転生時の要望が違う形で受け取られた件   作:篠白 春夏秋冬

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109話:魔国連邦組織表

 魔王への進化(ハーベストフェスティバル)に伴う戦死者の復活を祝う祭り―“テンペスト復活祭”を身内だけで密やかに行った頃。

 

 いよいよ東の帝国との戦争が近づいていた。

 

 軍事境界線付近の主要都市に、続々と物資が運び込まれており、敵の準備は着々と進んでいるようだ。

 

 水面下での緊張が高まる中、これまで通り来るもの拒まずというわけにはいかず、魔国連邦への入国審査も厳重に行われるようになった。

 

 現在は身元の確かな冒険者や商人、紹介等の資格のある者のみ入国を認めており、その際にドワルゴンを参考としてルールなどについて簡単な教育を行うことにしている。

 

 また、入国目的の聞き取りも行っている。

 

 移民目的の者については専用の施設へと案内し、より詳しい教育を行って働く手段を学んだ後に入国許可が下りることになっている。

 

 迷宮が目的の者など金のない者は闘技場周辺のエリアへ、保養目的の貴族などは観光区などの高級宿泊施設のある区画へと案内している。

 

 これらの棲み分けを行うことでトラブルを防止していた。

 

 ただ、それらの区画をまたいで移動できないわけではなく、迷宮で安定して稼げる者や泡銭を得た者であれば、高級店を利用することもある。

 

 粗暴な者の多い冒険者であっても問題に即座に対処できるよう厳重に警備されている区画でやらかす者はおらず、問題は起きていない。冒険者ランクに応じて一定の権利を認めているのも理由の一つだろう。

 

 工芸品や武具の売れ行きも好調で、魔国連邦で仕入れた商人により各地で販売され、評判を聞いた一般利用客も増えていた。

 

 首都の賑わいに伴い、交通網の整備も進んでいる。

 

 サリオン方面はトンネルも開通し、舗装もほぼ完了。間もなく直通の街道が利用可能となる見込みである。

 

 ファルメナス方面は線路の敷設工事が進行中。

 

 イングラシア方面は既に開通し、ドワルゴン方面に至っては停車駅のある宿場町の整備まで済んでいた。

 

 その道中、ジュラの大森林を抜けてアメルド大河と交わる地点は、休憩場所にも丁度良く、街道工事の際には基地として活躍していた。川に沿って線路を敷設したことでこの場所を中間地点とすることとなり、近場に住む魔物達まで寄り集まって、小さな町が出来ていた。これを利用することになり、整備を行って宿場町として発展させた。

 

 余談だが、今後、中継駅のある主要都市となるこの町には「テクト」という名が付くことが内定した。自分の名前の都市が出来るという羞恥プレイにテクトは当然のように抵抗したが、幹部陣から反対が出なかったことと首都「リムル」の名を決める際にした約束が持ち出されたことで白旗を上げた。

 

 ユーラザニア方面は街道の拡幅までは終わり、舗装の出来ていない区画こそあるものの、往来自体は出来るようになっていた。

 

 街道には常夜灯や結界が敷設され、安全性が確保されているため各方面で往来は多い。

 

 さらに、ドワルゴン方面とイングラシア方面では魔導列車の試験運用も始めており、データの収集を進めている。

 

 現地での運用データを元に運用サイクルや運賃、時刻表の設定など細々とした実用化のための計画を進めている。

 

 目下の問題はやはり東の帝国なのだが、どうあっても魔国連邦が矢面に立つことは避けられなかった。

 

 西方諸国評議会への参加前の喫茶店で話した通り、ジュラの大森林を侵攻するルートが最も可能性が高い。ヒナタの調べではドワルゴンを通過するルートもあるのだが、かの国が難攻不落の地下帝国である上に同盟国である魔国連邦の援軍を考えると、こちらを警戒する優先順位は低いのだ。

 

