉する。
歪曲:空間をゆがめる。
死滅:腐食属性での攻撃を行う。反動は元ネタ程でなく一度ごとに目を使いつぶすようなことはない。
「才能者」(才あるもの)
構成要素
≪傲慢≫
自身およびスキルの成長促進。アーツ習得、効率化等様々な面で効果を発揮する。
「空費者」(無駄を生むもの)
構成要素
≪怠惰≫
周囲の消耗が増大する。ただし無差別。
「救済者」(救うもの)
構成要素
≪救恤≫
周囲の味方と認識したものの傷を高速で回復させる。部位欠損を回復させるほどの効果は得られない。
「執着者」(しがみつくもの)
構成要素
≪忍耐≫
即死するような攻撃をギリギリで堪える。
エクストラスキル
構成要素の記載がないものは同名スキル
「身体変成」
イメージした蜘蛛子の姿が複数存在したために新しく構成されたスキル。
見た目としては一人称視点での蜘蛛子がもととなっている。
変身できる形態は以下の三種類。
ホワイトスパイダー
基本形。スモールタラテクトと同じ見た目。
固有スキル:「毒攻撃」
ホワイトスパイダーでは牙でのみ毒攻撃が可能。糸との併用可。
理由は本来ならスモールポイズンタラテクト以降のスキルであるため。
アーマースパイダー以降は足でも利用可能。
アーマースパイダー
ゾア・エレと同じ見た目。
固有スキル:「腐食攻撃」
鎌状の前腕を使い、腐食攻撃を行うことができる。元ネタほど反動が激しくなく、耐性なしでも体を使い捨てるようなことにはならない。
アラクネ
「蜘蛛ですが」同様蜘蛛の頭から体が生えている。白髪に真紅の目。
リムル曰く中性的だがイケメン。
固有スキル:「畏怖」
自身を視覚にとらえた相手に恐怖を与える。テクトに対する感情により効果増減。
最大で失神。最低で無効化。
威圧するように使うことで効果増大。
アラクネ状態ではON/OFF不可。アラクネ以外でも使えるが効果は落ちる。
「超再生」
構成要素
≪HP高速回復≫
身体の修復が可能。ただし、「超速再生」ほど早くない。魔素とエネルギーを集中することで再生を早めることは可能。
「高速回復」
構成要素
≪SP高速回復≫
体力の回復が早くなる。息切れしにくい。
「魔力強化」
構成要素
≪魔神法LV8/闘神法LV10≫
魔素を消費して自身の攻防力を上げる。
「魔力付与」
魔素を物体に与えて、一時的に性能を上げる。
「魔法付与」
魔法の効果を物体に与える。
「気力付与」
体力を消費して一時的に物体の硬度を上げる。
「技能付与」
自身の持っているスキルの効果を付与する。
「過食」
限界以上に食事の摂取が可能。ただし、無理に詰め込むのと変わらないため言いようのない苦痛が伴う。
体重等の増加はなく、機動性が落ちることはない。
「毒合成」
効果の様々な毒を自由に作成可能。
「薬合成」
ハイポーション以下の性質の薬を作成可能。作成した薬は別の液体と混ぜると効果を失う。
「空間機動」
魔素を消費し空中に足場を作る。上下左右は自由。
耐性
≪≫内は構成要素
エクストラ
打撃無効/状態異常無効/精神干渉無効≪外道無効≫/苦痛無効/痛覚無効/自然影響耐性
コモン
物理耐性/魔力耐性/重圧耐性≪重大耐性LV8≫/酸耐性/腐食耐性/気絶耐性
魔法
使用可能
外道魔法
影魔法/闇魔法/暗黒魔法/深淵魔法
空間魔法
毒魔法
治療魔法
風魔法
土魔法/大地魔法
光魔法
紅蓮の絆編は書いた方がいいのか
-
書くべき
-
書かなくてもいい