 ジュラの大森林内で軍事行動が可能なルートは三つ。

 

 その一つはドワルゴンとの隣接領域であるため、このルートでの侵攻であれば帝国はドワルゴンと魔国連邦による挟撃を受けることになるので可能性は低い。

 

 残りは二つ。しかし、ヴェルドラを相手に正面からの撃破を狙うとは考えづらく、囮部隊を使って正面戦闘を避ける可能性が高い。これに対応手段を講じるのであれば、一方にヴェルドラ、もう一方に全軍を配置して両方の部隊を相手取れるようにすることだ。しかし、戦争を繰り返してきた帝国が単純な作戦を取るとは思えなかった。

 

 そもそも、帝国が魔国連邦を舐め切っていて正面から全軍を差し向けてくる可能性もある。

 

 さらには、森林という立地を利用してゲリラ戦法を行いながら森を突破することも考えられた。

 

 どれほど思考しても結論の出ない状況に、帝国への先制攻撃さえも候補に挙がる状況にリムルが結論を先送りにして菓子を食べているとベニマルとディアブロを伴ったテクトが入ってきた。

 

「お、お疲れさん。今日はどうだった?」

 

「今日もカレラだね。ちょっと勝敗が寄ってきたから戻しにかからないと」

 

 菓子を口に放り込みながら唸るテクトにリムルは苦笑する。

 

 しばらく考え込んでいたが、時間が来たので打ち合わせを始めるのだった。

 

 

 

 移民の増加により国力は上がっているが、問題も出てきている。

 

 その一つが仕事の割り振りである。

 

 これを怠れば雇用統計が悪くなり、景気は悪化する。そうなれば犯罪率は上がり、衰退に向かっていくのだ。

 

 故に、雇用を適切に管理することが必要なのだが、十把一絡げには解決できない問題である。移民それぞれの能力には個人差があり、誰にでも割り振れる単純作業には限りがあるためだ。

 

 これまでは発展途上であり、各地での工事作業があったため問題なかったが、それらの終着が見えてきたことで今後どうするかが課題となっているのだ。

 

 能力のあるものはそれに合わせた職にあてがうだけなのだが、知識も金を稼ぐ手段も持たない者をそのまま受け入れるのは難しかった。

 

 そこで設立されたのが教育機関である。

 

 入国審査の際に出来ることを確認し、それに沿った学習を促すための施設であり、運用をしているのはベニマル管轄の軍隊である。

 

 その中でも、とりわけ軍への志願者は増加傾向だ。

 

 軍に所属すれば食事に困ることはなく、技術習得も出来て職の斡旋まで受けられるという噂が広まり、増えている移民だけでなく冒険者や傭兵まで現れている。練度としては警備に使えるかどうかという程度であり、戦争が現実味を帯びてきた現在では志願者達をどう扱うかが問題となっていた。

 

 そこで部隊の再編が行われることになった。

 

 ちなみにリムルとテクトは同格として君臨しているが、魔国連邦の軍の統帥権はテクトが全てを握っていた。指揮権の次席にはベニマルが座り、軍についてリムルに出来ることはあまりない。だが、王としてまったくの無知というわけにはいかないため編成の会議には顔を出していた。

 

 その結果決まった組織表がこちらである。

 

 

 

 まず、ベニマル麾下として設立された軍団が三つ

 

 第一軍団

 

 ゴブタを軍団長とし、軍事顧問にハクロウが就いている。

 

 リムルが発案したこの人事に関しては賛否両論あったが、“四天王”という地位と部下からの人望、戦時には観察官としてテスタロッサを派遣するという条件づけの下承認された。

 

 傘下の兵は以下の通り

 

 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダーズ)百名

 

 個々人がA-ランクまで成長したゴブタに馴染みのある部隊だ。

 

 緑色軍団(グリーンナンバーズ)一万二千名

 

 Bランク相当の上級兵一名とC〜Dランクの下級兵二名の三人一組で行動する。一年ほどで大きく兵数が増えたが、大半がジュラの大森林出身の魔物ということで大きな問題もなく運用が出来ている。

 

 

 

 第二軍団

 

 軍団長はゲルドであり、現在は工作部隊として各地に散っている。戦時下では呼び戻され、魔国連邦の主力軍となる。

 

 傘下の兵は以下の通り

 

 黄色軍団(イエローナンバーズ)二千名

 

 個々人がB+ランクでありゲルドと一体となって鉄壁の守りを可能とする。こちらも以前からゲルドの配下であった部隊である。

 

 橙色軍団(オレンジナンバーズ)三万五千名

 

 猪人族の志願兵が加入した者たちであり、Cランク程度の強さがある。この内ベテランである一万五千名が戦闘に参加し、残り二万名は後方支援や工作兵となる予定だ。

 

 

 

 第三軍団

 

 軍団長は設立者でもあるガビルであり、遊撃飛空兵団である。

 

 傘下の兵は以下の通り

 

 飛竜衆(ヒリュウ)百名

 

 個々人がA-ランクに達しているのは狼鬼兵部隊と同様だが、飛行能力や耐久力では上をいっており、魔国連邦最強部隊である。一部の者はAランクに達し、「竜戦士化」という奥の手を有している。

 

 青色兵団(ブルーナンバーズ)三千名

 

 蜥蜴人族の戦士団からの志願兵で、ガビルを慕ってきた者たちだ。その能力はC+ランク程度だが、彼等の本質はそこではない。

 

 最大の特徴は飛空龍(ワイバーン)に騎乗して戦うことにあり、制空権を支配する強力な部隊―となる予定である。

 

 というのも、現在の飛空龍の数は三百匹程度であり、今は飼育と支援が主な仕事となっている。

 

 

 

 そして、三つの軍団には属さない部隊が三つ

 

 一つは“紅炎衆(クレナイ)” 三百名

 

 ベニマルの親衛隊であり、最低でもA-ランクという精鋭集団である。筆頭であるゴブアを始めとして聖騎士との一対一で戦える者も存在している。

 

 次に“藍闇衆(クラヤミ)” 百名以上

 

 ソウエイ直轄の情報部隊であり、実態を知る者は多くない。リムルでも詳細までは把握していないのである。

 

 Aランクを超える者も在籍しているのだが、その中にはテスタロッサが司法取引で引き抜いた者も含まれている。

 

 傭兵団“緑の使徒(ヴェルト)”の団長であったジラードや、ミザリー召喚で意識を失っていたアインもテスタロッサによって目覚めさせられ所属していた。

 

 最後に、“紫克衆(ヨミガエリ)” 百余名

 

 シオン配下のこの部隊は、とにかくしぶといことを売りにしている。

 

 再生能力頼みに迷宮完成前から過酷極まる特訓を積み重ね、Aランクに手が届く可能性がある者も出始めた彼等は、リムルとテクトの親衛隊という位置づけとなっている。

 

 万が一の場合は“紫克衆”が時間を稼ぐ間に逃げるということになっているのだが、それを聞いたリムルは苦々しい顔をしていた。

 

 ちなみにシオンにはもう一つ、組織表には組み込まれていない非公式の部隊をもっており、本人達はシオンの直属部隊を自称している。

 

 実態は単なるファンクラブであり、ダグリュールの息子達を隊長格とする千名ほどの人魔混成の部隊となっていた。

 

 

 

 最後に、今回の再編にて決定した魔国連邦軍全体のまとめである。

 

 対東の帝国として右翼に魔国連邦、左翼に西方諸国評議会の軍が配置されている。

 

 右翼にはここまでに列挙した軍団が配置されており、

 

 第一軍団-ゴブタ麾下、約一万二千名

 

 第二軍団-ゲルド麾下、約三万七千名

 

 第三軍団-ガビル麾下、約三千名

 

 総数、およそ五万二千名となっている。

 

 これら全てが魔国連邦の常備軍であり、兵站にも十分な余剰を残している。

 

 建国から数年での成長となれば驚異的な成長速度といってよかった。これは百万を超えてなお増え続ける人口と工作兵として各地で活躍する第二軍団あってこそである。

 

 そのため常駐している軍は第一・第三軍団を合わせた一万五千ほどとなるので、東の帝国に対する戦力としては不十分である。もちろんいざ戦争となれば工事を即刻中止して第二軍団は呼び戻す予定だが、十分とは言い難かった。

 

 しかし、西方諸国それぞれの軍を動員するのにも問題があった。

 

 侵攻を受ける以上西方諸国にとっても対岸の火事というわけではないのだが、軍が出払っては西方諸国内部で問題が発生した場合の抑止力がなくなる。敵による工作も視野に入れると動員は現実的ではなかった。

 

 仮に何か起きても魔国連邦内部には問題ないが、西方諸国の統治には多大な影響を及ぼすことは想像に難くない。

 

 それを考慮に入れたうえで決定したのが左翼として設定した軍である。

 

 西方配備軍-十五万

 

 魔人混成軍-三万

 

 義勇兵団-二万

 

 これらが魔国連邦の指揮下にある。

 

 まず、西方配備軍だが、評議会所属となる軍団で、各国の国軍とは別口である。

 

 これは評議会の軍権を持つ魔国連邦を中心として評議会が直接雇っている軍団だ。

 

 元々評議会所属の軍は形式上ではあるが存在していた。しかしそれは、各議員が国元から連れてきた騎士や兵士が主体であり、千人程度しかいなかった。業務もイングラシア王都の会場警備が主だった。

 

 というのも、原則として各国それぞれで自衛することになっていたため、連合軍の組織などされていなかったのである。

 

 軍権の確保をしたのも“魔導列車”の軌道敷設工事などを行う工作部隊の派遣に、各国の承認を得る手続きを排除することが主目的だった。

 

 そのため、有事の際には魔国連邦から軍を派遣する予定として形式上の兵は解体していた。

 

 そのうえで魔国連邦出資のもと治安維持部隊を現地採用することになったのだが、軍に所属すれば食うに困らないという噂が広がり、十五万もの人数が集まったのだ。

 

 しかし、主な役割は各国での工事である。

 

 これにはテスタロッサの推進した構造改革が関わっている。政府開発援助(ODA)のような技術者を派遣して現地人を雇用し技術習得を進める技術供与の形が形成され、これが大きな反響を呼んでいた。

 

 支援の裏で発生する見返りとして永続的な税の徴収や魔国連邦側の関税の撤廃など様々な利権の回収が含まれていたりするが、一見して継続的な支払いだけで初期投資なしに利便性を得られるということで大好評だったのだ。

 

 その際の工事に魔国連邦の工作部隊では人手不足となり、雇用を広げていったというのが噂の元である。

 

 これらの雇用者をテスタロッサは工事の完了後は解雇するつもりだったのだが、各国も再雇用することなく放置する構えだったため、テクトが訓練を施して正式な治安維持部隊として再編したのだった。

 

 現状での練度は警備が精々だが、今後は災害復興や都市防衛などに役立てる予定である。

 

 次に魔人混成軍は、クレイマン配下だった魔人が主な構成員となっている。

 

 工事に携わっていた捕虜達から戦闘に覚えのある者が志願している。

 

 ゲルドの誠実さと十分な食事と仕事を与えられた魔人たちに含意はなく、自らの居場所を守るために立ち上がったのだ。

 

 そこに戦争の噂を聞きつけたジュラの大森林の各地から協力を申し出た者達を合わせ、魔人混成軍が結成された。

 

 最後の義勇兵団だが、魔国連邦や近隣諸国から集まってきた人間からなっている。

 

 魔国連邦が敗北すれば周辺諸国は蹂躙されるのが目に見えているため、絶望的な状況からささやかな抵抗をするよりも、最初から魔国連邦側の戦力として加わる方がよいと考えた結果なのか、全面的に協力する姿勢である。

 

 内訳は冒険者や傭兵がほとんどで、移民からの志願者も多い。ついでにダンジョンに潜って一攫千金を狙っていた連中も加わっている。

 

 連携など取れようもないので軍行動は期待できないが、それなりの戦力にはなるだろうと一応計上されていた。

 

 ここで問題となるのが、左翼各軍の軍団長の任命だった。

 

 右翼は魔国連邦-ひいてはテクトとリムルへの忠誠心の高さから決定に口を挟むことはなく素直に従う。

 

 しかし左翼が様々な国から集まった者達が主であるうえ数も多く、纏めることが難しくなっていた。

 

 西方配備軍についてだが、テスタロッサが外交武官と軍団長を兼任することに決められた。

 

 実際に戦争となった場合はテスタロッサを呼び戻すことになるので、その間は西方諸国の治安維持を担い、細かい連絡はモスを経由して行うことになる。

 

 魔人混成軍についてはベニマルへ任せることになった。

 

 リグルを軍団長へ据える案もあったものの、魔国連邦の魔物達と違って魔素量だけでなく技量を上げることで強くなれるという認識に乏しい魔人達の寄せ集めである彼らを纏め上げるのには時間がかかるため、「大元帥」によって練度不足を補えるベニマルが指揮を執ることになった。

 

 これに伴って名称を赤色軍団(レッドナンバーズ)と改め、“紅炎衆”から選出された千人長を派遣して統率を図ることとなった。

 

 そして、義勇兵団の軍団長だが、マサユキに決定した。

 

 本人は嫌がっていたが、五十階層でゴズールとの闘いでの援助を盾に押し通し、無事に就任させた。

 

「英雄覇道」の効果もあって反対意見など出ることなく、先勝気分まで蔓延しだしたことで若干の失敗を感じつつも、まとまりをもった戦力として数えられる軍団となったことにテクトは胸をなでおろしたのだった。

 

 

 

 最終的に右翼五万二千、左翼五万が配置され、テクトを頂点、次席にベニマルを据えて、各軍団長による指揮のもと運用されることとなる。

 

 予備選力として西方配備軍十五万。そこに各国が組織を進めている西方連合軍が二十万ほどが加わる予定である。

 

 西方連合軍に関してはテスタロッサの脅しが要因らしいのだが、そうでなくとも東の帝国による開戦の気配に一応の準備自体はされていたようだった。

 

 帝国の動員する兵数は三十万は下らないとされていて、ともすれば百万を超えるということで十分とは言えないが、ヴェルドラの存在やミリム、ルミナス、レオンといった魔王達からの協力も期待できる。また、組織表に含まれていないディアブロ麾下の黒色軍団という切り札もある。

 

 懸念材料となるのは最初の悪魔だが、警戒しすぎても仕方がないのでひとまず考慮から外している。ヴェルザードが一度滅ぼされたのも、かの悪魔が執着している人間をいやがらせで殺された報復であるため、その特定個人に手を出さなければ戦線に出てくることはないと考えられた。

 

 その人間が前線に出てくる可能性も考えたが、竜種に挑みかかる理由になるほど執着する相手を危険にさらすとは考えづらく、できる限り匿う可能性の方が高い。最悪の場合はテクトの死の可能性を賭け皿に乗せてギィに参陣を要請することにしている。

 

 

 

 一年前-人間と争うことを厭うあまりに様々なものを失いかけたあの日-テクトから敵への容赦というものは消え失せた。

 

 今のテクトにあるのは敵となるのであればどんな相手でもあらゆる手を駆使して叩き潰すという純然たる決意のみ。

 

 戦端が開かれる日はすぐそこまで迫っていた。

 


 

 次回「」




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